成分名 |
ブフェトロール塩酸塩 |
適応症状 |
狭心症、洞性頻脈 |
簡易説明 |
ブフェトロール塩酸塩はβ受容体遮断剤と呼ばれる医薬品で狭心症や洞性頻脈に使用されます。交感神経の過度の刺激を抑える事で心臓の異常な興奮を抑え、その結果心拍数等の異常増加を抑える事で効果を発揮します。しかしその作用はβ1非選択性である為、心臓だけではなく気管支等にも影響を及ぼしやすい特徴があります。その為気管支喘息等に対しての使用が禁忌に指定されております。 |
処方可能な診療科目 |
内科/外科/整形外科/小児科/産婦人科/心臓内科/泌尿器科 など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約2,000円~5,000円
薬代1錠あたりの目安:5mg約10円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
1974年1月12日製造販売承認(旧販売名;アドビオール錠)
2008年10月7日製造販売承認(販売名変更による)
1974年1月12日薬価基準収載(旧販売名;アドビオール錠)
2008年12月19日薬価基準収載(販売名変更による)
1974年4月25日発売 |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
関連製品(先発薬) |
アドビール錠5mg【製薬メーカー:田辺三菱製薬株式会社】 |
関連製品(ジェネリック) |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
海外での使用実績 | 海外では発売されていません。 |
効果・作用 |
ブフェトロール塩酸塩は狭心症、洞性頻脈にたいして効果のある医薬品になります。交感神経末端β受容体遮断剤になりますので適応症にはありませんが血圧降下作用も認められます。
その作用機序は、β受容体でのカテコールアミンとの拮抗作用によります。
β受容体の種類と部位をまとめると、主にβ1受容体は心筋に存在し、平滑筋に存在するβ2受容体は平滑筋に存在します。そしてβ3受容体は脂肪細胞に存在します。いずれにおいてもノルエピネフリンが受容体に結合する事によって活性化します。
細かい作用機序ですが、心筋に存在するβ1受容体が刺激されるとアデニレートシクラーゼの働きでATPがcAMPとなり、cAMPはプロテインキナーゼAを活性化し、プロテインキナーゼAはCa2+チャネルに作用する事で細胞内カルシウム濃度が上昇し収縮タンパク質に作用する事で心筋を収縮させることによって心臓の機能が活性化します。この交感神経の過度の刺激をβ受容体において遮断する事によって、心臓の異常な興奮を抑制し、心拍数等の異常増加を減少させます。
また平滑筋に存在するβ2受容体が刺激されると気管支や血管の平滑筋が弛緩する事で拡張します。
ブフェトロール塩酸塩はβ受容体非選択性の医薬品である為、β1受容体だけではなくβ2受容体も遮断する恐れがある為気管支を収縮する為気管支喘息の人には注意が必要になります。
またブフェトロール塩酸塩は心筋収縮力よりも心拍数に対して、より選択的なβ受容体遮断作用を示します。そしてブフェトロール塩酸塩は正常心機能に及ぼす影響はほとんどないことが特徴です。 |
使用方法 |
通常、成人に投与する場合には、ブフェトロール塩酸塩の用量を15mgとし、1日3回に分けて経口投与する事とされております。ブフェトロール塩酸塩は1錠5mg錠になる為1日3回1回1錠ずつ服薬すればよい事になります。なお、患者の年齢や症状によっては適宜増減する事が可能です。
【使用上の注意】
褐色細胞腫の患者においては、ブフェトロール塩酸塩単独投与した場合、急激に血圧が上昇する事がある為、α遮断剤で初期治療を行った後にブフェトロール塩酸塩を投与し、常にα遮断剤を併用する事とされております。これについてはそもそもブフェトロール塩酸絵は本態性高血圧症の効能・効果を持たないが、他のβ遮断剤と共通の注意事項として設定しています。 |
副作用 |
重大な副作用
1)うっ血性心不全(頻度不明)
ブフェトロール塩酸塩投与患者においてうっ血性心不全またはその悪化が現れる事があります。
その他の副作用
循環器、精神神経系、消化器、過敏症、眼、呼吸器、その他の副作用が挙げられます。
発生頻度は以下の通りです。
1)循環器
徐脈(0.1~5%未満)
2)精神神経系
眠気、頭痛、眩暈(0.1~5%未満)
3)消化器
下痢、胃部不快感(0.1~5%未満)
食欲不振(0.1%未満)
腹痛(頻度不明)
4)過敏症
発疹等(0.1%未満)
5)眼
涙液分泌減少(頻度不明)
6)呼吸器
喘息(0.1~5%未満)
7)その他
顔面浮腫感、急性舌炎、月経周期短縮(0.1%未満)
血中尿素量・トランスアミナーゼ活性の上昇、血清CK(CPK)値の上昇(頻度不明)
消化器症状の副作用報告が特に多いです。酷い異常が認められた場合は速やかに投与を中止し主治医への相談を仰ぐようにしましょう。
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 1)気管支喘息、気管支痙攣の恐れのある患者
気管支筋を収縮する為症状が悪化する可能性がある為使用できません。
2)糖尿病性ケトアシドーシス、代謝性アシドーシスのある患者
心筋収縮力の抑制等が見られる可能性がある為為使用できません。
3)高度の徐脈(著しい洞性徐脈)、房室ブロック(Ⅱ、Ⅲ度)、洞房ブロックのある患者
症状を悪化させる可能性がある為使用できません。
4)心原性ショックの患者
症状を悪化させる可能性がある為使用できません。
5)肺高血圧症による右心不全のある患者
心拍出量を抑制する為症状を悪化させる可能性がある為使用できません。
6)うっ血性心不全の患者
心筋収縮力抑制作用の為、症状を悪化させる可能性がある為使用できません。
7)未治療の褐色細胞腫の患者
8)妊婦又は妊娠している可能性のある婦人
使用に注意が必要な方 1)うっ血性心不全の恐れのある患者
心筋収縮力抑制作用の為、症状を惹起する恐れがある為使用には注意が必用です。
2)特発性低血糖症、コントロール不十分な糖尿病、長期間絶食状態の患者
低血糖症状を起こしやすく、かつ低血糖の前駆症状である頻脈等の交感神経系反応をマスクしやすい為使用には注意が必用です。
3)重篤な肝・腎機能障害のある患者
薬物代謝、排泄に影響する恐れがある為使用には注意が必用です。
4)徐脈、房室ブロック(Ⅰ度)のある患者
心刺激伝導系を抑制し、症状を悪化させる恐れがある為使用には注意が必用です。
5)甲状腺中毒症の患者
頻脈等の中毒症状をマスクする恐れがある為使用には注意が必用です。
6)高齢者
一般に過度の血圧降下、高度の徐脈が起きた場合には脳梗塞等が起こる恐れがあるとされている為使用には注意が必用です。
7)末梢循環障害のある患者(レイノー症候群、間欠性跛行症等)
末梢循環障害が増悪する恐れがある為使用には注意が必用です。
上記にあてはまる方は、ブフェトロール塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 ブフェトロール塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 1)交感神経系に対し抑制的に作用する他の薬剤:レセルピン等
相加的に交感神経抑制作用を増強させるため過剰の抑制を来すことがある為併用には注意が必要です。
2)血糖降下剤:インスリン、トルブタミド、アセトヘキサミド等
血糖降下作用が増強する事がある、また低血糖症状である頻脈や発汗等をマスクする事がある為併用には注意が必要です。
3)カルシウム拮抗剤:ベラパミル塩酸塩、ジルチアゼム塩酸塩等
徐脈、房室ブロック等の伝導障害、うっ血性心不全が現れる事がある為併用には注意が必要です。
4)クロニジン
クロニジンの投与中止後のリバウンド減少を増強する恐れがある為使用には注意が必要です。
5)クラスⅠ抗不整脈剤:リン酸ジソピラミド、プロカインアミド塩酸塩、アジマリン等
過度の心機能抑制が現れる事がある為併用には注意が必要です。
6)ジギタリス製剤
心刺激伝導障害(徐脈、房室ブロック等)が現れる事がある為併用には注意が必要です。
7)レミフェンタニル塩酸塩
徐脈、血圧低下等の作用が増強することがある為併用には注意が必要です。
8)フィンゴリモド塩酸塩
フィンゴリモド塩酸塩の投与開始時に併用すると重度の徐脈や心ブロックが認められる事がある為併用には注意が必要です。
現時点において併用禁忌薬は定められておりません。血圧に関しての効能・効果はありませんが作用機序上血圧降下作用があります。投与が長期にわたる場合は、心機能検査を定期的に行い、徐脈や低血圧に注意しながら服薬するようにしましょう。
上記を使用している方は、ブフェトロール塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 ブフェトロール塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
よくある質問 |
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