ヒドララジン塩酸塩

成分名

ヒドララジン塩酸塩

適応症状

本態性高血圧症、妊娠高血圧症候群による高血圧

簡易説明

末梢の動脈を拡張させて緊張をゆるめ、血圧を下げる薬です。本態性高血圧症の治療に用いられます。通常は、副作用を予防し降圧効果を高めるために降圧利尿剤と併用し、この薬の使用量を減らします。
また、妊娠高血圧症候群による高血圧症治療にも使用されます。
ヒドララジンは、抗ヒスタミン作用より、血圧降下作用の強いことが見いだされ、1954年に国内で承認を受けた古くからある降圧剤です。

処方可能な診療科目

産婦人科/循環器内科/内科など

健康保険の適応

健康保険適応あり

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約1,000円~3,000円
薬代1錠あたりの目安:10mg9.4円/錠
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売開始年月日:1954年1月
アプレゾリン(ヒドララジン塩酸塩)はもともとノバルティスファーマ社より製造販売が行われていましたが2016年12月1日よりインドに本社を持つサンファーマの日本法人へ製造販売が移管されました。

国内のジェネリック認可

国内ジェネリック認可あり

関連製品(先発薬)

アプレゾリン錠10mg/25mg/50mg【製薬メーカー:サンファーマ】
10%アプレゾリン散「SUN」【製薬メーカー:サンファーマ】
アプレゾリン注射用20mg【製薬メーカー:サンファーマ】

関連製品(ジェネリック)

ヒドララジン塩酸塩散10%【ノバルティスファーマ社】
ヒドララジン塩酸塩錠10mg/25mg/50mg【ノバルティスファーマ社】

効果・作用

血管拡張性降圧薬です。近年では処方されることが少ない薬ですが、妊娠中の高血圧には、使用実績が豊富なこの薬がよく使われております。
ヒドララジン塩酸塩降圧作用機序については、まだ十分に解明されていないが、末梢細動脈の血管平滑筋に直接作用し、血管を拡張することが主作用であると考えられています。ヒドララジンによる心拍数・心拍出量の増加は血管抵抗減少に伴う反射性の交感神経緊張によるものと考えられています。これらの心刺激作用はβ-アドレナリン受容体遮断剤又は節遮断剤により抑制されます。また、腎・脳血流量に関しては血管抵抗の減少とともに維持又は増加させます。

ヒドララジンは心臓に対して交感神経刺激作用(血圧反射機能)を持つので第一選択薬には採用されません。この刺激作用により心拍数と心拍出量が上昇し、冠血管疾患を有する患者の狭心症や心筋梗塞を誘発します。

ヒドララジンは血漿レニン濃度を上昇させ、体液貯留をもたらします。これらの望ましくない作用を防止するため、ヒドララジンは通常β遮断薬(プロプラノロール等)や利尿薬と併用して使用されます。ヒドララジンは重症高血圧の治療に用いられるが、本態性高血圧の第一選択薬ではないです。しかし妊娠高血圧に対しては、メチルドパとの併用が第一選択とされています。

使用方法

ヒドララジン塩酸塩として、最初は、通常成人1日30~40mgを30~4回に分割経口投与し、血圧値をみながら漸次増量する。維持量は各個人により異なるが通常成人1回200~50mg、1日300~200mgである。
なお、年齢、症状により適宜増減する。

副作用

主な副作用
ヘモグロビン減少/赤血球減少/白血球減少/顆粒球減少/血小板減少/紫斑/LE細胞陽性/好酸球増多/肝脾腫/頭痛/眠気

重大な副作用
SLE様症状/発熱/紅斑/関節痛/胸部痛/劇症肝炎/肝炎/肝機能障害/黄疸/著しいAST上昇/著しいALT上昇/著しいAl-P上昇/著しいγ-GTP上昇/著しいLDH上昇/著しいビリルビン上昇/うっ血性心不全/狭心症発作/麻痺性イレウス/呼吸困難/急性腎障害/溶血性貧血/汎血球減少/多発性神経炎/血管炎

その他の副作用
不安/抑うつ/眩暈/倦怠感/末梢神経障害/知覚異常/神経過敏/振戦/激越/幻覚/頻脈/心悸亢進/心電図異常/起立性低血圧/胸内苦悶/逆説的血圧上昇/悪心/嘔吐/食欲不振/下痢/口渇/便秘/流涙/結膜炎/眼球突出/排尿困難/糸球体腎炎/過敏症/発疹/顔面潮紅/鼻閉/筋肉痛/リンパ節腫/浮腫/体重減少

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■ヒドララジン塩酸塩を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方ヒドララジン塩酸塩(アプレゾリン錠10mg)は、アレルギー反応を起こしてしまう為、使用できません。
▼アプレゾリン錠10mgの有効成分
1錠中ヒドララジン塩酸塩(日局)10mg
▼代表薬の添加物
D-マンニトール/トウモロコシデンプン/ヒドロキシプロピルセルロース/セルロース/ステアリン酸マグネシウム/セラック/ヒマシ油/ステアリン酸グリセリン/白糖/タルク/アラビアゴム/酸化チタン/マクロゴール/カルナウバロウ
・過敏症
・虚血性心疾患
・甲状腺中毒症
・頭蓋内出血急性期
・解離性大動脈瘤
・高心拍出性心不全
・高度頻脈
・肺高血圧症による右心不全
・拡張不全による心不全
・僧帽弁狭窄による心不全
・大動脈弁狭窄による心不全
・収縮性心膜炎による心不全
・心タンポナーデによる心不全
・肥大型心筋症による心不全
【相対禁止】
・妊婦・産婦
・新生児(低出生体重児を含む)

使用に注意が必要な方
【慎重投与】
・肝機能障害
・虚血性心疾患
・腎機能障害
・脳血管障害
・うっ血性心不全
・高齢者(65歳~)
【投与に際する指示】
・肝機能障害
・腎機能障害
・高齢者(65歳~)

上記にあてはまる方は、ヒドララジン塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
ヒドララジン塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
・MAO阻害剤
・他の降圧剤:利尿降圧剤等
・ジアゾキシド
・フェノチアジン系精神神経用剤
・β-遮断剤:メトプロロール、プロプラノロール

上記を使用している方は、ヒドララジン塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
ヒドララジン塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
現在併用禁忌薬に該当する医薬品はございません。

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

ヒドララジン塩酸塩に関する
よくある質問
ヒドララジン塩酸塩を使用する際、定期的に検査を行わないとどういう弊害がありますか?

劇症肝炎、肝炎、AST(GOT)、ALT(GPT)、ALP、γ-GTP、LDH、ビリルビン等の著しい上昇を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

重大な副作用

【上記引用元:サンファーマ株式会社】

ヒドララジン塩酸塩と利尿剤との併用はどういう理由により避けた方が良いのでしょうか?

いずれも血圧降下作用を有するため。

相互作用併用注意(併用に注意すること)

【上記引用元:サンファーマ株式会社】

参考元一覧

アプレゾリン錠【サンファーマ株式会社】
サンファーマ製品に関する販売提携のお知らせ【田辺三菱製薬】

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