リキシセナチド

成分名

リキシセナチド

適応症状

2型糖尿病 など

簡易説明

「リキシセナチド」は、膵臓からのインスリン分泌を促し、分泌されたインスリンによって血糖値を下げる薬で、2型糖尿病の治療に用いられます。
日本では、サノフィがリキスミアの商品名で販売しています。
糖尿病は血糖値が高い状態で、この状態が続くと様々な合併症がおこることがあり、インスリンは血糖値を下げるホルモンであり、GLP-1などのインクレチンというホルモンの働きにより膵臓から分泌されます。
「リキシセナチド」は、GLP-1と同じような作用により、血糖に応じて膵臓からインスリン分泌を促します。

処方可能な診療科目

内科/循環器科/糖尿病・代謝内科 など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安 :約2,000円~10,000円
リキスミア皮下注300μg 5389円/キット(薬価)
*病院によって差が有ります。初診料・診察料・検査料などが必要になります。

厚生労働省による認可、または発売年月日

2013年9月認可

国内のジェネリック認可

-

関連製品(先発薬)

リキスミア皮下注300μg 【製薬メーカー:サノフィ】

関連製品(ジェネリック)

-

効果・作用

「リキシセナチド」は、膵臓からのインスリン分泌を促し、分泌されたインスリンによって血糖値を下げる薬です。
糖尿病は血液中の糖(ブドウ糖)が適正な量を超えて増えてしまった状態で、血液中のブドウ糖濃度(血糖値)が高い状態が続くと様々な合併症がおこることがあります。
インスリンは血糖値を下げるホルモンであり、膵臓から分泌されて、体内には食物が入った後にインスリン分泌を促すインクレチン(GLP-1などの消化管ホルモンの総称)があります。
GLP-1はインクレチンの一つで、膵臓にはGLP-1が作用するGLP-1受容体があり、この受容体がGLP-1によって活性化することでインスリン分泌が促されます。
「リキシセナチド」は、GLP-1受容体に対してGLP-1と同じように働き、GLP-1受容体を活性化させインスリン分泌を促することで、血糖値を下げる作用をあらわします。

使用方法

▼用法用量
・成人には、リキシセナチドとして、20μgを1日1回朝食前に皮下注射します。ただし、1日1回10μgから開始して、1週間以上投与した後1日1回15μgに増量し、1週間以上投与した後1日1回20μgに増量します。なお、患者の状態に応じて適宜増減しますが、1日20μgを超えないこととします。

▼重要な基本的注意
・本剤はインスリンの代替薬ではありません。本剤の投与に際しては、患者のインスリン依存状態を確認し、投与の可否を判断してください。類薬において、インスリン依存状態の患者で、インスリンからGLP-1受容体作動薬に切り替えて、急激な高血糖及び糖尿病性ケトアシドーシスが発現した症例が報告されています。
・投与する場合には、血糖、尿糖を定期的に検査して、薬剤の効果を確かめてください。3~4ヵ月間投与して効果不十分な場合には、速やかに他の治療薬への切り替えを行ってください。
・本剤の使用にあたっては、患者に対し低血糖症状及びその対処方法について十分説明してください。
・急性膵炎の初期症状(嘔吐を伴う持続的な激しい腹痛等)があらわれた場合は、使用を中止して、速やかに医師の診断を受けるよう指導してください。
・胃腸障害が発現した場合、急性膵炎の可能性を考慮してください。必要に応じて画像検査等による原因精査を考慮する等、慎重に対応してください。
・本剤の自己注射にあたっては、投与法について十分な教育訓練を実施したのち、患者自ら確実に投与できることを確認した上で、医師の管理指導のもとで実施することや、すべての器具の安全な廃棄方法について指導を徹底すること、また、添付されている取扱説明書を必ず読むよう指導してください。
・本剤投与中は、甲状腺関連の症候の有無を確認してください。異常が認められた場合には、専門医を受診するよう指導してください。
・本剤とDPP-4阻害薬はいずれもGLP-1受容体を介した血糖降下作用を有しています。両剤を併用した際の臨床試験成績はなく、有効性及び安全性は確認されていません。
・低血糖症状を起こすことがあります。高所作業、自動車の運転等に従事している患者に投与するときには注意してください。

▼用法及び用量に関連する注意
・本剤の投与は朝食前1時間以内に行ってください。食後の投与は行わないでください。
・胃腸障害の発現を軽減するため、低用量より投与を開始して用量の漸増を行ってください。本剤20μgで良好な忍容性が得られない患者には、減量を考慮してください。さらに症状が持続する場合は、休薬を考慮してください。減量又は休薬で症状が消失すれば、患者の状態を十分観察しながら再度増量又は投与を再開してください。

副作用

重大な副作用
▼低血糖(6.7%)
低血糖(脱力感、倦怠感、高度の空腹感、冷汗、顔面蒼白、動悸、振戦、頭痛、めまい、嘔気、知覚異常、不安、興奮、神経過敏、集中力低下、精神障害、痙攣、意識障害(意識混濁、昏睡)等)があらわれることがあります。また、スルホニルウレア剤又はインスリン製剤との併用で重篤な低血糖症状があらわれて、意識消失を来す例も報告されています。低血糖症状が認められた場合には、糖質を含む食品を摂取するなど適切な処置を行ってください。ただし、α-グルコシダーゼ阻害剤との併用時はブドウ糖を投与してください。

▼性膵炎(頻度不明)
GLP-1受容体作動薬の使用は、急性膵炎のリスクの増加に関連しています。急性膵炎に特徴的な症状(嘔吐を伴う持続的な腹痛等)が認められた場合には、本剤の投与を中止してください。また急性膵炎と診断された場合には、本剤の再投与は行わないでください。

▼アナフィラキシー反応、血管浮腫(頻度不明)
アナフィラキシー反応、血管浮腫があらわれることがあります。観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行ってください。

その他の副作用
・悪心、食欲不振、嘔吐、腹部不快感、便秘
・腹部膨満、下痢、腹痛、おくび、消化不良
・逆流性食道炎、胃腸炎
・めまい、頭痛、傾眠、振戦
・注意力障害
・注射部位反応(そう痒感、紅斑、疼痛等)
・味覚異常、霧視、糖尿病性網膜症
・上室性期外収縮、動悸
・多汗症、冷汗
・発疹、じん麻疹
・好中球減少
・疲労、倦怠感
・あくび、悪寒、異常感、空腹感、背部痛
・インフルエンザ、上気道感染

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者には投与しないでください。

■糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡又は前昏睡、1型糖尿病の患者
糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡又は前昏睡、1型糖尿病の患者にはインスリン製剤による速やかな治療が必須となります。投与しないでください。

■重症感染症、手術等の緊急の場合
重症感染症、手術等の緊急の場合は、インスリン製剤による血糖管理が望まれます。本剤の投与は適さないことから投与しないでください。

■妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性に対しては本剤を投与しないでください。インスリン製剤を使用すること。ヒトにおける潜在的なリスクは不明で、動物実験では、生殖発生毒性が報告されています。胚・胎児発生に関する試験において、ラットではヒトに1回20μg、1日1回投与時の血漿中曝露量(AUC)の少なくとも約4.6倍で胎児の成長遅延、骨格異常及び骨化遅延、ウサギでは約32倍で骨化遅延が認められました。

使用に注意が必要な方
■重度の腎機能障害(クレアチニンクリアランス:30mL/min未満)又は末期腎不全の患者
重度の腎機能障害患者を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していません。末期腎不全の患者は臨床試験では除外されています。観察を十分に行い、慎重に投与してください。

■授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮して、授乳の継続又は中止を検討してください。動物実験(ラット)において、微量のリキシセナチドが乳汁中へ移行することが認められています。

■小児等
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していません。

■高齢者
高齢者は一般的に生理機能が低下していることが多く、胃腸障害や低血糖が起こりやすいことから、観察を十分に行い、慎重に投与してください。

上記にあてはまる方は、リキシセナチドを使用する事が出来ない可能性があります。
リキシセナチドを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
・糖尿病用薬(ビグアナイド系薬剤、スルホニルウレア系薬剤、速効型インスリン分泌促進剤、α-グルコシダーゼ阻害剤、チアゾリジン系薬剤、DPP-4阻害薬、インスリン製剤、SGLT2阻害剤など)
・血糖降下作用が増強される薬剤(モノアミン酸化酵素(MAO)阻害剤、サリチル酸誘導体など)
・血糖降下作用が減弱される薬剤(アドレナリン、副腎皮質ステロイド甲状腺ホルモンなど)
・血糖降下作用が増強又は減弱される薬剤(β-遮断剤など)
・吸収遅延により効果が減弱される薬剤
・抗生物質(経口避妊薬など)
・クマリン系化合物(ワルファリンカリウム)

上記を使用している方は、リキシセナチドを使用する事が出来ない可能性があります。
リキシセナチドを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
報告なし

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
「リキシセナチド」はどういった薬ですか?

「リキシセナチド」は、膵臓からのインスリン分泌を促すことで、分泌されたインスリンによって血糖値を下げる薬です。

「リキシセナチド」はどんな副作用がありますか?

「リキシセナチド」は、低血糖の副作用があらわれることがあります。冷や汗がでる、気持ちが悪くなる、手足がふるえる、ふらつく、力がぬけた感じがするなどの症状があらわれた場合は医師の診察を受け、指示に従って下さい。

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医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。