成分名 |
オルメサルタンメドキソミル |
適応症状 |
高血圧 |
簡易説明 |
オルメサルタンメドキソミルを主成分とするオルメテックOD錠(以下本剤)はARB(アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬)に分類される高血圧治療薬です。
オルメサルタンメドキソミルは当時汎用されていたアンジオテンシン変換酵素阻害剤に続く新しい作用機序の降圧剤(ARB)として、三共株式会社(現、第一三共株式会社)によって開発されました。
本剤はは普通錠として発売されましたが、特に高齢者の飲みやすさを向上させために水なしで飲めるOD錠(口腔内崩壊錠)に改良し、2015年にOD錠に剤型変更しました。なお、普通錠は2018年3月末で経過措置満了(*)となっています。
(*)薬価収載削除と同義。医薬品は薬価収載から削除されると処方できなくなります。 |
処方可能な診療科目 |
内科/循環器内科など |
健康保険の適応 |
高血圧症 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安:300円(後発品5mg:10.10円×30日)~2,530円(本剤40mg×30日)
薬代1錠あたりの目安:5mg 21.10円/10mg 32.30円/20mg 58.80円/40mg 84.40円
薬代後発品1錠の目安:5mg 10.10円/10mg 10.10円~13.60円/20mg 13.10円~29.60円/40mg 18.60円~37.50円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
発売年月日:2015年12月14日 |
国内のジェネリック認可 |
あり |
関連製品(先発薬) |
オルメテックOD錠(5mg/10mg/20mg/40mg)【製薬メーカー:第一三共株式会社】 |
関連製品(ジェネリック) |
オルメサルタンOD錠「オーハラ」(*)、オルメサルタン錠「オーハラ」【製薬メーカー:大原薬品工業株式会社】、オルメサルタンOD錠「トーワ」【製薬メーカー:東和薬品株式会社】、オルメサルタンOD錠「DSEP」【製薬メーカー:第一三共エスファ株式会社】、オルメサルタンOD錠「JG」(*)、オルメサルタン錠「JG」【製薬メーカー:日本ジェネリック株式会社】、オルメサルタンOD錠「サワイ」【製薬メーカー:沢井製薬株式会社】、オルメサルタンOD錠「日医工」、オルメサルタン錠「日医工」【製薬メーカー:日医工株式会社】、オルメサルタンOD錠「ニプロ」、オルメサルタン錠「ニプロ」【製薬メーカー:ニプロ株式会社】、オルメサルタンOD錠「EE」【製薬メーカー:エルメッド株式会社】、オルメサルタンOD錠「KN」、オルメサルタン錠「KN」【製薬メーカー:小林化工株式会社】、オルメサルタンOD錠「VTRS」【製薬メーカー:マイランEPD合同会社】
オルメサルタン錠「アメル」【共和薬品工業株式会社】、オルメサルタン錠「杏林」【製薬メーカー:キョウリンメディオ株式会社】、オルメサルタン錠「ケミファ」【日本ケミファ株式会社】、オルメサルタン錠「三和」【製薬メーカー:三和化学研究所】、オルメサルタンOD錠「ツルハラ」【製薬メーカー:鶴原製薬株式会社】、オルメサルタン錠「日新」【製薬メーカー:日新製薬株式会社】、オルメサルタン錠「TCK」【製薬メーカー:辰巳化学株式会社】、オルメサルタン錠「YD」【製薬メーカー:株式会社陽進堂】
(*)10mg、20mg、40mgのみ |
海外での使用実績 |
2020年10月現在、88ヵ国で販売されています。
主な販売国
カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、オランダ、ロシア、スイス、イギリス、アメリカ、等
※OD錠は海外では発売されていません。 |
効果・作用 |
血圧は様々なメカニズムでコントロールされていますが、その一つにレニン‐アンジオテンシン系があります。ここではアンジオテンシン変換酵素によって生成されるアンジオテンシンⅡがアンジオテンシン受容体に結合することで上昇します。
本剤のようなARBはこのアンジオテンシン受容体とアンジオテンシンⅡの結合を阻害することで、血圧降下作用を示します。
本剤の効果は様々な臨床試験で確認されています。
・使用成績調査
投与2週間後に有意な降圧効果を示し、その効果は12週にわたって継続しました。また、他剤効果不十分な方の薬を本剤に切り替えると1週間で有意な降圧効果が確認できました。
・高齢者に対する調査(629例の高齢者に対する本剤の効果)
(前期高齢者)投与前:160.5/86.8mmHg→投与24週後:138.5/77.6mmHg
(後期高齢者)投与前:160.6/83.8mmHg→投与24週後:139.9/75.8mmHg
・長期使用に関する調査(2年間)
投与開始後6ヵ月で有意な低下がみられ、その効果は2年間にわたり持続しました。なお、65歳以上の高齢者と非高齢者に効果の違いはありませんでした。
本剤を用いて行われたOMEGA studyでは、血圧の低下と脳・心血管障害の関係を調査し、厳格な血圧コントロールなどが脳卒中予防に有効である可能性が示されました。
同様にHONEST studyでは、家庭で測った血圧(早朝、就寝前)、診療所で測った血圧と心血管系イベント(≒脳・心血管障害)の関係を調査し、早朝に家庭で測った血圧を145mmHg未満に管理することの重要性が示されました。 |
新型コロナウイルス感染症予防・治療に関して |
予防接種や治療を受ける時は、本剤を使用していることを必ず医師、薬剤師に伝えてください。 |
使用方法 |
1日1回10~20mgを飲みます。
5~10mgから開始して、年齢、症状などにより量を増減しますが、最大投与量は40mgです。 |
副作用 |
主な副作用
副作用発現率
・使用成績調査:3.86%(244例/6,477例)
主な副作用:浮動性めまい、血圧低下、体位性めまい、肝機能異常、等
・高齢者に対する調査:5.68%(36例/634例)
主な副作用:浮動性めまい、頭痛、血中カリウム増加、等
・長期使用に関する調査(2年間):6.12%(38例/621例)
重大な副作用
・血管浮腫:唇・まぶた・舌・口の中・顔・首が急に腫れる、のどがつまる感じ、息苦しい、声が出にくい
・腎不全:尿量が減る、むくみ、体がだるい
・高カリウム血症:体のしびれ、体に力がはいらない、吐き気、嘔吐、下痢、お腹が張る
・ショック:冷や汗がでる、めまい、顔面蒼白、手足が冷たくなる、意識の消失
・失神:短時間、意識を失い倒れる
・意識消失:意識の消失
・肝機能障害:疲れやすい、体がだるい、力が入らない、吐き気、食欲不振
・黄疸:白目や皮膚が黄色くなる、尿の色が濃くなる、体がかゆくなる
・血小板減少:鼻血、歯ぐきの出血、青あざができる、出血が止まりにくい
・低血糖:お腹がすく、冷や汗がでる、血の気が引く、疲れやすい、手足のふるえ、けいれん、意識の低下
・横紋筋融解症:手足のこわばり、手足のしびれ、脱力感、筋肉の痛み、尿が赤褐色になる
・アナフィラキシー:全身のかゆみ、じんましん、のどのかゆみ、ふらつき、動悸、一ぐるしい
・重度の下痢:何度も水のような便がでる、下腹部の痛み、体がだるい、発熱
・間質性肺炎:咳、息切れ、息苦しい、発熱
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ■妊婦または妊娠している可能性のある方
同系統の薬で胎児・新生児の死亡等が報告されている為、服用できません。
■アレスキレンフマル酸塩を投与中の糖尿病の方
非致死性脳卒中、腎機能障害、高カリウム血症、低血圧のリスク増加が報告されている為、服用できません。ただし他の降圧治療を行ってもコントロールできない方は除きます。
■オルメサルタンメドキソミルを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方オルメテックOD錠はアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼オルメテックOD錠の有効成分
オルメサルタンメドキソミル
▼オルメテックの添加物
(共通の添加物)
結晶セルロース、β‐シクロデキストリン、カルメロース、スクラロース、アセスルファムカリウム、ステアリン酸マグネシウム、香料
(5mgの添加物)
黄色三二酸化鉄
使用に注意が必要な方 ・両側性腎動脈狭窄、片腎で腎動脈狭窄のある方
急速に腎機能を悪化させるおそれがあります。
・高カリウム血症の方
高カリウム血症を増悪させるおそれがあります。
・脳血管障害のある方
過度の降圧により症状が悪化するおそれがあります。
・厳重な減塩療法中の方、血液透析中の方
一過性の急激な血圧低下をおこすおそれがあるため、少量から開始します。
・重篤な腎機能障害(クレアチニン値3.0mg/dL以上)のある方
臨床試験を行っていません。腎機能を悪化させるおそれがあります。
・肝機能障害の方
本剤の血中濃度が上昇する(作用が強くあらわれる)との報告があります。
・授乳婦
動物実験で乳汁への移行と新生児への悪影響が報告されています。
・小児
臨床試験を行っていません。
・高齢者
一般に過度の降圧が好ましくないとされています。脳梗塞等おこるおそれがあります。
※降圧作用に伴うめまい、ふらつきがおこることがあるので、危険を伴う機械の操作(自動車運転等)を行う際には注意が必要です。
上記にあてはまる方は、オルメサルタンメドキソミルを使用する事が出来ない可能性があります。 オルメサルタンメドキソミルを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 ・カリウム保持性利尿薬
血清カリウム値が上昇することがあります。
・利尿降圧剤
一過性の急激な血圧低下をおこすおそれがあります。
・リチウム製剤(炭酸リチウム)
リチウム中毒がおこるおそれがあります。
アレスキレンフマル酸塩(他の降圧治療を行ってもコントロールできない方)、アンジオテンシン変換酵素阻害剤
腎機能障害、高カリウム血症、低血圧を起こすおそれがあります。
※腎障害のある方(*)は治療上やむを得ない場合を除きアレスキレンフマル酸塩を使用出来ません。
(*)eGFRが60mL/min/1.73m²未満の腎障害のある方
・非ステロイド性消炎鎮痛剤
降圧作用が減弱するおそれ、腎機能を悪化させるおそれがあります。
上記を使用している方は、オルメサルタンメドキソミルを使用する事が出来ない可能性があります。 オルメサルタンメドキソミルを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 アレスキレンフマル酸塩:【使用出来ない方】参照
上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
|
参考元一覧 |
オルメサルタンメドキソミル(オルメテックOD錠 添付文書、インタビューフォーム) 【PMDA 医療用医薬品 情報検索】
オルメテックOD錠 【PMDA 医療用医薬品 患者向医薬品ガイド】
医薬品マスター検索(オルメテック、オルメサルタン) 【厚生労働省 診療報酬情報提供サービス】
よくある質問:オルメテック 【第一三共Medical Community(よくある質問)】 |
サイト利用に関する注意事項 | 医薬品を使用する場合、必ず医師や薬剤師の指示に従って下さい。 医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。 |