利尿剤として市販されている漢方製剤

薬局もしくはドラッグストアなどで「利尿剤」の効果を持った漢方薬を見たことはありますか?
実のところ漢方薬はあまりなじみもないし商品名を見ただけでは利尿作用のある医薬品かどうかなんてわかりませんよね。
ここでは利尿剤として市販されている漢方製剤にはどんな商品があるのかをご紹介します。
まず初めに利尿剤とは何かについて考えてみましょう。
「利尿剤」とは尿量を増やす事で体内の余分な水分を減らす効果を持った薬を言います。
要するにたくさんオシッコを出すことによって症状の改善を目的とするお薬なんです。
この作用によって得られる効果は大きく分けて2つあります。
1つ目がむくみに対する作用であり、もう1つが血圧に対する作用です。
まずは代表的な市販薬3選をご紹介いたします。これらはそれぞれに特徴があり利尿作用による「むくみ」の改善以外にも効果を示します。
<利尿剤として市販されている漢方製剤>
商品名 | ツムラ漢方五苓散料エキス顆粒 | ツムラ漢方防已黄耆湯エキス顆粒 | 六味丸エキス細粒G「コタロー」 |
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製造販売元 | (株)ツムラ | (株)ツムラ | 小太郎漢方製薬(株) |
添付文書 | 添付文書を確認する | 添付文書を確認する | 添付文書を確認する |
この他にもたくさん利尿作用のある漢方薬は販売されています。全てが一律に効く訳ではありません。個々の体質によって選択される製剤は変わってきます。
自分にはどの漢方薬が合うのか分からない場合は薬剤師に相談してみると良いでしょう。
漢方製剤の効果・作用
漢方薬は古くから伝わる伝統的な治療法で、その特性や効果は西洋医学とは異なります。
一般的に、漢方薬は急性の症状にも効果があり、特にこむら返りや風邪などの急性の疾患に対しては、1~2回の使用で効果が表れることがあります。
しかし、漢方薬が本領を発揮するのは慢性的な症状や体質の改善においてであり、そのためには一定の期間をかけて摂取することが必要です。
例えば、免疫力の向上や体のバランス調整のためには、1~2ヶ月程度の継続的な摂取が推奨されることがあります。
漢方薬には効果がある一方で、注意が必要な副作用も存在します。一般的な副作用としては、胃の不調や皮膚の症状が挙げられます。
胃もたれや発疹、痒みなどが現れた場合は、直ちに医師に相談することが重要です。まれではありますが、間質性肺炎や肝機能障害などの重篤な副作用も発生する可能性があります。

漢方薬と西洋医学はそれぞれ得意分野が異なります。
西洋医学は緊急性や急性の症状に強い一方で、漢方薬は慢性的な不調や体質の調整に適しています。
両者のアプローチを組み合わせることで、症状の緩和や治療の効果を最大限に引き出すことが可能です。
漢方薬を専門的に取り扱う医師や薬剤師に相談しながら、症状や体質に合わせた適切な治療法を見つけることが大切です。
個々の状態によって最適な治療法が異なるため、専門家のアドバイスを受けることで、安全かつ効果的な治療を実現できます。
なぜ漢方製剤は市販できるのか?

基本的な考えになりますが、市販できるか否かは不特定多数の人が使用しても安全に使用できるか、且つ副作用等が起こりにくい事が前提にあります。
漢方製剤についてもその考え方は同様であり、医師の診断に基づき、患者の病状や体質等に応じて適切に選択されなければ、安全かつ有効に使用できない成分、重篤な副作用等のおそれがあるため、モニタリングが必要な成分については、成分ごとに「処方箋医薬品」に指定され市販することができません。
古くから使用されており副作用等のおそれが低いものなどは「一般用医薬品」として指定され市販する事ができるようになります。
漢方薬の処方は、植物や鉱物など自然界に存在する生薬を組み合わせています。
これらの組み合わせは、長い間にわたる経験と研究を通じて確立されています。
処方の効果や安全性は、数百年にわたる臨床経験によって検証され、有用な処方が体系化されています。
また、医療用漢方製剤と一般用漢方製剤とでは、基本的な成分や処方が同じですが、ほとんどの一般用漢方製剤は医療用漢方製剤よりも成分量が少ないのが特徴です。
市販の漢方薬は、効果と安全性のバランスが重視されています。
長期にわたって安全性が確認され、広く利用されてきた漢方薬が市販製品として選ばれています。
漢方製剤と医薬品の違い
利尿剤として市販されている漢方製剤」と比較するために「個人輸入で購入の出来る医薬品」されている利尿剤を紹介いたします。 この3商品は共通する適応症として「むくみの改善」に効果を示します。
個人輸入で購入の出来る医薬品
商品名 | トール | トーシミド | ダイトール |
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画像 | ![]() | ![]() | ![]() |
一般名 | トラセミド5mg/10mg/20mg | トラセミド5mg/10mg/20mg/40mg/100mg | トラセミド5mg/10mg/20mg/40mg/100mg |
メーカー | Intas Pharmaceuticals(インタスファーマ) | John Lee Pharma(ジョンリーファーマ) | Cipla(シプラ) |
購入ページ | トールの購入ページはこちら | トーシミドの購入ページはこちら | ダイトールの購入ページはこちら |
漢方薬は植物や動物由来の天然成分を使用します。これにより、製剤が持つ多彩な成分が総合的な効果を発揮します。
また、一つの薬方が通常2種類以上の生薬で構成されており、それぞれの生薬が異なる側面から症状にアプローチします。これにより、複数の症状や病態に対応することが期待されます。
例えば「ツムラ漢方五苓散料エキス顆粒」を例に挙げれば、有効成分として、(タクシャ・ソウジュツ・チョレイ・ブクリョウ・ケイヒ)が配合されています。これにより適応症状として「むくみ」以外にも、水様性下痢、急性胃腸炎、暑気あたり、頭痛、二日酔に効果を示します。
一方、西洋薬である医薬品は、通常、人工的に合成された単一の成分で構成されています。
これにより、特定の疾患や症状に対して精確な薬理作用を発揮します。
例えば「トール【ルプラックジェネリック】」を例に挙げれば、有効成分として(トラセミド)を配合します。これにより「むくみ」に対して効果を示します。
原因不明の症状への対応について比較すると、漢方治療は、病院での検査や画像診断では異常が確認できないが自覚症状がある病気に向いています。
慢性的で原因不明の病気や、体質に関連する病気に対して効果が期待されます。
一方で、西洋薬である医薬品は、病気の原因が特定でき、原因別の治療が可能な場合や、手術が必要な状況では、西洋医学が有効です。
また、緊急を要する疾患や感染症などにも迅速に対応可能です。
まとめ
漢方製剤と医薬品の違い
漢方- 天然の生薬
- 一般用医薬品に分類
- 総合的なアプローチで健康をサポート
- 人工的に化学合成された単一の物質(複合薬は除く)
- 医療用医薬品に分類
- 一つの疾患・症状に強い薬理作用
市販の利尿剤・漢方製剤と医薬品の違いについて探ってきました。
漢方製剤が市販できる背景やその特徴、医薬品との違いについて理解できたかと思います。
利尿剤として市販されている漢方製剤に限らず、一般的に漢方薬とは天然の生薬を使用して製造されています。
通常、植物や動物由来の成分が複合的に組み合わさり、利尿効果をもたらすように設計されています
漢方製剤の効果・作用は、複数の生薬が協力して異なる経路から働きかけることにより得られます。
利尿剤としての漢方製剤は、尿の排出を促進するだけでなく、体内の湿気を調整し、腎臓や肝臓、心臓などの機能をサポートすることもあります。
漢方製剤が市販できる理由は、その成分が天然由来であること、安全性が確保できていることなどが挙げられます。
一般的に、市販の漢方製剤は一般用医薬品として位置づけられ、医薬品と同様の枠組みで販売されます。
これにより、一般の消費者が手軽に入手できる形となります。
漢方製剤と医薬品の最大の違いは、成分の多様性と製造プロセスの違いにあります。
漢方製剤は天然の生薬を複合的に組み合わせて製造され、総合的なアプローチで健康をサポートします。
一方で、医薬品は通常、化学合成された単一成分を使用し、特定の症状や疾患に対する効果が強調されます。
市販の漢方製剤は、自然の恩恵を受けながら健康をサポートする手段として利用されています。
しかし、個々の健康状態に応じて医師の指導を仰ぐことが大切であり、漢方製剤と医薬品の使い分けが重要となります。
出典
漢方薬の作用機序の解明と臨床応用の現状
ツムラ よくあるご質問
日本における生薬・漢方製剤基準の策定
生薬・漢方薬の基礎と臨床生薬学
ツムラ漢方五苓散料エキス顆粒添付文書
ツムラ漢方防已黄耆湯エキス顆粒添付文書
六味丸エキス細粒G「コタロー」添付文書