トホグリフロジン水和物

成分名

トホグリフロジン水和物

適応症状

2型糖尿病 など

簡易説明

「トホグリフロジン水和物」は、尿としての糖排泄を増やすことで結果として血液中の糖(血糖)を減らす薬で、2型糖尿病の治療に用いられる薬です。
日本では、興和がデベルザの商品名で販売しています。
「トホグリフロジン水和物」は、腎臓の近位尿細管での糖の再吸収をおさえることで、過剰な糖分を尿中へ排出させる作用があり、適応症は2型糖尿病(インスリン非依存型糖尿病)となっていることや、日々の血糖値を適切に保つことで、将来起こるかもしれないさまざまな合併症の予防にもつながります。

処方可能な診療科目

内科/循環器科/糖尿病・代謝内科 など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安 :約2,000円~10,000円
デベルザ錠20mg 176.6円/錠(薬価)
*病院によって差が有ります。初診料・診察料・検査料などが必要になります。

厚生労働省による認可、または発売年月日

2014年5月認可

国内のジェネリック認可

-

関連製品(先発薬)

デベルザ錠20mg 【製薬メーカー:興和】

関連製品(ジェネリック)

-

効果・作用

「トホグリフロジン水和物」は、尿としての糖排泄を増やすことで結果として血液中の糖(血糖)を減らす薬です。
糖尿病は血液中の血糖(ブドウ糖)が適正な量を超えて増えてしまった状態で、血糖値が高い状態が続くと様々な合併症がおこります。
血糖値は糖が血管内へ吸収されると上昇します。
腎臓において尿(原尿)が送られる管に尿細管というものがあり、尿細管の一部では尿から血管へ糖などの吸収(再吸収)が行われています。
尿細管から血管へ糖を運ぶ役割を果たしているのがSGLT2という物質で、このSGLT2の働きを阻害すると血管への糖の再吸収が阻害され、尿中に残った糖はそのまま尿として体外へ排泄されます。
血管への糖の吸収が阻害されることから、結果として血液中の糖の量が減り、血糖値が下がります。
「トホグリフロジン水和物」は、このような作用で血糖値を下げる効果をあらわします。

使用方法

▼用法用量
・成人にはトホグリフロジンとして20mgを1日1回朝食前又は朝食後に経口投与します。

▼薬剤交付時の注意
・PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導してください。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがあります。

▼ 効能または効果に関連する注意
・本剤の適用はあらかじめ糖尿病治療の基本である食事療法、運動療法を十分に行った上で効果が不十分な場合に限り考慮してください。
・本剤は2型糖尿病と診断された患者に対してのみ使用し、1型糖尿病の患者には投与をしないでください。
・重度の腎機能障害のある患者又は透析中の末期腎不全患者では本剤の効果が期待できないため、投与しないでください。
・中等度の腎機能障害のある患者では本剤の効果が十分に得られない可能性があるので投与の必要性を慎重に判断してください。

副作用

重大な副作用
▼低血糖(1.5~38.6%)
低血糖(初期症状:脱力感、高度の空腹感、発汗等)があらわれることがあります。低血糖症状が認められた場合には、糖質を含む食品を摂取させるなど適切な処置を行ってください。ただし、α-グルコシダーゼ阻害剤との併用により低血糖症状が認められた場合にはブドウ糖を投与してください。

▼腎盂腎炎、外陰部及び会陰部の壊死性筋膜炎(フルニエ壊疽)、敗血症(いずれも頻度不明)
腎盂腎炎、外陰部及び会陰部の壊死性筋膜炎(フルニエ壊疽)があらわれて、敗血症(敗血症性ショックを含む)に至ることがあります。観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行ってください。

▼脱水(頻度不明)
口渇、多尿、頻尿、血圧低下等の症状があらわれ脱水が疑われる場合には、休薬や補液等の適切な処置を行ってください。脱水に引き続き脳梗塞を含む血栓・塞栓症等を発現した例が報告されているので、十分注意してください。

▼ケトアシドーシス(糖尿病性ケトアシドーシスを含む)(頻度不明)
ケトアシドーシス(糖尿病性ケトアシドーシスを含む)があらわれることがあります。観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行ってください。

・頻尿
・尿路感染、尿量増加、尿中ケトン体陽性
・尿路結石、夜間頻尿、尿中β2ミクログロブリン増加
・便秘、空腹
・下痢、腹痛
・めまい
・頭痛
・性器感染(外陰部膣カンジダ症等)
・陰部そう痒症
・血圧上昇、起立性低血圧
・上気道炎
・血中ケトン体増加、口渇
・倦怠感、体重減少

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者には投与しないでください。

■重症ケトーシス、糖尿病性昏睡又は前昏睡の患者
重症ケトーシス、糖尿病性昏睡又は前昏睡の患者は、輸液、インスリンによる速やかな高血糖の是正が必須となるので本剤の投与は適しません。投与しないでください。

■重症感染症、手術前後、重篤な外傷のある患者
重症感染症、手術前後、重篤な外傷のある患者は、インスリン注射による血糖管理が望まれるので本剤の投与は適しません。投与しないでください。

使用に注意が必要な方
■尿路感染、性器感染のある患者
尿路感染、性器感染のある患者は、症状を悪化させるおそれがあります。観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。

■脳下垂体機能不全又は副腎機能不全の患者
脳下垂体機能不全又は副腎機能不全の患者は、低血糖を起こすおそれがあります。観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。

■栄養不良状態、飢餓状態、不規則な食事摂取、食事摂取量の不足又は衰弱状態
栄養不良状態、飢餓状態、不規則な食事摂取、食事摂取量の不足又は衰弱状態の患者は、低血糖を起こすおそれがあります。観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。

■激しい筋肉運動を行った患者
激しい筋肉運動を行った患者は、低血糖を起こすおそれがあります。観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。

■過度のアルコール摂取した患者
過度のアルコール摂取した患者は、低血糖を起こすおそれがあります。観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。

■血糖コントロールが極めて不良の患者、高齢者、利尿剤併用患者
血糖コントロールが極めて不良の患者、高齢者、利尿剤併用患者は、脱水を起こしやすいです。観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。

■中等度の腎機能障害のある患者
中等度の腎機能障害のある患者は、投与の必要性を慎重に判断してください。本剤の効果が十分に得られない可能性があります。

■肝機能障害患者
重度の肝機能障害のある患者を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していません。

■妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には本剤を投与せず、インスリン製剤等を使用してください。類薬の動物実験(ラット)で、ヒトの妊娠中期及び後期にあたる幼若動物への曝露により、腎盂及び尿細管の拡張が報告されています。また、動物実験(ラット)で胎児への移行が報告されています。

■授乳婦
授乳しないことが望ましいです。動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されています。

■小児等
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していません。

上記にあてはまる方は、トホグリフロジン水和物を使用する事が出来ない可能性があります。
トホグリフロジン水和物を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
[併用注意]
・糖尿病用薬
 スルホニルウレア剤
 速効型インスリン分泌促進薬
 α-グルコシダーゼ阻害剤
 ビグアナイド系薬剤
 チアゾリジン系薬剤
 DPP-4阻害薬
 インスリン製剤
 GLP-1受容体作動薬等
・血糖降下作用を増強する薬剤
 β-遮断薬
 サリチル酸剤
 モノアミン酸化酵素阻害剤
 フィブラート系薬剤等
・血糖降下作用を減弱する薬剤
 副腎皮質ホルモン
 甲状腺ホルモン等
・利尿作用を有する薬剤
 ループ利尿剤
 チアジド系利尿剤等
・プロベネシド

上記を使用している方は、トホグリフロジン水和物を使用する事が出来ない可能性があります。
トホグリフロジン水和物を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
報告なし

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
「トホグリフロジン水和物」は妊婦でも使えますか?

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には本剤を投与せず、インスリン製剤等を使用してください。

「トホグリフロジン水和物」の飲み方で気をつけることはありますか?

飲み方は医師の指示に従ってください。一般に1日1回朝食前または朝食後に1錠服用します。

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