成分名 |
リン酸ジソピラミド |
適応症状 |
「頻脈性不整脈」の状態で、ほかの抗不整脈薬が使用できないか、または無効の場合 |
簡易説明 |
心臓は拡張と収縮を絶えず繰り返すことで全身に血液を送りこみます。これの一連の動きにはナトリウムやカリウムなどの「イオン」の動きが大きく関係しています。心臓の細胞において、様々なイオンが流入したり流出したりすることで電気的な信号が発生し心臓が収縮・拡張します。一連の流れの内、リン酸ジソピラミドはナトリウムとカリウムをブロックすることで不整脈への効果を発揮します。 |
処方可能な診療科目 |
内科/循環器内科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約1000円~2000円
薬代1錠あたりの目安:150mg 34.8円
薬代後発薬1錠の目安:150mg 13円
※病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。
※「薬代1錠あたりの目安」はリスモダンR錠150mgの薬価で算出しています。
※「薬代後発薬1錠の目安」はジソピラミド徐放錠150mg「SW」の薬価で算出しています。
※診察費は3割負担で算出しています。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
発売年月:1988年10月 |
国内のジェネリック認可 |
あり |
関連製品(先発薬) |
リスモダンR錠150mg(クリニジェン) |
関連製品(ジェネリック) |
ジソピラミド徐放錠150mg「SW」(沢井製薬)/ジソピラミド徐放錠150mg「ファイザー」(ファイザー)/ジソピラミド徐放錠150mg「VTRS」(マイランEPD)/ジソピラミドリン酸塩徐放錠150mg「日医工」(日医工ファーマ)/ジソピラミドリン酸塩徐放錠150mg「トーワ」(東和薬品) |
効果・作用 |
リン酸ジソピラミドは不整脈(脈が乱れてしまい正常に全身に血液を送り出すことができない状態)に対して使用する薬です。
心臓は拡張と収縮を絶えず繰り返すことで全身に血液を送りこみます。これの一連の動きにはナトリウムやカリウムなどの「イオン」の動きが大きく関係しています。心臓の細胞において、様々なイオンが流入したり流出したりすることで電気的な信号が発生します。そしてこの電気的な信号によって心臓が収縮・拡張します。
心臓は基本的に「マイナスイオン」の状態となっています。このマイナスイオンの状態から電気的な信号が発生するためには、最初にプラスイオンであるナトリウムが心臓の細胞に流入してくる必要があります。ナトリウムが入ってくることで心臓の細胞はマイナスからプラスの状態へと変換されます。その後、今度はプラスイオンであるカリウムが心臓の細胞から外へ放出されます。プラスイオンのカリウムが出ていくため、今度はマイナスの状態に傾きます。そして時間が経つと最初の状態へ戻り、この繰り返しで心臓は収縮と拡張を連続的に繰り返しています。
一連の流れの内、リン酸ジソピラミドはナトリウムとカリウムをブロックすることで不整脈への効果を発揮します。 |
使用方法 |
成人(15歳以上):1回1錠、1日2回服用します。
※なお年齢や症状によって、医師の判断のもと適宜増量、減量することがあります。 |
副作用 |
・循環器系:失神、心停止、心室頻拍、心房粗動、房室ブロック、心室細動、洞停止、心不全悪化、心室粗動など
・泌尿器系:尿が出にくい、頻尿、排尿時間の延長
・神経系:けいれんなど
・肝臓系:肝機能障害、黄疸、AST、ALT、γ-GTPの上昇など
・腎臓系:腎機能の低下
・血液系:無顆粒球症など
・消化器系:麻痺性イレウスなど
・眼:緑内障の悪化など
・過敏症:かゆみ、発疹など
・内分泌系:低血糖症状など
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ・リン酸ジソピラミドに対して過敏症の経験のある方
・重度の洞房ブロック、重度の房室ブロックをお持ちの方
※「刺激伝導障害」が悪化してしまい、心不全や完全房室ブロックを起こす可能性があります。
・「うっ血性心不全」を治療中の方
※心臓の収縮力低下によって、心不全が悪化する可能性があります。
・モキシフロキサシン塩酸塩、トレミフェンクエン酸塩、バルデナフィル塩酸塩水和物、フィンゴリモド塩酸塩、アミオダロン塩酸塩(注射剤)、エリグルスタット酒石酸塩、シポニモドフマル酸塩、スパルフロキサシン、ラスクフロキサシン塩酸塩(注射剤)を使用中の方
・「閉塞隅角緑内障」を治療中の方
※眼圧が上昇してしまい閉塞隅角緑内障が悪化する可能性があります。
・尿の貯留傾向にある方
※尿の貯留が悪化する可能性があります。
・透析患者を含む重度の腎臓機能障害をお持ちの方
・重度の肝臓機能障害をお持ちの方
使用に注意が必要な方 ・「基礎心疾患(弁膜症、心筋症、心筋梗塞など)」を治療中の方
※心不全が引き起こされる可能性があるので入院して少量から服用を開始し、心電図検査を定期的に実施する必要があります。
・「心房粗動」を治療中の方
※心房粗動の症状が悪化する可能性があります。
・「刺激伝導障害(洞房ブロック、房室ブロック、脚ブロックなど)」を治療中の方
※刺激伝導障害が悪化する可能性があります。
・その他の抗不整脈薬を併用している方
※有効性や安全性が確立していません。
・「開放隅角緑内障」を治療中の方
※眼圧が上昇し、開放隅角緑内障が悪化する可能性があります。
・「重症筋無力症」を治療中の方
※重症筋無力症が悪化する可能性があります。
・血液中のカリウム値が低下傾向にある方
※不整脈が引き起こされる可能性があります。
・「糖尿病」を治療中の方
※低血糖が引き起こされる可能性があります。
・高度な肝機能障害のある方
※リン酸ジソピラミドの効果や副作用が強く引き起こされる可能性があります。
・肝臓に機能障害のある方
※肝臓の機能障害が悪化する可能性があります。
・透析を含む重度の腎機能障害のある方
※リン酸ジソピラミドの効果や副作用が強く引き起こされる可能性があります。
・腎臓に機能障害のある方
※リン酸ジソピラミドの効果や副作用が強く引き起こされる可能性があります。
・妊娠している方
※妊娠している方、または妊娠している可能性のある方は服用しないことが望ましいとされています。
※妊娠している方が服用した際、子宮収縮が起こったというデータがあります。
・授乳している方
※治療上のメリットがデメリットを上回る場合に限り服用してください。
※動物実験(ラット):リン酸ジソピラミドが乳汁中へ移行したデータがあります。
・高齢者
※生理機能の低下により副作用が引き起こされる可能性があります。
・小児
※特殊な設計の薬のため、服用量の調節が難しく過量投与になる可能性があります。
|
併用禁忌薬 |
併用注意薬 ・ラスクフロキサシン塩酸塩(ラスビック)
※QT延長が引き起こされる可能性があります。
・フェニトイン/リファンピシン
※リン酸ジソピラミドの作用が弱まる可能性があります。
・糖尿病治療薬(インスリン、スルホニル尿素系など)
※副作用の低血糖が引き起こされる可能性があります。
・β遮断薬(アテノロールなど)
※心機能抑制作用が強くあらわれる可能性があります。
・セイヨウオトギリソウを含む食べ物、飲み物
※リン酸ジソピラミドの分解が促進され血液中の濃度が低下する可能性があります。
・エリスロマイシン/クラリスロマイシン
※リン酸ジソピラミドの作用が強くあらわれる可能性があります。
上記を使用している方は、リン酸ジソピラミドを使用する事が出来ない可能性があります。 リン酸ジソピラミドを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 ■併用禁忌薬
・スパルフロキサシン(スパラなど)/モキシフロキサシン塩酸塩(アベロックスなど)/ラスクフロキサシン塩酸塩(注射剤)/ラスビック点滴静注キット/トレミフェンクエン酸塩/フェアストン
※心室性頻拍、QT延長が引き起こされる可能性があります。
・アミオダロン塩酸塩(アンカロン注など)
※Torsades de pointesが引き起こされる可能性があります。
・シポニモドフマル酸塩(メーゼントなど)
※Torsades de pointesなどの重度な不整脈が引き起こされる可能性があります。
・エリグルスタット酒石酸塩(サデルガなど)
※QT延長が引き起こされる可能性があります。
・フィンゴリモド塩酸塩(イムセラ、ジレニアなど)
※Torsades de pointesなどの重度な不整脈が引き起こされる可能性があります。
・バルデナフィル塩酸塩水和物(レビトラなど)
※QT延長が引き起こされる可能性があります。
上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
|
サイト利用に関する注意事項 | 医薬品を使用する場合、必ず医師や薬剤師の指示に従って下さい。 医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。 |