アンブリセンタン

成分名

アンブリセンタン

適応症状

肺動脈性肺高血圧症

簡易説明

肺動脈性肺高血圧症は、心臓から肺に血液を送る肺動脈が狭くなり、肺動脈の血圧が高くなる病気です。症状は「疲労、息切れ、呼吸困難、運動能力低下」などで、日常生活にも支障がでてきます。また、進行すると心不全を引き起こす場合もあります。アンブリセンタンは、主に肺動脈性肺高血圧症を改善します。血管収縮をまねく、体内物質の「エンドセリン」に対抗することで、血管の収縮を抑え、肺動脈圧を低下させます。肺の血流が改善されることで呼吸困難が和らぎ、運動耐容能の向上にもつながります。

処方可能な診療科目

内科/消化器内科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約10,000円~
薬代1錠あたりの目安:2.5mg約3744.7円
薬代後発薬1錠の目安:2.5mg約1757.2円
※病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。
高額療養費制度の対象になるため患者の年齢、所得水準によっても異なってきます。
指定難病であり、自己負担分の治療費の一部または全部が国または自治体により賄われることがあります。性症は指定難病であり、自己負担分の治療費の一部または全部が国または自治体により賄われることがあります。

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売開始年月 : 2010年9月

国内のジェネリック認可

あります

関連製品(先発薬)

ヴォリブリス錠2.5mg【製薬メーカー:グラクソ・スミスクライン】

関連製品(ジェネリック)

アンブリセンタン錠2.5mg「KMP/サワイ」【製薬メーカー:共創未来ファーマ/沢井製薬】

効果・作用

体内で血管収縮作用がある「エンドセリン」の作用を抑制し肺動脈の血圧を下げ、息切れや疲労感などを改善する働きがあります。エンドセリンは、血管の収縮を担う体内物質で、病的な血管では、過度な血管収縮や細胞増殖を引き起こすことがあります。エンドセリンが結合する受容体には「エンドセリンA受容体」と「エンドセリンB受容体」の2つのタイプがあります。A受容体は、肺動脈性肺高血圧症の病態により深く関係していると考えられています。アンブリセンタンは、エンドセリンA受容体を選択的に妨害し、エンドセリン上昇にともなう血管収縮や細胞増殖・肥大化などの有害作用を抑え。肺動脈圧や肺血管抵抗が低下し、肺高血圧症にともなう臨床症状が改善されます。選択的エンドセリンA受容体拮抗薬とも呼ばれています。

▼特徴
プロピオン酸系になり、中等度からやや重い肺動脈性肺高血圧症に対して、最も推奨度の高い治療薬として位置付けられます。エンドセリンA受容体を強く阻害する選択的エンドセリンA受容体拮抗薬になりますが、高い効果が期待できる反面、類薬に比べ浮腫や肺水腫を起こしやすい性質があります。服用回数が1日1回で済み、飲み合わせによる相互作用が少ないことも特徴の一つです。また、類似薬のボセンタンに比べ、肝機能障害を引き起こす危険性も低く、ボセンタンで禁忌にあたる中等度の肝障害例においても用いることができます。国内で2番目のエンドセリン受容体拮抗薬となります。

▼作用機序
エンドセリン受容体のうち、ETA受容体に高親和性、ETB受容体には低親和性(ETA受容体に比べて1/4000以下の親和性)を示す選択的ETA受容体拮抗薬です。PAH患者において、血漿中ET-1濃度は高く、右心房圧や病態の程度と相関することで、ET-1がPAHの発症または、進展に重要であると考えられてます。アンブリセンタンは、肺血管ETA受容体阻害作用を介して、内因性のET-1による肺血管平滑筋の収縮または、増殖を抑え、PAHの症状を改善すると考えられてます。

▼詳しい薬理作用
肺動脈性肺高血圧症は肺の中の動脈が狭くなったり硬くなることで、肺動脈圧が上がって動作時の息苦しさなどの呼吸器症状、心不全症状などがあらわれます。体内物質である、エンドセリン(エンドセリン-1:ET-1)は強力な血管収縮物質で、エンドセリン受容体に作用して効果があらわれます。エンドセリン受容体にはエンドセリンA(ETA)受容体と、エンドセリンB受容体(ETB)受容体があり、血管収縮作用や細胞増殖作用などに関係しています。アンブリセンタンは「ETA受容体」「ETB受容体」に作用し、ET-1による血管収縮作用や血管平滑筋細胞増殖作用を抑えることで、肺動脈性肺高血圧症の改善が期待できます。また、血管収縮抑制作用もあり、全身性強皮症での血管障害の改善などで使用する薬剤もあります。

▼指定難病・肺動脈性肺高血圧症とは
心臓から肺に血液を送るための血管が「肺動脈」です。この肺動脈の圧力(血圧)が異常に上昇するのが「肺動脈性肺高血圧症(PAH)」です。肺動脈の圧力が上昇するのは、肺の細い血管が狭くなり、また硬くなるために、血液の流れが悪くなるからです。必要な酸素を体に送るためには、心臓から出る血液の量を一定以上に保つ必要があります。狭い細い血管を無理に血液を流すように心臓が努力するために、肺動脈の圧力(血圧)が上昇します。しかし、何故このような病気が起こるのかはまだ解明されていません。この病気の原因解明が必要であり、有効な治療法の研究開発のため、この病気は「難治性呼吸器疾患(指定難病)」に認定されています。

▼他のエンドセリン受容体拮抗薬
トラクリア
ヴォリブリス
オプスミット

使用方法

成人は5mgを1日1回経口投与してください
※症状に応じて1日10mgを超えない範囲で適宜増量します

8歳以上の小児には、体重に応じ以下の投与量を1日1回経口投与してください
20~35kg未満:通常、2.5mgとし症状に応じて1日5mgを超えない範囲で適宜増量してください
35~50kg未満:通常、5mgとし症状に応じて1日7.5mgを超えない範囲で適宜増量してください
50kg以上:通常、5mgとし症状に応じて1日10mgを超えない範囲で適宜増量してください

(用法用量に関連する注意)
シクロスポリンと併用する場合、成人または、50kg以上の小児は1日1回5mgを上限として投与し、シクロスポリンと併用する場合、50kg未満の小児は1日1回2.5mgを上限として投与してください

副作用

主な副作用
呼吸困難、過敏症反応、血管性浮腫、発疹、頭痛、めまい、潮紅、動悸、低血圧、鼻閉、鼻出血

重大な副作用
極めて稀な副作用ですが、重度の副作用にご注意下さい。
重篤な副作用の発生率は低いですが、用法や用量を間違えると命に危険を及ぼすような、重篤な副作用が発生する恐れもあります。

貧血、ヘモグロビン減少、ヘマトクリット減少、心不全、体液貯留、間質性肺炎、間質性肺炎増悪、咳嗽、発熱、肺音異常、捻髪音

その他の副作用
喀血、副鼻腔炎、鼻咽頭炎、便秘、悪心、腹痛、嘔吐、トランスアミナーゼ上昇、末梢性浮腫、疲労、白血球減少、無力症、視覚障害、霧視、眼窩周囲浮腫

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■アンブリセンタンを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方ヴォリブリスは、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。

▼ヴォリブリスの有効成分
アンブリセンタン
▼代表薬の添加物
乳糖水和物、結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ポリビニルアルコール(部分けん化物)、酸化チタン、タルク、マクロゴール4000、大豆レシチン

■他に使用できない方
妊婦/授乳者
過敏症
重度肝障害
肺静脈閉塞性疾患

使用に注意が必要な方
高齢者
新生児/乳児/幼児/小児
肺の線維化
間質性肺炎
重度腎障害
中等度肝障害
重度貧血
WHO機能分類クラス4
出血の危険因子を有する
肺の線維化
投与開始前AST・ALTのいずれかが基準値上限3倍を超える
投与開始前アミノトランスフェラーゼのいずれかが基準値上限3倍を超える
特発性・遺伝性・CHD外科的修復術後・CTDに伴うPAH以外の小児PAH

上記にあてはまる方は、アンブリセンタンを使用する事が出来ない可能性があります。
アンブリセンタンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
シクロスポリン

上記を使用している方は、アンブリセンタンを使用する事が出来ない可能性があります。
アンブリセンタンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
現在併用禁忌薬は報告されていません

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
お腹に赤ちゃんがいる場合、胎児に影響はでますか?

胎児に影響を及ぼす可能性があるので、妊娠しないよう確実な避妊法を用いてください。妊娠がわかった場合もしくは妊娠している可能性がある場合、および妊娠を希望する場合も、医師に相談してください。

服用する前に注意すべきことはありますか?

エンドセリン受容体拮抗薬(ERA)の投与時に肝酵素上昇が認められているため、本剤の投与開始前に必ず肝機能検査を実施し、投与中においては必要に応じて定期的に、肝機能検査を実施しモニターすること。

医薬品インタビューフォーム

【上記引用元:グラクソ・スミスクライン株式会社】

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医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。