トロピカミド

成分名

トロピカミド

適応症状

診断または治療を目的とする散瞳と調節麻痺

簡易説明

トロピカミドを成分とするミドリンM点眼液は、副交感神経支配の筋肉に作用しその緊張を緩和させることによって、散瞳させたり、ピント調節を司る筋肉を休ませたりする調節麻痺剤です。
仮性近視やスマホやパソコン作業による眼の疲れの回復にも有効です。
通常、虹彩炎などの目の中の炎症の治療や、ピント調節の改善に用いられます。また、眼底検査や屈折検査などにも用いられます。

処方可能な診療科目

眼科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約1,000円~3,000円
先発薬点眼液0.4% 18.7円 (0.4%1mL)
薬代後発薬1錠の目安:
後発薬点眼液0.4% 約17.4円(0.4%1mL)
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

販売開始年月 1964年2月

国内のジェネリック認可

国内ジェネリック認可あり

関連製品(先発薬)

ミドリンM点眼液0.4%【製薬メーカー:参天製薬】
ミドリンP点眼液 (トロピカミド・フェニレフリン塩酸塩配合剤)【製薬メーカー:参天製薬】

関連製品(ジェネリック)

トロピカミド点眼液0.4%「ロートニッテン」
サンドールMY点眼液0.4% 「ロートニッテン」

・ロピカミド・フェニレフリン塩酸塩配合剤として
オフミック点眼液「わかもと製薬」
サンドールP点眼液「ロートニッテン」
ミドレフリンP点眼液「日東メディック」

効果・作用

ミドリンM点眼液(一般名トロピカミド)は、眼球内のレンズを調節する毛様体筋が必要以上に収縮することで一時的に近視の状態となる「仮性近視」に効果があるとされています。
ミドリンMを点眼すると、調節麻痺作用により毛様体の過度な緊張が和らぎ、近視が改善するのです。あくまでも調節力を回復させる目的で使用する目薬であり、眼軸が伸びる軸性近視の進行を抑える働きはありません。
少ししみる目薬のため、一般的には点眼は寝る前とし、目薬をさした後は眼を使う作業はしないよう気をつけましょう。また、点眼後には瞬きをしない、眼を閉じて目頭を1~5分くらい抑えておく必要があります。
点眼しても視力が回復しない場合は、早めに眼鏡などでの矯正を検討しましょう。
トロピカミド点眼液を寝る20分前くらいに点眼すると眼の緊張を緩和し、ピントを調節する筋肉を休ませる作用があります。そのため仮性近視やスマホやパソコン作業による眼の疲れの回復にも有効です。

トロピカミドは、1955年に開発されたアトロピン類似の副交感神経遮断作用を持つ散瞳薬であり、
フェニレフリン塩酸塩は、アドレナリンのパラ位の水酸基を除いた化合物で、アドレナリン類似の交感神経興奮作用を持つ散瞳薬である。しかし、「トロピカミド」「フェニレフリン塩酸塩」各々単味の製剤では年齢により散瞳作用に差が認められることや、副作用の報告も多く、問題となっていました。
ミドリンPは、副交感神経遮断による散瞳及び毛様筋麻痺作用を有するトロピカミドと交感神経興奮による散瞳作用を有するフェニレフリン塩酸塩を配合した散瞳剤です。

散瞳に使う点眼液は、ほとんどの場合、ミドリンP点眼液(トロピカミドとフェニレフリン塩酸塩配合)を使います。
ミドリンMはトロピカミドのみで、フェニレフリンを含まない点眼液です。
ネオシネジンは、フェニレフリンのみの点眼液です。

使用方法

散瞳:通常、1回1~2滴を1日1回点眼します。
調節麻痺:通常、1回1滴を3~5分おきに2~3回点眼します。
いずれも、必ず指示された使用方法に従ってください。

小児の場合、特に医師の指示を守って使用してください。
まず手をせっけんと流水でよく洗います。下まぶたを軽く下にひき、点眼します。このとき、容器の先がまぶたやまつ毛、目に触れないよう注意してください。点眼後はまばたきをせず、そのまましばらく(1~5分)まぶたを閉じ、涙嚢部(目頭のやや鼻より)を指先で軽く押さえます。あふれた液は、清潔なガーゼやティッシュで軽くふき取ってください。他の点眼液も使う場合は、5分以上間隔をあけてください。
ソフトコンタクトレンズをつけている場合には、レンズを外してから点眼し、5~10分間の間隔をあけてからレンズをつけてください。
点眼し忘れた場合は、気がついたとき、すぐに1回分を点眼してください。ただし、次に点眼する時間が近い場合には点眼せず、次の通常の時間に1回分を点眼してください。2回分を一度に点眼してはいけません。
誤って多く点眼した場合は、医師または薬剤師に相談してください。
医師の指示なしに、自分の判断で点眼するのを止めないでください。
■生活上の注意
点眼後、まぶしく感じたり、物がぼやけて見えることがありますので、症状が回復するまでは、機械類の操作や自動車などの運転は行わないでください。まぶしく感じるときは、必要に応じてサングラスを着用してください。

副作用

主な副作用
眼圧上昇/結膜炎/眼刺激/眼瞼炎/眼そう痒感/皮膚そう痒/発疹/蕁麻疹

【注意すべき副作用】
眼圧上昇/結膜炎/眼刺激/眼瞼炎/眼そう痒感/皮膚そう痒/発疹/蕁麻疹

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
・前房が浅い
・緑内障
・狭隅角
・眼圧上昇素因
【相対禁止】
・妊婦・産婦

■トロピカミドを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方トロピカミド(ミドリンM点眼液0.4%の場合)は、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼ミドリンM点眼液0.4%の有効成分
1mL中 トロピカミド 4mg
▼ミドリンM点眼液0.4%の添加物
塩化ナトリウム/ポリビニルアルコール(部分けん化物)/ベンザルコニウム塩化物/エデト酸ナトリウム水和物/pH調節剤

・授乳婦
・新生児(低出生体重児を含む)
・乳児
・幼児・小児
・高齢者
・新生児(低出生体重児を含む)
・低出生体重児の眼底検査(0日?27日)
・小児等(0歳?14歳)
・低出生体重児(0日?27日)

上記にあてはまる方は、トロピカミドを使用する事が出来ない可能性があります。
トロピカミドを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用禁忌薬
現在併用禁忌薬に該当する医薬品はございません。

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
トロピカミドを点眼すると目がチカチカします。どうしても車の運転をしなければいけない日があるのですが、トロピカミドは何時間前にさせば大丈夫でしょうか?またささないほうがいいのでしょうか?

回復するまで、5~6時間かかります。なので、それ以前なら大丈夫といえるでしょう。とはいえ、状況にもよりますので、5~6時間前にさせない状況ならささない方が無難かもしれません。

8歳児の近視が進行しており、ミドリンMを2ヶ月ほど前から処方され毎晩点眼しています。近視の進行を抑制するため15歳位までは続けた方がいいと言われましたが、ネットなどで調べると効果がそんなに期待できないとか。。このままつづけるべきなんでしょうか?

ミドリンMは、寝ている間、調節筋の緊張を和らげ、目を休めてあげることで視力の向上を目指すものです。すぐに止めずに長い時間続けることで効果があります。お子様の成長とともに見守ってあげてください。

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医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。