成分名 |
デスラノシド |
適応症状 |
以下にもとづくうっ血性心不全
・先天性心疾患/弁膜疾患/高血圧症/心筋梗塞・狭心症など虚血性心疾患/肺血栓・塞栓症、肺気腫、肺線維症などによる肺性心/
心膜炎・心筋疾患などその他の心疾患/腎疾患/甲状腺機能亢進症ならびに低下症など
・心房細動・粗動による頻脈、発作性上室性頻拍
・手術、急性熱性疾患、出産、ショック、急性中毒による心不全の予防と治療
・手術、急性熱性疾患、出産、ショック、急性中毒による頻脈の予防と治療 |
簡易説明 |
デスラノシドは心臓に関連した疾患に使用される強心剤です。作用の発現がはやく、蓄積作用が比較的少ないことが特徴です。心筋に作用し、①収縮力の増強、②徐脈作用、③抗不整脈作用、④利尿作用をもたらします。必要なカルシウムを取り込むことで、心臓の収集力を増強させ、結果全身の血液循環が良くなり症状を改善させます。 |
処方可能な診療科目 |
循環器内科/一般内科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
この薬は処方薬ではありません。
ジギラノゲン注0.4mg 【製薬メーカー:ネオクリティケア製薬】0.02%2mL1管 126円(薬価) |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
発売年月日:1955年3月 |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
関連製品(先発薬) |
ジギラノゲン注0.4mg 【製薬メーカー:ネオクリティケア製薬】 |
関連製品(ジェネリック) |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
効果・作用 |
デスラノシドは、Digitalis lanata葉の強心性配糖体成分ラナトシドCを脱アセチル化したものです。強心作用の発現がはやく、蓄積作用も比較的少ないという点が特徴です。心筋に作用し、①収縮力の増強、②徐脈作用、③抗不整脈作用、④利尿作用をもたらします。
臨床試験の情報は添付文書に記載がないため、4つの作用を裏付ける非臨床試験について以下に示します。
①収縮力の増強
イヌで行われた試験から作用が認められています。一般に強心配糖体は不全心、非不全及び健常人においても心筋収縮力増強作用があります。すなわち、心筋の収縮力を高めることで、収縮期が強く、短縮します。従って、心臓の仕事量が増え、さらに酸素の消費は多くならないため効率が改善されます。
②徐脈作用
心刺激伝導系を抑制し、不応期を延長する直接作用及び迷走神経刺激作用によって徐脈作用がもたらされると考えられています。
正常時でもペースメーカー拍動数を減少します。この作用は強心配糖体の少量では迷走神経の刺激効果によるが、大量では洞房結節に対する直接効果によります。また、房室間の伝導、すなわち房結節からヒス束間の伝導が遅延しますが、この結果、PR間隔が延長し、房室ブロックまで至ります。しかし、治療用量では心室内伝導は影響を受けないことが分かっております。
③抗不整脈作用
迷走神経を切断したイヌで、心房粗動の頻度を減少させ、正常な洞リズムに回復させることが認められています。
房室結節及びヒス筋索の不応期を延長しますが、心房細動に対しジギタリス剤が有効なのは、この不応期延長作用によるとされています。一方、心房や心室筋の不応期は少量の投与で延長しますが、大量の投与では短縮し、期外収縮、心室性頻脈等のジギタリス不整脈の一因です。
④利尿作用
強心作用の二次的結果として、利尿効果がみられますが、腎への直接作用を示唆する報告もあります。 |
使用方法 |
使用する目的によって用量や投与方法が異なります。
①成人に対して
・急速飽和療法(飽和量:0.8~1.6mg)として使用する場合は、まず初回量0.4~0.6mgを投与します。以後0.2~0.4mgを2~4時間ごとに静脈内注射、もしくは筋肉内注射し、十分効果が出るまで続けます。
・比較的急速飽和療法として使用する場合は、1日0.4~0.6mgを静脈内注射、もしくは筋肉内注射し、十分効果が出るまで2~4日間続けます。
・維持療法として使用する場合は、1日0.2~0.3mgを静脈内注射、もしくは筋肉内注射します。
ただし、筋肉内注射は静脈内注射と比較して疼痛を伴います。
②小児に対して
・急速飽和療法として使用する場合は新生児、2歳以下、2歳以上で用量が異なります。
ー新生児・低出生体重児: 1 日0.03~0.05mg/kgを3~4回に分割し、静脈内注射、もしくは筋肉内注射します。
ー2歳以下: 1 日0.04~0.06mg/kgを3~4 回に分割し、静脈内注射、もしくは筋肉内注射します。
ー2歳以上: 1 日0.02~0.04mg/kgを3~4 回に分割し、静脈内注射、もしくは筋肉内注射します。
・維持療法
飽和量の 1/4を静脈内注射、もしくは筋肉内注射します。
ただし、筋肉内注射は静脈内注射と比較して疼痛を伴います。 |
副作用 |
主な副作用
過敏症、発疹、蕁麻疹、紫斑、浮腫等、女性型乳房、筋力低下があげられます。
これらの症状は頻度不明となっているため、症状が現れた際には投与を中止してください。
重大な副作用
ジギタリス中毒と非閉塞性腸間膜虚血が報告されています。
<ジギタリス中毒>
発現率は頻度不明です。症状があらわれた場合には、減量または休薬を行い、改めて少ない用量から投与を開始してください。
また、ジギタリス中毒症状として以下の症状には注意をし、出た場合には医師へ相談してください。
消化器:食欲不振、悪心・嘔吐、下痢等
循環器:不整脈、頻脈、高度の徐脈等
眼:視覚異常(光がないのにちらちら見える、黄視、緑視、複視等)
精神神経系:めまい、頭痛、失見当識、錯乱等
<非閉塞性腸間膜虚血>
発現率は頻度不明ですが、激しい腹痛、血便等の症状があらわれた場合には投与を中止し、近くの医療機関を受診してください。
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ■デスラノシドを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方はアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼デスラノシドの有効成分
デスラノシド
▼代表薬の添加物
エタノール、グリセリン
・以前、デスラノシドを使用して過敏症となったことのある方は使用できません。
・房室ブロック、洞房ブロックのある方は、刺激伝導系を抑制し、房室伝導の遅延、症状の悪化をもたらすため、使用できません。
・ジギタリス中毒の方は、中毒症状が悪化するため使用できません。
・閉塞性心筋疾患(特発性肥大性大動脈弁下狭窄等)のある方は、心筋収縮力を増強し、左室流出路の閉塞を増悪し、症状を悪化させるため、使用できません。
使用に注意が必要な方 ・急性心筋梗塞のある方は、心筋収縮力増強により心筋虚血を増悪させる恐れがあるため、注意してください。
・心室性期外収縮のある方は、中毒が発現した際に鑑別ができない可能性があるため、注意してください。
・心膜炎、肺性心のある方は少量で中毒を起こす恐れがあるため、注意してください。
・電解質異常(低マグネシウム血症等低カリウム血症、高カルシウム血症、低マグネシウム血症等)のある方は、少量で中毒を起こす恐れがあるため、注意してください。
・WPW症候群のある方は、副伝導路の伝導速度を速め、不整脈が増悪する恐れがあるため、注意してください。
・甲状腺機能低下症のある方は、ジゴキシンの血中濃度が高くなり、本剤の作用が増強する恐れがあるため注意してください。
・甲状腺機能亢進症のある方は、ジゴキシンの血中濃度が低くなり、本剤の作用が減弱する恐れがあるため注意してください。
・ 腎疾患のある方は、本剤の排泄が遅延し、中毒を起こす恐れがあるため注意してください。
・血液透析を受けている方は、本剤の排泄が遅延します。透析により、血清カリウム値が低下する可能性があり、中毒を起こす恐れがあるため注意してください。
・妊婦又は妊娠している可能性のある女性
・授乳婦
・小児は、副作用が一般的に起こりやすいため投与量に注意をしてください。
・高齢者は、腎機能が低下していることが多く、高い血中濃度が持続する恐れがあるため注意してください。
上記にあてはまる方は、デスラノシドを使用する事が出来ない可能性があります。 デスラノシドを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 <カルチコール注射液等のグルコン酸カルシウム水和物/L-アスパラギン酸カルシウム/塩化カルシウム水和物(カルシウム注射剤)>
心筋細胞内カルシウム濃度の上昇により、本剤の心筋収縮作用が増強されるため、治療上やむを得ないと判断される場合以外は併用しないでください。
静脈内注射により急激に血中カルシウム濃度が上昇すると、心毒性が急激に発現する恐れがあります。カルシウム値の補正に用いるなど、やむを得ず投与する場合には、低濃度から緩徐に投与していくなど注意しながら処方してください。
<スキサメトニウム/レラキシン(スキサメトニウム塩化物水和物)>
併用により重篤な不整脈を起こす恐れがあります。
<チアジド系利尿剤、エタクリン酸、クロルタリドン、フロセミド等のカリウム排泄型利尿剤/アセタゾラミド(利尿剤)>
過度の利尿により、血中カリウム値が低下し、本剤の作用が増強される恐れがあります。
<アムホテリシンB/エンビオマイシン(抗生物質製剤)>
薬剤の作用により、血中カリウム値が低下し、本剤の作用が増強される恐れがあります。
<ポリスチレンスルホン酸塩>
腸内のカリウムイオンとのイオン交換により、血中カリウム値が低下し、本剤の作用が増強される恐れがあります。
<アムリノン(強心剤)>
過度の利尿により、血中カリウム値が低下し、本剤の作用が増強される恐れがあります。
<メタラミノール(強心剤)>
薬力学的相互作用により不整脈があらわれる恐れがあります。
<副腎皮質ホルモン剤>
副腎皮質ホルモンにより低カリウム血症が起こる恐れがあります。
<高カロリー輸液等(カルシウム経口剤/カルシウム含有製剤)>
これらの薬剤により血中カルシウム値が上昇する恐れがあります。
<カルシトリオール等(ビタミンD製剤)>
ビタミンD製剤により血中カルシウム値が上昇する恐れがあります。
<グアネチジン/レセルピン系薬剤(血圧降下剤)>
薬力学的相互作用により、伝導抑制の増強、徐脈の誘発があらわれる恐れがあります。
<プロプラノロール/アテノロール/カルベジロール等(β-遮断剤)>
薬力学的相互作用により、伝導抑制の増強、徐脈の誘発があらわれる恐れがあります。また、カルベジロールではジゴキシンの血中濃度が上昇するとの報告があります。
<アドレナリン/オルシプレナリン/イソプレナリン等(交感神経刺激剤)>
薬力学的相互作用により不整脈があらわれる恐れがあります。
<アミオダロン/キニジン/ピルメノール/フレカイニド/ピルジカイニド/プロパフェノン/ベプリジル等(不整脈用剤)>
ジゴキシンの腎排泄が抑制され、血中濃度が上昇するとの報告があります。また、薬力学的相互作用により、刺激伝導抑制等があらわれる恐れがあります。
<チアマゾール/プロピルチオウラシル(抗甲状腺製剤)>
甲状腺機能亢進の改善に伴いクリアランスが正常になるため、ジゴキシンの血中濃度が上昇するとの報告があります。
<ベラパミル/ジルチアゼム/ニフェジピン等(カルシウム拮抗剤)>
<イトラコナゾール/スルファメトキサゾール・トリメトプリム(化学療法剤)>
<インドメタシン/ジクロフェナク/メチアジン酸等(解熱・鎮痛・消炎剤)>
<シクロスポリン><トラゾドン><スピロノラクトン(利尿剤)>
<フルバスタチン(HMG-CoA還元酵素阻害剤)>
ジゴキシンの腎排泄が抑制され、血中濃度が上昇するとの報告があります。
<カルバマゼピン>
併用後、ジゴキシンの血中濃度が低下するとの報告があります。
<リファンピシン(抗生物質製剤)>
肝薬物代謝酵素誘導により、ジゴキシンの血中濃度が低下するとの報告があります。
<乾燥甲状腺/レボチロキシン/リオチロニン(甲状腺製剤)>
甲状腺機能低下の改善に伴いクリアランスが正常になるため、ジゴキシンの血中濃度が低下するとの報告があります。
<アカルボース>
<セイヨウオトギリソウ(St. John's Wort,セント・ジョーンズ・ワート)含有食品>
併用によりジゴキシンの血中濃度の低下が認められたとの報告があります。
<ブピバカイン塩酸塩水和物>
ブピバカイン塩酸塩水和物の副作用を増強する恐れがあります。
<ヘパリン>
ヘパリンの作用を減弱する恐れがあります。
<スルピリド/メトクロプラミド/ドンペリドン等(制吐作用を有する薬剤)>
これらの薬剤の制吐作用のため本剤のジギタリス中毒症状が判別しにくくなる恐れがあります。
上記を使用している方は、デスラノシドを使用する事が出来ない可能性があります。 デスラノシドを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 <ノックビン(ジスルフィラム)/シアナマイド(シアナミド)>
本剤はエタノールを含有しているため、ジスルフィラム・シアナミド-アルコール反応を起こす恐れがあります。顔面紅潮、血圧低下、胸部圧迫感、心悸亢進、呼吸困難、失神、頭痛、悪心、嘔吐、めまい、痙攣等の症状があらわれた場合には、速やかにに投与を中止し医療機関を受診してください。
上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
デスラノシドに関する よくある質問 |
|
参考元一覧 |
デスラノシド注射液 ジギラノゲン注0.4mg 【添付文書】 |
サイト利用に関する注意事項 | 医薬品を使用する場合、必ず医師や薬剤師の指示に従って下さい。 医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。 |