成分名 |
ベラパミル塩酸塩 |
適応症状 |
成人及び小児においては、心房細動・粗動、発作性上室性頻拍における頻脈性不整脈に対して適応を持ちます。また成人単独では狭心症や心筋梗塞(急性期を除く)、そしてその他の虚血性心疾患に対して適応を持ちます。 |
簡易説明 |
ベラパミル塩酸塩はカルシウム拮抗性不整脈・虚血性心疾患治療剤と呼ばれる医薬品になります。日本では錠剤と注射剤が発売されています。もともと成人のみの適応症を取得していましたが、小児不整脈治療において不可欠な薬剤として、遅れて小児への頻脈性不整脈(心房細動・粗動、発作性上室性頻拍)に対して適応症を取得しました。 |
処方可能な診療科目 |
内科/外科/整形外科/小児科/産婦人科/脳神経外科内科/泌尿器科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約2,000円~5,000円
薬代1錠あたりの目安:40mg約7円
薬代後発薬1錠の目安:40mg約6円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
ワソラン錠40mgは2006年6月7日に製造販売を承認、その後2006年12月8日に薬価基準主催際となりました。
名称変更前の発売として1965年9月1日に販売されています。 |
国内のジェネリック認可 |
ジェネリックあり |
関連製品(先発薬) |
ワソラン錠40mg/ワソラン静注5mg【製薬メーカー:エーザイ株式会社】 |
関連製品(ジェネリック) |
ベラパミル塩酸塩錠40mg「タイヨー」【製薬メーカー:武田テバファーマ株式会社】
ベラパミル塩酸塩錠40mg「ツルハラ」【製薬メーカー:鶴原製薬株式会社】
ベラパミル塩酸塩錠40mg「JG」【製薬メーカー:大興製薬株式会社】
ベラパミル塩酸塩錠40mg「NIG」【製薬メーカー:日医工岐阜工場株式会社】 |
海外での使用実績 |
アメリカではG.D. Searle LLC(会社名)がCALAN SR 120mg、180mg、240mg(販売名)を、イギリスではAccord-UK Ltd
(会社名)がVerapamil Tablets BP 40mg、80mg、120mg、160mg(販売名)を販売しています。 |
効果・作用 |
ワソラン錠40mgは、成人及び小児においては、心房細動・粗動、発作性上室性頻拍における頻脈性不整脈に対して、また成人単独では狭心症や心筋梗塞(急性期を除く)、そしてその他の虚血性心疾患にたいして効果のある医薬品になります。
その作用部位は心筋、刺激伝導系、血管平滑筋であり、作用機序は細胞外液カルシウムの細胞内流入阻止に基づくカルシウム拮抗作用になります。
ベラパミル塩酸塩は、カルシウム拮抗剤の中でも非ジヒドロピリジン系カルシウム拮抗薬であり、膜電位依存性L型カルシウムチャネルに特異的に結合する事により、細胞内へのカルシウムの流入が減少し、冠血管や末梢血管の平滑筋を弛緩させる事により効果を発揮します。
その結果末梢血管の抵抗を下げ、心仕事量を軽減させます。また冠状動脈や末梢血管を拡張する事により肝血流症の増加、末梢血管の抵抗を減少します。その他心筋保護作用や抗不整脈作用も認められております。
適応外使用ではありますが内服薬としてのベラパミル塩酸塩はベラパミル感受性心室頻拍や片頭痛、群発性頭痛に対して使用する事で症状の改善も認められておりその使用もまた薬理作用が同様と推定される為審査上認められております。 |
使用方法 |
成人における頻脈性不整脈(心房細動・粗動、発作性上室性頻拍)では
通常成人に使用する場合には、1回1~2錠を1日3回服用します。なお、患者の年齢や症状によっては適宜減量する事が認められております。
また成人における狭心症、心筋梗塞(急性期を除く)、その他の虚血性心疾患では
通常成人に使用する場合には、1回1~2錠を1日3回服用します。なお、患者の年齢や症状によっては適宜増減する事が認められております。
小児における頻脈性不整脈(心房細動・粗動、発作性上室性頻拍)では
通常、小児に使用する場合には、ベラパミル塩酸塩として1日3~6mg/kgを、1日3回に分けて服用します。但し、1日240mgを超えてはいけません。また、患者の年齢や症状によっては適宜減量する事が認められております。 |
副作用 |
重大な副作用
1)循環器障害(頻度不明)
心不全、洞停止、房室ブロック、徐脈、意識消失が現れる事があります。
2)皮膚障害(頻度不明)
皮膚粘膜眼症候群、多形滲出性紅斑、乾癬型皮疹等の重篤な皮膚障害が現れる事があります。
その他の副作用
循環器、過敏症、消化器、口腔、肝臓、内分泌、その他の副作用が報告されております。
発生頻度は以下の通りです。
1)循環器
房室伝導時間の延長、頭痛、眩暈、血圧低下(0.1~5%未満)
2)過敏症
発疹(0.1~5%未満)
3)消化器
便秘、悪心・嘔吐(0.1~5%未満)
食欲不振(0.1%未満)
4)口腔
歯肉肥厚(頻度不明)
5)肝臓
AST、ALTの上昇等(0.1%未満)
6)内分泌
血中プロラクチンの上昇、男性における血中黄体形成ホルモン・血中テストステロンの低下、女性型乳房(頻度不明)
7)その他
浮腫(0.1~5%未満)
過敏症のように発疹など異常が認められた場合は速やかに投与を中止し主治医への相談を仰ぐようにしましょう。
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 1)重篤なうっ血性心不全のある患者
本剤は陰性変力作用を有し、心不全症状を更に悪化させる事がある為服用できません。
2)第Ⅱ度以上の房室ブロック、洞房ブロックのある患者
本剤は房室結節、洞結節を抑制する作用を有し、刺激伝導を更に悪化させる事がある為服用できません。
3)妊婦又は妊娠している可能性のある女性
4)本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
■ベラパミル塩酸塩を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、ワソラン錠40mgはアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼ワソラン錠40mgの有効成分
ベラパミル塩酸塩
▼代表薬の添加物
・アラビアゴム末、黄色4号(タートラジン)アルミニウムレーキ、カルナウバロウ、含水二酸化ケイ素、結晶セルロース、酸化チタン、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、青色1号アルミニウムレーキ、精製白糖、タルク、沈降炭酸カルシウム、トウモロコシデンプン、乳糖水和物、白色セラック、ヒドロキシプロピルセルロース、ポビドン、マクロゴール6000
使用に注意が必要な方 1)合併症・既往歴等のある患者
①うっ血性心不全(重篤なうっ血性心不全を除く)又はその既往歴のある患者
陰性変力作用を有し、心機能を更に低下させる事がある為使用には注意が必要です。
②高度の徐脈(50拍/分未満)、又は第Ⅰ度の房室ブロックのある患者
は房室結節、洞結節を抑制する作用を有し、刺激伝導を更に悪化させる事がある為使用には注意が必要です。
③低血圧の患者
は血管拡張作用を有し、血圧を更に低下させることがある為使用には注意が必要です。
④WPW、LGL症候群のある患者
房室伝導抑制作用により、心房興奮が副伝導路を通りやすくなる結果として心室細動を生じることがある為使用には注意が必要です。
⑤基礎疾患(心筋症、弁膜症、高血圧性心疾患等)のある患者
は陰性変力作用を有し、心機能を悪化させることがある為使用には注意が必要です。
⑥筋ジストロフィーのある患者
主に平滑筋を弛緩させるが骨格筋に対しても作用を有し、筋収縮力を悪化させることがある為使用には注意が必要です。
⑦頻脈性不整脈(心房細動・粗動、発作性上室性頻拍)のある患者
洞停止、洞不全症候群の誘発の危険性が高くなる為使用には注意が必要です。
2)重篤な腎不全のある患者
本剤は腎排泄の医薬品である為血中濃度が予測以上に増加し、副作用に発展する事がある為使用には注意が必要です。
3)重篤な肝不全のある患者
本剤は肝代謝の医薬品である為血中濃度が予測以上に増加し、副作用に発展する事がある為使用には注意が必要です。
4)妊婦
動物実験で胎児毒性の報告がある為使用には注意が必要です。
5)授乳婦
ヒトにおいて授乳中への移行が報告されている為使用には注意が必要です。
6)小児等
7)高齢者
一般的に生理機能が低下している為使用には注意が必要です。
上記にあてはまる方は、ベラパミル塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 ベラパミル塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 1)血圧降下剤
2)β遮断剤、ラウオルフィア製剤
3)抗不整脈剤(キニジン硫酸塩水和物、プロカインアミド塩酸塩、リドカイン、ピルシカイニド塩酸塩水和物、フレカイニド酢酸塩等)、低カリウム血症を起こすおそれがある薬剤(利尿剤等)
4)ジギタリス製剤(ジゴキシン、メチルジゴキシン等)
5)ダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩
6)吸入麻酔薬
7)リトナビル
8)インジナビル硫酸塩エタノール付加物、アタザナビル硫酸塩、キヌプリスチン・ダルホプリスチン
9)イトラコナゾール、ミコナゾール
10)アプリンジン塩酸塩
11)カルバマゼピン
12)ミダゾラム
13)セレギリン塩酸塩
14)シクロスポリン
15)パクリタキセル
16)ビノレルビン酒石酸塩
17)ゲフィチニブ
18)エレトリプタン臭化水素酸塩
19)テオフィリン、アミノフィリン水和物、コリンテオフィリン
20)リファンピシン、フェニトイン、フェノバルビタール
21)ダントロレンナトリウム
22)グレープフルーツジュース
上記を使用している方は、ベラパミル塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 ベラパミル塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 現在併用禁忌薬は報告されていません
併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
ベラパミル塩酸塩に関する よくある質問 |
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参考元一覧 |
インタビューホーム 【エーザイ株式会社】
医療用医薬品の添付文書情報 【PMDA】
よくあるご質問 【エーザイ株式会社ホームページ】 |
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