マニジピン塩酸塩

成分名

マニジピン塩酸塩

適応症状

高血圧症

簡易説明

マニジピン塩酸塩は持続性カルシウム拮抗降圧剤と呼ばれる高血圧症治療薬になります。作用機序はカルシウム拮抗作用であり、作用部位は主に血管平滑筋に作用し、血管を拡張する事によって持続的な降圧作用を示します。1日1回の投与で24時間安定した血圧のコントロールが可能であり、本態性高血圧症、重症高血圧症並びに腎障害を伴う高血圧症に対しても有用性が認められました。

処方可能な診療科目

内科/外科/整形外科/小児科/産婦人科/脳神経外科内科/泌尿器科/消化器内科外科/精神科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約2,000円~5,000円
薬代1錠あたりの目安:5mg約16円/10mg約21円/20mg約36円
薬代後発薬1錠の目安:5mg約10円/10mg約10円/20mg約17円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。

厚生労働省による認可、または発売年月日

マニジピン塩酸塩の代表医薬品であるカルスロット錠5/10/20は、1990年6月29日に製造販売が承認され、1990年8月24日薬価基準に収載、その後1990年9月17日に発売となりました。

国内のジェネリック認可

国内ジェネリック認可あり

関連製品(先発薬)

カルスロット錠5/10/20【製薬メーカー:武田テバ薬品株式会社】

関連製品(ジェネリック)

マニジピン塩酸塩錠5mg/10mg/20mg「YD」【製薬メーカー:株式会社陽進堂】
マニジピン塩酸塩錠5mg/10mg/20mg「サワイ」【製薬メーカー:沢井製薬株式会社】
マニジピン塩酸塩錠5mg/10mg/20mg「タイヨー」【製薬メーカー:武田テバファーマ株式会社】
マニジピン塩酸塩錠5mg/10mg/20mg「日医工」【製薬メーカー:日医工株式会社】

海外での使用実績

イタリア、フランス、ドイツ等で販売されています。

効果・作用

マニジピン塩酸塩は高血圧症にたいして効果のある薬です。

その作用機序としては、本剤の降圧作用は、主に血管平滑筋における膜電位依存性カルシウムチャネルに作用してCa2+流入を抑制する事により、血管平滑筋を弛緩させ、血管を拡張する事によりもたされると考えられます。

膜電位依存性カルシウムチャネルからカルシウムが流入した場合、カルモデュリンによりカルシウムカルモデュリン複合体を形成し、この複合体がミオシン軽鎖リン酸化を経て血管を収縮します。

1)リセプターに対する結合性
動物実験の結果より膜電位依存性カルシウムチャネルのリセプターに高い結合性を有するものと推定されます。
2)カルシウム拮抗作用
動物実験の結果よりカルシウムイオン電流に対する選択的かつ持続性の抑制作用を示し、また細胞内への流入を抑制した結果からカルシウムチャネルをブロックする作用を有する事が示唆されました。
3)心臓及び血管に対する作用
高血圧症患者における心血行動態に対し、総末梢血管抵抗のみを優位に減少させた。一方心機能にはほとんど影響を及ぼしていなかった。
4)降圧作用
①高血圧症患者における血圧日内変更試験において1日1回の投与で有意な血圧低下が認められており、終日安定した降圧効果が得られることが示された。
②24時間血圧モニター試験において、1日1回の投与で24時間持続する降圧効果が認められているが、夜間における降圧度は小さい。

使用方法

通常成人に使用する場合には、マニジピン塩酸塩として10~20mgを1日1回朝食後に内服します。
但し、1日5mgから投与を開始し、必要に応じて漸次増量する事とされています。

副作用

重大な副作用
1)過度の血圧低下による一過性の意識消失、脳梗塞等(いずれも頻度不明)
2)無顆粒球症、血小板減少(いずれも頻度不明)
3)心室性期外収縮、上室性期外収縮(いずれも頻度不明)
4)紅皮症(頻度不明)

その他の副作用
肝臓、腎臓、血液、過敏症、口腔、循環器、精神神経系、消化器、筋・骨格系、その他の副作用が報告されております。

発生頻度は以下の通りです。
1)肝臓
AST、ALT、Al-P、LDH、γーGTP、ビリルビンの上昇(0.1~5%未満)
2)腎臓
BUN、クレアチニンの上昇(0.1~5%未満)
3)血液
好酸球増多(0.1~5%未満)
4)過敏症
発疹、掻痒(0.1~5%未満)
光線過敏症(頻度不明)
5)口腔
歯肉肥厚(頻度不明)
6)循環器
顔のほてり、顔面紅潮、熱感、動悸、頻脈(0.1~5%未満)
結膜充血、胸部痛(頻度不明)
7)精神神経系
眩暈、立ち眩み、頭痛、頭重感、痺れ感(0.1~5%未満)
不眠、眠気、パーキンソン様症状の憎悪又は顕性化(頻度不明)
8)消化器
悪心、嘔吐、胃部不快感、腹痛、腹部膨満感、便秘、口渇、味覚異常(0.1~5%未満)
食欲不振、胸やけ、下痢、口内炎(頻度不明)
9)筋・骨格系
CKの上昇(0.1~5%未満)
筋肉痛、肩こり、筋痙攣(頻度不明)
10)その他
全身倦怠感、脱力感、浮腫、頻尿、血清総コレステロール、尿酸、トリグリセライドの上昇、息切れ、血清カリウム低下(0.1~5%未満)
乳び腹水(腎不全患者に投与した場合)、女性化乳房、咳、発汗(頻度不明)

過敏症のように異常が認められた場合は速やかに投与を中止し主治医への相談を仰ぐようにしましょう。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
1)妊婦又は妊娠している可能性のある女性

使用に注意が必要な方
1)重篤な肝機能障害のある患者
本剤の代謝及び排泄が遅延する恐れがある為使用には注意が必要です。
2)妊婦
動物実験において妊娠期間及び分娩時間が延長する事が報告されております。
3)授乳婦
動物実験において母乳中へ移行する事が報告されている為使用には注意が必要です。
4)小児等
5)高齢者
脳梗塞等が起こる恐れがある為使用には注意が必要です。

上記にあてはまる方は、マニジピン塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
マニジピン塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
1)他の降圧剤
相互に作用を増強する恐れがある為併用には注意が必要です。
2)ジゴキシン
ジゴキシンの排泄が阻害され、血中濃度が上昇する事が考えられるため併用には注意が必要です。
3)シメチジン
シメチジンがカルシウム拮抗剤の肝での代謝を抑制する事、又はシメチジンが胃酸分泌を抑制して消化管のpHを上昇させ、カルシウム拮抗剤の吸収を増加させることが考えられるため併用には注意が必要です。
4)リファンピシン
リファンピシンが肝薬物代謝酵素を誘導し、カルシウム拮抗剤の代謝を促進する事が考えられる為併用には注意が必要です。
5)グレープフルーツジュース
グレープフルーツジュース中の成分が、本剤の肝薬物代謝酵素であるCYP3A4を阻害する事が考えられている為併用には注意が必要です。

上記を使用している方は、マニジピン塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
マニジピン塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

マニジピン塩酸塩に関する
よくある質問
薬を飲み始めてどのぐらいで効果が現れますか?

服用後の最高血中濃度は4時間位と報告されております。
インタビューフォーム 【武田テバ薬品株式会社】

薬を飲み忘れた場合はどうしたらよいでしょうか?

飲み忘れたときは気づいた時点で直ちに1回分服用するようにしましょう。しかし、夜に飲んでいない事に気づいた場合は朝まで飲まずに翌朝より1回分服用するようにしましょう。絶対に2回分を一度に服用しないようにしましょう。
くすりのしおり 【くすりの適正使用協議会】

マニジピン塩酸塩はどの様な添加物を使用していますか?

トウモロコシデンプン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、リボフラビン、乳糖水和物を添加物として使用しています。
インタビューフォーム 【武田テバ薬品株式会社】

車の運転はしても大丈夫でしょうか?

血圧が下がりすぎる事により、眩暈やふらつきが現れる事がありますので車の運転等危険な操作には十分注意して行うようにしましょう。
インタビューフォーム 【武田テバ薬品株式会社】

参考元一覧

医薬品マスター検索 【診療報酬情報提供サービス】
インタビューフォーム 【武田テバ薬品株式会社】
医療用医薬品の添付文書情報 【PMDA】
くすりのしおり 【くすりの適正使用協議会】

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