成分名 |
コルホルシンダロパート塩酸塩 |
適応症状 |
他の薬剤を投与しても効果が不十分な急性心不全 |
簡易説明 |
コルホルシンダロパート塩酸塩は強心薬と血管拡張薬2つの作用を併せ持つ薬剤です。もともとは水に溶けにくい物質であったため薬剤化が難しいとされていましたが、日本化薬とドイツのヘキスト社が共同で水溶化に成功し、薬剤化に至りました。
ほかの薬剤を投与しても効果が不十分な急性心不全に対して使用します。
用時生理食塩液等で溶解し、投与しますが、心血行動態や心電図を見ながら患者さんに合わせて投与量を調節していきます。 |
処方可能な診療科目 |
循環器内科/総合診療科/内科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
この薬は処方薬ではありません。
アデール点滴静注用5mg【製薬メーカー:日本化薬】5mg1瓶3999円(薬価)
アデール点滴静注用10mg【製薬メーカー:日本化薬】10mg1瓶6812円(薬価) |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
1999年1月発売 |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
関連製品(先発薬) |
アデール点滴静注用5mg/10mg【製薬メーカー:日本化薬株式会社】 |
関連製品(ジェネリック) |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
効果・作用 |
コルホルシンダロパート塩酸塩は、シソ科の植物 Coleusforskohliiの根から抽出されたフォルスコリン(コルホルシン)がもととなっています。フォルスコリンは水に溶けにくかったため、臨床適用可能な水溶性誘導体を新規に合成し、急性心不全治療薬アデール注として開発されました。
作用部位は心臓と血管で、β受容体を介さず、cAMP の合成酵素であるアデニル酸シクラーゼを直接活性化する新たな機序が特徴です。
心筋においては、β受容体を介さず、cAMP合成酵素のアデニル酸シクラーゼを直接活性化させることにより心筋細胞内の cAMP量を増加させます。cAMPはプロテインキナーゼAを活性化します。活性化したプロテインキナーゼAは細胞膜の電位依存性 Ca2+チャンネルからの Ca2+流入を促進し、また筋小胞体からの Ca2+遊離を増加させるため、細胞内の Ca2+濃度が上昇して心筋の収縮力を増強します。一方で、プロテインキナーゼAの活性化により、筋小胞体への Ca2+取り込みが促進され、心筋の弛緩速度も促進します。
血管平滑筋においては、心筋と同様、アデールはアデニル酸シクラーゼを直接活性化することにより血管平滑筋細胞内の cAMP量を増加させます。cAMPはプロテインキナーゼAを活性化します。活性化したプロテインキナーゼAは筋小胞体への Ca2+取り込みの促進などを介して細胞内 Ca2+濃度の低下をもたらし、同時にミオシン軽鎖キナーゼを不活性化するため、血管が拡張します。
臨床試験としては、198名の急性心不全(慢性心不全の急性増悪期を含む)を対象に、コルホルシンダロパートを投与しました。改善率は 55.1%(109/198)であり、有効性が認められています。
本剤は急性心不全患者の肺動脈楔入圧、全身血管抵抗及び肺血管抵抗を減少させ、心係数及び1回心拍出係数を増加させました。また、呼吸困難等の自覚症状及び四肢冷感等の身体所見を改善させました。 |
使用方法 |
本剤は、用時生理食塩液等で溶解し、処方します。成人には1分間あたり0.5μg/kgを点滴静脈内投与します。
なお、点滴投与量は、病態に応じて1分間あたり0.75μg/kgを上限として心血行動態、心電図をモニターしながら適宜増減してください。
長時間投与の使用経験は少ないため、72時間を超える長時間投与は避けてください。 |
副作用 |
主な副作用
主に、動悸 、 頻脈 、 心室性期外収縮 、 頭痛 、 頭重感 、 熱感 、 LDH上昇 、 尿蛋白増加 、 血小板減少 、 心室性頻拍などがあげられます。
発生頻度は以下の通りです。
●循環器・・動悸・頻脈(16.9%)、心室性期外収縮(10.8%)、上室性頻拍、心房細動、心房粗動、血圧低下(1~5%未満)
●消化器・・悪心・嘔吐(1~5%未満)
●肝臓・・LDH上昇(5%以上)、直接ビリルビン上昇、総ビリルビン上昇、AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、γ-GTP上昇、AI-P上昇(1~5%未満)
●腎臓・・尿たん白増加(5%以上)、BUN上昇、血清クレアチニン上昇、尿酸上昇(1~5%未満)
●血液・・血小板減少(5%以上)、赤血球減少、ヘモグロビン減少、ヘマトクリット値減少、白血球増加、リンパ球減少(1~5%未満)
●その他・・頭痛・頭 重感、熱感(5%以上)、尿ウロビリノーゲン増加、総たん白減少、CK(CPK)上昇、尿糖増加(1~5%未満)、全身倦怠感、呼吸困難、血清K低下(1%未満)
重大な副作用
重篤な副作用として、心室性頻拍(3.0%)、心室細動(頻度不明)があらわれることがありますので、注意をしてください。
もし症状が出た場合には、減量もしくは投与を中止してください。
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ■コルホルシンダロパートを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方はアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼コルホルシンダロパートの有効成分
コルホルシンダロパート
▼代表薬の添加物
キシリトール、リン酸、pH調整剤
・以前、コルホルシンダロパートを使用して過敏症となったことのある方は使用できません。
・肥大型閉塞性心筋症のある方は流出路閉塞が悪化する可能性があるため使用できません。
・高度の大動脈弁狭窄又は僧帽弁狭窄等のある方は血圧低下又は肺動脈圧上昇、肺動脈楔入圧上昇により状態が悪化することがあるため使用できません。
使用に注意が必要な方 ・重篤な頻脈性不整脈のある方は不整脈が悪化することがあるため注意をしてください。
・重篤な冠動脈疾患のある方は急性心筋梗塞などの冠動脈疾患を増悪させる恐れがあるため注意をしてください。
・大動脈弁狭窄、僧帽弁狭窄等がある方は血圧低下又は肺動脈圧上昇、肺動脈楔入圧上昇により状態が悪化することがあるため注意をしてください。
・腎機能障害のある方は心室性頻拍、心房細動等の副作用発現率が高くなるため、注意をしてください。
・重篤な肝機能障害のある方は血中濃度が高くなるため、投与量を減らしてください。
・著しく血圧の低い方は、さらに血圧が低下する恐れがあるため注意をしてください。
・高齢者では、肝・腎機能が低下していることが多く、動悸・頻脈、不整脈等の副作用が発現しやすいので、慎重に投与してください。
・妊婦又は妊娠している可能性のある婦人は、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与してください。
上記にあてはまる方は、コルホルシンダロパート塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 コルホルシンダロパート塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 <ドパミン塩酸塩、ドブタミン塩酸塩等(カテコラミン系の強心薬)/ミルリノン、オルプリノン塩酸塩水和物等(PDE阻害薬)/ブクラデシンナトリウム(cAMP製剤)>
両剤が共振作用を有するため、心室性期外収縮等の不整脈の発現を助長させる恐れがあります。
<フロセミド等(利尿薬)>
心室性期外収縮等の不整脈の発現を助長させる恐れがあります。
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。
併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
コルホルシンダロパート塩酸塩に関する よくある質問 |
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参考元一覧 |
急性心不全治療剤アデール点滴静注用 【添付文書】 |
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