成分名 |
ミドドリン塩酸塩 |
適応症状 |
・本態性低血圧
・起立性低血圧 |
簡易説明 |
ミドドリン塩酸塩は先発医薬品の商品名としてメトリジン錠2mg/D錠2mgが販売されています。
その効果は低血圧治療剤に該当します。ミドドリン塩酸塩が対象となる低血圧とは、原因の有無並びに血圧異常の状態によって、本態性低血圧、症候性低血圧、起立性低血圧などに分類されます。低血圧を引き起こす原因の正体は循環調節障害であると考えられています。ミドドリン塩酸塩の作用は血圧上昇作用でありその機序は、交感神経におけるα1受容体を選択的に刺激する事によって末梢血管を収縮する為と考えられています。 |
処方可能な診療科目 |
内科/外科/整形外科/小児科/産婦人科/耳鼻咽喉科/脳神経外科内科/泌尿器科/消化器内科外科/精神科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約2,000円~5,000円
薬代1錠あたりの目安:2mg21円(薬価)
薬代後発薬1錠の目安:2mg10円(薬価)
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
【メトリジン錠2mg】
メトリジン錠2mgは1989年3月31日に製造販売が承認され、1989年5月26日薬価基準へ収載、その後1989年6月19日に販売開始となりました。
【メトリジンD錠2mg】
メトリジンD錠2mgは2004年2月10日に製造販売が承認され、2004年7月9日薬価基準へ収載、その後2004年7月12日に販売開始となりました。 |
国内のジェネリック認可 |
国内のジェネリック認可あり |
関連製品(先発薬) |
メトリジン錠2mg/D錠2mg【製薬メーカー:大正製薬株式会社】 |
関連製品(ジェネリック) |
ミドドリン塩酸塩錠2mg「JG」【製薬メーカー:大興製薬株式会社】
ミドドリン塩酸塩錠2mg「テバ」【製薬メーカー:武田テバファーマ株式会社】
ミドドリン塩酸塩錠2mg「NIG」【製薬メーカー:日医工岐阜工場株式会社】
ミドドリン塩酸塩錠2mg「オーハラ」【製薬メーカー:大原薬品工業株式会社】
ミドドリン塩酸塩錠2mg「サワイ」【製薬メーカー:沢井製薬株式会社】
ミドドリン塩酸塩錠2mg「トーワ」【製薬メーカー:東和薬品株式会社】 |
海外での使用実績 |
オーストラリアではNycomed Austria GmbH(会社名)がGutron(販売名)を1974年に発売しました。剤形・規格は2.5mg錠、5mg錠、1%滴剤、5mgアンプルになります。
ドイツではNycomed Arzneimittel GmbH(会社名)がGutron(販売名)を1977年に発売しました。剤形・規格は2.5mg錠、1%滴剤、5mgアンプルになります。
米国ではAdvagen Pharma Limited(会社名)がMidodrine Hydrochloride Tablets, USP(販売名)を2019年に発売しました。剤形・規格は2.5mg錠、5mg錠、10mg錠になります。 |
効果・作用 |
ミドドリン塩酸塩は、本態性低血圧、起立性低血圧にたいして効果のある薬です。
作用機序として、臨床試験における動物実験の試験より、ミドドリン塩酸塩の血圧上昇作用及び血管平滑筋収縮作用は、α1遮断薬使用により抑制されたが、α2遮断薬使用ではとんど抑制させれませんでした。、またβ受容体の刺激作用及び遮断作用はないことから、末梢における血管収縮作用は、選択的α1受容体遮断作用に基づくものと考えられています。
選択的にα1受容体を遮断する事により末梢血管を収縮させ、血圧を上昇させます。そして心臓や脳の血管にはほとんど影響しないと言う特徴があります。
【薬効を裏付ける試験成績】
1)血圧に対する作用(ヒト)
①本態性低血圧、起立性低血圧患者に投与した結果、坐位、臥位、立位後1分の血圧を有意に上昇させた。また起立時の血圧低下を優位に抑制した。更には健康成人男性における投与では、血圧に影響を及ぼすことはなかった。
2)血圧に対する作用(動物)
①動物実験においては血圧の低下の抑制、大脳組織血流量、心拍出量の低下の抑制、脳血流量の低下の抑制を示した。
以上の結果よりミドドリン塩酸塩により血圧が上昇した際には、結腸血流の減少は、上腸間膜動脈及び大腿動脈の血流減少よりも小さく、脳及び心筋への血液供給にはほとんど影響を及ぼさないことが示唆されました。 |
使用方法 |
通常成人に対して使用する場合、ミドドリン塩酸塩として、1日4mg(2錠)を2回に分けて投与します。なお、患者の症状によっては適宜増減する事が認められております。但し、重症の場合には、1日8mgまで増量する事ができます。
通常小児に対して使用する場合、ミドドリン塩酸塩として、1日4mg(2錠)を2回に分けて投与します。なお、患者の症状によっては適宜増減する事が認められておりますが、1日の最高投与量としては6mgが限度とされています。 |
副作用 |
その他の副作用
精神神経系、消化器、循環器、中枢神経系、皮膚、肝臓、その他の副作用が報告されております。
発生頻度は以下の通りです。
1)精神神経系
眠気、イライラ感(0.1%未満)
2)消化器
悪心、腹痛(0.1~1%未満)
嘔吐、口内炎、腹部膨満感、便秘(0.1%未満)
下痢(頻度不明)
3)循環器
高血圧、動機、心室性期外収縮(0.1%未満)
4)中枢神経系
頭痛(0.1~1%未満)
眩暈(0.1%未満)
5)皮膚
発疹、立毛感、掻痒感、蕁麻疹、発赤(0.1%未満)
6)肝臓
肝機能障害、ALT上昇、AST上昇、AlーP上昇
7)その他
ほてり感、悪寒、倦怠感、頻尿、発汗亢進、肩こり(0.1%未満)
異常感覚、排尿困難(頻度不明)
0.1%未満ですが皮膚症状のように異常が認められた場合は速やかに投与を中止し主治医への相談を仰ぐようにしましょう。
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 1)甲状腺機能亢進症の患者
甲状腺機能亢進症の患者は、ノルアドレナリンなどと類似した作用を持つ交感神経刺激薬により、過度な反応を起こす可能性が知られています。本剤は薬理学的にこれらの薬剤と同様な反応を起こすおそれがある為使用できません。
2)褐色細胞腫の患者
褐色細胞腫の患者では、カテコールアミンが過剰に放出する事があり、本剤が病態を悪化させる恐れがある為使用できません。
使用に注意が必要な方 1)合併症・既往歴等のある患者
①重篤な心臓障害のある患者
本剤は静脈還流量増加作用を介した心臓への作用を有している為、静脈還流を治療上抑制している患者等に投与する場合には、病態を悪化させる恐れがある為使用には注意が必要です。
②重篤な血管障害のある患者
閉塞性動脈硬化症等の重篤な血管狭窄のある患者に投与する場合には、病態を悪化させる恐れがある為使用には注意が必要です。
③高血圧の患者
基礎疾患として高血圧がある起立性低血圧患者に使用する場合には、過度の血圧上昇が起こる恐れがる為使用には注意が必要です。
④前立腺肥大に伴う排尿困難のある患者
本剤が膀胱頸部のα受容体に作用する為、排尿困難を悪化させる恐れがある為使用には注意が必要です。
2)重篤な腎機能障害のある患者
投与間隔を開けて使用する事とされております。消失半減期が延長する事により、血中濃度が持続する恐れがある為使用には注意が必要です。
3)妊婦
ラットで胎児への移行、吸収胚の増加、胎児体重低値及び骨化遅延、ウサギで死胚胎児の増加及び骨化遅延が認められている為使用には注意が必要です。
4)授乳婦
ラットで乳汁中へ移行することが報告されている為使用には注意が必要です。
5)高齢者
一般的に高齢者では生理機能が低下している為使用には注意が必要です。
上記にあてはまる方は、ミドドリン塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 ミドドリン塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。
併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
ミドドリン塩酸塩に関する よくある質問 |
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