SGLT2阻害薬とは

糖尿病治療に使われる薬には様々な種類がありますが、近年注目されているのが「SGLT2阻害薬」です。
SGLTとは、「Sodium-glucose transporter」の略で、ナトリウム・グルコース共役輸送体のことで、細胞膜の表面に存在しており、細胞の外側にある物質を細胞の内側に取り込む仕事をします。SGLTには大きく分けて2種類あり、SGLT1とSGLT2があります。SGLT2は主に腎臓にあり、尿中の糖を再吸収し、体内に糖分を取り込む働きをしています。
また、SGLT1は主に小腸に存在し、食事から得られた糖分を体内に取り込む働きをしています。
このようにSGLT2阻害薬は腎臓にあるSGLT2受容体を阻害することにより、従来の薬とは作用機序が全く異なる方法で血糖値を下げる、新しい発想から生まれた画期的な薬剤だと言えます。
①血糖値を下げる新しいメカニズム
通常、体内における糖分(ブドウ糖)は、腎臓において、ろ過装置とも呼ばれる「糸球体(しきゅうたい)」から尿の元となる液体に出たあと、尿細管で再び吸収されて体内に戻ります。
この働きを糖分の再吸収と呼びますが、この再吸収の働きを担うのが「SGLT2」というたんぱく質になります。
SGLT2阻害薬はこの「SGLT2」の働きを妨げることによって、糖分(ブドウ糖)を尿細管から再吸収することができなくなり、尿と一緒に体外へ排泄されるようになります。
その結果、体内の血糖値が下がることになるのです。
②インスリン(血糖を下げる働きのあるホルモン)とは別の作用で血糖をコントロール
従来の糖尿病治療薬の多くはインスリンの分泌を促進したり、作用を高めることで血糖値を下げます。
しかしSGLT2阻害薬はインスリンとは別の作用機序で血糖値を下げると言う点が大きな違いであり特徴となります。
そのため、インスリンや他の糖尿病薬と一緒に使用することも可能であり、一緒に服薬することで相乗効果が期待できます。
※糖尿病についてもっと詳しく知りたい方は下記サイトをご参照ください。
③尿量の増加と体重減少も
SGLT2阻害薬を服用すると、体内に取り込まれた余分な糖分(ブドウ糖)が尿と一緒に排泄されることは前述しました。
体内にある余分な糖分が尿中に排出されると、一緒に体内の「水分」が糖分にひっぱられる形で尿中に排泄されることになります。
これは浸透圧利尿(しんとうあつりにょう)と呼ばれています。つまり排出される糖分が多ければ多いほど、尿量が増えることになります。
そして尿の回数も増えることとなります。さらに、糖分が排出されると言うことは、摂取したカロリーが減少することになり、結果として体重が減少する効果が期待できます。
④心血管疾患や腎症のリスク低減にも期待
SGLT2阻害薬は、従来の糖尿病治療薬とは異なり、心臓や腎臓を保護する作用があることが分かってきました。最新の研究結果から、その効果は糖尿病の有無に関わらず期待できることが明らかになっています。(https://newsroom.heart.org/news/diabetes-medicine-decreased-cardiovascular-risk-in-adults-with-chronic-kidney-disease)
米国心臓協会の科学セッションで発表された研究では、SGLT2阻害薬を服用した患者は、服用しない患者に比べて以下のような結果が出ています。
①心血管疾患による死亡リスクが14%低下
②心血管疾患による死亡や心不全入院のリスクが23%低下
③腎臓病が進行するリスクが37%低下
この効果は、2型糖尿病がある患者だけでなく、糖尿病がない患者でも同様に認められたことが重要なポイントです。
具体的には、慢性腎臓病のある6,609人を対象とした試験で、SGLT2阻害薬を2年間服用したところ、糖尿病の有無にかかわらず、腎疾患の進行や心血管合併症のリスクが28%低下したと報告されています。
SGLT2阻害薬には、体内の糖排出を促進する作用があり、体重減少や血糖値の改善がみられます。さらに、血管を保護し、腎臓への負担を和らげるなどの効果も期待できるようです。
ただし、個人差もあり、脱水や尿路感染などの副作用にも注意が必要です。医師の指導の下、適切に服用することが大切になります。
今後は、心血管疾患や腎臓病のハイリスク患者に対しても、SGLT2阻害薬の使用が広がっていくと予想されます。早期から積極的に予防処置をすることで、重症化を防げる可能性があります。
SGLT2阻害薬の種類と特徴

現在日本で発売されているSGLT2阻害薬は下記の通り、全6種類発売されています。
ここではそれぞれの種類と特徴について簡単に解説していきます。
商品名 | スーグラ錠25mg/50mg | ジャディアンス錠10mg/25mg | カナグル錠/OD錠100mg | フォシーガ錠5mg/10mg | デベルザ錠20mg | ルセフィ錠2.5mg/5mg ルセフィODフィルム2.5mg |
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一般名 | イプラグリフロジン L-プロリン | エンパグリフロジン | カナグリフロジン水和物 | ダパグリフロジンプロピレングリコール水和物 | トホグリフロジン水和物 | ルセオグリフロジン水和物 |
製造販売元 | アステラス製薬株式会社 | 日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社 | 田辺三菱製薬株式会社 | アストラゼネカ株式会社 | 興和株式会社 | 大正製薬株式会社 |
効能・効果 | ・2型糖尿病 ・1型糖尿病 | ・2型糖尿病 ・慢性心不全 ・慢性腎臓病 | ・2型糖尿病 ・2型糖尿病を合併する慢性腎臓病 | ・2型糖尿病 ・1型糖尿病 ・慢性心不全 ・慢性腎臓病 | ・2型糖尿病 | ・2型糖尿病 |
用法・用量 | 1日1回50mgを朝食前又は朝食後、最大100mgまで増量可 (1型糖尿病の場合はインスリン製剤との併用) | 1日1回10mgを朝食前又は朝食後、最大25mgまで増量可 (慢性心不全、慢性腎臓病に関しては最大10mg) | 1日1回100mgを朝食前又は朝食後 | 1日1回5mg、最大10mgまで増量可 (1型糖尿病の場合はインスリン製剤との併用) (慢性心不全、慢性腎臓病に関しては1日1回10mg) | 1日1回20mgを朝食前又は朝食後 | 1日1回2.5mgを朝食前又は朝食後、最大5mgまで増量可 |
糖尿病治療に使われるSGLT2阻害薬には、同じ作用機序を持ちながらも、1日投与量や配合剤の有無など、それぞれ特徴があります。
①スーグラ
SGLT2阻害薬の先駆けとなった製品で、2014年に発売されました。
肝機能障害のある人向けに25mgの低用量規格も販売されており減量しやすいのが特徴です。
DPP-4阻害薬のシタグリプチン(商品名:ジャヌビア/グラクティブ)との配合剤である「スージャヌ配合錠」も販売されています。
②ジャディアンス
DPP-4阻害薬のリナグリプチン(商品名:トラゼンタ)との配合剤である「トラディアンス配合錠」も販売されています。
エビデンスが豊富であり、慢性心不全の治療薬としても期待されています。
③カナグル
DPP-4阻害薬のテネリグリプチン(商品名:テネリア)との配合剤である「カナリア配合錠」も販売されています。
糖尿病性腎症(とうにょうびょうせいじんしょう)の進行抑制にも効果が期待できます。
④フォシーガ
近年、慢性心不全の治療にも使われるようになってきた薬剤です。
心血管疾患の他、腎疾患の適応がありインスリン治療と併用できるのが特徴です。
エビデンスが豊富であり服用時間が限定されず使い勝手が良い製品です。
⑤デベルザ
半減期が短い為夜間頻尿の副作用が抑えられるのが特徴です。錠剤に割線があり減量しやすい剤形です。
⑥ルセフィ
他社に先駆けて、口腔内で溶ける「ODフィルム剤」があり、飲み込みにくい人にも使いやすい剤形です。
このように、SGLT2阻害薬には1日投与量や配合剤の有無、適応疾患などで違いがあります。
特に注意が必要なのは脱水症状予防のため水分をこまめに摂取する必要があるという点です。
しかし2型糖尿病と慢性心不全の合併例では水分を摂りすぎてしまうと逆に心不全悪化につながる可能性があるため水分摂取量については医師の指示に従って摂取する必要があります。
このように、主治医から具体的な使用方法の指導を受け、自分に合った製品を上手に活用していく事が大切です。
日本では医療用医薬品の為医師の処方がなければ入手できないSGLT2阻害薬ですが、海外に目を向ければ個人輸入と言う方法でネット通販にて購入することが可能です。
【個人輸入にて購入することのできる医薬品】
商品名 | スーグラ | フォシーガ | ダパリル【フォシーガジェネリック】 | インボカナ【カナグルジェネリック】 | ジャディアンス | ジャディアンスメット 【エンパグリフロジン+メトホルミン】 |
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有効成分 | イプラグリフロジンL-プロリン(25mg/50mg) | ダパグリフロジン | ダパグリフロジン | カナグリフロジン水和物 | エンパグリフロジン | ・エンパグリフロジン12.5mg ・メトホルミン塩酸塩500mg |
メーカー | アステラス製薬 | AstraZeneca | Intas Pharmaceuticals (インタスファーマ) | Janssen | Boehringer Ingelhelm | Boehrinder Dc |
販売サイト | スーグラの購入はこちら | フォシーガの購入はこちら | ダパリル【フォシーガジェネリック】の購入はこちら | インボカナ【カナグルジェネリック】の購入はこちら | ジャディアンスの購入はこちら | ジャディアンスメット【エンパグリフロジン+メトホルミン】の購入はこちら |
SGLT2阻害薬の副作用

低血糖症状
SGLT2阻害薬単独使用では低血糖のリスクは低いものの、インスリン製剤などの血糖降下薬と一緒に使用する場合には特に注意が必要です。
めまい、動悸、冷や汗、手の震え、脱力感、眠気など低血糖症状がみられたら、すぐに糖分を補給しましょう。
目安としては「ブドウ糖として10g」ですが、コーラやファンタなど糖分の多いドリンクの摂取が効果的です。症状が改善しない場合は医療機関を受診してください。
脱水症状
SGLT2阻害薬は尿中に糖分を排出する作用があるため、水分も一緒に体外に出てしまいます。
この現象は、夏場や運動時、発熱時などで特に注意が必要です。
トイレの回数が多い、のどの渇き、舌の乾燥、めまい、立ちくらみ、倦怠感などの脱水症状がみられたら、急いで糖分を含まない水分を補給しましょう。
特に高齢者では脱水症状に気づきにくい事もあるため注意が必要です。
水分は一気にまとめて摂るのではなく、こまめに何回かに分けて摂取しなければなりません。
性器・尿路感染症
SGLT2阻害薬は尿中に糖分を排出させる作用があるため、尿路や性器周辺に糖を好む雑菌が増えやすくなり、外陰部(がいいんぶ)のカンジダ症(カンジダ膣炎など)、膀胱炎(ぼうこうえん)、まれに腎盂腎炎(じんうじんえん:腎臓への細菌感染)など感染症が起こるリスクが高まります。
特に女性は体の構造上尿路感染症になりやすい体質のため、注意が必要です。発熱、排尿痛、残尿感、陰部のかゆみや分泌物の異常などの症状に気をつける必要があります。
予防対策として、デリケートゾーンを清潔に保つ(入浴時の洗浄など)、汚れた下着は交換する、トイレ後は前から後ろへ拭く(女性)、過度な清潔ケアは避けることです。
尿路・性器の感染症は適切な処置を行えば完治が期待できますが、重症化すると危険です。自覚症状があれば医療機関を受診し、適切な処置を行うことが大切です。
ケトアシドーシス
ケトアシドーシスとは、体内でケトン体(脂肪合成や脂肪分解の過程で発生する中間代謝産物)が蓄積し血液が酸性に傾いた状態のことを言います。インスリン不足により細胞がエネルギー源を脂肪に求めた結果、ケトン体が過剰に生成されることが原因です。
SGLT2阻害薬は作用機序の特性上、ケトアシドーシスに陥ってもなかなか高血糖にならない場合があります。そのため、発見が遅れがちで重症化しやすいのが危険です。
全身の倦怠感、吐き気、嘔吐、腹痛、呼吸困難、意識障害などこのような症状があれば、直ぐに医療機関を受診するようにしましょう。
SGLT2阻害薬は有用な薬剤ですが、適切な使い方と自己管理が重要です。
副作用が気になる場合は、積極的に主治医に相談するようにしましょう。
SGLT2阻害薬の体重減少作用について

通常、体内に取り込まれた糖分は全て吸収されますが、SGLT2阻害薬を服薬すると、摂取した糖分のうち吸収されずに尿とともに排出されてしまう糖分が増えます。1日に200~500kcal分の糖が尿から排出されるため、結果としてカロリー摂取量が減少することになります。
例えば、おにぎり1個分(約200kcal)の糖が毎日、尿から排出されることになります。
1ヶ月(30日)で換算すると、6,000~15,000kcalの糖が体外に出て行くことになり、食事制限をしなくても自然と痩せやすい状態になるのです。
一般的に、体重1kgを減らすには7,000kcalの消費が必要だと言われています。ですので、SGLT2阻害薬を服用することで糖分が尿に排出される効果だけで、1ヶ月に体重1~2kgの減量が期待できるということになります。
加えて、食事療法や運動療法を併せれば、さらなる体重減少が望めます。SGLT2阻害薬は、負担が少なく手軽に糖の排出を促進するため、ダイエットの強力な味方になり得ます。
但し服用を中断するとリバウンドする可能性がある為注意が必要です。
一般名 | イプラグリフロジン | ダパグリフロジン | ルセオグリフロジン | トホグリフロジン | カナグリフロジン | エンパグリフロジン |
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商品名 | スーグラ錠25mg/50mg | フォシーガ錠5mg/10mg | ルセフィ錠2.5mg/5mg | デベルザ錠20mg | カナグル錠100mg | ジャディアンス錠10mg/25mg |
メーカー | アステラス製薬株式会社 | 日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社 | 田辺三菱製薬株式会社 | アストラゼネカ株式会社 | 興和株式会社 | 大正製薬株式会社 |
投与量 | 50mg | 5mg | 2.5mg | 20mg | 100mg | 10mg |
平均体重減少量 | -3.41kg | -2.58kg | -2.68kg | -3.06kg | -2.96kg | -3.07kg |
SGLT2阻害薬に関するよくある質問

- QSGLT2阻害薬の処方が適している患者さんとはどんな人ですか?
- A
SGLT2阻害薬は、主に2つの種類の患者さんに処方されることが多いです。
①食事療法や運動療法だけでは十分な血糖コントロールができない2型糖尿病の患者さん
SGLT2阻害薬は、インスリン抵抗性を改善する作用がありますので、血糖値を下げる効果が期待できます。特に肥満体型で、経口糖尿病薬を使用してもコントロールが良くない場合に適していると考えられています。
②肥満や過体重の方
SGLT2阻害薬には、体重減少の副次的な効果もあります。体重が標準以上(BMI 22kg/m2以上)で、減量が難しい方にお勧めです。ただし、腎機能が低下している方には注意が必要で、禁忌となる場合があります。安全に使用できるかどうかは、主治医に相談することが大切です。
SGLT2阻害薬は、生活習慣の改善だけでは不十分な場合に、追加の治療選択肢になります。効果的に活用できれば、健康リスクの改善が期待できる可能性があります。
- QSGLT2阻害薬を服用すると、どの位HbA1c(過去1~2カ月間の平均血糖値を反映する指標)が低下しますか?
- A
SGLT2阻害薬は2型糖尿病の治療に使われる比較的新しい薬剤です。この薬は、体内の糖分を尿として排出することを促進する働きがあります。
SGLT2阻害薬を単独で服用した場合、または従来の糖尿病薬と併用した場合においてHbA1cが約0.7~1.2%低下すると言われています。
糖尿病患者に対して厳格な血糖管理を行い、HbA1cが1%下がれば、糖尿病の合併症リスクが1/4程度低下すると言われています。
ただし、個人差もあり、SGLT2阻害薬の効果は一人ひとり異なります。血糖コントロールの状況や他の服用薬、生活習慣などにも左右されます。定期的に医師の診察を受け、自身に合った適切な使い方をすることが大切です。
SGLT2阻害薬は、インスリンとは作用機序が異なるため、低血糖のリスクが低い点が利点の一つです。一方で、尿路感染や性器カンジダ症など、副作用にも注意が必要です。医師に相談しながら、メリットとデメリットを踏まえた上で服用を検討するのがよいでしょう。
- QSGLT2阻害薬服用の際に注意点はありますか?
- A
SGLT2阻害薬は糖尿病治療に有効ですが、適切な使い方をしないと副作用のリスクが高まる可能性があります。主な注意点は以下の通りです。
①水分補給を怠らないこと
SGLT2阻害薬は、尿と一緒に余分な糖分を体外に排出する作用があります。そのため、尿の量が増え、脱水症状を起こしやすくなります。脱水は深刻な場合、血栓などの合併症の原因にもなりかねません。SGLT2阻害薬服用中は、こまめに水分を補給する習慣が重要です。
②食事療法・運動療法を継続する
SGLT2阻害薬による血糖値の改善効果は確かですが、あくまでも薬物療法の一部にすぎません。バランスの良い食事と適度な運動は、薬に頼らずに血糖コントロールを行う上で欠かせません。SGLT2阻害薬服用中も、生活習慣の見直しを怠らないようにしましょう。
③尿路感染・性器カンジダ症に注意
SGLT2阻害薬の副作用として、尿路感染や性器のカンジダ症が起こりやすくなるため、十分な注意が必要です。毎日お風呂に入浴ししっかり身体を洗うようにしましょう。症状が出た場合は、早めに医師に相談し、適切な対処を行いましょう。SGLT2阻害薬は有用な薬剤ですが、上記のようなリスクもあることを認識した上で服用することが大切です。自覚症状がある場合も、必ず医師に相談しましょう。医師の指示に従い、適切な水分補給や生活習慣の改善に取り組めば、より安全で効果的な治療が可能になります。
まとめ
SGLT2阻害薬は、2型糖尿病治療の新しい選択肢として注目されています。この薬剤には、余分な糖分を尿中に排出させる作用があり、結果としてカロリー減少に伴う体重減少効果が期待できます。
現在、6種類のSGLT2阻害薬が日本国内では保険診療にて糖尿病薬として使用することが可能です。
これらの薬剤は、作用機序は同じですが、尿糖排出量や副作用のリスク、適応症などで若干の違いがあります。
投与する量や併用薬の有無によっても、体重減少効果は変わってくることでしょう。
ただし、一般的に1日200~500kcalの減量が見込めると考えられています。食事療法や運動療法と組み合わせれば、さらなる体重コントロール効果が期待できます。
一方で、SGLT2阻害薬には性器・尿路感染症などの副作用リスクもあり、個人差も大きいため、かかりつけ医と相談しながら使用することが重要です。
SGLT2阻害薬は、糖尿病治療はもちろん、肥満や内臓脂肪症候群の改善にも役立つ可能性があり、様々な観点から注目される新しい薬剤だと言えるでしょう。但し日本では肥満症の適応はありませんので使用する際は全額自費扱いとなります。
出典
スーグラ錠25mg/50mg添付文書
ジャディアンス錠10mg/25mg添付文書
カナグル錠100mg/OD錠100mg添付文書
フォシーガ錠5mg/10mg添付文書
デベルザ錠20mg添付文書
ルセフィ錠2.5mg/5mg添付文書
ルセフィODフィルム2.5mg添付文書
厚生労働省(糖尿病)
Diabetes medicine decreased cardiovascular risk in adults with chronic kidney disease (米国心臓学会 2022年11月6日)