成分名 |
アミオダロン塩酸塩 |
適応症状 |
生命に危険のある心室性頻拍、心室細動、心不全(低心機能)または肥大型心筋症に伴う「心房細動の再発性不整脈」で、その他の抗不整脈薬が無効、または使用できない場合 |
簡易説明 |
心臓は拡張と収縮を絶えず繰り返すことで全身に血液を送りこみます。これの一連の動きにはナトリウムやカリウムなどの「イオン」の動きが大きく関係しています。心臓の細胞において、様々なイオンが流入したり流出したりすることで電気的な信号が発生し心臓が収縮・拡張します。一連の流れの内、アミオダロン塩酸塩はカリウムを強くブロックすることで不整脈への効果を発揮します。 |
処方可能な診療科目 |
内科/循環器内科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約1000円~2000円
薬代1錠あたりの目安:100mg 147円
薬代1管あたりの目安:1管 2333円
薬代後発薬1錠の目安:100mg 98円
※病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。
※「薬代1錠あたりの目安」はアンカロン錠100の薬価で算出しています。
※「薬代後発薬1錠の目安」はアミオダロン塩酸塩錠100mg「サワイ」の薬価で算出しています。
※診察費は3割負担で算出しています。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
発売年月:1992年10月 |
国内のジェネリック認可 |
あり |
関連製品(先発薬) |
アンカロン錠100/アンカロン注150(サノフィ) |
関連製品(ジェネリック) |
アミオダロン塩酸塩錠100mg「サワイ」/アミオダロン塩酸塩錠100mg「サンド」/アミオダロン塩酸塩錠100mg「トーワ」/アミオダロン塩酸塩速崩錠50mg「TE」/アミオダロン塩酸塩速崩錠100mg「TE」/アミオダロン塩酸塩静注150mg「TE」 |
効果・作用 |
アミオダロン塩酸塩は不整脈(脈が乱れてしまい正常に全身に血液を送り出すことができない状態)に対して使用する薬です。
心臓は拡張と収縮を絶えず繰り返すことで全身に血液を送りこみます。これの一連の動きにはナトリウムやカリウムなどの「イオン」の動きが大きく関係しています。心臓の細胞において、様々なイオンが流入したり流出したりすることで電気的な信号が発生します。そしてこの電気的な信号によって心臓が収縮・拡張します。
心臓は基本的に「マイナスイオン」の状態となっています。このマイナスイオンの状態から電気的な信号が発生するためには、最初にプラスイオンであるナトリウムが心臓の細胞に流入してくる必要があります。ナトリウムが入ってくることで心臓の細胞はマイナスからプラスの状態へと変換されます。その後、今度はプラスイオンであるカリウムが心臓の細胞から外へ放出されます。プラスイオンのカリウムが出ていくため、今度はマイナスの状態に傾きます。そして時間が経つと最初の状態へ戻り、この繰り返しで心臓は収縮と拡張を連続的に繰り返しています。
一連の流れの内、アミオダロン塩酸塩はカリウムを強くブロックすることで不整脈への効果を発揮します。 |
使用方法 |
■導入期
成人(15歳以上):アミオダロン塩酸塩として1日400ミリグラムを1〜2回に分けて1〜2週間かけて服用します。
■維持期
成人(15歳以上):アミオダロン塩酸塩として1日200ミリグラムを1〜2回に分けて服用します。
※年齢や症状によって医師の判断のもと適宜増量、減量することがあります。 |
副作用 |
・循環器系:房室ブロック、QT延長、脚ブロック、洞機能不全
・内分泌系:甲状腺の機能障害
・皮膚系:じんましん、皮膚の湿疹、脱毛、日光皮膚炎、爪の変色・変形、血管神経性浮腫
・自律神経系:赤ら顔
・感覚器系:臭覚の異常、味覚の異常
・呼吸器系:ぜんそく、肺の機能障害、胸部エックス線異常
・血液系:好酸球の増加、白血球の減少、好中球の減少、ヘモグロビンの上昇および低下、ヘマトクリットの上昇、白血球の増多、血液凝固異常、血小板の減少
・神経系:頭痛、頭重感、歩行困難、めまい、ふらつき、ふるえ、運動困難、知覚障害、光線過敏症
・眼:羞明、ぼやけ、角膜への色素沈着、かすみ目、視覚暈輪、視神経炎
・肝臓系:肝臓の機能障害
・精神神経系:不眠症、性欲の減退、幻覚、睡眠障害
・腎臓系:尿に糖が混じる、血中クレアチニンの上昇、尿酸の上昇および低下、血液中のNa濃度低下、血液中のNa上昇、電解質(カリウム、クロライド、カルシウム、リン)の上昇および低下、尿たんぱく、尿ウロビリノーゲン、尿pH異常、BUNの上昇
・消化器系:嘔吐、食欲不振、嘔気、胃部不快感、口内炎、便秘、悪心
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ・重篤な「洞不全症候群」を治療中の方
※洞不全症候群が悪化する可能性があります。
・2度以上の「房室ブロック」を治療中の方
※房室ブロックが悪化する可能性があります。
・アミオダロン塩酸塩またはヨウ素に対して過敏症を起こした経験のある方
・ネルフィナビルメシル酸塩、フィンゴリモド塩酸塩、ラスクフロキサシン塩酸塩、シルデナフィルクエン酸塩、トレミフェンクエン酸塩、シポニモドフマル酸、モキシフロキサシン塩酸塩、エリグルスタット酒石酸塩、リトナビル、バルデナフィル塩酸塩水和物を服用中の方
使用に注意が必要な方 ・心電図上、QT延長が起きている方
※さらにQT時間が過度に延長してしまう可能性があります。
・肝機能が重度に低下している方
※肝機能がさらに悪化する可能性があります。
・腎機能が重度に低下している方
※腎機能さらに悪化する可能性があります。
・軽度の「刺激伝導障害(脚ブロック、1度房室ブロックなど)」を治療中の方
※刺激伝導障害が悪化する可能性があります。
・重篤な「うっ血性心不全」を治療中の方
※心不全が悪化する可能性があります。
・「肺胞炎」「間質性肺炎」「肺線維症」を治療中の方、肺の機能が低下した方、肺に疾患の経験のある方
※重篤な肺障害が引き起こされる可能性があります。
・甲状腺機能障害、またはその経験のある方
※甲状腺機能障害が悪化する可能性があります。
・授乳している方
※アミオダロン塩酸塩が母乳中へ移行します。
・妊娠している方
※妊娠中の服用により、新生児に先天性の甲状腺腫、甲状腺機能低下症、甲状腺機能亢進症を起こしました。
※胎盤通過率:母体から新生児へアミオダロン塩酸塩が26%通過すると推定されています。
※動物実験:胎児の体重低下、死亡胎児数の増加が認められています。
・小児
臨床試験が行われていません。
・高齢者
※副作用が引き起こされる可能性があります。
上記にあてはまる方は、アミオダロン塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 アミオダロン塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 ・プロカインアミド
※プロカインアミドの作用が強く出すぎる可能性があります。
・テオフィリン
※テオフィリンの副作用が引き起こされる可能性があります。
・アプリンジン
※アプリンジンの副作用が引き起こされる可能性があります。
・抗凝血剤(ワルファリン)
※致死的な出血が生じる可能性があります。
・フレカイニド
※フレカイニドの副作用が引き起こされる可能性があります。
・ジゴキシン
※房室ブロック、洞房ブロック、胃腸障害、憂鬱、精神神経障害などが引き起こされる可能性があります。
・キニジン/メキシレチン/ジソピラミド/ソタロール
※トルサードポワンツが引き起こされる可能性があります。
・P糖蛋白を基質とする抗凝固剤(ダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩/エドキサバントシル酸塩水和物)
※血液が固まりやすくなる可能性があります。
・CYP3A4で代謝される薬剤(シクロスポリンなど)
※CYP3A4で代謝される薬剤の副作用が引き起こされる可能性があります。
・フェンタニル
※徐脈、血圧低下が発現する可能性があります。
・全身麻酔剤
※徐脈、伝導障害、低血圧、心拍出量低下といった合併症が引き起こされる可能性があります。
・リドカイン
※洞房ブロック、洞停止が引き起こされる可能性があります。
・局所麻酔剤
※心臓の機能抑制作用が増強する可能性があります。
・Ca拮抗剤(ジルチアゼムなど)
※心停止、房室ブロックが引き起こされる可能性があります。
・セイヨウオトギリソウを含む食品
※アミオダロン塩酸塩の血液中の濃度が低下する可能性があります。
・β遮断薬(メトプロロールなど)
※心停止、徐脈が引き起こされる可能性があります。
・低カリウム血症リスクのある薬(利尿剤など)
※トルサードポワンツが引き起こされる可能性があります。
・レジパスビルソホスブビル配合剤
※徐脈などの不整脈が引き起こされる可能性があります。
・シルデナフィルクエン酸塩
※QTが延長する可能性があります。
・ヒドロキシクロロキン硫酸塩
※心室性不整脈が引き起こされる可能性があります。
上記を使用している方は、アミオダロン塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 アミオダロン塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 ・ネルフィナビルメシル酸塩(ビラセプト)
※QTの延長、トルサードポワンツなどの命に危険性のある副作用が引き起こされる可能性があります。
・リトナビル(ノービア)
※不整脈などの重篤な副作用が引き起こされる可能性があります。
・バルデナフィル塩酸塩水和物(レビトラ)/シルデナフィルクエン酸塩(バイアグラ)
※QTの延長が引き起こされる可能性があります。
・モキシフロキサシン塩酸塩(アベロックスなど)
※QTの延長、心室性不整脈が引き起こされる可能性があります。
・フィンゴリモド塩酸塩(イムセラ、ジレニア)
※トルサードポワンツなどの重篤な不整脈が引き起こされる可能性があります。
・エリグルスタット酒石酸塩(サデルガ)
※QTの延長が引き起こされる可能性があります。
・トレミフェンクエン酸塩(フェアストン)
※QTの延長、トルサードポワンツを含む心室性頻拍が引き起こされる可能性があります。
上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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