ヘルペスの種類や原因・症状と治療薬・予防法・注意点を解説

ヘルペスの種類や原因・症状と治療薬・予防法・注意点を解説 ヘルペス

ヘルペスとは

ヘルペスウイルスの画像ヘルペスとはHerpesという疱疹をあらわす言葉から由来しています。ヘルペスウイルスに感染することで、小さい水ぶくれや赤い腫れができます。一度感染すると、基本的にウイルスは体の中にいるとされており、風邪をひいたときや、疲れた時など免疫力が落ちたタイミングで再発を繰り返します。

ヘルペスの種類

ヘルペスウイルスはおよそ9種類あるとされていますが、その中で大きく分けると2種類に分けることができます。HSVと呼ばれる単純ヘルペスウイルスとVZVと呼ばれる水痘・帯状疱疹ウイルスです。

単純ヘルペスウイルス(HSV)

単純ヘルペスウイルスの特徴

HSVというウイルスによって引き起こされます。主な病気としては口唇ヘルペスや性器ヘルペスなどがあげられ、症状としては小さな水ぶくれがあります。ウイルスがいる部分を直接触れることによって感染が広がっていきます。 単純ヘルペスウイルスは、さらに感染する部位によって2種類に分けられており、1型は唇や顔など上半身部分にできるものを指します。一方、2型は性器など下半身部分にできるものを指します。

単純ヘルペスウイルスによる主な疾患

口唇ヘルペス 口唇ヘルペスのイメージ画像 口や口の周りに小さな水ぶくれができ、ピリピリ・チクチクとした痛みがあります。タオルや食器を介して感染するとされるため、家族の中での感染割合が高い傾向があります。症状が出ているときは非常に強いウイルスがいるとされています。感染した場合潜伏期間を経て、3~7日で水ぶくれなどの症状が出てきます。 性器ヘルペス 性器ヘルペスのイメージ画像 性器やその周囲に水ぶくれができます。単純ヘルペスウイルスに感染している人との性行為を行うことで感染が広がっていきます。無症状でもウイルスが相手に存在する場合は、罹患するリスクはあります。初感染の場合、発熱したり、脚の付け根のリンパ腺が腫れる強い症状になることが多いですが、再発の場合は、軽症となります。

水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)

水痘・帯状疱疹ウイルスの特徴

VZVというウイルスによって引き起こされます。初めての感染を水痘、2回目以降の感染を帯状疱疹と呼んでいます。免疫力が下がることで感染するため、白血病や悪性リンパ腫などの方は罹患しやすい傾向があります。

水痘・帯状疱疹ウイルスによる主な疾患

水痘 水痘は水ぼうそうとも呼ばれ、ウイルスに初めて感染した時に発症するため、生きていれば必ず1回はなります。子供がかかりやすいとされていましたが、近年は減少傾向にあります。全身に症状があらわれます。 帯状疱疹 高齢の方がなりやすく、強い痛みのある水ぶくれが、体の半分だけに症状として出るという特徴があります。帯状疱疹の方の病変部を直接触っても、帯状疱疹としてうつるわけではなく、いったん水痘として発症します。そのため、水痘になったことがない方は注意が必要です。しかし、一度帯状疱疹になった方は、強い抗体を手に入れるため頻繁に再発を繰り返すことはないとされています。

ヘルペスの原因について

ヘルペスは日常生活の中でうつるリスクは誰にでもあります。単純ヘルペスウイルス、水痘・帯状疱疹ウイルスの感染原因の例です。

単純ヘルペスウイルス(HSV)

感染原因

  • ウイルスを持っている人とのキス
  • ウイルスを持っている人と同じタオルや食器を使用する
  • ウイルスを持っている人との性行為、オーラルセックス

水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)

感染原因

  • ウイルスを持っている人の咳やくしゃみに含まれるウイルスを吸い込む
  • ウイルスを持っている人の病変部に直接触れる

ヘルペスに罹患する年齢層

単純ヘルペスウイルス(HSV)

以前は子どもの時に、感染することが多いとされていましたが、現在は衛生状態の改善や核家族化などの影響で、20代~30代のおよそ半分の人しか抗体を持っていないとも言われています。 子どものうちに単純ヘルペスウイルスにはじめて感染すると症状が軽く済みますが、大人になって初めて感染すると症状がかなりひどくなることがあります。また、1型に対する抗体をもっていると2型にも感染しにくく、発症しても軽症で済む場合が多いとされています。

水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)

細胞性の免疫力が低下している人では罹患率が高くなるとされているため、年齢が高くなるほどかかる割合も上昇していきます。90歳以上の方では半分は罹患するとされています。ですが、全体的な推移をみると、20代と50代で罹患割合のピークがみられています。 年齢とは異なりますが、時期の観点で見ると決算期や連休やお盆などの長期休みの後、12月など疲れが出やすい時期に多くみられます。

ヘルペスの症状について

単純ヘルペスウイルス(HSV)

一度感染したことのある方は発症する前に兆候があらわれます。症状は出ていないもののピリピリした感じや、チクチクとした痛みがある場合は注意です。その後数日経って、赤く腫れていきます。赤く腫れているときはウイルスが活発な証拠であり、その1~3日後に水ぶくれができます。この水ぶくれはつぶしてしまうと、中のウイルスが外に出て、他の部位へ感染が広がる恐れがあるので気を付けてください。 かさぶたができたころには回復期と呼ばれ、治癒に向かっていきます。
経過 ①再発の兆候 ②発症 ③1~3日後 ④回復期
症状 ピリピリした痛みやチクチクとした違和感を感じる 赤く腫れる 赤く腫れた症状に加えて水ぶくれができる。 かさぶたができて治っていく
この時、患部にはウイルスが増殖している。 水ぶくれの中にはウイルスが大量にいるため、つぶしたりするとほかの部位への感染を広げるリスクがある。 回復まで5日~2週間程度かかることもある。
初感染の場合は、発熱したり、リンパ腺が腫れたりすることも多いとされています。

水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)

初めて感染した場合は、水痘(水ぼうそう)と呼ばれ、2週間の潜伏期間ののち全身に水ぶくれの症状ができます。1週間程度で症状は残りますが、ウイルスはその後体の中に居続けます。 再度免疫力の低下などで発症した場合、帯状疱疹となります。帯状疱疹は、左右どちらかだけに痛みと赤い斑点があらわれます。同じ時期に軽めの発熱やリンパ節の腫れ、頭痛などが全身にみられることもあります。 その後、赤い斑点の上に水ぶくれが多発します。初めは透明ですが、黄色い膿疱となり、6~8日で破れてびらん、もしくは潰瘍になります。皮疹の出現後1週間までは病変部の悪化がみられますが、約2週間でかさぶたとなり治癒に向かいます。
経過 ①初感染 ②潜伏期 ③再発 ④回復期
呼び名 水痘(みずぼうそう) 帯状疱疹
症状 かゆみのある発疹や水ぶくれと発熱が出る なし 体の左右どちらかだけに、ピリピリとした痛みと、水ぶくれ症状があらわれる かさぶたができ、治っていく
1週間ほどでおさまる。 この時、症状はなくてもウイルスは体内に潜伏している。 水ぶくれ症状からだいたい2週間程度でかさぶたとなり、1週間後には脱落する。
帯状疱疹って? 【上記引用元:マルホ 帯状疱疹】

ヘルペスの治療薬

抗ウイルス薬の投与

症状に合わせて薬を用いて、治療をしていきますが症状の重症度によって投与方法や投与薬剤が変わってきます。
症状 治療方法
軽症 アシクロビルやビダラビンなどの抗ヘルペス薬を塗る
初感染、中等症 アシクロビルやバラシクロビルなどの抗ヘルペス薬を内服する
重症、免疫不全 アシクロビルやビダラビンなどの抗ヘルペス薬を点滴静注(静脈注射)する
主に使用される、①アシクロビル②ビダラビン③バラシクロビルの3種類についてご紹介します。 ①アシクロビル アシクロビルは、体内で活性化されることでヘルペスウイルスの増殖を抑制する作用機序を持っています。ウイルスに直接作用するため、早い時期に飲むと、より治癒が早くなるとされています。また、ウイルスに対する選択性も高いとされています。 ●ゾビラックス ゾビラックスは、アシクロビルを主成分とした薬剤でヘルペスウイルスに有効です。 内服することで、症状が抑制されます。特に早い時期に飲むと、より治るのが早くなります。 成人以上で服用する場合は、朝食後・昼食後・午後4時頃・夕食後・就寝前のタイミングで4時間はあけたうえで1日5回ほどを内服します。しかし、子供の場合は就寝前のタイミングを除いた1日4回の服用となっています。
商品名 ゾビラックス
画像 ゾビラックス画像
一般名 アシクロビル
価格 1錠あたり111円
メーカー GSK(グラクソ・スミスクライン)
購入ページ
●アシビル【ゾビラックスジェネリック】 アシビルは、ゾビラックスのジェネリック医薬品となっているため、同様の効果が期待できます。
商品名 アシビル【ゾビラックスジェネリック】
画像 アシビル画像
一般名 アシクロビル
価格 1錠あたり66円
メーカー Cipla(シプラ)
購入ページ
●アシビルクリーム アシビルクリームは、ゾビラックスのジェネリック医薬品です。ウイルスによる症状が出た部位に直接塗れるクリームタイプとなっています。
商品名 アシビルクリーム
画像 アシビルクリーム画像
一般名 アシクロビル
価格 1本あたり1,350円
メーカー Cipla(シプラ)
購入ページ
②ビダラビン ビダラビンは、ウイルスのDNA伸張を抑制することで、活性を抑えます。 アシクロビルに耐性ができたウイルスに対しては、ビダラビンが有効とされています。代表医薬品は「アラセナ」などがあります。 ③バラシクロビル DNAの複製を阻害することでウイルスの増加を抑えます。アシクロビルのプロドラックであり、体内でアシクロビルに変換されます。また、片頭痛にヘルペスウイルスが関与する場合があるとされていますが、帯状疱疹ウイルスの関与が予想される片頭痛に対してはバラシクロビルなどのウイルス薬を使うと症状改善効果が期待できるとされています。 ●バルトレックス バルトレックスは、バラシクロビルを主な成分として含んでおり、ヘルペスウイルスに有効です。アシクロビルの吸収率を高めた薬剤となっており、1日2回~3回を食後に服用するため、簡便になっています。副作用としては、腹痛や吐き気などがあります。
商品名 バルトレックス
画像 バルトレックス画像
一般名 バラシクロビル塩酸塩
価格 1錠あたり200円
メーカー GSK(グラクソ・スミスクライン)
購入ページ
●バルクロビル【バルトレックスジェネリック】 バルクロビルは、バルトレックスのジェネリック医薬品です。同じ成分を含んでいるため、同様の効果が期待できます。
商品名 バルクロビル【バルトレックスジェネリック】
画像 バルクロビル画像
一般名 バラシクロビル塩酸塩
価格 1錠あたり203円
メーカー Centurion Laboratories Pvt Ltd(センチュリオン・ラボラトリーズ)
購入ページ
●ファムシクロビル ファムシマックは、ファムビルのジェネリック医薬品で、ヘルペスウイルスの治療薬です。 単純ヘルペスウイルス、水痘・帯状疱疹ウイルス治療に有効な抗生物質で、ウィルスの増殖を抑えます。
商品名 ファムシマック
画像 ファムシマック画像
一般名 ファムシクロビル
価格 1錠あたり394円~
メーカー Macleods Pharmaceuticals Ltd(マクレオーズ)
購入ページ

ヘルペスの予防法

疲れやストレスをためすぎないようにしましょう

睡眠不足や栄養不足、疲れなどが溜まることで免疫力が下がり、体に保有していたヘルペスウイルスが再活性してしまいます。そのため、日ごろから体調管理は気を付けていくことが予防には大切です。また、紫外線は皮膚の免疫力を下げてしまう恐れがあるので、紫外線を避ける、もしくは日焼け止めなどの対策は怠らずに行いましょう。

コンドームをつけましょう

性行為の相手が性器ヘルペスになっていた場合、性行為を行うことで自身の感染リスクも増大します。また、唾液からも感染するリスクがあります。そのため、性行為を行う際には、コンドームを付け、感染予防を行いましょう。

ヘルペスに関する注意

症状が出ているときの人との接触について

症状が出ている時期はウイルスの量が多く、感染力も強いとされる危険な時期です。そのため、人との接触には注意が必要です。また、ウイルスがついたタオルや食器からも感染しますので、使いまわしなどは避け、食器はしっかりと洗剤で洗うことが大切です。相手が免疫力をもっていれば、発症しないか、発症しても軽症なことが多いため、タオルはほかの洗濯物と一緒に洗っても問題ないとされています。しかし、新生児やあらかじめ免疫力が弱いとされる方がいる場合は、少しのことで感染を広げてしまう可能性があるため、注意をしてください。 お尻に症状が出ている時は、ウイルスが便座につく可能性があります。トイレを使用した後はエタノールで消毒することを心がけましょう。

患部に触らない

病変部から、自分自身のほかの部位に感染する可能性がありますので、できるだけウイルスがいる患部には触らないように気を付けてください。特に目に感染して発症する角膜ヘルペスは失明する可能性がありますので、以下の点に特に注意してください。
  • 患部に触れた手で目をこすらない、触らない。
  • 患部に触れた後や、抗ヘルペス薬を塗った後には手を洗う。
  • 患部は石鹸や洗顔料をよく泡立ててやさしく、しっかり洗う。
  • 水ぶくれはむやみに破らない。(破れたところからウイルスが広がる恐れがあるため)

よくある質問

日本には、口唇ヘルペスの再発患者さんが約1,285万人いると推定され、,大半の方が年1回以上再発しています。 急なヘルペスにいつでもサッとPIT【参考元:ワッツヘルペス】

最後に

ヘルペスまとめ

ウィルスの種類
  • 単純ヘルペスウイルス
  • 水痘・帯状疱疹ウイルス
感染したら注意する点
  • 一度感染したら完治しない
  • 再発する
  • 水ぼうそうが再発すると帯状疱疹になる
ヘルペスは、一度感染すると再発のリスクは一生ついてきます。ヘルペスに感染した際、早く治療をすることが、早く症状をおさえることにつながりますので、可能な限り早めに対処をすることが大切です。「小さな水ぶくれ」や「赤い腫れ」など気になる症状があれば、治療を行っていきましょう。
参考にした文献およびサイト 【参考元:皮膚科Q&A Q13水痘はどのような症状ですか?】【参考元:性器ヘルペスウイルス感染症とは】【参考元:帯状疱疹予防.jp 帯状疱疹Q&A】【参考元:東京都感染症情報センター 水痘 Chickenpox】
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