フルオロメトロン

成分名

フルオロメトロン

適応症状

角膜炎/眼瞼炎/強膜炎/結膜炎/虹彩炎/虹彩毛様体炎/術後炎症/上強膜炎/ぶどう膜炎/外眼部の炎症性疾患/前眼部の炎症性疾患 など

簡易説明

フルメトロン点眼液は、フルオロメトロンの成分を含むステロイドの目薬で、様々な疾患によって引き起こされる目の炎症に対して効果を示すものです。
よく使われるケースの一つに、花粉症などのアレルギー性結膜炎がありますが、本剤は特にその症状がひどい場合に用いられるなど、比較的症状が強い時でも効果が期待できるという特徴があります。
また本剤は子供でも使用出来るほど、ステロイド点眼液の中では比較的作用が穏やかです。以上から、利便性の高い薬剤ということができます。

処方可能な診療科目

眼科/アレルギー科 など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

【薬価】
フルメトロン点眼液0.1%(参天製薬):37.4円/mL
フルメトロン点眼液0.02%(参天製薬):30.9円/mL
*病院によって差が有ります。初診料・診察料・検査料などが必要になります。

厚生労働省による認可、または発売年月日

1975年10月1日(発売)

国内のジェネリック認可

ジェネリックあり

関連製品(先発薬)

・フルメトロン点眼液0.1%(参天製薬)
・フルメトロン点眼液0.02%(参天製薬)

関連製品(ジェネリック)

・フルオロメトロン点眼液0.1%「日点」(ロートニッテン株式会社)
・フルオロメトロン点眼液0.05%「日点」(ロートニッテン株式会社)
・フルオロメトロン点眼液0.02%「日点」(ロートニッテン株式会社)
・フルオロメトロン点眼液0.1%「センジュ」(千寿製薬株式会社)
・フルオロメトロン点眼液0.05%「センジュ」(千寿製薬株式会社)
・フルオロメトロン点眼液0.02%「センジュ」(千寿製薬株式会社)
・フルオロメトロン点眼液0.1%「ニットー」(日東メディック株式会社)
・フルオロメトロン点眼液0.02%「ニットー」(日東メディック株式会社)
・フルオロメトロン点眼液0.1%「わかもと」(わかもと製薬株式会社)
・フルオロメトロン点眼液0.02%「わかもと」(わかもと製薬株式会社)
・オドメール点眼液0.1%(千寿製薬株式会社)
・オドメール点眼液0.05%(千寿製薬株式会社)
・オドメール点眼液0.02%(千寿製薬株式会社)

効果・作用

フルメトロン点眼液は、結膜炎や眼瞼炎をはじめとした外眼部、前眼部(フルメトロン0.1のみ)の炎症性疾患の改善に効果を示します。
本剤はステロイド点眼剤という枠に分類されますが、有効成分であるフルオロメトロン(ステロイド)には身体の炎症を抑制する作用があります。
炎症とは、身体にとっての異物や傷などの異常部分をみつけてそれを治そうとする反応で、身体を守るため不可欠なものですが、多くの場合かゆみや痛みを伴います。そうした不快な症状を抑えるのが、本剤を含むステロイド剤なのです。

上記のような抗炎症作用があることから、ステロイド剤は自己免疫疾患の治療に最も多く使われます。
自己免疫疾患とは、本来ならば身体を守るべき白血球などが、何らかのエラーで自身の体を攻撃してしまう病気です。これは自分の身体に対するアレルギー反応です。
アレルギー反応はそのメカニズムによってⅠ型~Ⅳ型に分類されるのですが、ステロイドはそのすべての反応を抑えます。細かい部分に効果を示すわけではなく、白血球をはじめとした大部分の免疫系を抑制するのです。

ステロイドにそうした作用があることから、本剤フルメトロン点眼液の使用により、目の中で起こってるアレルギー反応の大部分が抑制され、症状が緩和されるのです。

使用方法

使用する前に良く振り混ぜてください。(フルオロメトロンは水に溶けにくく、吸収が遅い特徴があり、保管していると成分が底に沈殿していることがあります。そのため、良く振り混ぜて、点眼液の成分を均等にしてから点眼します。)
通常は、1回1〜2滴、1日2〜4回点眼します。年齢や症状に応じて適宜増減してください。
また、点眼液を複数使用するときに医師の指示などがない場合には5分ほど間隔をあけて使用してください。

副作用

重大な副作用
【緑内障】
連用により、ときに数週後から眼内圧亢進、緑内障があらわれることがあります。定期的に眼内圧検査を実施してください。
【後嚢下白内障】
長期投与により、後嚢下白内障があらわれることがあります。
【角膜ヘルペス、角膜真菌症、緑膿菌感染症】
これらの疾患、症状を誘発することがあります。
【穿孔】
角膜ヘルペス、角膜潰瘍又は外傷等に使用した場合には穿孔を生ずることがあります。

その他の副作用
眼瞼炎/眼瞼皮膚炎/発疹/刺激感/結膜充血/角膜沈着物/下垂体・副腎皮質系機能の抑制/創傷治癒の遅延

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
〇本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある方

〇角膜上皮剥離又は角膜潰瘍のある方
これらの疾患が増悪するおそれ、また角膜穿孔を生じるおそれがあるため原則使用できません。

〇以下の眼の疾患に罹患している方
角膜潰瘍/角膜上皮剥離/化膿性眼疾患/結核性眼疾患/真菌性眼疾患/ウイルス性角膜疾患/ウイルス性結膜疾患
本剤のようなステロイド点眼剤には免疫抑制作用があり、ウイルスや細菌性の結膜炎や化膿している状態の眼に使用すると、ウイルスや細菌の増殖を促進させ症状を悪化させる可能性があるので原則使用できません。

使用に注意が必要な方
〇高齢者
一般に高齢者は生理機能が低下しているので注意してご使用ください。

〇妊婦、産婦、授乳婦等
妊婦又は妊娠している可能性のある方は、長期・頻回の点眼を避けてください。妊娠中の使用に対する安全性は確立していません。

〇小児等
乳児・小児に対する安全性は確立していないため、特に2歳未満の場合には慎重に使用してください。

上記にあてはまる方は、フルオロメトロンを使用する事が出来ない可能性があります。
フルオロメトロンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

報告なし

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
フルメトロン点眼液(フルメトロン)と同じ成分の市販薬はありますか?

フルメトロン点眼液(フルメトロン)と同じ成分の市販薬は存在しません。フルメトロン点眼液などのステロイド性点眼剤は、高い抗アレルギー作用や抗炎症作用があるため花粉症などに対して強い作用が期待できますが、眼の感染症を悪化させたり、長期間使用することで緑内障のリスクを高めたりすることがあるため市販薬として流通することが難しいという事情もあります。

「ステロイド剤」というと副作用が強く怖いイメージがありますが、実際はどうなのでしょうか?

確かに、特に日本ではステロイド剤に対してそのようなイメージを持っている方が多いです。
しかし、それはステロイド剤を経口薬(飲み薬)として使用した場合です。経口薬であると、薬の成分は血液を巡って全身に表れます。これにより、強力な副作用が表れます。
一方、点眼薬の場合では、「目」だけに作用させることができます。全身には影響せず、薬は局所的に働きかけます
病気を生じている局所だけに作用するため、点眼薬では薬の効果を最大限に発揮させ、副作用を最小に留めることが可能です。実際、点眼薬で用いられるステロイド剤には副作用がほとんどありません。そのため本剤はステロイドを含んではおりますが、安心してご使用頂けます。

他の点眼液と併用する際、順番など注意することはありますか?

フルメトロン点眼液の他に目薬を併用する場合、基本的により効果を重視したいものを後に点眼します。
比較的併用することが多いものに、アレルギー性結膜炎の点眼液であるリボスチン、パタノール、アレジオン点眼液などがありますが、その場合は先にそれらを点眼し、5分程度の間隔を空けてフルメトロン点眼液を点眼するようにしてください。

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