ヤーズとは?超低用量ピルの使い方や効果、効き目のタイミングを解説

ヤーズとは?超低用量ピルの使い方や効果、効き目のタイミングを解説 低用量ピル

ヤーズとは?2種類の配合錠

ヤーズとは?2種類の配合錠

ヤーズ配合錠は、低用量エストロゲン・プロゲスチン配合剤(LEP製剤)と呼ばれる薬剤です。LEP製剤は、低用量ピルと同じ成分を含んでいますが、避妊を目的に使用される低用量ピルよりもエストロゲンの量が少ないという特徴を持っています。有効成分として含まれている、ノルエチステロン(黄体ホルモン)およびエチニルエストラジオール(卵胞ホルモン)が卵胞の発達を抑制し、排卵を抑えることで月経時の痛みの軽減に効果が期待されています。
そのため、ヤーズ配合錠避妊ではなく、月経時の痛みを軽減するために使用されています。

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●ヤーズ

ヤーズは、超低用量ピル28日間1日1錠を毎日服用します。28錠のうち、4錠は飲み忘れのためのプラセボ錠となっています。プラセボ錠は錠剤ですが実際に薬の効果はない偽の薬です。従来の低用量ピルで起こっていた副作用がヤーズでは起こりにくいため、これまでピルを服用したくてもできなかった方におすすめです。月経困難症の改善だけではなく、ニキビの改善などにも効果を発揮するとされています。

商品名ヤーズ
画像マルチビタミン
有効成分エチニルエストラジオール0.02mg ドロスピレノン3mg
価格1箱あたり5,000円~
メーカー・ブランドBayer(バイエル)
URLヤーズの購入はこちら

ヤーズを使う理由

ヤーズを使う理由

ヤーズは主に「月経困難症」に使用される薬剤です。有効成分が排卵を抑制すると同時に、子宮内膜が厚くならないようにすることで、痛みの原因となるプロスタグランジンの産生を抑制します。生理痛の改善や、腰痛の改善頭痛の改善のために処方されます。

正しい飲み方と効果が出始めるタイミング

正しい飲み方と効果が出始めるタイミング

ヤーズの効果を最大限発揮するには、正しい服用を続けることが大切です。ヤーズは、1日1錠を毎日決められた一定の時間に、28日間連続で服用します。28日が1周期となっており、28日目が終わったら再び服用を開始します。
ヤーズの効果としては、7日間服用後8日目から効果があるとされています。ただし、途中で飲み忘れたりすると効果が薄れてしまうため、注意が必要です。また、初めてヤーズを服用するときには、生理が始まったその日から服用を開始することとされています。

以下に、効果を正しく出すために注意する服用のポイントをまとめています。

ヤーズ服用のポイント

  • 1日1錠28日間連続で服用し、1回の周期が終わったら再び28日の服用を繰り返す
  • 毎日一定の時間に服用する
  • 飲み忘れをしないよう気を付ける
  • 最初にヤーズを服用するときは、生理の1日目から服用を開始する。もし、1日目より服用が遅れてしまった場合は、最初の1週間はホルモン剤以外の避妊法を用います。

ヤーズの主な副作用

ヤーズの主な副作用

ヤーズは医薬品ですので、服用にあたっては副作用が出る可能性があります。最も多いものは、頭痛で41%ほど、次に悪心(29.8%)不正子宮出血(25.4%)というデータが添付文書記載の臨床試験から報告されています。ヤーズはホルモンバランスの変化をもたらすため、このような副作用が起こると考えられております。しかし、服用を続けていくと症状が落ち着くケースが多いとされていますが、もしなかなか良くならない場合はお近くの医療機関を受診してください。

体重増加・眠気

ヤーズ服用で体重増加や眠気が生じることがあります。臨床試験では1~5%未満の発現率となっていますが、こちらもホルモンバランスの変化が関係しています。飲み始めは特に体重の増加や眠気がでやすい傾向にあります。個人差が大きいといわれていますが、もし飲み続けるのが難しいほどの症状が出た場合には、医療機関を受診して相談しましょう。

血栓症

頻度はまれですが、ピル関連の副作用では血栓症が重大な副作用として出るケースがあります。血栓症とは血管の中に血栓という血の塊ができることで起こる疾患です。血栓症ができている場合、足のしびれほてり激しい胸の痛み激しい頭痛などの症状があらわれます。気になった場合には、すぐに服用を中止してください。

ヤーズの併用注意薬

ヤーズの併用注意薬

ヤーズには飲み合わせに注意するべき薬剤がいくつかあります。飲む薬剤によっては効果を強めてしまったり、弱めてしまったりする可能性があります。例えば、「HIVプロテアーゼ阻害剤」「非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤」ヤーズと一緒に服用することでヤーズの作用が弱まってしまうとされています。また、「副腎皮質ホルモン」「三環系抗うつ剤」ヤーズと一緒に飲むと、これらの薬剤の作用が強まってしまい、副作用も同時に強く出てしまうリスクがあります。
ヤーズとの飲み合わせに注意が必要な代表的な薬剤は以下の通りです。

併用注意薬リスク
副腎皮質ホルモン(プレドニゾロン等)
三環系抗うつ剤(イミプラミン等)
セレギリン塩酸塩
シクロスポリン
オメプラゾール
これらの薬剤が強くなる可能性があります。
テトラサイクリン系抗生物質(テトラサイクリン等)
ペニシリン系抗生物質(アンピシリン等)
リファンピシン
バルビツール酸系製剤(フェノバルビタール等)
ヒダントイン系製剤(フェニトインナトリウム等)
カルバマゼピン
ボセンタン
モダフィニル
トピラマート
セイヨウオトギリ ソ
ウ含有食品
ヤーズの効果減弱もしくは不正出血の発現率が高まってしまう可能性があります。
Gn-RH誘導体(ブセレリン酢酸塩等)薬剤の効果が弱まってしまう可能性があります。

ヤーズ配合錠とヤーズフレックス配合錠の違い

ヤーズ配合錠とヤーズフレックス配合錠の違い

ヤーズヤーズフレックス基本的に同じ有効成分を含んだ超低用量ピルです。しかし、服用可能期間や効果など、いくつか違いがありますのでご紹介します。

連続服用期間

ヤーズ1シートに28錠入っておりそのうち24錠が実薬、4錠がプラセボとなっています。一方、ヤーズフレックス1シート28錠すべてが実薬となっています。通常、プラセボ服用期間では、頭痛や乳房痛などのホルモン関連症状が出やすい特徴がありました。しかし、ヤーズフレックスではすべて実薬となっているため、連続して服用することが可能となっています。連続服用が可能な期間は最大120日間です。

効能・効果

ヤーズの効能・効果は月経困難症ですが、ヤーズフレックス月経困難症だけでなく、子宮内膜症に伴う痛みの改善でも効果が認められています。そのため、子宮内膜症の治療をする際には、ヤーズではなくヤーズフレックスを使用することで、保険適応の範囲内で治療をすることが可能となります。

よくある質問

Q
ヤーズフレックスでは120日間最大服用が可能ですが、120日出血を起こさなくて体に負担にはならないのでしょうか?
A

ヤーズフレックスを服用し続けることでもたらされるホルモンバランスは、妊娠中とよく似ているとされています。排卵を抑制するため、子宮内膜が厚くなることを防ぎます。結果、痛みなどの症状も和らげることにもつながります。妊娠中に出血が起こらなくても体が大丈夫なように、ヤーズフレックスを服用して体に問題となることはありません。むしろ、月経困難症の治療をしていく際には、痛みを伴う出血を減らした方がよいという考え方もあります。

Q
 飲み忘れた場合はどうしたらよいでしょうか?
A

前日の飲み忘れに気が付いたときには、すぐに前日分を服用してください。当日飲む分もいつも服用している時間帯に飲んでください2日以上服用を忘れてしまった時には、気が付いた時点で前日分の1錠を服用して、当日の錠剤もいつも通りの時間で服用してください。その後は通常の服用スケジュールに合わせてください。

Q
服用に注意しなければならない患者さん背はどのような方でしょうか?
A

肥満の患者さんや喫煙者の患者さんは、心筋梗塞などの障害が起こりやすくなるため注意してください。また、血栓症の家族歴がある方は血栓症になりやすい可能性があります。てんかんを持っている患者さんも症状が増悪する可能性がありますので、症状の変化を見ながら投与をしてください。

Q
避妊目的で使用してもよいでしょうか?
A

ヤーズは避妊に使用される低用量ピルよりも、ホルモンが少ない薬剤となっています。その分副作用が起こりにくいというメリットもありますが、避妊には適応を取得していません。月経困難症の改善に使用するようにして、避妊を目的とする際には別の薬剤を使用してください。

Q
副作用の1つである「血栓症」を防ぐ方法はありますか?
A

血栓症は、症状が出ていないかこまめにチェックすることに加えて、着圧ソックスをはく座りっぱなしを避けまめに動くようにする、などを意識すると良いでしょう。特に、長時間オフィスなどで座り続けていると、静脈にたまった血液が固まりやすくなります

最後に

最後に

ヤーズは服用を続けることで、月経困難症の改善に効果が期待される薬剤です。月経痛に悩む女性は非常に多く、ひどいとQOLを低下させてしまう原因にもなります。ヤーズは、副作用も他のピルと比較して出にくいとされていますので、もし、月経困難症の症状にお困りの方はヤーズの服用を検討してみてください。

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