成分名 |
オメガ-3脂肪酸エチル |
適応症状 |
高脂血症 |
簡易説明 |
ロトリガ粒状カプセル2g(以下、本剤)に含まれる高濃度のオメガ‐3脂肪酸エチルは、ノルウェーのPronava BioPharma ASAで製造され、主成分にEPA-E(イコサペント酸エチル)とDHA(ドコサヘキサエン酸)を含みます。
本剤は1994年9月にノルウェーで初めて承認され、ヨーロッパやアメリカ等で「高トリグリセライド(中性脂肪:以下、TG)血症」の適応で承認され、日本国内では「高脂血症」の治療薬として承認されています。なお、本剤は国内で初めてEPA-EとDHA-Eを両方含有した薬です。
なお、EPA-EやDHA-Eは、一般的にメタボリックシンドロームの方は食べるとよいとされる青魚に多く含まれる成分となります。EPA-EやDHA-Eはサプリメント等にも使用されていますが、本剤の主成分である高濃度のオメガ‐3脂肪酸エチルではありません。なお、本剤とEPA製剤と併用した場合の有効性、安全性は確認されていません。 |
処方可能な診療科目 |
内科/循環器内科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安:2,950円(後発品1包:98.20×30日)~13,164円(先発品2包:219.40×2×30日)
薬代1包あたりの目安:219.40円
薬代後発品1錠の目安:98.20円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。
定期的に血液検査(LDL-C測定)を行います。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
発売年月日:2013年1月10日 |
国内のジェネリック認可 |
あり |
関連製品(先発薬) |
ロトリガ粒状カプセル2g【製薬メーカー:武田薬品工業株式会社】 |
関連製品(ジェネリック) |
オメガ‐3脂肪酸エチル粒状カプセル2g「武田テバ」【製薬メーカー:武田テバファーマ株式会社】、オメガ‐3脂肪酸エチル粒状カプセル2g「トーワ」【製薬メーカー:東和薬品株式会社】、オメガ‐3脂肪酸エチル粒状カプセル2g「ニプロ」【製薬メーカー:ニプロ株式会社】、オメガ‐3脂肪酸エチル粒状カプセル2g「MJT」【製薬メーカー:森下仁丹株式会社】、オメガ‐3脂肪酸エチル粒状カプセル2g「YD」【製薬メーカー:株式会社陽進堂】 |
海外での使用実績 |
1994年にノルウェーで初めて承認されて以降、イギリス、ドイツ、フランス、アメリカ、韓国等86ヵ国で承認されています(2018年6月現在)。 |
効果・作用 |
オメガ‐3脂肪酸エチルは肝臓からのTG分泌を抑制と血中からのTG消失を促進させることでTGを低下させます。また、EPA-EとDHA-Eは肝臓のTG量を低下させるとともにTG合成活性を低下させます。本剤はこの作用によりTG低下と血中脂質の質を改善させます。
高脂血症には高LDL血症、高TG血症、低HDL血症があり、低いことも問題となるため最近では高脂血症を脂質異常症と呼ぶことも多くなっています。
脂質(コレステロール)は食事から取り込まれたり、肝臓で合成されたりする、生命維持に不可欠な物質です。詳細な説明やは割愛します(*)が、その脂質を全身に運ぶ為に、肝臓からTGの形で全身に送られていきます。脂質は最終的にLDLとして細胞内に取り込まれ、取り込まれた脂質の余剰分はHDLによって回収されます。脂質は生命維持に不可欠なので無駄なく再利用されます。このLDLはサイズが小さくなると血管壁に取り込まれ動脈硬化やその悪化による心血管障害(心筋梗塞、脳梗塞等)の原因となります。余剰することが病気の原因となるLDLは「悪玉コレステロール」、余剰LDLを回収するHDLは「善玉コレステロール」と呼ばれます。TGはこの脂質を運搬する輸送車のような働きをしています。このTGが多いと、LDLやHDLへの変換に異常がおこり、小さいLDLや回収能力の低いHDLなどの脂質代謝全体への悪影響がおこります。
なお、本剤はこの脂質代謝に関与する関係(LDLの質の改善等)の影響により、LDLの血中濃度が上昇する(高LDL)の可能性がありますので、定期的にLDL値を測定します。また、高脂血症に伴う心血管障害の危険要素(高血圧、喫煙、糖尿病等)の軽減のための生活習慣の改善や治療なども合わせて行われます。
(*)全体をわかりやすくするため、一部の専門用語(脂肪酸、コレステロールエステル、VLDL、アポ蛋白等)や正確な脂質代謝の説明を割愛しています。
本剤の治療効果は同種の薬(EPA-E製剤)との比較試験で確認されました。
その結果、12週間投与後の本剤のTG低下作用は本剤2g(1日1包服用)では既存のEPA-E製剤(1.8g1日3回服用)の変化率(‐11.30±1.68)と同等(-10.93±1.64mg/dL)の低下率でした。4g(1日2包服用)では、-22.65±1.62mg/dLとなり、EPA-E製剤より統計学的に差が有る低下率を確認することができました。この作用は52週間後も維持されることも確認されています。 |
使用方法 |
1回2g(1包)を1日1回食直後に飲みます。1日2回まで(4g:2包まで)増量できます。 |
副作用 |
主な副作用
副作用発現率:9.6%(91例/948例)
主な副作用:下痢(2.5%)
重大な副作用
肝機能障害、黄疸
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ■出血(血友病、毛細血管脆弱症、消化管潰瘍、尿路出血、喀血、硝子体出血等)している方
止血が困難になるおそれがある為、服用できません。
■オメガ‐3脂肪酸エチルを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、ロトリガはアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼ロトリガの有効成分
オメガ‐3脂肪酸エチル
▼ロトリガの添加物
なし
※有効成分中にd-α‐トコフェロール、ダイズ油を含みます。本剤は魚を原料にオメガ‐3脂肪酸を高濃度に精製して作られています。青魚アレルギーの方も使用出来ません。
カプセル本体には、ゼラチン、濃グリセリン、D-ソルビトール液を含みます。ゼラチンアレルギーの方も使用出来ません。
使用に注意が必要な方 ・重度のけがや手術等、出血の危険性の高い方:出血をおこしやすくなるおそれがある為
・抗凝固薬、抗血小板薬を飲んでいる方:併用注意薬参照
・妊婦、産婦、授乳婦:情報がありません。なお、動物実験で乳汁への移行が確認されています。
・小児:臨床試験を行っていない為、情報がありません。
上記にあてはまる方は、オメガ-3脂肪酸エチルを使用する事が出来ない可能性があります。 オメガ-3脂肪酸エチルを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 ・抗凝固薬(ワルファリンカリウム等)、抗血小板薬(アスピリン等)
出血をおこしやすくなります。
※高脂血症治療薬であるHMG-CoA還元楮阻害剤(シンバスタチン、アトルバスタチン、ロスバスタチン)との併用については影響を及びさなかったことが確認されています。
上記を使用している方は、オメガ-3脂肪酸エチルを使用する事が出来ない可能性があります。 オメガ-3脂肪酸エチルを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 なし
併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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参考元一覧 |
オメガ‐3脂肪酸エチル(ロトリガ 添付文書、インタビューフォーム) 【PMDA 医療用医薬品 情報検索(よくある質問)】
医薬品マスター検索(ロトリガ、オメガ‐3脂肪酸エチル) 【厚生労働省 診療報酬情報提供サービス】
ロトリガ粒状カプセル2g くすりの相談FAQ 【武田薬品工業株式会社 Takeda Medical site 医療関係者向け情報】 |
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