リオシグアト

成分名

リオシグアト

適応症状

・肺動脈性肺高血圧症
・外科的治療不適応または外科的治療後に残存、再発した慢性血栓塞栓性肺高血圧症

簡易説明

リオシグアトは、肺動脈性肺高血圧症、外科的治療不適応または外科的治療後に残存・再発した慢性血栓塞栓性肺高血圧症の治療に用いられる薬剤であり、大きく2つの作用メカニズムを持っています。1つ目の作用はグアニル酸シクラーゼ(sGC)刺激作用、2つ目の作用は可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)の感受性を高める作用であり、2つの異なる作用が掛け合わさることで肺血管を拡張させます。

処方可能な診療科目

内科/小児科/循環器内科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約2,000円~3,000円
薬代1錠あたりの目安:0.5mg約686円/1.0mg約1,372円/2.5mg約3,429円
薬代後発薬1錠の目安:現在ジェネリック医薬品の製造はありません。
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売年月:2014年4月

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

アデムパス錠0.5mg/1.0mg/2.5mg(バイエル)

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

効果・作用

リオシグアトは、肺動脈性肺高血圧症、外科的治療不適応または外科的治療後に残存、再発した慢性血栓塞栓性肺高血圧症の治療に用いられる薬剤であり、大きく2つの作用メカニズムを持っています。
1つ目の作用はグアニル酸シクラーゼ(sGC)刺激作用です。肺動脈性肺高血圧症では肺動脈がせまくなり、次いで肺における血管抵抗性が上昇しますが、リオシグアトは可逆的なグアニル酸シクラーゼ(sGC)刺激剤として作用し、グアニル酸シクラーゼ(sGC)の活性化を促進します。この結果、グアニル酸シクラーゼ(sGC)がグアノシン三リン酸(GTP)をグアノシン一リン酸(GMP)に変換し、cGMPが産生されます。cGMPは、プロテインキナーゼG(PKG)を活性化し、平滑筋細胞の弛緩を促進します。最終的に肺血管の拡張が誘導され、肺動脈性肺高血圧症の改善につながります。
2つ目の作用は可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)の感受性を高める作用です。リオシグアトはグアニル酸シクラーゼ(sGC)の特定の部位に結合し構造を変化させることでグアニル酸シクラーゼ(sGC)の反応性を高めることができます。この作用により、肺の血管を広げる作用をもつNOがグアニル酸シクラーゼ(sGC)に結合した際、通常の活性化レベルよりも高いレベルで肺血管を広げることができます。

使用方法

■用量調節期のケース
・成人(15歳以上):リオシグアトとして1回1.0ミリグラムを1日3回服用する形でスタートします。2週間続けて、収縮期血圧が95mmHg以上であり低血圧症状が起きていない場合には、2週間おきに1回用量を0.ミリグラムずつ増量しますが、最高服用量は1回2.5ミリグラム1日3回までとされています。収縮期血圧が95mmHg未満でも低血圧症状がおきていない状態ではそのままの用量を維持しますが、低血圧症状が起こってしまったら1回用量を0.5mgずつ減量してください。
■用量維持期のケース
・用量調節期に決定した用量をそのまま維持してください。この持期においても、最高用量は1回2.5ミリグラム1日3回までにとどめ、低血圧症状がおきたりしたら1回用量を0.5mgずつ減量してください。

副作用

重大な副作用
次に挙げるような重大な副作用が引き起こされる可能性があります。服用中は健康状態を常に意識し、万が一体調の悪化を感じた場合には服用を中止、または医療機関を受診するなど適切な処置を行ってください。
・肺出血、喀血

その他の副作用
次に挙げるような重大な副作用が引き起こされる可能性があります。
・呼吸器系:呼吸困難
・感覚器系:鼻づまり、鼻からの出血
・精神神経系:頭痛、めまい、ふらつき
・消化器系:悪心、お腹のハリ、消化不良、腹部痛、嘔吐、下痢、便秘、嚥下障害、胃食道逆流、胃炎、胃腸炎
・循環器系:動悸、血圧低下、潮紅、失神
・血液系:貧血
・その他:末梢性浮腫、疲労、倦怠感、顔面浮腫

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
・リオシグアトを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、アデムパス錠はアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼アデムパス錠の有効成分
リオシグアト
▼代表薬の添加物
クロスポビドン、酸化チタン、ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース、乳糖水和物、ラウリル硫酸ナトリウム、ヒプロメロース、ステアリン酸マグネシウム、プロピレングリコール

・リオシグアトに対し過敏症の経験のある方
・クレアチニン・クリアランス15mL/min未満相当の重度の腎機能障害をお持ちの方、または透析中の方
・Child-Pugh分類Cに相当する重度の肝機能障害をお持ちの方
・一酸化窒素(NO)供与剤(亜硝酸アミル、ニコランジル、ニトログリセリン、硝酸イソソルビドなど)または硝酸剤を服用中の方
・アゾール系抗真菌剤(ボリコナゾール、イトラコナゾール)を服用中の方
・ホスホジエステラーゼ(PDE)5阻害剤を服用中の方
・可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)刺激薬(ベルイシグアト)を服用中の方
・妊婦又は妊娠している可能性のある方

使用に注意が必要な方
・リオシグアト服用前の収縮期血圧が95mmHg未満の方
※著しい血圧低下が引き起こされる可能性があります。
・抗凝固療法中の方
※気道からの出血リスクが高くなります。
・喫煙している方
※リオシグアトの血液中濃度が低下しやすくなります。
・肺静脈閉塞性疾患の方
※心血管系の状態を著しく悪化させる可能性があります。
・軽度または中等度の腎機能障害をお持ちの方
※クレアチニン・クリアランス15〜80mL/min未満の方では血液中濃度が上昇します。
・重度の肝機能障害をお持ちの方
※Child-Pugh分類Cの方は服用できません。血液中濃度が著しく上昇する可能性があります。
・軽度または中等度の肝機能障害をお持ちの方
※Child-Pugh分類AまたはBの方では血液中濃度が上昇します。
・重度の腎機能障害方または透析中の方
※クレアチニン・クリアランス15mL/min未満の方、または透析中の方は服用できません。血液中濃度が著しく上昇する可能性があります。
・授乳している方
※動物実験(ラット):リオシグアトが乳汁中に移行することが報告されています。
・妊娠する可能性のある女性
※胎児に悪影響を及ぼす可能性があるのでリオシグアトの服用開始後は確実な避妊法を用いて避妊する必要があります。妊娠した場合、もしくはその疑いがある場合には、直ちに医師に連絡してください。
・妊娠している方
※動物実験(ラット):骨化遅延(胸骨分節)、心室中隔欠損および全胚吸収が引き起こされたというデータがあります。
※動物実験(ウサギ):流産および全胚吸収が引き起こされたというデータがあります。
・高齢者
※リオシグアトの血液中濃度上昇が認められています。
・小児
※小児などを対象としている臨床試験が実施されていない。

上記にあてはまる方は、リオシグアトを使用する事が出来ない可能性があります。
リオシグアトを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
・グラニセトロン、イストラデフィリン、エルロチニブ、シクロスポリン
※上記の成分の血液中濃度が上昇する可能性があります。
・コビシスタット含有製剤、CYP1A1阻害剤、アタザナビル、リトナビル含有製剤、リルピビリン含有製剤、アバカビル含有製剤、ホスアンプレナビル、ダルナビル含有製剤、CYP3A阻害剤
※リオシグアトの血液中濃度が上昇する可能性があります
・制酸剤、ボセンタンCYP3A誘導薬
※リオシグアトの血液中濃度が低下する可能性があります。

上記を使用している方は、リオシグアトを使用する事が出来ない可能性があります。
リオシグアトを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
・可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)刺激薬
※症候性低血圧が引き起こされる可能性があります。
・PDE5阻害剤
※症候性低血圧が引き起こされる可能性があります。
・硝酸剤、NO供与剤
※顕著な収縮期血圧の低下が引き起こされる可能性があります。
・アゾール系抗真菌剤
※リオシグアトの血液中濃度が上昇する可能性があります。

上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

リオシグアトに関する
よくある質問
リオシグアトの飲み方は「1日3回」ですが何時間間隔で服用すべきですか?

服用間隔は約6〜8時間間隔とすることが望ましいと添付文書に記載があります。ただし治療方針によってはその限りではないので医師と綿密に計画する必要があります。
アデムパス 【アデムパス 添付文書】

リオシグアトを服用する際、食事内容に気を付けることはありますか?

高カロリー食や高脂肪食を摂取した臨床試験においては、空腹時と比較して、リオシグアトの最大血中濃度はおよそ35%低下ましたが、トータルでの血液中濃度は低下しなかったというデータがあります。したがって特に注意するまでではないかと考えられますが、別途医師から指示がある場合はそれに従ってください。
アデムパス 【アデムパス 添付文書】

参考元一覧

アデムパス 【アデムパス 添付文書】

サイト利用に関する注意事項

医薬品を使用する場合、必ず医師や薬剤師の指示に従って下さい。
医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。