ベニジピン塩酸塩

成分名

ベニジピン塩酸塩

適応症状

・腎実質性高血圧症
・狭心症
・高血圧症

簡易説明

ベニジピン塩酸塩は、カルシウム拮抗薬に分類されます。主に「高血圧」や「狭心症」の治療に使用されます。
心臓や体の血管を広げて血流をよくする作用により、血液の抵抗が減ることで血圧が下がります。また、心臓の収縮を抑制し、休ませる作用もあります。効果も高く、安全性も高いことから、高血圧症に対する第一選択薬の一つとして汎用されます。
血糖、尿酸、脂質などに影響しないのが特徴です。また、年齢を問わず広く用いることができ、合併症の多い高齢の人に適してます。

処方可能な診療科目

内科/循環器内科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約1,000円~5,000円
薬代1錠あたりの目安:2mg約17.8円/4mg約26.3円/8mg約52.7円
薬代後発薬1錠の目安:2mg約10.1円/4mg約12.5円/8mg約25.1円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売開始年月:1991年11月

国内のジェネリック認可

国内ジェネリック認可あり

関連製品(先発薬)

コニール錠2/4/8【製薬メーカー:協和キリン】

関連製品(ジェネリック)

ベニジピン塩酸塩錠2mg/4mg/8mg「杏林/サワイ/MED/タナベ/日医工/OME/CH/NPI/YD/ツルハラ/トーワ/テバ/NS/MEEK/TCK/NIG/NP」
【製薬メーカー:キョーリンリメディオ/メディサ新薬/沢井製薬/ニプロESファーマ/日医工/大原薬品工業/長生堂製薬/日本薬品工業/陽進堂/鶴原製薬/東和薬品/武田テバファーマ/日新製薬-山形/小林化工/辰巳化学/日医工岐阜工場/ニプロ】

効果・作用

ベニジピン塩酸塩は、高血圧治療薬です。カルシウム拮抗薬に分類されます。血管拡張作用や心拍数低下作用、血管内皮機能改善作用などを持ちます。これらの作用により、血圧を下げ、心臓や腎臓などの臓器を保護することができます。

▼作用機序
血圧には「心拍出量」と「末梢血管抵抗」の2つの要因があります。心拍出量とは、心臓から送り出される血液量のことです。血管を流れる血液量が多いほど血管壁が押し出されるため、血圧が高くなります。
末梢血管抵抗とは、血管内の圧力のことです。血管が細くなると、その分だけ血圧が上昇します。これにより血圧を下げるためには「血管を拡げ、末梢血管抵抗を減らす」という方法があります。この時に重要な物質として「カルシウム」があります。
生体内に存在するカルシウムの99%は骨や歯に存在してますが、残り1%は記憶の形成や運動機能の調節など重要な生理作用に関係してます。
また、カルシウムは血管の収縮にも関係しています。血管にはカルシウムの流入に関わる受容体があり、これを介してカルシウムが流入すると、血管収縮が生じます。これにより、末梢血管抵抗が上昇することで、血圧が上がります。
つまり、カルシウムの流入に関与している受容体を妨害することで、血管を拡張できるようになり、血圧を下げることが可能となりますます。

▼血管拡張作用
ベニジピンは、血管平滑筋のカルシウムチャネルを遮断することにより、血管を拡張させます。この作用により、高血圧や冠状動脈疾患などの病態において、血流抵抗が減少し、血液循環が改善されます。

▼心拍数低下作用
ベニジピンは、心臓のカルシウムチャネルを遮断することにより、心拍数を低下させます。この作用により、心臓の酸素需要が減少し、心臓の負荷を軽減することができます。

▼血管内皮機能改善作用
ベニジピンは、血管内皮細胞の一酸化窒素産生を促進することにより、血管内皮機能を改善します。この作用により、血管拡張や抗炎症作用、抗血小板作用などが引き起こされ、動脈硬化症や冠状動脈疾患などの病態に有効です。

▼投与が1日1回の理由とは
ベニジピンの半減期は、約1.7時間と他のジヒドロピリジン系Ca拮抗薬と比較して短い薬剤です。半減期が短いにも関わらず、1日1投与となる理由は、有効成分の血管平滑筋の細胞膜に対する親和性が高く、降圧作用などの薬理効果は薬物血中濃度と相関することなく長時間持続することも明らかにされてます。

▼他のカルシウム拮抗薬(ジヒドロピリジン系カルシウム拮抗薬)
アムロジン ノルバスク
アダラート
アテレック
カルブロック
コニール

使用方法

〈高血圧症、腎実質性高血圧症〉
通常、成人には1日1回2~4mgを朝食後経口投与してください。
※なお、年齢、症状により適宜増減してください。効果不十分な場合には、1日1回8mgまで増量が可能です。
※ただし、重症高血圧症には1日1回4~8mgを朝食後経口投与してください。
〈狭心症〉
通常、成人には1回4mgを1日2回朝・夕食後経口投与してください。
※なお、年齢、症状により適宜増減してください。

副作用

主な副作用
AST上昇、ALT上昇、γ-GTP上昇、肝機能異常、ビリルビン上昇、Al-P上昇、LDH上昇、BUN上昇、クレアチニン上昇、白血球減少、好酸球増加

重大な副作用
黄疸、肝機能障害

その他の副作用
動悸、顔面紅潮、ほてり、血圧低下、頭痛、頭重、めまい、ふらつき、立ちくらみ、便秘、発疹、浮腫、顔浮腫、下腿浮腫、手浮腫、CK上昇、血小板減少、期外収縮、下痢、嘔吐、過敏症、光線過敏症、歯肉肥厚、女性化乳房、結膜充血、霧視、発汗、胸部重圧感、徐脈、頻脈、眠気、しびれ感、腹部不快感、嘔気、胸やけ、口渇、そう痒感、耳鳴、手指発赤、手指熱感、肩こり、咳嗽、頻尿、倦怠感、カリウム上昇

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
1)妊婦/授乳者
2)心原性ショック
3)■ベニジピン塩酸塩を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方コニール錠2は、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼コニール錠2の有効成分
ベニジピン塩酸塩
▼代表薬の添加物
黄色三二酸化鉄、カルナウバロウ、酸化チタン、ステアリン酸マグネシウム、乳糖水和物、バレイショデンプン、ヒプロメロース(置換度タイプ:2910)、ポリビニルアルコール(部分けん化物)、マクロゴール600

使用に注意が必要な方
1)高齢者
2)新生児/乳児/幼児/小児
3)過度に血圧の低い
4)重篤な肝機能障害

上記にあてはまる方は、ベニジピン塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
ベニジピン塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
降圧作用を有する薬剤
シメチジン
イトラコナゾール
ジゴキシン
リファンピシン類
グレープフルーツジュース

上記を使用している方は、ベニジピン塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
ベニジピン塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
現在併用禁忌薬に該当する医薬品はございません。

ベニジピン塩酸塩に関する
よくある質問
体に合わない場合は、服用を中止しても良いですか。

カルシウム拮抗剤の投与を急に中止したとき、症状が悪化した症例が報告されているので、本剤の休薬を要する場合は徐々に減量し、観察を十分に行うこと。また、患者に医師の指示なしに服薬を中止しないように注意すること。

添付文書コニール錠2

【上記引用元:協和キリン株式会社】

薬の作用時間、持続時間はどの程度ですか。

作用発現時間:約30分、作用持続時間:約24時間

インタビューフォームベニジピン塩酸塩錠「サワイ」

【上記引用元:沢井製薬株式会社】

参考元一覧

添付文書コニール錠2【協和キリン株式会社】
インタビューフォームベニジピン塩酸塩錠「サワイ」【沢井製薬株式会社】

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