成分名 |
アデホビルピボキシル |
適応症状 |
B型慢性肝炎、B型肝硬変 |
簡易説明 |
アデホビルピボキシルはB型肝炎ウイルスが増殖する事を抑制する医薬品で、B型肝炎、B型肝硬変の治療に使用されています。
この薬はB型肝炎ウイルスに有効性のある抗ウイルス薬になります。
ウイルス遺伝子の複製される過程を阻害する事で、ウイルスの増殖を抑制します。
抗ウイルス療法が適応される場合は、ウイルス量(HBV DNA量)が多くて肝機能値(ALT値)が正常でないB型慢性肝疾患に対する時です。
中高年の慢性肝炎に使用される事が多めですが、若者であっても進行が早い方、沈静化の見通しがない方は処方対象になっています。
治療によって、ウイルスが減り肝機能値が正常になれば、肝硬変、肝臓がんに悪化する事を止める事ができます。 |
処方可能な診療科目 |
内科、消化器内科 |
健康保険の適応 |
健康保険適応あり |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安:約2,500円~10,000円
ヘプセラ錠10 グラクソ・スミスクライン 796.8円/錠
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
2004年12月8日販売開始 |
国内のジェネリック認可 |
なし |
関連製品(先発薬) |
ヘプセラ錠10 グラクソ・スミスクライン |
関連製品(ジェネリック) |
なし |
効果・作用 |
【作用】
肝臓病の多くはウイルス性になります。特にB型とC型ウイルス(HBV、HCV)による慢性肝炎が原因となります。
慢性肝炎になってくると、調子が良くなり悪くなりを繰り返して、長期的に一部が肝硬変へと進行し、そして肝臓がんになってしまいます。
この一連の流れを断つが治療の目標になります。
B型ではウイルス抗原(HBs抗原)の消失を目標にします。
【薬理】
ウイルスの遺伝子RNAをDNAに逆転写する酵素を阻害します。
これによって遺伝子のコピーができなくなる事で、ウイルスの増殖が抑えれるのです。
この作用から「逆転写酵素阻害薬」と呼ばれます。
有効成分アデホビルでB型肝炎ウイルスに有効な抗ウイルス薬なります。化学構造的に核酸系(ヌクレオシド系)になっており、核酸アナログ(核酸類似物質)と言われるカテゴリーに分類します。
ウイルス逆転写酵素を阻害するという働きから、核酸系逆転写酵素阻害薬と言われる事もあります。
核酸アナログが適用となる際はインターフェロン注射による初回治療によって、あまり効果が得られない慢性肝炎、またはインターフェロンが副作用等で使いづらいというケースです。
肝硬変に対しては最初から使用されます。核酸アナログは肝炎の沈静化に非常に効果的なのですが、肝細胞内のウイルスを完全排除するというのは難しいです。なので、維持療法としては服用期間は長期になります。
臨床試験で既存品のラミブジン(ゼフィックス)と同様の効果が得られ、長い使用における効果は中程度が示されます。
耐性ウイルスの発現はラミブジンほどではないが、長い使用により発現するケースはあります。副作用では、腎機能障害、低リン血症をが発症しやすいので、核酸アナログ製剤として第一選択になる事はない傾向にあります。
ラミブジン(ゼフィックス)等の他の核酸アナログ製剤が効かないとされる耐性ウイルス(YMDD変異ウイルス)にも有効なのが特徴的です。
そういった耐性ウイルスが発現した際も、この薬を追加または併用する事により、長期的なウイルス操作が可能になります。
想定ではラミブジン(ゼフィックス)もしくはエンテカビル(バラクルード)耐性ウイルスに対した併用療法になります。 |
使用方法 |
成人はアデホビル・ピボキシルとして1回10mgを1日1回経口服用します。
【使用にあたり】
用法用量に関しては医師の指示に従って服用するようにします。
通常は1日1回1錠(10mg)となっていますが、腎臓病を患っている方は服用間隔を空けて服用する事があります。
飲み忘れた際、気づいたときにすぐ服用するようにしてください。
しかし翌日に気づき次の服用時間が近いのであれば、その服用分は飛ばして次回の通常の時間に1回分を服用してください。
2回分を1度に服用しないようにしましょう。
B型肝炎に関しては単剤での治療が通常ですが、他剤耐性ウイルスに対しては、他薬の核酸アナログ製剤と併用して使用する事があります。
治療終了の時期は、医師によって慎重に決定されます。症状によっては一生継続しないといけません。中断してしまうと急激に症状が悪化してしまう恐れがあるため、自身の判断で辞めてはいけません。
【診察にて】
持病やアレルギーのある方は医師に相談しましょう。
妊娠中やその可能性のある方、授乳中の方は必ず医師に伝えるようにしてください。
そして服用中の他薬を医師に伝えましょう。
【検査】
B型肝炎に関しては効果判定なので、肝機能値(ALT)やウイルス量、HBe抗原等を調べる形になります。血中クレアチニン、血中リン等腎機能に関与した検査も大切になります。
【妊娠・授乳】
妊娠に関与した際の服用の安全性は確立されていないです。妊娠中であれば服用を避けることが安全ですが、治療においての有益性がリスクよりも高いと判断される場合のみ、妊娠中される事があります。万全を期すため服用中には妊娠しないようにしてください。 |
副作用 |
主な副作用
個人差がありますが、吐き気、腹等などの胃腸症状がみらる事があります。
重度の副作用が起こるのは稀ではありますが、ファンコニー症候群を含めた重度の腎機能障害や骨軟化症、乳酸アシドーシス等を起こす事があります。
骨軟化症から骨折になってしまった例もあったようです。万が一骨の痛みや関節痛、筋力低下等を感じたら医師に相談するようにしましょう。
もとから腎臓の悪い方は注意が必要です。そして服用の中止後に肝機能が悪化してしまう場合があるので治療が終了してもしばらくは定期的な検査をするようにしましょう。
重大な副作用
ほとんどありませんが初期症状などには注意が必要です。
腎臓の重症状・・尿が少量・出ない。尿濁・泡立ち、血尿、浮腫み、だるさ、発熱、発疹、吐き気、側腹部痛、腰痛
骨軟化症、骨折・・骨痛、筋力の低下、関節痛
乳酸アシドーシス、肝腫大・・吐き気、下痢、息苦しさ、脱力、筋肉痛、歩行不能、意識が薄れる、腹部が張る
その他の副作用
頭痛、吐き気、腹痛、下痢、気持ち悪さ
腎機能値の悪化(クレアチニン増加、血中リン減少)
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ■アデホビル・ピボキシルを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方アデホビル・ピボキシル(ヘプセラ錠10の場合)は、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼ヘプセラ錠10の有効成分
アデホビル・ピボキシル
▼代表薬の添加物
部分アルファー化デンプン、クロスカルメロースナトリウム、乳糖水和物、タルク、ステアリン酸マグネシウム
使用に注意が必要な方 腎臓の機能低下が起きていると、本剤の排泄が遅れてしまい、高度の血中濃度が持続すると、腎機能が悪化してしまう可能性もあります。腎臓が悪い方は服用する間隔を空ける等して服用するようにします。
非代償性肝硬変への使用実績は少ない。核酸アナログによる乳酸アシドーシスの報告があり慎重な経過の観察が大事です。
上記にあてはまる方は、アデホビルピボキシルを使用する事が出来ない可能性があります。 アデホビルピボキシルを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 イブプロフェンとの併用によって本剤の血中濃度が上昇したという事例あり。
上記を使用している方は、アデホビルピボキシルを使用する事が出来ない可能性があります。 アデホビルピボキシルを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 該当なし
併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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