アルグルコシダーゼアルファ(遺伝子組換え)

成分名

アルグルコシダーゼアルファ(遺伝子組換え)

適応症状

糖原病Ⅱ型

簡易説明

アルグルコシダーゼ アルファは、Ⅱ型糖原貯蔵障害、ポンペ病、又は酸性マルターゼ欠損症と呼称される糖原病Ⅱ型の治療に使用される医薬品です。
疾患に対して酵素を補充する薬物療法は本剤が世界で初めて承認されました。
これまでは対症療法しかありませんでしたが、本剤の承認によって治療の選択肢が増えました。日本ではサノフィが販売しています。

処方可能な診療科目

糖尿病内科/内科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

この薬は処方薬ではありません。
マイオザイム点滴静注用50mg【製薬メーカー:サノフィ】50㎎1瓶93064円(薬価)

厚生労働省による認可、または発売年月日

2007年6月発売

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

マイオザイム点滴静注用50mg【製薬メーカー:サノフィ】

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

海外での使用実績

世界30か国以上で販売されています。

効果・作用

アルグルコシダーゼ アルファは、先天的な遺伝子の異常によって起こる糖原病Ⅱ型の治療に使用される医薬品です。
糖原病Ⅱ型では、酵素である酸性α-グルコシダーゼが体内で不足していますが、本剤は補充することで症状を改善します。1週間ごとの投与で、ライソゾームの中に溜まっているグリコーゲンを分解並びに代謝し、低下させることが主な作用機序となっています。

生後6ヵ月以下の乳児型糖原病Ⅱ型の方18名に対して外国臨床試験を実施しています。本剤1kgあたり20mgもしくは1kgあたり40mgを1週間おきに、52週間投与しました。
無治療の患者群では、生後18ヵ月時点の生存率が1.9%であったのに対して、本剤投与群では88.9%でした。また、投与をする前の平均左室心筋重量係数は193.4g/m2でしたが、52週目になると86.8g/m2まで低下していました。
その後、18名のうち16名に対し、最長150週間投与したところ、16名中13名、割合として81.3%が試験終了時点まで生存していました。
無治療群では、生後24~36ヵ月での生存率が1.9%に対して、本剤投与群では、生後36ヵ月における生存率が49.4%でした。18名中13名、割合として72.2%では最終評価タイミングで左室心筋重量Zスコアの低下が認められました。

生後3ヵ月から3.5歳までの乳児型ならびに小児型糖原病Ⅱ型患者21名に対し、1kgあたり20mgを1週間ごとに、52週間投与する試験を実施しました。
21名の生存率は76.2%でした。試験開始した際に侵襲的人工呼吸器非使用だった患者16名中10名は、投与52週間後も侵襲的人工呼吸器非使用を継続できていました。また、52週目の平均LVMIはベースラインと比べて42%低下していました。
その後、最長168週間投与したところ、104週目の最終評価時において20名中生存率は71.1%でした。試験開始するタイミングで侵襲的人工呼吸器を使用していなかった患者16名中7名、割合として43.8%は、試験期間終了時においても侵襲的人工呼吸器を使用せずにいられました。また、最終評価時における平均LVMIはベースラインと比べて63%低下していました。

使用方法

1回1kgあたり20mgを1週間おきに点滴で静脈内投与します。

副作用

主な副作用
糖原病Ⅱ型の39名に本剤を投与した臨床試験では、24名、割合として61.5%の方に副作用が発現しました。主に、蕁麻疹や発熱、インフルエンザ様症状などがあげられます。

項目別の発現頻度は以下の通りです。
皮膚・・蕁麻疹(頻度不明又は10%以上)、発疹/多汗症(5~10%未満)、斑状皮疹/紅斑/斑状丘疹状皮疹/そう痒症/丘疹/紅斑性皮疹/網状皮疹/眼窩周囲浮腫/手掌紅斑/血管浮腫(5%未満)
血管・・潮紅(頻度不明又は10%以上)、高血圧/蒼白/低血圧(5%未満)
臨床検査・・酸素飽和度低下/血圧上昇(5~10%未満)、CK-MB上昇/AST(GOT)上昇/ALT(GPT)上昇/血中Ca上昇/CK上昇/尿素上昇/ヘモグロビン減少/心拍数増加/血小板数減少/呼吸数増加/体温上昇/血
圧低下/心拍数減少(5%未満)
全身及び局所反応・・発熱/インフルエンザ様症状(頻度不明又は10%以上)、悪寒/注射部位反応/嗜眠/低体温/疲労/胸部不快感/局所腫脹/末梢性浮腫/熱感/非心臓性胸痛(5%未満)
呼吸器・・咳嗽/頻呼吸(5~10%未満)、気管支痙攣/ラ音/咽喉絞扼感(5%未満)
消化器・・嘔吐/悪心(5~10%未満)、便秘/胃食道逆流性疾患/下痢(5%未満)
循環器・・頻脈、チアノーゼ、上室性頻脈(5%未満)
精神系・・激越、易刺激性、不眠症、落ち着きのなさ(5%未満)
神経系・・頭痛(5~10%未満)、振戦、浮動性めまい、錯感覚(5%未満)
筋骨格系・・筋攣縮、筋肉痛、筋痙縮(5%未満)

重大な副作用

点滴によって起こる反応のことです。頻度不明ですが、蕁麻疹、発疹、潮紅、発熱、頻脈、咳嗽、酸素飽和度低下、頻呼吸、喘鳴などがあらわれた場合には、投与スピードを減速させるもしくは、副腎皮質ホルモン剤、抗ヒスタミン剤、解熱鎮痛剤か抗炎症剤などの薬物治療を行ってください。

<免疫関連反応>
皮膚壊死、皮膚
潰瘍、関節痛、関節腫脹、ネフローゼ症候群、蛋白尿、血尿などがあらわれる場合があります。もし症状があらわれた場合には、すぐに本剤の投与を中止し、医療機関を受診してください。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■アルグルコシダーゼ アルファを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方はアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼マイオザイム点滴静注の有効成分
アルグルコシダーゼ アルファ
▼代表薬の添加物
D-マンニトール、リン酸水素二ナトリウム七水和物、リン酸二水素ナトリウム一水和物、ポリソルベート80
・以前、アルグルコシダーゼ アルファを使用してアナフィラキシーショックとなったことのある方は使用できません。

使用に注意が必要な方
・非代償性心不全の方もしくは急性感染症、熱性疾患、喘鳴又は気管支痙攣などの急性疾患がある方は、IARのあらわれる確率が高いため、使用には注意をしてください。
・重症の糖原病Ⅱ型患者は、心機能低下や呼吸機能低下を合併するリスクがあり、結果的に重度のIARに影響するため使用には注意をしてください。
・以前、IAR症状をおこしたことのある方は注意をしてください。

上記にあてはまる方は、アルグルコシダーゼアルファ(遺伝子組換え)を使用する事が出来ない可能性があります。
アルグルコシダーゼアルファ(遺伝子組換え)を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用禁忌薬
なし

併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

アルグルコシダーゼアルファ(遺伝子組換え)に関する
よくある質問
薬剤の保管方法に決まりはありますか?

密封容器で凍結はかならず避けて、温度2~8℃の間で保管してください。

製品関連のよくあるご質問と回答

【上記引用元:サノフィ e-MR 医療関係者向け情報サイト】

調整方法はどのようにしたらよいですか?

まず、患者さんの体重にあわせて本剤の投与量を決定します。最終的な薬剤の濃度が1mlあたり0.5~4mgの間となるよう、日局生理食塩水の量を決定します。その後、約30分ほど室温程度の温度になるまで放置し、日局注射用水10.3mL をゆっくりと溶解してください。この時、振らないでください。また、あらかじめ日局生理食塩液が含まれている点滴バックから、注入する薬剤量を抜きとっておきます。溶解したものから溶液を5mg/mL抜き取り、日局生理食塩液が含まれている点滴バックにゆっくりと注入し、希釈します。注入後、点滴バックをゆっくりと回転させながら、泡が立たないように混ぜます。

製品関連のよくあるご質問と回答

【上記引用元:サノフィ e-MR 医療関係者向け情報サイト】

参考元一覧

マイオザイム点滴静注用50mg 添付文書

マイオザイム点滴静注用50mg インタビューフォーム

サイト利用に関する注意事項

医薬品を使用する場合、必ず医師や薬剤師の指示に従って下さい。
医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。