チカグレロル

成分名

チカグレロル

適応症状

陳旧性心筋梗塞の65歳以上/2回以上の心筋梗塞の既往/多枝病変を有する冠動脈疾患/末期でない慢性の腎機能障害/薬物療法を必要とする糖尿病

簡易説明

・体内で血小板を活性化し血小板凝集を亢進させるADP(アデノシン二リン酸)という物質があり、ADPは自身の受容体となるP2Y12受容体やP2Y1受容体を介して血小板凝集を亢進させます。ADPの働きを抑えることができれば血小板凝集を抑え、心筋梗塞や脳梗塞などを予防する効果が期待できます。チカグレロルは、血小板の活性化に基づく血小板凝集を抑え、血栓の形成を抑えることで血管をつまらせないようにする作用があります。

処方可能な診療科目

内科/消化器内科/循環器内科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約1000円~
薬代1錠あたりの目安:1錠60mg 約98.7円~
薬代後発薬1錠の目安:1錠60mg 約156.25円~
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

販売開始年月 : 2017年2月

国内のジェネリック認可

なし

関連製品(先発薬)

ブリリンタ錠60mg/90mg【製薬メーカー:アストラゼネカ】

関連製品(ジェネリック)

アクサー(Axcer)【製薬メーカー:Sun Pharma Laboratories Ltd】

海外での使用実績

アストラゼネカ株式会社プレスリリース
(アストラゼネカのチカグレロル 米国FDAが心筋梗塞の既往歴を有する患者さんに対する長期投与の適応追加を承認)

効果・作用

・チカグレロルはADPの受容体であるP2Y12受容体を阻害することでADPの働きを抑え、血小板の活性化に基づく血小板凝集を抑え血栓の形成を抑える作用をあらわします。チカグレロルに含まれるチクロピジン、クロピドグレル、プラスグレルといった成分はチエノピリジン骨格という共通の化学構造をもつことから、チエノピリジン系抗血小板薬などと呼ばれることもある。なお、カグレロルは前述した3成分とは異なる化学構造をもつ成分で、P2Y12受容体のADPの結合部位とは異なる部位へ結合し、この受容体のシグナル伝達を阻害することで抗血小板作用をあらわします。これらの特徴から、例えば、チエノピリジン系抗血小板薬に過敏症がある場合など、ほかの抗血小板薬の投与が困難な場合への有用性が考えられる。
・広くは抗血栓薬の部類に入るシクロペンチルトリアゾロピリミジン群の抗血小板薬です。
・ADP受容体拮抗薬(P2Y12受容体拮抗薬)と呼ばれます。PCIが適用される虚血性心疾(狭心症、心筋梗塞)においては、アスピリンとADP受容体拮抗薬との2剤併用抗血小板療法が推奨されています。
・従来のチエノピリジン系薬剤と異なり、作用発現に代謝活性化を必要としません。このため、服薬後早期から血小板凝集阻害作用が得られ、効果の発現が速いです。また、血小板への結合が可逆的なため、速やかに作用が消失し、出血リスクが長引かないと推測されます。

≪作用機序≫
チカグレロルは、アデノシン二リン酸(ADP)受容体であるP2Y12受容体に対する選択的且つ可逆的な拮抗薬であり、ADP誘発血小板凝集を阻害する。チカグレロルは、P2Y12受容体のADP結合部位とは異なる部位に結合し、血小板P2Y12受容体のシグナル伝達を阻害する。また、チカグレロルは受動拡散型ヌクレオシドトランスポーター-1(ENT-1)を阻害し、局所アデノシン濃度を上昇させる作用を有する。チカグレロルのENT-1阻害によりアデノシン半減期が延長し、アデノシン局所濃度が上昇することで局所におけるアデノシン作用が増強する可能性がある。

≪抗血小板薬とは≫
・「血小板の活性化を抑制」します。

▼他のADP阻害薬▼
プラビックス/エフィエント/パナルジン

使用方法

・成人には、1回60mgを1日2回経口投与すること
≪用法及び用量に関連する注意≫
①アスピリン(維持用量として81~100mg/日)と併用すること
②ステント留置患者への本剤投与時には該当医療機器の添付文書を必ず参照すること
③本剤の投与期間については、アテローム血栓性イベント発現リスクと出血リスクを考慮した上で症例毎に判断すること

副作用

主な副作用
チカグレロルには、副作用が起こる可能性があります。
チカグレロルを服用した場合、どのような副作用が起こるか知っておきましょう。

皮下出血、内出血発生増加傾向、鼻出血、挫傷、注射部位出血、突発性血腫、外傷性出血、血尿、喀血、呼吸困難、高尿酸血症

重大な副作用
極めて稀な副作用ですが、重度の副作用にご注意下さい。
重篤な副作用の発生率は低いですが、用法や用量を間違えると命に危険を及ぼすような、重篤な副作用が発生する恐れもあります。
異変を感じた場合は、直ぐに医師の診察を受け指示に従いましょう。

出血、アナフィラキシー、脳出血、頭蓋内出血、頭痛、悪心、嘔吐、意識障害、片麻痺、消化器系出血、歯肉出血、出血性胃潰瘍、血管浮腫、過敏症状、直腸出血、高度房室ブロック、洞停止、徐脈性不整脈

その他の副作用
血中クレアチニン増加、出血傾向、処置後出血、皮膚出血、筋肉内出血、出血性関節症、結膜出血、網膜出血、耳出血、性器出血、皮膚そう痒症、血精液症、下痢、浮動性めまい、回転性めまい、痛風、発疹、眼内出血、硝子体出血、腫瘍出血、後腹膜出血、膀胱出血、失神、錯乱、低血圧

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■チカグレロルを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方ブリリンタは、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。

▼ブリリンタの有効成分
チカグレロル
▼代表薬の添加物
D-マンニトール、リン酸水素カルシウム水和物、デンプングリコール酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロ−ス、酸化チタン、マクロゴール400、黒酸化鉄、三二酸化鉄

・妊婦/産婦
・過敏症
・硝子体出血/血友病/出血/消化管出血/頭蓋内出血/重度肝障害/尿路出血/重度肝機能障害/中等度肝機能障害/中等度肝障害/強いCYP3A阻害剤投与中/強いCYP3A誘導剤投与中/TIA/気管支喘息/呼吸器疾患/呼吸困難/洞不全症候群/脳梗塞/一過性脳虚血発作/第3度房室ブロック/COPD/徐脈の発現リスクの高い/第2度房室ブロック/うっ血性心不全

使用に注意が必要な方
・高齢者
・新生児(低出生体重児を含む)/乳児/幼児/小児
・高尿酸血症/出血/出血傾向/腎機能障害/痛風/出血傾向素因/血小板凝集抑制が問題となるような手術
高血圧が持続/急性冠症候群/β遮断薬投与中/クレアチニンクリアランス60mL/min未満/受傷後間もない
術後間もない/心筋梗塞の発症後1年未満/尿酸腎症

上記にあてはまる方は、チカグレロルを使用する事が出来ない可能性があります。
チカグレロルを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
セントジョーンズワート(セイヨウオトギリソウ)を含むもの

上記を使用している方は、チカグレロルを使用する事が出来ない可能性があります。
チカグレロルを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
β-遮断剤/強力なCYP3A阻害剤/イトラコナゾール/ボリコナゾール/クラリスロマイシン/ネルフィナビル/リトナビル/コビシスタットを含有する製剤/CYP3Aを阻害する薬剤<強く阻害する薬剤は禁忌>/ジルチアゼム/ベラパミル/フルコナゾール/P-糖蛋白質を阻害する薬剤/シクロスポリン/キニジン/強いCYP3A誘導薬/リファンピシン類/リファブチン/カルバマゼピン/フェノバルビタール/フェニトイン/CYP3A誘導剤<強い誘導剤は禁忌>/エファビレンツ/モダフィニル/血液凝固阻止剤/ワルファリン/ヘパリン製剤/血栓溶解剤/ウロキナーゼ/アルテプラーゼ/非ステロイド系抗炎症剤/ナプロキセン/シンバスタチン/ジゴキシン/モルヒネ

上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
『ブリリンタ』と『プラビックス』、同じ抗血小板薬の違いはなんですか?

個人差が小さく休薬期間も短い『ブリリンタ』と、1日1回で良く適応症が広い『プラビックス』となります。

術前にチカグレロルを休薬する場合、休薬期間はどれくらい必要ですか?

血小板凝集抑制が問題となるような手術の場合、5日以上前に休薬することが望ましいとされています。

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医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。