カルシトリオール

成分名

カルシトリオール

適応症状

骨粗鬆症/ビタミンD代謝異常に伴う諸症状(低カルシウム血症、しびれ、テタニー、知覚異常、筋力低下、骨痛、骨病変等)の改善/慢性腎不全/副甲状腺機能低下症/クル病・骨軟化症

簡易説明

カルシトリオールは、活性型ビタミンD3で、ビタミンDの不足により起こるいろいろな骨の病気を治療するお薬です。
腸からのカルシウムの吸収を促し、ビタミンDの不足により骨がもろくなるのを防ぐ働きがあります。血中副甲状腺ホルモンレベルを改善します。
骨芽細胞に直接作用して、骨形成を促進します。

処方可能な診療科目

内分泌内科/整形外科/内科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安:約1000円~5000円程度
新薬1錠あたりの目安:カプセル0.25μgあたり 13.2円(薬価)
カプセル0.5μgあたり 19.3円(薬価)
静注液0.5μg 1管あたり 716円(薬価)
静注液1μg 1管あたり 1079円(薬価)
後発薬1錠あたりの目安:カプセル0.25μgあたり 6.3円(薬価)
カプセル0.5μgあたり 9.2円(薬価)
静注液0.5μgあたり 278円(薬価)
静注液1μgあたり 407円(薬価)

※病院によって差が有り。薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

1986年5月【発売開始年月日】

国内のジェネリック認可

あり

関連製品(先発薬)

ロカルトロールカプセル0.25【製薬メーカー:中外製薬】
ロカルトロールカプセル0.5【製薬メーカー:中外製薬】
ロカルトロール注0.5【製薬メーカー:協和キリン】
ロカルトロール注1 【製薬メーカー:協和キリン】

関連製品(ジェネリック)

カルシトリオールカプセル0.25μg「サワイ」カルシトリオールカプセル0.5μg「サワイ」
カルシトリオールカプセル0.25μg「YD」カルシトリオールカプセル0.5μg「YD」カルシトリオールカプセル0.25μg「テバ」カルシトリオールカプセル0.5μg「テバ」カルシトリオール静注液0.5μg「F」
カルシトリオール静注液1μg「F」カルシトリオールカプセル0.25μg「BMD」カルシトリオールカプセル0.5μg「BMD」カルシトリオールカプセル0.25μg「トーワ」カルシトリオールカプセル0.5μg「トーワ」

効果・作用

カルシトリオールは、骨粗鬆症治療薬に使用される活性型ビタミンD3製剤です。
現在、活性型ビタミンD3製剤の内服薬には3成分が存在します。
・カルシトリオール
・アルファカルシドール
・エルデカルシトール

この中で、ビタミンD3の最終活性代謝物が「カルシトリオール」です。
「アルファカルシドール」は、「カルシトリオール」のプロドラッグで、肝臓で25位が水酸化され「カルシトリオール」に変換されます。
「カルシトリオール」は腎臓での1α水酸化を受けることなく、ビタミンD受容体と結合し作用を発揮します。そのため「活性型ビタミンD製剤」とよばれます。
「カルシトリオール」の誘導体として、より強力な骨量増加を目的とした「エルデカルシトール」が開発されました。
「エルデカルシトール」は、「カルシトリオール」「アルファカルシドール」に比べて、骨密度の上昇、椎体骨折の発生頻度を低下させる作用が強いのが特徴です。
「カルシトリオール」は、慢性腎不全における骨病変にも有用です。「アルファカルシドール」に比べ、血中カルシウム上昇作用が強いようです。
それほど強力ではないものの、骨密度増加や骨折予防効果もある程度は期待できます。

活性型ビタミンD3の主な標的臓器は腸、副甲状腺、骨、腎です。その作用は主に、下記のものがあります。
・腸管からCa2+の吸収促進
・副甲状腺ホルモンの合成・分泌抑制
・骨再構成作用(リモデリング)
・破骨細胞形成抑制、骨芽細胞の直接刺激
・腎からのCa2+の再吸収促進

使用方法

本剤は患者の血清カルシウム濃度の十分な管理のもとに投与量を調節する。
〈骨粗鬆症の場合〉
通常、成人にはカルシトリオールとして1日0.5μgを2回に分けて経口投与する。ただし、年齢、症状により適宜増減する。
〈慢性腎不全の場合〉
通常、成人1日1回カルシトリオールとして0.25〜0.75μgを経口投与する。ただし、年齢、症状により適宜増減する。
〈副甲状腺機能低下症、その他のビタミンD代謝異常に伴う疾患の場合〉
通常、成人1日1回カルシトリオールとして0.5〜2.0μgを経口投与する。ただし、疾患、年齢、症状、病型により適宜増減する。

副作用

主な副作用
カルシトリオールには、副作用が起こる可能性があります。
カルシトリオールを服用した場合、どのような副作用が起こるか知っておきましょう。
■カルシトリオールの注意すべき副作用
BUN上昇/クレアチニン上昇/嘔気/下痢/食欲不振/便秘/嘔吐/胃不快感/AST上昇/ALT上昇
■カルシトリオールの主な副作用
BUN上昇/クレアチニン上昇/嘔気/下痢/食欲不振/便秘/嘔吐/胃不快感/AST上昇/ALT上昇/LDH上昇

その他の副作用
血中尿酸上昇・皮膚そう痒感/高カルシウム血症/関節周囲の石灰化/化骨形成/胃痛/口渇/腹部不快感/心窩部痛/腹部膨満感/口内炎/いらいら感/不眠/頭痛/動悸/蕁麻疹/発疹/皮膚乾燥/結膜充血/脱力感/倦怠感/背部痛/カルシウム沈着/熱感/発熱/胸痛/月経不順/鼻出血/尿路結石/顔面潮紅/腰痛/下肢痛/四肢の冷え/浮腫

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方(ロカルトロールカプセル0.25の場合)は、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼ロカルトロールカプセル0.25の有効成分
カルシトリオール0.25μg
▼ロカルトロールカプセル0.25の添加物
ブチルヒドロキシアニソール/ジブチルヒドロキシトルエン/中鎖脂肪酸トリグリセリド/ゼラチン/グリセリン/D-ソルビトール/酸化チタン/パラオキシ安息香酸エチル/パラオキシ安息香酸プロピル/黄色5号

・高カルシウム血症
・ビタミンD中毒症状
【相対禁止】
・妊婦・産婦
・本剤成分又は含有成分で過敏症の既往歴のある方

使用に注意が必要な方
・高リン血症
・高齢者
【慎重投与】
・妊婦・産婦
・授乳婦
・幼児・小児

上記にあてはまる方は、カルシトリオールを使用する事が出来ない可能性があります。
カルシトリオールを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
ビタミンD及びその誘導体:
アルファカルシドール等
PTH製剤:
テリパラチドカルシウム製剤:
乳酸カルシウム水和物/炭酸カルシウム等
マグネシウム含有製剤:
酸化マグネシウム/炭酸マグネシウム等

上記を使用している方は、カルシトリオールを使用する事が出来ない可能性があります。
カルシトリオールを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
なし

併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
ロカルトロールとオキサロールとはどう違うのですか?同じような気がするのですが。

オキサロール(マキサカルシトール)は、カルシトリオールよりも血清カルシウム濃度が上昇しないとされています。
活性型ビタミンD製剤(ロカルトロールなど)でコントロール出来ない症例に対して、マキサカルシトールを用いる事と記されています。

65歳のおばあちゃんです。病院で、骨粗しょう症になりやすいと診断され、ロカルトロールを飲んでいます。
心配なので、同時にサプリメントでカルシウムも摂ったほうがよいでしょうか?

ロカルトールは、活性型のビタミン剤で、腸管からのカルシウムの吸収を促進させて、血液中のカルシウム値を上昇させます。
なのでサプリなどでカルシウムを摂ると、カルシウムが増えすぎて高カルシウム血症を起こす可能性があります。ロカルトールは、飲み始めの初期に高カルシウム血症になる方が多いという報告がありますので、特に飲み始めはカルシウムを摂りすぎないようにしてください。

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