ガチフロキサシン水和物

成分名

ガチフロキサシン水和物

適応症状

眼瞼炎、涙嚢炎、麦粒腫、結膜炎、瞼板腺炎、角膜炎(角膜潰瘍を含む)、眼科周術期の無菌化療法

簡易説明

ガチフロキサシン水和物は日本においてガチフロ点眼液0.3%として承認された医薬品で、結膜炎などの眼症状に対し効果を示す成分になります。
細菌性結膜炎に代表される眼感染症の治療においては、起炎菌の菌種や薬剤に対する感受性が明確でない状況下では、できるだけ広域の抗菌スペクトルと強力な抗菌力を有する薬剤の使用が求められております。
千寿製薬株式会社では、ガチフロキサシンの特徴に着目し、眼感染症の治療において必要とされる広域の抗菌スペクトルと強い抗菌力をもち、耐性菌の発現しにくい点眼剤としてガチフロ点眼液0.3%の開発を進め承認を取得しました。
細菌が目のなかで増えだすと、炎症を起こして、充血したり痛みがでてきます。ガチフロキサシン水和物は細菌を撃退する抗菌薬です。細菌が死滅すれば、患部の炎症がひき、充血や痛みも治ります。細菌感染による結膜炎、麦粒腫(ものもらい)、眼瞼炎、角膜炎などの治療に使用されております。

処方可能な診療科目

眼科/内科/小児科/外科/耳鼻咽喉科/産婦人科等

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約3,000円~6,000円
薬代1瓶あたりの目安:約420円
この医薬品に後発薬は発売されておりません。
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。

厚生労働省による認可、または発売年月日

2008年6月24日製造販売承認
2008年12月19日薬価基準収載
2004年9月7日販売

国内のジェネリック認可

国内においてジェネリック医薬品の販売はありません。

関連製品(先発薬)

ガチフロ点眼液0.3%【製薬メーカー:千寿製薬株式会社】

関連製品(ジェネリック)

日本国内においてジェネリック医薬品の販売はありませんが海外では下記医薬品の販売が認められております。
ガチロックス点眼液0.3%【製薬メーカー:Sun Pharma Laboratories Ltd.】
ガチブル点眼液【製薬メーカー:ルピン社】

効果・作用

ガチフロキサシン水和物は眼瞼炎、涙嚢炎、麦粒腫、結膜炎、瞼板腺炎、角膜炎(角膜潰瘍を含む)、眼科周術期の無菌化療法に適応症を持つ点眼液になります。

『適応菌種』
ガチフロキサシンに感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、腸球菌属、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、コリネバクテリウム属、シトロバクター属、クレブシエラ属、セラチア属、モルガネラ・モルガニー、インフルエンザ菌、シュードモナス属、緑膿菌、スフィンゴモナス・パウチモビリス、ステノトロホモナス(ザントモナス)・マルトフィリア、アシネトバクター属、アクネ菌
 ・グラム陰性菌をはじめ、グラム陽性菌に対し眼感染症の原因となる広範囲の細菌に抗菌力を示す医薬品として開発されました。

【作用部位・作用機序】
作用部位:外眼部
作用機序:細菌のDNAジャイレース及びトポイソメレースⅣに結合して、細菌のDNA複製を阻害し、殺菌的に作用します。キノロン系抗菌薬は特に濃度依存的に作用します。一方、動物細胞由来のトポイロメレースⅡに対する阻害活性は、他のキノロン系抗菌剤に比べ弱く、細菌酵素に対する高い選択性を示しました。また黄色ブドウ球菌などグラム陽性菌のほか、緑膿菌などのグラム陰性菌、さらに嫌気性菌にも有効であるとされております。
その特徴としましては①キノロン骨格の8位にメトキシ基を導入したニューキノロン系合成抗菌薬であるという事です。既存の同系薬に比べ耐性菌を作りにくいとされます。②幅広い抗菌スペクトルと強い抗菌活性を持ち、各種の細菌性外眼部感染症に適応しております。眼組織内への移行も良好で、房水移行性も高いという事が示されております。

使用方法

【眼瞼炎、涙嚢炎、麦粒腫、結膜炎、瞼板腺炎、角膜炎(角膜潰瘍を含む)】
通常、1回1滴、1日3回点眼する。なお、症状により適宜増減する。

『症状により適宜増減する』事について
通常、角膜炎は結膜炎より重症化している症例が多いと言われております。既存のキノロン系抗菌点眼液においては臨床の現場で点眼回数を増やして治療されております。ガチフロ点眼液0.3%においても角膜炎を対象とした一般臨床試験においては、点眼回数を症状に合わせて1日最大8回まで増加する事を可能とし実施されております。症状が緩和すれば点眼回数を減らすことで重篤な副作用等なく治療を行うことが可能とされております。添付文書通りの用法を維持して使用するのではなく患者の症例に合わせた使用回数で治療を行うことが大切です。

【眼科周術期の無菌化療法】
通常、手術前は1回1滴、1日5回、手術後は1回1滴、1日3回点眼する。

〈重要な基本的注意〉
本剤の投与にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめる事とされております。

副作用

重大な副作用
1)ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)
紅斑、発疹、呼吸困難、血圧低下、眼瞼浮腫等の症状が認められる場合があるとされております。

その他の副作用
1)過敏症
蕁麻疹(0.1~1%未満)
発疹(頻度不明)
2)眼
刺激感、掻痒感(1~5%未満)
霧視、点状角膜炎、虹彩炎、眼瞼炎、結膜炎、結膜出血、流涙(0.1~1%未満)
3)呼吸器
鼻漏(0.1~1%未満)
4)その他
嘔気(頻度不明):苦味によるものと考えられております。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
本剤の成分又はキノロン系抗菌剤に対し過敏症の既往歴のある患者

有効成分:ガチフロキサシン水和物
添加剤:等張化剤、pH調節剤

(承認時及び小児等(1~11歳)対症の臨床試験において、429例中1例に過敏症である蕁麻疹が認められております。また市販後の調査においては発疹が認められております。)

使用に注意が必要な方
①妊婦:妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与することとされております。
②授乳婦:治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討することとされております。
③小児等:低出生体重児、新生児又は乳児を対象とした臨床試験は実施しておりません。

上記にあてはまる方は、ガチフロキサシン水和物を使用する事が出来ない可能性があります。
ガチフロキサシン水和物を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用禁忌並びに併用注意薬は特にありません。

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
眼科で処方されるガチフロ点眼液0.3%はコンタクトを付けたまま使用可能でしょうか?

症状が治るまではコンタクトレンズの使用は控えて点眼して下さい。結膜炎の方がコンタクトレンズを使用していると、治りにくかったり、悪化する可能性がございます。

点眼後に口の中に苦みを感じます。身体に問題はないのか?

ガチフロ点眼液0.3%は点眼後、本剤が鼻涙管を経て、口中に入ることにより苦味を感じることがあります。通常は飲み込んでも問題はありませんが、苦味により嘔気する可能性もある為気になる場合は主治医とよく相談された方がよいでしょう。

苦味を感じない方法はないのか?

目薬を差した後は、軽く目を閉じ、そのまま1分間程度指で軽く目頭を押さえるようにして下さい。そうする事で、薬液が鼻涙管を通じて流れ出てしまうのを防ぎ、点眼後の口の中の苦みがなくなるケースがございます。

ガチフロ点眼液0.3%の有効期限はどのくらい持つのか?

一度もフタをあけていない未開封の目薬の場合、ラベルに有効期限が印刷されております。その期限の月までは使用可能です。開封してしまった目薬は1カ月が有効期限とされております。1カ月を超える場合は薬液が残っていても廃棄し新しいものを使用するようにしましょう。

ガチフロ点眼液0.3%はどのくらいの期間使用続けなければいけないか?

細菌性結膜炎であれば、約1週間以内には治ることがほとんどです。しかし症状がよくなってもまだ細菌が残っている可能性もある為、治ってからも数日間は使用を続けた方が良いでしょう。

術前使用の場合は何日前から使用開始するのが良いか?

白内障の手術などにおいては一般的に手術3日前から使用開始するよう指示する主治医が多いようです。術前は1日5回、術後は1日3回の点眼回数になりますのでご注意下さい。

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