ヒドロクロロチアジドとは?

ヒドロクロロチアジドは、利尿薬の一種です。
簡単に解説すると、利尿薬とは「腎臓に働きかけることによって、余分な水分と塩分を尿として排出する働きがある医薬品」のことを言います。
利尿薬は心不全治療においてはなくてはならない重要な医薬品だということをご存じでしょうか。
高血圧症治療における第一選択薬としても使用される程重要な医薬品なんです。
現在日本では利尿薬と言えば、ヒドロクロロチアジドのような「サイアザイド系利尿薬」、スピロノラクトンなどの「カリウム保持性利尿薬」、フロセミドなどの「ループ系利尿薬」、そして新薬「バソプレシンV2受容体拮抗薬」が販売されています。
現在日本で販売されているヒドロクロロチアジドの製品は東和薬品から販売されているヒドロクロロチアジド錠12.5mg/25mg「トーワ」の1種類だけになります。
こちらはジェネリック医薬品であり、現時点において先発医薬品の存在はありません。
以前は「ダイクロトライド(ヒドロクロロチアジド)」が販売されていましたが、「諸般の事情」により2010年に販売中止となりました。
その為ジェネリック医薬品であるヒドロクロロチアジド錠12.5mg/25mg「トーワ」のみが販売されているという状態です。
利尿薬の主な使い道は浮腫みを取ることと血圧を下げることがメインになります。
最近ではARB(アンジオテンシンII受容体拮抗薬)などほかの降圧薬との配合剤の成分としてヒドロクロロチアジドがよく使用されるようになりました。
エカード配合錠LD/HD、ミカトリオ配合錠、ミコンビ配合錠AP/BP、コディオ配合錠MD/EX、プレミネント配合錠LD/HDなどがそれに該当します。
治療ができる病気や症状
ヒドロクロロチアジドは尿を出すことで治療する医薬品であることは分かりました。
実際に使用する上でどのような病気や症状を治療することができるのでしょうか?
ヒドロクロロチアジドの適応症
まずは、ヒドロクロロチアジドの適応症を見ていきましょう。
効能効果として「高血圧症(本態性、腎性等)、悪性高血圧、心性浮腫(うっ血性心不全)、腎性浮腫、肝性浮腫、月経前緊張症、薬剤(副腎皮質ホルモン、フェニルブタゾン等)による浮腫」に対して使用することが可能です。
つまり、「高血圧」「浮腫み」「月経前緊張症」の3つに分けて考えることができます。
高血圧
血圧が高ければ高血圧症と診断されます。
サイレントキラーと呼ばれる高血圧症ですが、実はその原因は複数存在します。
その中でも、原因不明の高血圧症、腎臓が原因の高血圧症、重症の高血圧症に対して使用することが可能です。
浮腫み
同様のことが「浮腫み」についても言えます。
よく足が浮腫んでいるな…と感じることがある人は多いかもしれません。
この「浮腫み」についても様々な原因が存在することを知っていますか?
浮腫みについては、心臓が原因の浮腫み、腎臓が原因の浮腫み、肝臓が原因の浮腫み、そして薬剤が原因による浮腫みなどがあり、そのすべてに対してヒドロクロロチアジドは使用可能です。
決して足が浮腫むだけではありません。
症状によっては肺やお腹に水が溜まることもあります。
全身が浮腫みの対象であり非常に危険な状態なので注意が必要です。
月経前緊張症
さらに、女性特有の症状として、月経前の水分貯留による不快症状、体重増加や浮腫みなどを緩和するために使用することも可能です。
このようにヒドロクロロチアジドは尿を出すだけの医薬品ではなく、こんなにも多くの症状を改善することのできる素晴らしい治療薬なんです。
利尿作用のメカニズム

ここからはヒドロクロロチアジドの利尿作用のメカニズムについてわかりやすく解説していきます。
まずは、利尿薬の作用を理解するために、腎臓の働きについておさらいしていきましょう。
腎臓は私たちの体から悪いものを排泄して正常な状態に保つ重要な臓器になります。
腰の位置付近の両側左右に各1個ずつ存在し、そら豆の形をした臓器が腎臓です。
腎臓の主な働きは大きく分けると、血液をろ過することで老廃物を体外に排出する作用、血圧を調整する作用、血液を作る作用、体液・イオンバランスを調整する作用、骨を強くする作用があります。
腎臓ってこんなに多くの機能があったんだと驚かれるかもしれません。
中でも今回着目すべき作用は体液・イオンバランスを調整する作用です。
腎臓では、尿から必要な栄養分は血管内に戻し、不要なものはそのまま尿として排出すると言った働きをしています。
私たちの腎臓は大体1日に180Lもの血液をろ過し、最終的に1~2Lの尿を排出します。
もし腎臓の働きが低下してしまうと尿量が減ってしまい、体内に不要なもの(老廃物)がどんどん溜まっていき、結果として尿毒症などになる恐れがあります。
もし腎臓が機能を果たさなくなった場合、人工透析によって生命を維持しなければならなくなります。
それほど腎臓は私たちの体の中でも重要な臓器の一つになります。
腎臓の働きの中で、尿に含まれる電解質や水分を血液に戻す働きがありますが、この戻す作業は「再吸収」と呼ばれています。
ヒドロクロロチアジドはこの「再吸収」と言う働きに影響を与え、再吸収を抑制する働きを持つ医薬品になります。
ではこの再吸収を抑制する行為は腎臓の中でもどこで行われているのでしょうか?
腎臓と言う臓器を利尿薬が作用する部位で識別すると主に2つの部位、尿細管(遠位尿細管、近位尿細管)、とヘンレループに分けることができます。
ヒドロクロロチアジドはこの中でも主に遠位尿細管に作用する利尿薬になります。
遠位尿細管において最終的に電解質であるナトリウムイオンやクロルイオン、そして水分の再吸収を抑制します。
再吸収が阻害されたナトリウムイオンやクロルイオン、水分はもう血管内に戻ることができませんので、そのまま尿として排出されます。
その結果、体内の水分量が減少し、逆に尿の量が増えることになります。
この作用のメカニズムが浮腫みを取ったり血圧を下げたりする効果につながっているという訳です。
効果的な使用方法と用量

まずはヒドロクロロチアジドの用法・用量から見ていきましょう。
添付文書を開くと、「通常、成人にはヒドロクロロチアジドとして1回25~100mgを1日1~2回経口投与する。」と記載されています。
特に食事の影響を受ける医薬品ではないため食前でも食後でも問題ありません。
医師の指示に従って服用を続けることが大切なのです。
そのため、飲み忘れず毎日決まった用法で服用し続けることが最も効果的な使用方法となります。
基本的には医師の指示に従って服用するわけですが、夜間頻尿を避けるためには午前中の服用が推奨されます。
これはすべての利尿薬に言えることです。
治療するために夜何度もトイレで目が覚めるのでは逆に体調を崩してしまっては本末転倒です。
また、高血圧を治療する場合には少量から開始し徐々に増量していくことが必要です。
身体に医薬品を慣らす意味と副作用発生の確認を行うことができます。
もし悪性高血圧症だった場合には、他の血圧治療薬と併用することでより効果的な治療が可能になります。
ヒドロクロロチアジドを飲み忘れた時は、気づいた時点で直ちに1回分服用してください。
次に服用する時間が近い場合には飛ばして次回分から再開することが大切です。
基本的には飲み忘れないことが大切です。
急に服用をやめると血圧が上昇する可能性があるため自己判断で休薬することのないよう気を付けなければなりません。
効果的に使用するためには併用薬にも注意が必要です。
併用することで作用が減弱する医薬品もあるため、使用する前に医師又は薬剤師に見てもらうと良いでしょう。
ヒドロクロロチアジドの副作用と注意が必要な併用薬

たかが利尿薬と侮ってはいけません。
ヒドロクロロチアジドで最も注意しなければいけない重大な副作用は8つ確認されています。
そのいづれも頻度不明ですが少しでも気になる症状があれば医師又は薬剤師に相談するようにしましょう。
①再生不良性貧血、溶血性貧血
1.再生不良性貧血は難病に指定されています。
血液中において赤血球・白血球・血小板のすべてが減少してくる疾患です。
その結果貧血や感染症による発熱などが見られます。
2.溶血性貧血においては赤血球が破壊されることにより赤血球数が減少することで起きる貧血を言います。
②壊死性血管炎
血管の壁が炎症を起こして傷つき、その部分が壊れていく疾患です。
その結果赤血球が漏れでていき、周囲の組織に酸素が届けられず組織が壊死(えし)してしまうと言った症状です。
③間質性肺炎、肺水腫、急性呼吸窮迫症候群
1.間質性肺炎
間質性肺炎は、肺の内部にある、空気を取り込む細かい袋(肺胞)の周りの組織が炎症を起こして、徐々に厚く硬くなっていく疾患です。
その結果ガスの交感ができなくなり、息苦しさや疲れやすさ、乾いた咳などが出るようになります。
2.肺水腫
肺水腫は、肺の中に異常に水分がたまってしまう状態です。
空気を取り込むべき肺の中に水がたまることで、正常な呼吸ができなくなる深刻な状態です。
3.急性呼吸窮迫症候群(きゅうせいこきゅうきゅうはくしょうこうぐん)
急性呼吸窮迫症候群(きゅうせいこきゅうきゅうはくしょうこうぐん)は、肺に重度の障害が起き、突然呼吸が困難になる深刻な状態です。
肺に水が溜まることにより、十分な酸素を取り込めなくなります。
④全身性紅斑性狼瘡の悪化
全身性紅斑性狼瘡(ぜんしんせいこうはんせいろうそう)はいわゆる全身性エリテマトーデスとも言い難病の一種です。
体の免疫システムが自分の体を誤って攻撃してしまう自己免疫疾患の一つです。
⑤アナフィラキシー
特定の物質に接触した後、急激に起こる重篤なアレルギー反応です。
数分から数時間で症状が進行し、適切な処置をしないと命に関わる可能性がある症状です。
⑥低ナトリウム血症
血液中のナトリウム(塩分の主成分)が必要な量より少なくなった状態です。体内の水分バランスが崩れることで起こります。
一般的に倦怠感、食欲不振、嘔気、嘔吐、痙攣、意識障害等が伴います。
⑦低カリウム血症
血液中のカリウム(体の筋肉や神経の働きに重要な電解質)が必要な量より少なくなった状態です。
一般的に倦怠感、脱力感、不整脈等が伴います。
⑧急性近視、閉塞隅角緑内障
1.急性近視
急性近視とは、突然、遠くのものが見えにくくなる状態です。通常の近視(徐々に進行する)とは異なり、短期間で急に視力が低下するのが特徴です。
毛様体浮腫や毛様体剥離などが起こり、水晶体前方移動によって生じる近視です。
2.閉塞隅角緑内障
閉塞隅角緑内障は、目の中の水(房水)の流れ道が急に塞がれて、目の圧力が急上昇する深刻な目の病気です。
緊急の治療が必要な状態です。
その他の副作用
その他の副作用として1%以上の頻度のものには食欲不振、悪心・嘔吐、腹部不快感、眩暈、起立性低血圧、倦怠感が挙げられます。
多くの方が感じられる症状はこちらの方が多いことでしょう。
またヒドロクロロチアジドと注意が必要な医薬品も多数存在しますので服用する際にはよく確認してから服用するようにしましょう。
まず併用禁忌薬として「ミニリンメルト(デスモプレシン酢酸塩水和物)」が挙げられます。
併用することで低ナトリウム血症が発現する可能性があるため一緒に服用することはできません。
続いて併用注意薬について見ていきましょう。
①バルビツール酸誘導体、あへんアルカロイド系麻薬、アルコールと併用
起立性低血圧が増強される恐れがあるため注意が必要です。
②ノルアドレナリンやアドレナリンと言った昇圧アミンと併用
その作用を減弱することがあります。
③ツボクラリン塩化物塩酸塩水和物やパンクロニウム臭化物などと併用
その麻痺作用を増強することがあります。
④ACE阻害剤、βー遮断剤、ニトログリセリン等の降圧剤
その降圧作用を増強する可能性があります。
⑤ジゴキシンやジギトキシンと言ったジギタリス製剤
心臓に対する作用を増強し、不整脈等を起こすことがあります。
⑥乳酸ナトリウムとの併用
チアジド系薬剤による代謝性アルカローシス、低カリウム血症を増強することがあります。
⑦炭酸リチウムとの併用
振戦や消化器愁訴等、リチウム中毒を増強することがあります。
⑧ACTHと言った糖質副腎皮質ホルモン剤との併用
低カリウム血症が発現することがあります。
⑨グリチルリチン製剤との併用
血清カリウム値の低下があらわれやすくなります。
⑩SU剤やインスリンといった糖尿病用剤との併用
糖尿病用剤の作用を著しく減弱することがあります。
⑪コレスチラミンや、インドメタシンのような非ステロイド性消炎鎮痛剤との併用
チアジド系薬剤の作用が減弱することがあります。
⑫スルフィンピラゾンとの併用
チアジド系薬剤はスルフィンピラゾンの尿酸排泄作用に拮抗することがあります。
併用する薬剤については避けることが第一ですが、どうしても避けられない場合には初期症状をよく見ておくようにしましょう。
ヒドロクロロチアジドの購入方法

それではヒドロクロロチアジドはどの様にして購入したら良いでしょうか?
最も簡単な方法は最寄りの医療機関を受診することです。
医師の判断にもよりますが、処方してもらえれば購入することが可能です。
それ以外で購入する方法といえば海外から個人輸入と言った方法で通販することです。
当サイトメデマートでもチアジド系利尿薬は購入することが可能です。
商品名 | アクアザイド | ヒドラジド |
---|---|---|
画像 | ![]() | ![]() |
有効成分 | ヒドロクロロチアジド25mg | ヒドロクロロチアジド12.5mg |
メーカー | Sun Pharma (サンファーマ社) | Cipla(シプラ) |
購入サイト | アクアザイドの購入ページ | ヒドラジドの購入ページ |
日本ではチアジド系利尿薬のみならず、全ての利尿薬が医療用医薬品に該当する為、医師の診断なくして入手することはできません。
過剰摂取のリスクと長期使用の影響

ヒドロクロロチアジドの過剰摂取のリスクから見ていきましょう。
これはヒドロクロロチアジドに限ったことではなく、他のチアジド系利尿薬についても同様のことが言えます。
過剰摂取のリスク
副作用の頻度が上昇
利尿薬を過剰に摂取した場合には、副作用の頻度が上昇します。
特にその他の副作用で1%以上の副作用、つまり食欲不振や悪心・嘔吐、めまい、起立性低血圧、倦怠感が最も起こりやすくなります。
重大な副作用の発生頻度の上昇
続いて考えられることは重大な副作用の発生頻度の上昇です。
例えば、電解質バランスの乱れです。
血中カリウムの低下により筋力の低下や不整脈のリスクが上がります。
血中ナトリウムが低下することにより眩暈、脱力感、意識障害などが生じることでしょう。
最も注意が必要なことは重篤な血液障害が起こる可能性です。
再生不良性貧血や溶血性貧血などの可能性を考慮し、貧血の症状が出るようであれば一度検査をしてみましょう。
アナフィラキシー
また、アナフィラキシーは起こると死んでしまう可能性があり大変危険です。
それ以外でも脱水症状が起きれば、喉の渇き・尿量の増加・血圧低下・めまい・疲労感が感じられます。
低血圧
さらには過度の降圧作用により低血圧が起こる可能性も考えられます。
急なめまいやふらつきがある場合には注意が必要です。
過剰摂取した場合どんな症状が出るのかは誰にもわかりません。
考えられることは副作用の発生頻度の上昇なので初期症状には特に警戒が必要となります。
長期使用の影響
続いて長期使用した場合の影響について解説していきます。
ヒドロクロロチアジドを連用した場合、電解質失調があらわれることがあるので定期的に検査を行う必要があります。
血中ナトリウムやカリウムの低下には特に注意が必要です。
更には重篤な血液障害についても注意が必要です。
再生不良性貧血、溶血性貧血などでは貧血症状に気を付けなければなりません。定期的に血液検査を行うことが推奨されています。
また、海外において実施された疫学研究では、ヒドロクロロチアジドを投与された患者で、基底細胞癌及び有棘細胞癌のリスクが増加することが報告されています。心配な場合は一度主治医とよく相談してみると良いでしょう。
高血圧症を治療する上で長期連用は必要不可欠です。
浮腫みの治療においても継続服用が必要となります。
ヒドロクロロチアジドはこれらの症状に対して非常に有効な医薬品であることに変わりはありません。
その為、使用する際には定期的な検査の実施を怠ってはいけないと言うことです。
用法・用量を守って定期的に検査をして使用していくことを忘れないでください。
まとめ

今回はチアジド系利尿薬であるヒドロクロロチアジドについて詳しく解説してきました。
どうしても新薬であるサムスカ(トルバプタン)にばかり注目されてしまいがちですがサムスカ使用には条件があるためファーストチョイスで使用することはできません。
その為にもまずはチアジド系利尿薬をよく理解する必要があります。
ヒドロクロロチアジドは利尿薬です。
利尿作用を利用して、高血圧症や浮腫み、月経前緊張症の治療を行います。
作用機序は遠位尿細管においてナトリウムイオン及びクロルイオンの再吸収を抑制することにより水分排出を増加させることにあります。
効果的に使用する為には用法・用量を守って医師の指示通り服用を継続することが最も大切です。
最も頻度の高い副作用には食欲不振や悪心・嘔吐、めまい、起立性低血圧、倦怠感が見られます。
これらが見られた時はいったん服用を中止し主治医に相談しましょう。
また、重篤な副作用には頻度不明なものしかありません。
いつどこで誰に起こるかなんて誰にも分かりません。
その為にも初期症状を知っておく必要があります。
気になる症状が出た場合には、急いで主治医に連絡しましょう。
また、併用禁忌薬・併用注意薬も多数存在します。
自分で服用している医薬品についてはすべて医師又は薬剤師に見てもらうことが大切です。
ヒドロクロロチアジドは医療用医薬品であるため薬局やドラッグストアで売っているものではありません。
もし購入したい場合には医療機関の受診が必要です。
どうしても必要と言う方は当サイトメデマートでも販売している為そちらで購入を検討してみると良いでしょう。
最後に過剰摂取のリスクと長期使用の影響についても解説してきました。
ヒドロクロロチアジドを最も効果的に使用する為にも長期使用は避けては通れません。
過剰摂取しない様に医師の指示を守ってしっかり服用を続けることが最も大切なのです。
出典
ヒドロクロロチアジド錠12.5mg/25mg「トーワ」添付文書
ヒドロクロロチアジド錠12.5mg/25mg「トーワ」インタビューフォーム
循環器薬剤のトレンド1「利尿薬」