成分名 |
アシミニブ塩酸塩 |
適応症状 |
慢性骨髄性白血病 |
簡易説明 |
アシミニブ塩酸塩は通常、慢性骨髄性白血病の治療に用いられる医薬品の成分になります。
チロシンキナーゼの活性を阻害することにより、白血病細胞の増殖を抑える作用があります。
これまで慢性骨髄性白血病の治療を受けて、チロシンキナーゼ阻害剤に十分な効果が得られなかった方、副作用に耐えられなくなり服用が続けられない方が服用する医薬品で、慢性期の慢性骨髄性白血病の治療に用いられます。 |
処方可能な診療科目 |
血液内科など |
健康保険の適応 |
保険適用あり |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約10,000円~
薬代1錠あたりの目安:20mg約5564.5円/40mg約10618.3円(薬価)
病院によって差が有り、薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。
高額療養費制度の対象になるため、患者の年齢、所得水準によっても異なってきます。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
承認年月日:2022年3月28日
販売年月日:2022年5月25日 |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
関連製品(先発薬) |
セムブリックス錠20mg【製薬メーカー:ノバルティスファーマ】
セムブリックス錠40mg【製薬メーカー:ノバルティスファーマ】 |
関連製品(ジェネリック) |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
効果・作用 |
アシミニブ塩酸塩は通常、慢性骨髄性白血病の治療に用いられる医薬品の成分になります。
チロシンキナーゼの活性を阻害することにより、白血病細胞の増殖を抑える作用があります。
これまで慢性骨髄性白血病の治療を受けて、チロシンキナーゼ阻害剤に十分な効果が得られなかった方、副作用に耐えられなくなり服用が続けられない方が服用する医薬品で、慢性期の慢性骨髄性白血病の治療に用いられます。
・慢性骨髄性白血病(CML)の進行とBCR-ABL蛋白について
慢性骨髄性白血病では、白血病のもととなる「BCR-ABL蛋白」という物質が作られており、そこにエネルギー物質(ATP)がくっつくことでスイッチが入ります。それにより、白血病細胞がたくさん作られてしまいます。
慢性骨髄性白血病は適切な治療を受けずに時間が経過すると、白血病細胞はさらに増殖・悪性化し、治療不可能な状態になる恐れがあります。
・セムブリックス(アシミニブ塩酸塩)の作用について
慢性骨髄性白血病に対しての治療は、分子標的治療薬による治療が標準的ですが、薬では十分効果が得られない場合や、副作用で服用が続けられない場合があります。
これまでの治療薬は、BCR-ABL蛋白にエネルギー物質(ATP)がくっつかないようにふたをする作用がありましたが、BCR-ABL蛋白そのものが変形すると本来治療薬の成分がくっつく場所に作用できないため効果が得られません・
セムブリックス(アシミニブ塩酸塩)は、これまでの治療薬がBCR-ABL蛋白にくっついていた場所とは異なる場所にくっつくことで、BCR-ABL蛋白にスイッチが入らない形に変形させる効果を発揮します。
それにより、白血病細胞の増殖・悪性化を抑えることができます。
・白血病とは
白血病は、「血液のがん」と言われています。
骨髄の中で血液細胞が作られる過程でがん化し増殖していく病気です。骨髄の中で血球を作り出す元の細胞である「造血幹細胞」や、幹細胞から発生して体を構成する最終分化細胞へと分化できる細胞の「前駆細胞」に遺伝子変異が起きて生じる「白血病細胞」が骨髄で増殖することで、正常な血液細胞の増殖と機能を阻害します。骨髄に留まらず、抹消血中(血管の中に流れる血液)にも溢れ出てくる血液の病気です。
・白血病の種類
白血病は「急性骨髄性白血病」「急性リンパ性白血病」「慢性骨髄性白血病」「慢性リンパ性白血病」の4種類に大きく分かれます。増殖する細胞が骨髄性のものか、リンパ性のものかによって名称が異なります。
・急性白血病と慢性白血病の違い
白血病において、急性と慢性の意味は疾患の意味とは異なります。急性白血病と慢性白血病ではそれぞれ違う疾患で、急性白血病が長期間続いても慢性白血病になるわけではありません。
「急性白血病」では、がん化した成熟していない若い白血球が増加します。顕著な貧血や白血球の増加、出血傾向(血小板が減少する)の症状を示すので迅速な治療が必要となります。
「慢性白血病」では、がん化した成熟していない細胞から成熟した細胞までの全ての細胞が増加します。慢性白血病は白血球の数が増加しますが、症状がないことも多いため健康診断などで偶然見つかることが多いです。最終的に、急性転化(急激な症状の悪化)するため急性転化を遅らせる長期にわたる適切な治療が必要となります。 |
使用方法 |
通常、成人にはアシミニブとして1回40mgを1日2回、空腹時に経口投与します。
食事の1時間前から食後2時間までの間の服用は避けてください。
飲み忘れに気づいた場合は、服用時間から 6時間以上すぎていれば、その回は服用せず、次の服用時間に通常どおり 1回分だけ服用してください。
これまで服用していた薬が1日1回で食後に服用していた場合は、服用するタイミングが大きく変わりますので注意が必要です。
※患者の状態により適宜減量します。 |
副作用 |
主な副作用
アシミニブ塩酸塩には、副作用が起こる可能性があります。
アシミニブ塩酸塩を服用した場合、どのような副作用が起こるか知っておきましょう。
▼感染症及び寄生虫症
上気道感染、下気道感染、インフルエンザ
▼代謝及び栄養障害
脂質異常症、食欲減退
▼神経系障害
頭痛、浮動性めまい
▼眼障害
ドライアイ、霧視
▼心臓障害
動悸、駆出率減少
▼血管障害
高血圧
▼呼吸器、胸郭及び縦隔障害
胸水、呼吸困難、非心臓性胸痛、咳嗽
▼胃腸障害
悪心、下痢、嘔吐、腹痛
▼肝胆道系障害
肝酵素上昇、血中ビリルビン増加
▼皮膚及び皮下組織障害
発疹、蕁麻疹、光線過敏症
▼筋骨格系及び結合組織障害
筋骨格痛、関節痛
▼一般・全身障害及び投与部位の状態
疲労 そう痒症、浮腫 発熱
重大な副作用
極めて稀な副作用ですが、重度の副作用にご注意下さい。
重篤な副作用の発生率は低いですが、用法や用量を間違えると命に危険を及ぼすような、重篤な副作用が発生する恐れもあります。
異変を感じた場合は、直ぐに医師の診察を受け指示に従いましょう。
▼骨髄抑制
血小板減少症(24.4%)、好中球減少症(17.9%)、発熱性好中球減少症(0.6%)、貧血(5.1%)等があらわれることがあります。
▼膵炎
膵炎(頻度不明)、リパーゼ増加(3.2%)、アミラーゼ増加(4.5%)等があらわれることがあります。
▼QT間隔延長(1.3%)
▼感染症
肺炎(0.6%)等があらわれることがあります。
▼血管閉塞性事象
脳梗塞(0.6%)、心筋虚血(0.6%)等があらわれることがあります。
重篤な副作用の発生率は低いですが、用法や用量を間違えると命に危険を及ぼすような、重篤な副作用が発生する恐れもあります。
異変を感じた場合は、直ぐに医師の診察を受け指示に従いましょう。
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ▼アシミニブ塩酸塩を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方(セムブリックス錠40mg)は、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼セムブリックス錠40mgの有効成分
アシミニブ塩酸塩
▼代表薬の添加物
・乳糖
・セルロース
・ヒドロキシプロピルセルロース
・クロスカルメロースナトリウム
・ポリビニルアルコール(部分けん化物)
・酸化チタン
・ステアリン酸マグネシウム
・タルク
・無水ケイ酸
・大豆レシチン
・三二酸化鉄
・キサンタンガム
・酸化鉄
▼アシミニブ塩酸塩の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
使用に注意が必要な方 ▼合併症・既往歴等のある患者
▼ 膵炎又はその既往歴のある患者
膵炎が悪化又は再発するおそれがあります。
▼B型肝炎ウイルスキャリアの患者又は既往感染者(HBs抗原陰性、かつHBc抗体又はHBs抗体陽性)
アシミニブ塩酸塩投与開始後は継続して肝機能検査や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行う等、B型肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意する必要があります。Bcr-Ablチロシンキナーゼ阻害剤の投与によりB型肝炎ウイルスの再活性化があらわれることがあります。
▼QT間隔延長のおそれ又はその既往歴のある患者
QT間隔延長が起こるおそれがあります。
▼生殖能を有する者
妊娠可能な女性に対しては、アシミニブ塩酸塩投与中及び投与終了後一定期間は適切な避妊を行うよう指導する必要があります。
▼妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する必要があります。
動物実験において、臨床曝露量の15.3倍(ラット)及び4.4倍(ウサギ)に相当する用量で胚・胎児毒性(ウサギ)及び催奇形性(ラット及びウサギ)が認められています。
▼授乳婦
授乳しないことが望ましい。本剤が乳汁に移行する可能性が
あり、乳児が乳汁を介して本剤を摂取した場合、乳児に重篤な副作用が発現するおそれがある。
▼小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していません。
上記にあてはまる方は、アシミニブ塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 アシミニブ塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 ▼イトラコナゾール(内用液)
イトラコナゾール(内用液)に含まれるヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンが消化管内でオキシブチニン塩酸塩を包接することにより、オキシブチニン塩酸塩の吸収が低下し、オキシブチニン塩酸塩の血中濃度を低下させる可能性があります。
オキシブチニン塩酸塩の有効性が減弱するおそれがあるため、内用液以外のイトラコナゾール製剤への代替を考慮する必要があります。
▼CYP2C9の基質となる薬剤(ワルファリン、フェニトイン、セレコキシブ等)
オキシブチニン塩酸塩がCYP2C9を阻害することにより、これらの薬剤の血中濃度を上昇させる可能性があります。
これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるため、患者の状態を慎重に観察し、副作用発現に十分注意する必要があります。
▼QT間隔延長を起こすことが知られている薬剤(クラリスロマイシン、ハロペリドール、メサドン等)
共にQT間隔延長に関連する副作用を有しています。
QT間隔延長を起こす又は悪化させるおそれがあるため、患者の状態を慎重に観察する必要があります。
上記を使用している方は、アシミニブ塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 アシミニブ塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 現在併用禁忌薬に該当する医薬品はございません。
併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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