ジピリダモール

成分名

ジピリダモール

適応症状

・狭心症
・虚血性心疾患
・心筋梗塞<急性期を除く>
・うっ血性心不全
・心臓弁置換術後の血栓/塞栓の抑制
・ステロイドに抵抗性を示すネフローゼ症候群の尿蛋白減少

簡易説明

血小板が凝集すると血液が固まりやすくなり血栓ができやすくなります。
体内には血小板凝集を促進する物質や血小板凝集を抑える物質があり、ジピリダモールは血小板凝集を促進する物質の阻害、血小板凝集を抑える物質の合成促進作用などにより抗血小板作用があります。
主に、狭心症や虚血性心疾患の治療に使用されます。
尿タンパクを減少させる作用によりネフローゼ症候群などの腎疾患へ使用する場合もあります

処方可能な診療科目

内科/消化器内科/循環器内科 など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約1,000円~3,000円
薬代1錠あたりの目安:12.5mg5.9円/25mg6.1円/100mg10.9円(薬価)
薬代後発薬1錠の目安:12.5mg5.8円/25mg5.8円/100mg5.9円(薬価)
薬代後発薬散1gの目安:12.5%20.3円(薬価)
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売年月日:1981年11月(ジピリダモール錠25mg「トーワ」)

国内のジェネリック認可

国内ジェネリック認可あり

関連製品(先発薬)

ペルサンチン錠12.5mg/25mg/100mg【製薬メーカー:Medical Parkland】

関連製品(ジェネリック)

ジピリダモール錠12.5mg/25mg/100mg「トーワ/日医工/JG/ツルハラ/日新」
ジピリダモール散12.5%「JG」
ジピリダモール静注液10mg「日医工」

効果・作用

ジピリダモールには冠動脈を拡張させ心臓への血液循環を改善する作用があります。
体内で血小板の凝集がおこると血液が固まりやすくなり、血栓ができやすくなります。
体内で血小板の凝集を抑える物質にプロスタサイクリン(PGI2)があり、PGI2は血管の拡張作用などももちます。
また体内で血小板凝集を促進させる物質にトロンボキサンA2(TXA2)がある。ジピリダモールはPGI2の放出促進作用やTXA2の合成阻害作用を表します。。
また本剤は体内で血小板凝集促進に関わるホスホジエステラーゼ(PDE)という酵素や血小板凝集を抑える作用をもつcAMPという物質に作用し、PDE阻害作用及びcAMP合成促進作用により血小板凝集を抑える作用をあらわす。本剤はこれらの作用により、血小板凝集を抑えて血栓の形成を抑える抗血小板作用を表します。
ジピリダモールは抗血小板作用の他に冠動脈拡張作用をもち心臓に血液を循環させることより、狭心症、虚血性心疾患などに使用されています。
また尿は腎臓の糸球体というところで作られるが、糸球体の毛細血管で血液凝固がおこると糸球体の炎症が促進し尿にタンパク質が混ざるようになります。
ジピリダモールは、糸球体の毛細血管での血液凝固を阻害する作用をもち、ネフローゼ症候群などでの尿タンパク改善目的で使用される場合もあります。
・ジピリダモールは、冠状動脈を拡張し冠血流量を増加させるが、心筋酸素消費量にはほとんど影響を受けません。

【ジピリダモール薬理】
①冠循環改善作用→心臓のまわりの心筋を養う血管を広げます。
これにより、心筋の酸素不足や栄養不足を防ぎ、心筋を保護します。
②抗血小板作用→血小板の働きをおさえ、血液が血管内で固まるのを防ぎます。
血栓や塞栓の予防につながります。
③尿蛋白減少作用→糸球体血管に血小板が付着・凝集するのを防ぎ、尿蛋白を減少させます。

≪狭心症とは≫
狭心症とは、心臓の冠動脈が詰まって狭くなり、十分な酸素や栄養分が届かなくなる病気です。
冠動脈は、心臓を動かす筋肉である心筋に酸素と栄養分を送る血管で、大動脈から分岐し、心筋を外側から覆うようにして走っています。
右冠状動脈と左冠状動脈がありますが、後者はさらに左前下行枝と左回旋枝に分かれます。
この3本の冠動脈のうち、1本が詰まった状態を1枝病変、2本を2枝病変、3本すべてが詰まった状態を3枝病変と呼びます。言うまでもなく、詰まった箇所が多いほど重篤です。

「狭心症の種類」
①安定狭心症(労作性狭心症)
階段を上がったり、重いものを持ったり、運動をしたり、心理的なストレスを受けたりしたときに、胸に痛みや圧迫感を覚えます。力仕事や運動をしたり、ストレスを感じたりすると、それに応じて、体内にたくさんの血液を送り出そうと心筋が活発に働き始めますが、血管が細っていて血液供給が追いつかず、胸の痛みなどの症状が出るのです。毎回、ほぼ同じ程度の運動やストレスで生じます。
②不安定狭心症
安定狭心症と違い、痛みが強くなる、発作の回数が増える、少しの動作や安静状態でも発作が起こるといった、痛みや圧迫感のパターンが変化します。それまで症状が安定していた人にそうした変化が現われたら、危険です。冠動脈が急速に狭まりつつあることを示している可能性があるからで、こうした場合は、すぐに救急車を呼ぶか、医師に連絡をとってください。
③異型狭心症
夜、寝ているとき(特に明け方)や、昼間、安静にしているときに、胸が苦しくなる発作を起こします。多くの場合、冠動脈が一時的に痙攣を起こして収縮し、血流を途絶えさせることによって起こります。大した動脈硬化がないのに起こることがあります。

≪うっ血性心不全とは≫
・うっ血性心不全とは、全身で血液が滞留し、肺その他にうっ血が生じた心不全のことです。心不全とは、何らかの原因で心臓のポンプ機能が弱まり、全身に充分な量の血液を送り出せなくなった状態のことです。心臓は、右心房、右心室、左心房、左心室の4つの部屋から成っています。二酸化炭素を多く含んだ全身から帰ってくる静脈血は、まず右房に入り、右室に入って、ここから肺動脈を通って肺に送り込まれます。肺で二酸化炭素を排出し酸素をいっぱい取り込んだ動脈血は、肺静脈を通って左房に入り、次いで左室に入って、ここから大動脈に送り出され、全身を経めぐります。心臓から大動脈→動脈→細動脈→毛細血管→細静脈→静脈→大静脈を経て心臓に戻ってくる血液の流れを体循環、心臓から肺動脈→肺→肺静脈を経て心臓に戻ってくる血液の流れを肺循環と言います。これらの循環を維持するために、心室や心房は規則的に収縮・拡張を繰り返しているのですが、そのポンプ機能がうまく働かなくなった状態が心不全というわけです。

▼他のジピリダモール製剤(抗血小板薬)▼
ペルサンチン/アンギナール

使用方法

1回25mgを1日3回経口投与してください。
なお、年齢、症状により適宜増減してください。

副作用

主な副作用
頭痛、眩暈、嘔気、食欲不振、発疹、熱感、のぼせ感、倦怠感、心悸亢進、嘔吐、口渇

重大な副作用
出血傾向、眼底出血、消化管出血、脳出血、血小板減少、過敏症、気管支痙攣、血管浮腫

その他の副作用
便秘、蕁麻疹、潮紅、血圧低下、頻脈、肝機能検査値異常、AST上昇、ALT上昇、胸痛、筋肉痛、下痢

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
・妊婦/授乳者
■ジピリダモールを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方ペルサンチンは、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼ペルサンチンの有効成分
ジピリダモール
▼代表薬の添加物
乳糖水和物、バレイショデンプン、軽質無水ケイ酸、ゼラチン、ステアリン酸マグネシウム、白糖、アラビアゴム末、タルク、マクロゴール6000、サラシミツロウ、カルナウバロウ、黄色5号

使用に注意が必要な方
・高齢者
・新生児/乳児/幼児/小児
・重篤な冠動脈疾患/低血圧/不安定狭心症/亜急性心筋梗塞/左室流出路狭窄/心代償不全/アデノシン

上記にあてはまる方は、ジピリダモールを使用する事が出来ない可能性があります。
ジピリダモールを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
・キサンチン系製剤(テオフィリン/アミノフィリン)
・アデノシン三リン酸二ナトリウム
・降圧剤
・抗凝固剤(ダビガトランエテキシラート/ヘパリン等)

上記を使用している方は、ジピリダモールを使用する事が出来ない可能性があります。
ジピリダモールを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
アデノシン(アデノスキャン)

上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
ジピリダモールの薬効分類はどうなりますか?

冠循環改善剤・抗血小板剤となっております。

飲み合わせに関して、服用後に飲酒は大丈夫でしょうか?

アルコールは、めまいや動悸などの副作用を強めることがあるので飲酒は控えた方がよいです。

サイト利用に関する注意事項

医薬品を使用する場合、必ず医師や薬剤師の指示に従って下さい。
医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。