ラタノプロスト

成分名

ラタノプロスト

適応症状

緑内障、高眼圧症など

簡易説明

ラタノプロストは主に緑内障や高眼圧症などの治療に使用される点眼薬です。眼球内に循環している房水の流出を促すことで眼圧を下げます。根治療法ではないため長期間使用して治療することが多いですが、プロスタグランジン関連薬は眼圧のコントロールで有効性が高く、全身の副作用が少ないため第一選択薬とされています。
比較的安全に使用でき、安定した眼圧降下作用を発揮できる薬です。

処方可能な診療科目

眼科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約2,000円~5,000円
薬代1錠あたりの目安:キサラタン点眼液0.005% 450円/mL(薬価)
薬代後発薬1錠の目安:ラタノプロスト点眼液0.005%「日医工」 180.9円/mL(薬価)
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

1999年5月販売開始【キサラタン点眼液0.005%】

国内のジェネリック認可

あり

関連製品(先発薬)

キサラタン点眼液0.005%【製薬メーカー:ヴィアトリス製薬】

関連製品(ジェネリック)

ラタノプロスト点眼液0.005%「ニットー」【日東メディック】・「科研」【科研製薬】・「キッセイ」【キッセイ薬品工業】・「日医工」【日医工】・「サワイ」【沢井製薬】・「ケミファ」【日本ケミファ】・「三和」【三和化学研究所】・「センジュ」【千寿製薬】・「トーワ」【東和薬品】・「NS」【日新製薬-山形】・「TS」【テイカ製薬】・「ニッテン」【ロートニッテンファーマ】・「TOA」【東亜薬品】・「わかもと」【わかもと製薬】・「NP」【ニプロ】・「CH」【長生堂製薬】・「TYK」【武田テバ薬品】・「杏林」【キョーリンリメディオ】・「サンド」【サンド】・「SEC」【参天アイケア】・「NIG」【日医工岐阜工場】

ラタノプロストPF点眼液0.005%「日点」【ロートニッテン】

海外での使用実績

・アメリカ
1996年6月に承認され、同年12月に点眼剤としてXalatanの販売を開始しました。
後発薬はLatanoprost solution/ dropsという商品名でA-S Medication Solutions、Rising Pharmaceuticals, Inc.、DIRECT RXなどの数々の製薬会社で取り扱われています。
・スウェーデン
1996年7月に承認され、1997年9月に点眼剤としてXalatanの販売を開始しました。
・イギリス
1996年12月に承認され、1997年4月に点眼剤としてXalatanの販売を開始しました。
・ブラジル
1997年3月に承認され、同年7月に点眼剤としてXalatanの販売を開始しました。
・アルゼンチン
1997年3月に承認され、同年9月に点眼剤としてXalatanの販売を開始しました。
・ハンガリー
1997年6月に承認され、同年11月に点眼剤としてXalatanの販売を開始しました。
・オランダ
1997年6月に承認され、同年9月に点眼剤としてXalatanの販売を開始しました。
・カナダ
1997年6月に承認され、同年7月に点眼剤としてXalatanの販売を開始しました。
・ドイツ
1997年6月に承認され、同年7月に点眼剤としてXalatanの販売を開始しました。
・フランス
1997年7月に承認され、同年9月に点眼剤としてXalatanの販売を開始しました。

効果・作用

ラタノプロストは房水流出経路からの流出を促進して眼圧を下げる作用があり、緑内障や高眼圧症などの治療に使用される点眼薬です。眼球内には房水という水分が循環しており、内側から圧をかけ眼球を適切に保ちます。しかし高眼圧症は房水が通常より充満してしまうと眼圧が上昇し視神経が圧迫されます。進行して視神経が弱まり視力低下や視野が狭くなることで、高眼圧を伴う緑内障となってしまいます。有効性が高いため本剤を含むプロスタグランジン製剤は第一選択されることが多いです。
ラタノプロストの薬理は房水流出に関係する生理活性脂質PGF2αの受容体であるFP受容体を刺激することで、ぶどう膜強膜流出経路からの房水流出を促進します。そういった作用からFP受容体作動薬と呼ばれることがあります。

◆緑内障のタイプ
ラタノプロストが適用される緑内障の分類は「開放隅角緑内障」です。このタイプの緑内障は房水の出口が詰まってしまう事で現れます。自覚症状が少ないため発覚した時には相当に進行してしまっている可能性が高いです。主に点眼薬の治療を用いられ、ラタノプロストをはじめとするプロスタグランジン関連薬やβ遮断薬が適用されます。
もう一つは「閉塞隅角緑内障」、房水の出口である隅角が虹彩で塞がれてしまうことで現れます。この緑内障の治療は手術が優先され、本剤などの薬物療法は補助的に行われるとされています。

使用方法

通常、1回1滴を1日1回点眼します。

▼使用上の注意点
・頻回投与によって眼圧下降作用が弱まる可能性があるため、1日1回の用量を超えて投与を行わないで下さい。
・容器の先端が目に触れないよう注意して下さい。
・他の点眼剤と併用する場合は、本剤使用又は他剤使用後5分間以上あけてから点眼して下さい。
・本剤の液が眼瞼皮膚等についた場合はすぐに拭き取って下さい。
・添加物のベンザルコニウム塩化物によってコンタクトレンズを変色させることがあるため、点眼後装着する際は点眼を行って、15分以上経過した後に再装用して下さい。

副作用

主な副作用
・目の充血
ラタノプロストには、副作用が起こる可能性があります。
ラタノプロストを服用した場合、どのような副作用が起こるか知っておきましょう。

重大な副作用
・虹彩色素沈着(頻度不明)

その他の副作用
・結膜充血、結膜炎、眼脂、結膜濾胞、偽眼類天疱瘡
・ぶどう膜炎、虹彩炎、虹彩嚢腫
・角膜上皮障害、点状表層角膜炎、糸状角膜炎、角膜びらん、角膜浮腫、ヘルペス性角膜炎、角膜沈着物、角膜混濁、潰瘍性角膜炎
・眼瞼色素沈着、眼瞼炎、眼瞼部多毛、眼瞼浮腫、眼瞼発赤、眼瞼溝深化
・しみる等の眼刺激症状、そう痒感、眼痛、霧視、前房細胞析出、流涙、睫毛の異常(睫毛が濃く,太く,長くなる)、異物感等の眼の異常感、嚢胞様黄斑浮腫を含む黄斑浮腫、及びそれに伴う視力低下、接触性皮膚炎、羞明
・動悸、狭心症
・頭痛、そう痒感、咽頭違和感、嘔気、めまい、胸痛、喘息、筋肉痛、関節痛、発疹

極めて稀な副作用ですが、重度の副作用にご注意下さい。
重篤な副作用の発生率は低いですが、用法や用量を間違えると命に危険を及ぼすような、重篤な副作用が発生する恐れもあります。
異変を感じた場合は、直ぐに医師の診察を受け指示に従いましょう。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■ラタノプロストに対して過敏症の既往歴がある方
■ラタノプロストを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方キサラタンは、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。

▼キサラタンの有効成分
ラタノプロスト
▼代表薬の添加物
・ベンザルコニウム塩化物
・無水リン酸一水素ナトリウム
・リン酸二水素ナトリウム一水和物
・等張化剤

使用に注意が必要な方
■無水晶体眼又は眼内レンズ挿入眼の患者
嚢胞様黄斑浮腫を含む黄斑浮腫、それに伴う視力低下を起こす恐れがあります。

■気管支喘息又はその既往歴のある患者
喘息発作の悪化、誘発の恐れがあります。

■眼内炎(虹彩炎、ぶどう膜炎)のある方
眼圧上昇がみられる恐れがあります。

■ヘルペスウイルスが潜在している可能性のある方
角膜ヘルペスがみられる恐れがあります。

■閉塞隅角緑内障患者

■妊婦又は妊娠している可能性のある方、授乳婦
動物実験において流産及び胎児体重減少、また乳汁中へ移行が認められています。治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合のみに投与されます。

■高齢者
一般的に生理機能が低下しているので注意して下さい。

■小児等
対象とした有効性及び安全性を判断する国内臨床試験は実施されていません。

上記にあてはまる方は、ラタノプロストを使用する事が出来ない可能性があります。
ラタノプロストを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
・プロスタグランジン系点眼薬(イソプロピルウノプロストン、ビマトプロスト等)

上記を使用している方は、ラタノプロストを使用する事が出来ない可能性があります。
ラタノプロストを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
なし

併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
見た目への影響はありますか?

瞼への色素沈着やまつ毛の増加が見られることがあります。プロスタグランジン関連薬の使用により虹彩のメラニン色素が増加し、黒ずみが発生してしまいます。また毛周期の成長期を長くする働きがある為、まつ毛だけでなく目の周囲の毛が増える眼瞼部多毛が起きる場合もあります。

保管方法を教えて下さい。

ラタノプロストの開封前は2~8℃で遮光保存をして下さい。開封後は室温での保存ができますが、開封後4週間以上経過した場合は使用しないで下さい。
後発薬で中には開封前も室温での保存可能なものもあるため、必要に応じて医師や薬剤師にご確認下さい。

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医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。