GLP-1とは

GLP-1とは、腸から分泌されるホルモンの1つで私たち人間の体の中に存在しています。GLP-1は食事後、インスリンを分泌させ、血糖値を低下させる働きを持っています。そのため、肥満や糖尿病治療において近年非常に大きな注目を集めています。
GLP-1を薬剤化したものをGLP-1受容体作動薬といいます。注射剤としては糖尿病に適応を持つ「ビクトーザ」「オゼンピック」「トルリシティ」と肥満症に適応を持つ「ウゴービ」があります。経口薬としては糖尿病に使用できる「リベルサス」があります。これらGLP-1受容体作動薬は、食後血糖が上昇した際に効果を発揮し、空腹時には作用しないため、これまでの糖尿病治療薬で起こりやすいとされていた「低血糖」のリスクが少ないという特徴を持っています。
糖尿病治療薬や肥満症治療薬について詳しく知りたい方は以下のコラムで詳しく解説していますのでお読みください。
GLP-1ダイエットの効果

GLP-1は、もともと体内に存在しているホルモンですが、このホルモンの量が多いと痩せやすく、少ないと太りやすい体質となります。この場合、外からGLP-1を補うことでダイエット効果をもたらすことがあります。アメリカやヨーロッパではGLP-1受容体作動薬が肥満症治療薬として広く認められており、メディカルダイエットとして使用されています。
GLP-1ダイエットの気になる効果ですが、主に「食欲抑制」「満腹感維持」「基礎代謝の向上」の3点があります。GLP-1はインスリンを分泌させる作用以外にも多くの作用を持っているのでご紹介いたします。
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●リベルサス
リベルサスは、経口タイプのGLP-1受容体作動薬として承認された2型糖尿病治療薬です。GLP-1受容体作動薬は、注射を使ってGLP-1を投与するものが主ですがリベルサスは経口薬です。血糖値を下げるインスリン分泌の促進効果の他、胃腸の働きを調整するため食欲が抑えられ、空腹感も少なくなります。日本国内においては、糖尿病治療薬としては承認を得ていますが、肥満治療薬としては未承認です。
商品名 | リベルサス |
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有効成分 | セマグルチド3mg/7mg/14mg |
価格 | 10錠:12,100円~ |
メーカー | Novo Nordisk(ノボノルディスク) |
購入ページ | リベルサスの購入はこちら |
食欲抑制
GLP-1は脳に働きかけることで食欲を抑制する効果が認められています。実際に*1自治医科大学の研究では、体内のGLP-1の作用を阻害したところラットの摂食量が増加したことが報告されています。つまり、GLP-1が少ない、または作用しないと食事量が増えてしまう可能性があります。GLP-1を投与することで、自然に食事量が減り、体重減少へとつながります。
満腹感維持
GLP-1受容体作動薬は、胃に働きかけ、胃の動きを遅くする作用があります。つまり、食べ物が胃の中にゆっくりと残り続けるため、少ない食事量でも満腹感が持続します。結果、意識しなくても自然に少ない食事量で満足でき、体重が減少していきます。
基礎代謝
GLP-1受容体作動薬は、基礎代謝を向上させ、脂肪を分解しやすい作用を持っています。人間の体には、エネルギーを蓄える役割を担う「白色細胞」があります。この「白色細胞」が「褐色細胞」に変化すると、脂肪が分解されやすくなりますが、GLP-1受容体作動薬はこの変化を助けます。結果、太りにくい体質になります。
GLP-1を自然に増やす食事

GLP-1の増加を手助けする食品を摂取すると、痩せやすい体質になりやすくなるかもしれません。特に、「EPA」「食物繊維」「タンパク質」「乳酸菌」を含む食事は、GLP-1の分泌を増加させると考えられています。
●EPA
「EPA」は「エイコサペンタエン酸」の略称で、いわしやあじなどの青魚に多く含まれています。EPAは酸化しやすいためグリルや揚げ物にすると成分が失われてしまいます。野菜や果物、肉系にはほとんど含まれていないため、摂取する方法が限られています。お刺身で摂取すると良いでしょう。EPAには脂肪燃焼効果があり、ダイエット時には欠かせない食材となっています。
●食物繊維
食物繊維は、野菜や大豆類、こんにゃくなどに多く含まれております。身体にとって有用な働きをする物質のため、第6の栄養素とも呼ばれています。食物繊維が善玉菌に分解されるときに作られる「短鎖脂肪酸」は、GLP-1の分泌量を増やします。また、食物繊維は便通を整えて便秘を防ぐ効果もあり、バランスの良い食事を目指すうえでは欠かせません。
●タンパク質
タンパク質は人がエネルギーとして使える3大栄養素の1つでもあり、魚や鶏肉、卵に多く含まれています。高タンパク質な食事はGLP-1の分泌を促進します。
●乳酸菌
乳酸菌は、腸内環境を整える作用を持っています。積極的に摂取することで善玉菌を増やします。善玉菌は、食物繊維をエサにしてGLP-1分泌を促進するため、間接的なGLP-1の増加が期待できます。ヨーグルトやキムチ、納豆などの発酵食品に多く含まれています。
GLP-1ダイエットをしているときに避けるべき食事もあります。血糖値を上昇させやすい白米やうどん、パスタ、スナック類は摂らないようにしましょう。一般的にGI値が高い食品は血糖値を上昇させやすいといわれております。
よくある質問

- QGLP-1ダイエットのメリットは何でしょうか?
- A
まず、ダイエットに対してストレスを感じにくい点があげられます。通常、ダイエットをする場合は食事制限を自分で実施したり、定期的に運動をしないといけません。しかし、GLP-1ダイエットの場合は、服用を続けることで自然と食欲が抑えられたり、基礎代謝が向上したりするので、無理なく続けることができます。また、手軽に始められる点もメリットの1つです。注射剤と経口薬がありますが、どちらも慣れてしまえば習慣化でき、1回数秒~数分の注射(服用)で終えることができます。
- QGLP-1ダイエットで注意する点はありますか?
- A
人によっては副作用が出る可能性があります。よく出やすい副作用として、吐き気や便秘があげられます。服用を続けていくと慣れていくケースが多いですが、生活に支障をきたすレベルの症状や、継続しても軽快しない場合はお近くの医療機関を受診してください。
- QGLP-1ダイエットの効果を高めるためにできることはありますか?
- A
定期的に運動を取り入れると良いでしょう。ダイエットの効果を最大限得るためには食事管理と運動が必要不可欠です。運動をすることで、血糖値の上昇が抑えやすくなり、脂肪分解も促進されます。有酸素運動や筋トレがおすすめです。
- QGLP-1ダイエットが向いている人はどんな人でしょうか?
- A
GLP-1ダイエットは手軽に始められるため、「これまでダイエットを自分で行ってもなかなか効果が出なかった方」、「食事制限に挫折してダイエットを諦めてしまった方」におすすめです。また、GLP-1には、脂肪を分解して基礎代謝を向上させる役割もあるため、「運動不足が続いている方」「体脂肪や内臓脂肪が気になる方」も試してみるとよいでしょう。
最後に
GLP-1は、血糖値を抑えるだけではなく、満腹維持や食欲抑制などの効果もあるため、体重減少効果を期待する方に使用されています。これまで自分でダイエットを行っても効果が得られなかった方や最近体重増加や内臓脂肪が気になっている方はぜひGLP-1受容体作動薬を使用してみましょう。
出典
脳内 GLP-1 の摂食抑制神経経路を発見-自治医科大学
糖尿病サイト GLP-1とは?
知りたい!糖尿病 GLP-1受容体作動薬とは?