ウラピジル

成分名

ウラピジル

適応症状

神経因性膀胱の排尿困難
腎性高血圧症
前立腺肥大症の排尿障害
本態性高血圧症
褐色細胞腫による高血圧症

簡易説明

・肥大した前立腺により狭くなった尿道を拡げ「尿が近い、出にくい」などの症状を改善します。
・体内の血管収縮に関わる作用を抑制し、血管を広げて血圧を下げる作用があります。
・α遮断薬という系統になります。降圧薬としては第一選択されませんが、糖尿病や脂質代謝異常のある場合に効果があります。喘息や排尿障害、レイノー症状のある人にも使用することが可能です。

処方可能な診療科目

内科、消化器内科、泌尿器科、など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安 :約1,000円~10,000円

薬代1カプセルあたりの目安 :15mg約14.1円(薬価)

※病院によって差が有り。薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

販売開始年月 : 1989年1月

国内のジェネリック認可

ジェネリック認可なし

関連製品(先発薬)

エブランチルカプセル15mg/30mg【製薬メーカー:科研製薬】

関連製品(ジェネリック)

ジェネリックなし

効果・作用

・アドレナリンα1受容体拮抗薬および5HT1A受容体作動薬として作用する。他のアドレナリンα1受容体拮抗薬とは異なり、ウラピジルは反射性頻拍を誘発しません。弱いアドレナリンβ1受容体拮抗作用と心臓迷走神経駆動への影響に関連していると考えられております。
・末梢のシナプス後α1受容体を遮断する事で血管抵抗を低下させ、収縮期および拡張期血圧を低下させます。また、中枢のセロトニン受容体(5HT1A)を刺激し、交感神経の反作用(反射性頻脈)を防止します。

▼ウラピジルの降圧作用▼
・血圧上昇の原因の一つに血管の収縮があります。体内に交感神経が作用する「α1受容体」が刺激されると、血管が収縮し血圧が上昇します。α1受容体を阻害すれば血管収縮を抑制することができ、血管が拡張し血圧が下がるメカニズムです。主に、高血圧の治療に使用されております。血圧を適切に保つことは、将来起こるかもしれない脳卒中や心臓病、腎臓病の予防にもつながります。

▼高血圧症とは▼
・血圧が正常値より高い状態が続いていることです。
・医学的には、「収縮期血圧が140mmHg以上」または、「拡張期血圧が90mmHg以上」を満たすと診断されます。
・高血圧そのものはほとんどの場合症状を起こしませんが、以下のような命に関わる病気を起こしやすくなるので治療が必要となります。
脳卒中(くも膜下出血、脳出血、脳梗塞、TIA)・心不全・虚血性心疾患(心筋梗塞、狭心症)・腎障害(細動脈性腎硬化症)など

▼ウラピジルの排尿作用▼
・前立腺は尿道を取り囲むように存在しており、前立腺が肥大することで尿道が狭くなり、排尿がしずらくなり、残尿感や頻尿などの症状があらわれます。尿道平滑筋にある「α受容体」を遮断することで、尿道をゆるめ、尿の出がスムーズになります。主に、前立腺肥大症などに伴う排尿障害の治療に使用されております。

▼前立腺肥大症とは▼
・前立腺が大きくなり、排尿障害が出現した状態のことです。
・前立腺が尿道を取り囲むように位置しており、前立腺が大きくなると、排尿が難しくなるなどの排尿障害が出現しやすくなります。前立腺が大きくなっても、排尿障害が出現するとは限りません。
前立腺肥大を原因とした排尿障害がある状態を「前立腺肥大」といいます。
原因としては、加齢、男性ホルモン、遺伝の関与もあるとされており、50歳代くらいの男性で増え始め、55歳以上の人では2割、80歳には8割くらいの男性が前立腺肥大症と言われております。

▼α1受容体をブロックすることで排尿障害を改善させる薬▼
・ハルナール(一般名タムスロシン)
・フリバス(一般名ナフトピジル)
・ユリーフ(一般名シロドシン)

▼エブランチルの特徴まとめ▼
・「血圧を下げる作用」と「排尿障害を改善する作用」という2つの効果がある
・排尿障害で女性に使える数少ない薬
・喘息やレイノー症状のある人にも使用することが可能

使用方法

〈本態性高血圧症、腎性高血圧症、褐色細胞腫による高血圧症〉
・ウラピジルとして1日30mg(1回15mg1日2回)より投与を開始し、効果が不十分な場合は1~2週間の間隔をおいて1日120mgまで漸増し、1日2回に分割し朝夕食後経口投与すること
※年齢、症状により適宜増減する

〈前立腺肥大症に伴う排尿障害〉
・ウラピジルとして1日30mg(1回15mg1日2回)より投与を開始し、効果が不十分な場合は1~2週間の間隔をおいて1日60~90mgまで漸増し、1日2回に分割し朝夕食後経口投与すること
※症状により適宜増減するが、1日最高投与量は90mgまでとする

〈神経因性膀胱に伴う排尿困難〉
・ウラピジルとして1日30mg(1回15mg1日2回)より投与を開始し、1~2週間の間隔をおいて1日60mgに漸増し、1日2回に分割し朝夕食後経口投与すること
※症状により適宜増減するが、1日最高投与量は90mgまでとする

副作用

主な副作用
ウラピジルには、副作用が起こる可能性があります。
服用した場合、どのような副作用が起こるか知っておきましょう。

頭痛、頭重、眩暈、嘔気、嘔吐、立ちくらみ、ふらつき、AST上昇、GOT上昇、ALT上昇、 GPT上昇

重大な副作用
肝機能障害、著しいAST上昇、著しいALT上昇、著しいγGTP上昇、著しいAlP上昇

極めて稀な副作用ですが、重度の副作用にご注意下さい。
重篤な副作用の発生率は低いですが、用法や用量を間違えると命に危険を及ぼすような、重篤な副作用が発生する恐れもあります。
異変を感じた場合は、直ぐに医師の診察を受け指示に従いましょう。

その他の副作用
不眠、動悸、ほてり、のぼせ、胸部不快感、低血圧、口渇、胃部不快感、下痢、腹痛、LDH上昇、過敏症、発疹、倦怠感、浮腫、鼻閉、CK上昇、CPK上昇、AlP上昇、しびれ感、眠気 、肩こり、意識喪失、頻脈、腹部膨満感、便秘、食欲不振、尿蛋白増加、頻尿、尿失禁、好中球減少、血小板減少、そう痒、耳鳴、息切れ、かすみ目

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
・妊婦/産婦
・過敏症

使用に注意が必要な方
・高齢者(65歳~)
・肝機能低下している高齢者(65歳~)
・血管障害のある高血圧
・脚部及びその他の動脈瘤のある高血圧
・腎及びその他の動脈狭窄のある高血圧
・肝機能障害
・肝硬変

上記にあてはまる方は、ウラピジルを使用する事が出来ない可能性があります。
ウラピジルを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用禁忌薬
利尿剤/フロセミド/血圧降下剤/ニフェジピン/PDE5阻害薬/シルデナフィル/塩酸バルデナフィル

上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
飲み忘れた場合どうしたらいいですか?

「気付いた時にできるだけ早く服用すること」となっております。また、次に飲む時間まで4~5時間程度あけ、次の服用まで2~3時間しかない場合は1回とばして次の服用時間に1回分を飲むこととなっております。

薬を飲んでから運転しても大丈夫ですか?

血管にも作用し血圧を下げるため「ふらつき」や「立ちくらみ」などの副作用が起こることがあります。自動車の運転は注意することとされています。

サイト利用に関する注意事項

医薬品を使用する場合、必ず医師や薬剤師の指示に従って下さい。
医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。