ドチヌラド

成分名

ドチヌラド

適応症状

痛風/高尿酸血症 など

簡易説明

「ドチヌラド」は、腎臓の尿細管における尿酸の再吸収に関わるトランスポーターの働きを阻害することで、尿中からの尿酸排泄を促し、尿酸値を下げることで高尿酸血症などの病態を改善する薬で、痛風、高尿酸血症の治療に用いられる薬です。
日本では、富士薬品がユリスの商品名で販売しています。
高尿酸血症は血液中の尿酸濃度(尿酸値)が高い状態が続く病態で、痛風発作や尿路結石などの因子となりますが、「ドチヌラド」は尿酸の排泄を促し尿酸値を下げる効果があります。

処方可能な診療科目

内科/循環器科/消化器科/糖尿病・代謝内科 など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安 :約2,000円~10,000円
ユリス錠0.5mg 29.2円/錠(薬価)
ユリス錠1mg 53.3円/錠(薬価)
ユリス錠2mg 97.3円/錠(薬価)
*病院によって差が有ります。初診料・診察料・検査料などが必要になります。

厚生労働省による認可、または発売年月日

2020年5月認可

国内のジェネリック認可

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関連製品(先発薬)

メルカゾール錠2.5mg 【製薬メーカー:あすか製薬】
メルカゾール錠5mg 【製薬メーカー:あすか製薬】

関連製品(ジェネリック)

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効果・作用

「ドチヌラド」は、腎臓の尿細管における尿酸の再吸収に関わるトランスポーターの働きを阻害することで、尿中からの尿酸排泄を促し、尿酸値を下げることで高尿酸血症などの病態を改善する薬です。
高尿酸血症は、血液中の尿酸の濃度(尿酸値)が高い状態でこの状態が続くことで、痛風発作を誘発したり、尿酸結石や尿路結石の因子となり、慢性腎臓病などとの関連性も示唆されています。
体内で産生された尿酸の多くは腎臓から尿中へ排泄されることから、腎臓でつくられた尿(原尿)は尿細管という管を通って輸送されます。
この尿細管では尿に含まれる水分などの物質を血管内(血液中)へ戻す再吸収が行われており、尿細管の部位のうち、近位尿細管では尿酸などの再吸収が行われ、尿酸の血管内への再吸収を担うのがURAT1(Urate transporter 1)というトランスポーター(運び屋的な物質)となります。
このURAT1の働きを阻害することで、尿酸の血管内への再吸収が阻害し、尿酸は尿と一緒に体外へ排泄されるため、結果として血液中の尿酸濃度(尿酸値)の低下が促されます。
「ドチヌラド」は、尿酸の再吸収に深く関わるURAT1を選択的に阻害して、尿酸値を下げることで高尿酸血症や痛風の病態を改善する効果をあらわします。
なお、腎臓では血管内(血液中)から尿酸を尿細管へ輸送する尿細管分泌も行われていることから、仮にこの分泌に関わるトランスポーター(ABCG2など)を阻害すると血液中に尿酸が留まりやすく(尿酸値が下がりにくく)なります。
しかし、この分泌に関わるトランスポーターに対する本剤の阻害作用は弱いとされており、「ドチヌラド」は尿酸の分泌には影響を及ぼさず効率的に血液中の尿酸値を低下することが期待できるとされています。
「ドチヌラド」は、尿酸降下薬であり、痛風関節炎(痛風発作)発現時に血中尿酸値を低下させると痛風関節炎(痛風発作)を増悪させるおそれがあることから、「ドチヌラド」の投与前に痛風関節炎(痛風発作)が認められた場合は、症状がおさまるまで、「ドチヌラド」の投与を開始しないでください。
また、「ドチヌラド」投与中に痛風関節炎(痛風発作)が発現した場合には、用量を変更することなく投与を継続して、症状によりコルヒチン、非ステロイド性抗炎症剤、副腎皮質ステロイド等を併用するなどの対応が必要です。

使用方法

▼用法用量
・成人にはドチヌラドとして1日0.5mgより開始し、1日1回経口投与します。その後は血中尿酸値を確認しながら必要に応じて徐々に増量します。維持量は通常1日1回2mgで、患者の状態に応じて適宜増減するが、最大投与量は1日1回4mgとします。

▼用法及び用量に関連する注意
・尿酸降下薬による治療初期には、血中尿酸値の急激な低下により痛風関節炎(痛風発作)が誘発されることがあります。本剤の投与は0.5mg1日1回から開始して、投与開始から2週間以降に1mg1日1回、投与開始から6週間以降に2mg1日1回投与とするなど、徐々に増量してください。なお、増量後は経過を十分に観察してください。

▼薬剤交付時の注意
・PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導してください。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがあります。

副作用

主な副作用
・軟便
・γ-GTP増加
・ALT増加、AST増加
・痛風関節炎
・関節炎、四肢不快感
・関節痛
・腎結石、腎石灰沈着症、尿中β2ミクログロブリン増加、血中クレアチニン増加、尿中アルブミン/クレアチニン比増加、尿中アルブミン陽性
・発疹

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者には投与しないでください。

■尿路結石を伴う患者
尿路結石を伴う患者は、治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないでください。本剤の薬理作用から、尿中尿酸排泄量の増大により、尿路結石の症状を悪化させるおそれがあります。なお、臨床試験では、尿路結石を伴う患者への投与は行われていません。

■重度の腎機能障害患者(eGFRが30mL/min/1.73m2未満)
他剤での治療を考慮してください。本剤は腎近位尿細管において作用するため、腎機能障害の程度に応じて、有効性が減弱する可能性があります。特に、乏尿又は無尿の患者においては、有効性が期待できないことから、本剤の投与は避けてください。なお、臨床試験では、eGFRが30mL/min/1.73m2未満の患者は除外されています。

使用に注意が必要な方
■肝機能障害患者
肝機能障害患者は、慎重な経過観察を行ってください。他の尿酸排泄促進薬では重篤な肝障害が認められています。なお、臨床試験では、重篤な肝疾患を有する患者、AST又はALT100IU/L以上の患者は除外されています。

■妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与してください。動物実験(ラット及びウサギ)で、臨床曝露量の約1053倍及び約174倍に相当する用量で骨格変異が認められました。

■授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮して、授乳の継続又は中止を検討してください。動物実験(ラット)で、本剤が乳汁中に移行することが報告されています。

上記にあてはまる方は、ドチヌラドを使用する事が出来ない可能性があります。
ドチヌラドを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
・ピラジナミド
・サリチル酸製剤(アスピリンなど)

上記を使用している方は、ドチヌラドを使用する事が出来ない可能性があります。
ドチヌラドを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
報告なし

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
「ドチヌラド」はどんな効果がある薬ですか?

尿酸値を下げて高尿酸血症などの病態を改善します。

「ドチヌラド」に後発医薬品はありますか?

後発医薬品はありません。

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