ロサルタンカリウム

成分名

ロサルタンカリウム

適応症状

・高血圧症
・2型糖尿病における糖尿病性腎症の高血圧及び蛋白尿

簡易説明

・アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬と呼ばれる新しいタイプの降圧薬となります。
血圧を上昇に深く関わる体内物質「アンジオテンシンⅡ」という体内物質をおさえる降圧作用があり、主に高血圧症に使用されており、心臓病(心不全など)や腎臓病(腎硬化症、糖尿病性腎症など)にも効果があると考えられております。
・体の血管が広がり、水分や電解質が調整され、心臓や腎臓の負担を軽くする効果も期待できます。

処方可能な診療科目

内科、循環器内科、消化器内科、など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約1,000円~
薬代1錠あたりの目安:25mg42円/錠・50mg81.4円/錠・100mg115.2円/錠
薬代後発薬1錠の目安:25mg13.4円/錠・50mg26.1円/錠・100mg38.5円/錠
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

販売開始年月 : 1998年8月

国内のジェネリック認可

あり

関連製品(先発薬)

〈メーカー:オルガノン〉
ニューロタン錠25mg/50mg/100mg
プレミネント配合錠LD/HD

関連製品(ジェネリック)

〈メーカー:高田製薬/マイランEPD/エルメッド/日新製薬-山形/ファイザー/大原薬品工業/第一三共エスファ/小林化工/ダイト/東和薬品/Meiji Seikaファルマ〉
・ロサルタンK錠25mg/50mg/100mg

〈メーカー:日本ジェネリック/ニプロ/辰巳化学/あすか製薬/大興製薬/陽進堂/日本薬品工業/キョーリンリメディオ/共和薬品工業/サンド/武田テバファーマ/沢井製薬/全星薬品工業/共創未来ファーマ/日本ケミファ/日医工〉
・ロサルタンカリウム錠25mg/50mg/100mg

〈メーカー:Meiji Seikaファルマ/高田製薬ダイト/ニプロESファーマ/三和化学研究所/鶴原製薬/日新製薬-山形/ニプロ/日本ケミファ〉
・ロサルヒド配合錠LD/HD

効果・作用

・体内の「血圧上昇」や「心筋の肥大化」などに関係している「アンジオテンシンII」という物質があり、アンジオテンシンIIは「アンジオテンシン受容体(AT受容体)」に結合することで血管収縮作用や副腎皮質からアルドステロンという物質を分泌させる作用があります。ロサルタンカリウムは、AT受容体への阻害作用によって、アンジオテンシンIIの働きを抑え血圧を抑制する作用があります。
・従来のACE阻害薬に近く、国内で初めてのARB(アンジオテンシン受容体拮抗薬(Angiotensin II Receptor Blocker))です。
・糖尿病性腎症に対する効能をもつ唯一のARBとなっており、糖尿病性腎症に用いた場合、腎機能の低下速度が約3分の2に抑制され、同じ腎機能まで低下するまでの期間が1.5倍くらい延びるものとなっております。ACE阻害薬でみられる「咳」の副作用がほとんどなく、長期維持療法に適しており、持続性があるので1日1回の服用で済むのも利点となっております。

▼降圧作用機序▼
①腎臓にある「傍糸球体装置」が流れてくる血液の量が少なくなると「レニン」という物質を放出します。
②レニンは「アンジオテンシノーゲン」を「アンジオテンシンⅠ」という物質に変える働きがあり、更にアンジオテンシンⅠはACEという酵素によって「アンジオテンシンⅡ」になります。
③アンジオテンシンⅡは、血管を収縮させて血圧を上げる働きがあり、副腎という臓器に作用して「アルドステロン」というホルモンを分泌させます。
④アルドステロンは血液中にナトリウムを増やします。血液中のナトリウムが増えると、血液の浸透圧が上がるため、ナトリウムにつられて水分も血液中に引き込まれていきます。これにより血液量が増えて血圧も上がります。
⑤通常ならば、RAA系は、血圧が低くなった時だけ作動する仕組みですが、血圧が高い状態が持続している場合、RAA系のスイッチが不良となり、通常からRAA系システムが作動してしまっていることがあります。ロサルタンカリウムをはじめとしたARBは、アンジオテンシンⅡのはたらきをブロックすることで、RAA系が作動しないようにすることで、血圧を上げる物質が減少し、血圧が下がるという流れになります。

▼臓器保護作用▼
・ロサルタンカリウムには臓器保護作用があり、心臓・腎臓や脳に対して、これらの臓器が傷付くのを防ぎます。
・RAA系の「アンジオテンシンⅡ」は心臓の筋肉(心筋)の線維化を促進し、心臓の力を弱める原因となります。ロサルタンカリウムはアンジオテンシンⅡの働きをブロックし、心保護作用があります。腎臓に対しても同様となっております。
・腎不全の1つの指標である尿中蛋白を減少させる作用もあります。

▼尿酸値を下げる作用▼
・ロサルタンカリウムは腎臓にあるURAT1という輸送体を阻害する働きがあります。URAT1は尿にある尿酸を体内に再吸収します。URAT1がブロックされると、尿酸が再吸収されずにそのまま尿と一緒に排泄され、これにより尿酸値が下がると考えられています。
・ロサルタンカリウムは用量依存的に尿酸値を下げ、尿酸値をおおよそ0.3~1.0程度下げる効果があります。

【ARBの特徴】
・血圧を下げる力(降圧力)は中程度となっております。
・臓器保護作用があり「心不全・腎不全」にも使用されております。
・薬によっては「血糖値や尿酸値」などの改善も期待できます。
・「臓器保護作用」があり、心臓や腎臓を保護します。

使用方法

〈高血圧症の場合〉
・成人にはロサルタンカリウムとして25~50mgを1日1回経口投与すること
※年齢、症状により適宜増減するが、1日100mgまで増量できます

〈高血圧及び蛋白尿を伴う2型糖尿病における糖尿病性腎症の場合〉
・成人にはロサルタンカリウムとして50mgを1日1回経口投与すること
※血圧値をみながら1日100mgまで増量できます
※過度の血圧低下を起こす恐れのある患者等では、25mgから投与を開始すること

(用法及び用量に関連する注意)
〈高血圧及び蛋白尿を伴う2型糖尿病における糖尿病性腎症の場合〉
投与後に、前回の検査値と比較して「血清クレアチニン値30%以上増加(あるいは血清クレアチニン値1mg/dL以上増加)」した場合、または、糸球体ろ過値、1/血清クレアチニン値の勾配等で評価した腎機能障害の進展速度が加速された場合は、減量あるいは投与中止を考えてください。

副作用

主な副作用
ロサルタンカリウムには、副作用が起こる可能性があります。
ロサルタンカリウムを服用した場合、どのような副作用が起こるか知っておきましょう。

頭痛、めまい、不眠、浮遊感、低血圧、起立性低血圧、胸痛、口角炎、胃不快感、胃潰瘍、肝機能障害

重大な副作用
極めて稀な副作用ですが、重度の副作用にご注意下さい。

アナフィラキシー、不快感、口内異常感、発汗、蕁麻疹、呼吸困難、全身潮紅、浮腫、血管浮腫、顔面腫脹、腫脹、口唇腫脹、咽頭腫脹、舌腫脹、急性肝炎、劇症肝炎、腎不全、ショック、失神、意識消失、冷感、嘔吐、横紋筋融解症、筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中ミオグロビン上昇、尿中ミオグロビン上昇、急性腎障害、高カリウム血症、不整脈、心室性期外収縮、心房細動、汎血球減少、白血球減少、血小板減少、低血糖、空腹感、冷汗、手の震え、集中力低下、痙攣、意識障害、低ナトリウム血症、倦怠感、食欲不振、嘔気

重篤な副作用の発生率は低いですが、用法や用量を間違えると命に危険を及ぼすような、重篤な副作用が発生する恐れもあります。
異変を感じた場合は、直ぐに医師の診察を受け指示に従いましょう。

その他の副作用
AST上昇、ALT上昇、LDH上昇、BUN上昇、クレアチニン上昇、発疹、皮膚そう痒、赤血球減少、ヘマトクリット低下、好酸球増多、ほてり、無力症、疲労、総コレステロール上昇、血中尿酸値上昇、耳鳴、眠気、調律障害、頻脈、動悸、口内炎、下痢、口渇、黄疸、多形紅斑、紅斑、光線過敏、紅皮症、貧血、咳嗽、発熱、味覚障害、しびれ感、眼症状、眼のかすみ、眼異和感、関節痛、筋痙攣、女性化乳房、勃起不全

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■ロサルタンカリウムを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方ニューロタンは、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。

▼ニューロタンの有効成分
ロサルタンカリウム
▼代表薬の添加物
乳糖水和物、部分アルファー化デンプン、結晶セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメ
ロース、ステアリン酸マグネシウム、酸化チタン、カルナウバロウ

・妊婦・産婦
・過敏症/重篤な肝障害/アリスキレン投与中/高カリウム血症/両側性腎動脈狭窄/片腎で腎動脈狭窄

〈希望禁止〉
手術前24時間

使用に注意が必要な方
・高齢者
・授乳婦/新生児(低出生体重児を含む)/乳児/幼児/小児
・重篤な腎機能障害/血清クレアチニン2.5mg/dL以上/血液透析中/厳重な減塩療法中/手術前24時間
腎機能障害/脳血管障害/血清カリウム値が高くなりやすい/コントロール不良の糖尿病/高血圧を合併しない/蛋白尿を合併しない/尿中アルブミン/クレアチニン比300mg/g以上を合併しない/肝機能障害<重篤な肝障害を除く>/血液透析中/重篤な腎機能障害/血清クレアチニン2.5mg/dL以上

上記にあてはまる方は、ロサルタンカリウムを使用する事が出来ない可能性があります。
ロサルタンカリウムを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用禁忌薬
アリスキレン/カリウム保持性利尿剤/スピロノラクトン/トリアムテレン/カリウム補給剤/塩化カリウム<補給剤>/ACE阻害剤/トリメトプリム/スルファメトキサゾール・トリメトプリム/降圧利尿剤/フロセミド/トリクロルメチアジド/非ステロイド系抗炎症剤/インドメタシン製剤/リチウム製剤/炭酸リチウム

上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
どういう人が飲むのに適してますか?

心不全・腎不全・脳梗塞の既往があるなどの臓器保護が必要な方にも良い適応しております。

利尿剤を使ってるのですが、一緒に飲んでも大丈夫でしょうか?

利尿剤の有効成分が併用禁忌に書かれてるものもありますので、ご確認の上、医師または薬剤師にご相談ください。

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医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。