痔の種類【いぼ痔・きれ痔・あな痔】や原因と治療法を解説

痔の種類【いぼ痔・きれ痔・あな痔】や原因と治療法を解説

痔とは

痔とは、肛門の近くや肛門で起こる病気をまとめて「痔」と呼んでいます。日本人の3人に1人が痔とされており、症状も出ていない人も含めると2人に1人が痔といわれています。このようなことから「痔」は、かなり身近な疾患であることがうかがえます。肛門の血流が悪くなり、肛門に負担がかかることで発症します。

痔の種類

痔には大きく「いぼ痔」「切れ痔」「あな痔」の3つの種類があり、それぞれ特徴があります。

いぼ痔

いぼ痔は「痔核」とも呼ばれることもあり、男女ともに最も患者数が多い種類です。痔の患者さんのうち約半数以上が「いぼ痔」とされています。名前の通り、いぼのような腫れができることが主な症状で、できる部位によって名前が変わります。肛門の奥(直腸に近い部分)にできる「内核痔」と外側の皮膚にできる「外核痔」があり、内核痔は排便時に出血を伴うことがありますが、あまり痛みはありません。ただし、症状が進行していくにつれて、いぼが肛門外まで移動すると、痛みが出てくるようになります。いぼ痔のうちの80%が内核痔であるといわれています。一方外核痔は、出血は少ないですが、強めの痛みを伴います。

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きれ痔

きれ痔は、裂肛とも呼ばれており、肛門の皮膚が切れたり、裂けたりする痔です。便秘などで硬くなった便を無理やり排出しようとすることや、下痢で皮膚を刺激することによって起こります。いぼ痔の次に患者数は多いとされており、便秘になりやすい女性の患者さんの割合が多いです。出血があるため、排便時だけではなく排便後も痛みを感じることがあります。このため、排便を我慢してしまう方もいますが、我慢するとさらに便秘になってしまうという悪循環に陥ります。悪循環を繰り返すと、肛門が狭くなってしまう「肛門狭窄」や「肛門潰瘍」、「肛門ポリープ」などを引き起こすリスクもあります。

あな痔

あな痔は「痔瘻(じろう)」とも呼ばれており、下痢をしやすい男性に多いとされています。あな痔は直腸と肛門の間にある小さなくぼみである肛門陰窩(こうもんいんか)に便が入り込むことで発症します。肛門陰窩に大腸菌などの細菌が感染し、炎症を起こします。膿がたまることもあり、このような炎症を繰り返すことで膿が皮膚を破って出てきます。肛門部の痛みや、発熱などを伴います。あな痔は手術が必要になるため、放置しないよう注意しましょう。

ああ

痔の原因

痔の原因は、大きくは肛門への負担がかかることですが、「いぼ痔」、「きれ痔」、「あな痔」それぞれで症状が異なるように、原因も異なります。

いぼ痔

いぼ痔は内核痔と外核痔の2種類があるとご紹介しましたが、内核痔の原因は排便の異常によって引き起こされます。便秘の場合は、トイレに長時間座っていきむこと、同じ姿勢でい続けることが原因とされています。また、長時間のデスクワークも肛門への負担をかけてしまうため、内核痔の原因となる場合があります。
外核痔も内核痔と同じく排便の異常によって引き起こされますが、アルコールや辛い物を多く摂取することも悪化させる原因となります。

きれ痔

きれ痔の原因は、便秘が続くことで硬い便や太い便が肛門を傷つけること、また、下痢が勢いよくでることで肛門の皮膚に負担をかけることで引き起こされます。排便の通り道で起こるため、排便時や排便後は激しい痛みが伴います。

あな痔

あな痔の原因は肛門腺に細菌が入り込むことです。下痢をすると、肛門陰窩に便が入りやすいため、ストレスを抱えることやアルコールをよく飲む習慣なども原因となります。下痢をしやすい人は注意が必要です。

痔の治療法

まずは、生活習慣(食生活)の改善と薬物療法から始めていきます。薬物療法や生活習慣の改善を試みても治らない場合は、注射療法もしくは手術となります。

生活習慣の改善

生活習慣を変えることで、痔の改善に役立ちます。特に食事は便通に大きな影響を及ぼします。食物繊維をたっぷりとることや、果物の摂取、下痢の場合は消化の良い食べ物を食べることで便の状態がよくなります。辛いものや多量のアルコールは避けましょう。
また、運動も体にはよく、同じ姿勢をとり続けないよう意識することも効果的です。毎日湯船につかりお尻を温めると、お尻への負担が減ります。

薬物療法

処方薬

【外用薬】
直接痔に塗るタイプの薬剤です。チューブ型で使用する量だけ出して塗ります。

<痔の治療薬(外用薬)関連商品①>

●アヌソールクリーム
アヌソールクリームは、いぼ痔や肛門のかゆみに対して使用される薬剤です。裂肛の症状の緩和にも効果が期待されています。患部に直接塗ることができるため、直接的な効果が期待できます。

商品名 アヌソールクリーム
画像 アヌソールクリーム画像
有効成分 有効成分100gあたり 酸化亜鉛 10.75g・ペルーバルサム 1.8g・酸化ビスマス 2.14g その他の成分:モノステアリン酸グリセロール・PG・ポリソルベート60・流動パラフィン・ステアリン酸ソルビタン・サリチル酸メチル(E218)・酸化チタン(E171)・ヒドロキシ安息香酸プロピル(E216)・水
価格 23mg:1本あたり1833円~
メーカー Famar Orleans
購入ページ

【座薬】
お尻に入れて使用する薬剤です。

<痔の治療薬(座薬)関連商品①>

●アヌソルクリーム・座薬
アヌソルクリーム・座薬は、注入型の痔の治療薬です。ジョンソンエンドジョンソンが開発しました。どの種類の痔にも効果が期待されている薬剤で、塗った部分の炎症が軽減します。

商品名 アヌソルクリーム・座薬
画像 アヌソルクリーム・座薬画像
有効成分 100mg中、酸化亜鉛 10.75g、次没食子酸ビスマス 2.25g、バルサムペルー 1.875g、酸化ビスマス 0.875g
価格 (クリーム)25mg:1本あたり1760円~
座薬:12錠あたり1980円~
メーカー Johnson & Johnson Ltd.
購入ページ

【内服薬】
●血流改善薬

血流を改善させることで腫れや浮腫などを改善します。結果、痛みやかゆみなどの症状も同時に改善されます。

<痔の治療薬(内服薬)関連商品①>

●ダフロン
ダフロンは、きれ痔やいぼ痔、急性慢性問わず使用できる内服の痔治療薬です。有効成分ジオスミンとヘスペリジンは、血管を保護する作用があるため、痔によって負担がかかった毛細血管や静脈を強くして血行を改善します。特にヨーロッパで治療薬として普及しており、塗り薬が苦手な方におすすめの薬剤です。

商品名 ダフロン
画像 ダフロン画像
有効成分 ジオスミン ヘスペリジン
価格 500mg:1錠あたり76円~
メーカー Serdia
購入ページ

市販薬

【外用薬】
代表薬:●ボラギノールA軟膏

ボラギノールA軟膏は、痛みや出血、腫れかゆみに対して効果を発揮する塗り薬です。ステロイド成分が入っていますが、弱いタイプのステロイドであるため、副作用などの心配も少なくなっています。痛みが強い方にはステロイド入りの薬剤を、痛みがない方にはステロイドが入っていない薬剤を使い分けると良いでしょう。

商品名 ボラギノールA軟膏
有効成分 プレドニゾロン酢酸エステル
リドカイン
アラントイン
ビタミンE酢酸エステル
効果 いぼ痔・きれ痔(さけ痔)の痛み・出血・はれ・かゆみの緩和
用法用量 15歳以上は、1日1~3回適量をとり、患部に直接塗るか、ガーゼにのばして患部に貼ります。
メーカー 天藤製薬株式会社

注射療法

注射療法ではALTA(硫酸アルミニウムカリウムタンニン酸注射液)と呼ばれる薬剤を患部に注射していきます。すると、硬くなっていた痔が縮小します。注射療法の場合、手術と比較して出血がなく、注射後の生活制限もほとんどありません。手術と併用し、手術部位を小さくするという使用方法で活用されることも増えています。

手術療法

手術は重症の痔の患者さんに使用される治療方法です。患部を除去することで痔の改善を試みますが、昔と違い、今は日帰りで手術ができるところも増えており、実際の手術時間も15~30分ほどとされています。ただし、出血がひどい方などは手術の適応となりません。また、飲食や動きなど日常生活の制限が発生することも注意が必要です。

痔に関するよくある質問

最後に

痔は日本人の30%と非常に多くの方がかかりやすい疾患ですが、「いぼ痔」「きれ痔」「あな痔」それぞれ特徴や症状が異なります。症状が悪化すると日常生活や普段の排便にも支障をきたすため、気になる場合や、「便秘かも?」と思う方は我慢しすぎず、早めの対処が重要です。その際には、ご自身の症状にあった治療法を行っていきましょう。

出典

【参考元:大正製薬 製品情報サイト 主な痔の種類とその症状を解説】【参考元:痔Web 痔と生活習慣】【参考元:一般社団法人日本大腸肛門病学会 肛門の病気】【参考元:マルホ 医療関係者向けサイト 1.薬剤師が知っておくべき痔の診断と治療】【参考元:くすりと健康の情報局 by 第一三共ヘルスケア】
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