ニキビでもあせもでもない?夏にかけて増える肌トラブル「マラセチア毛包炎」について解説

ニキビでもあせもでもない?夏にかけて増える肌トラブル「マラセチア毛包炎」について解説 皮膚の病気

マラセチア毛包炎とは

マラセチア毛包炎とは

マラセチア毛包炎は、マラセチアと呼ばれる真菌が原因で発症する疾患です。医学的には癜風(でんぷう)と呼ばれることもあります。胸や背中など顔以外の部位にニキビやあせものような吹き出物が出ている場合はマラセチア毛包炎かもしれません。マラセチア毛包炎は治療を行えば症状がしっかりと改善していく疾患です。原因や症状について、本コラムを通じて正しく理解していきましょう。

マラセチア毛包炎の原因と症状

原因

マラセチア毛包炎の原因はマラセチアと呼ばれる真菌です。マラセチアは人間の皮膚にいるカビの一種で、活発化すると毛穴で炎症を起こします。脂漏性皮膚炎の原因となることでも知られています。マラセチアは皮脂をエサにしているため、汗のかきやすい夏で出やすく、皮脂が多く分泌されやすい胸や背中あたりを好みます。

症状

症状としては、背中や胸にニキビのような赤い炎症が起きます。ニキビにそっくりですが、かゆみを伴うことが多く、表面がてかてかと光沢しています。膿が中にたまっているため、炎症の真ん中が黄色いという特徴もあります。ニキビは白いニキビや赤いニキビがさまざま混ざりますが、マラセチア毛包炎の場合はほぼすべての大きさや見た目が同じです。

マラセチア毛包炎がでやすい部位

マラセチア毛包炎の治療法と治療薬

マラセチア毛包炎の治療法と治療薬

マラセチア毛包にはまず、塗り薬(外用薬)を使用していきます。1~2カ月ほどで治るケースがほとんどですが、改善しない場合は飲み薬(内服薬)を使用します。痛みを伴う場合には短期間ですがステロイド外用薬を併用することもあります。

塗り薬(抗真菌薬)

ケトコナゾールルリコナゾールが主に使用されます。真菌の細胞膜の合成を抑えることで症状を改善していきます。ケトコナゾールはローションタイプやクリームタイプがあり、ご自身の生活スタイルに合わせて選ぶことができます。ルリコナゾールは作用時間が長いため、1日1回の使用で高い効果が期待できます。

<関連商品①>
ケトラルクリーム

ケトラルクリームは、Bilim iLAC社が開発した、外用抗真菌剤です。ニゾラールクリームと同じ有効成分のケトコナゾールを含有しています。皮膚への負担が少ないクリームタイプで非常に使いやすいのが特徴です。
本商品は、塗り薬になりますので、基本的には皮膚に感染する真菌に対して抗菌力があります。日常で感染する皮膚真菌症には、白癬(水虫)カンジダなどがあり、ケトラルクリームは、このような真菌を殺菌するために使われています。抗真菌薬の中でもケトラルクリームは、白癬、カンジダ、癜風など、各種真菌に対して、幅広く効果があります。また、癜風により発症する脂漏性皮膚炎の適応薬となり、唯一の抗真菌薬になります。効力も強く、確実な効果が期待できると言われています。

商品名ケトラルクリーム
画像ケトラルクリーム
有効成分ケトコナゾール2%
メーカーBilim ilac san(ビリマイラクサン)
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<関連商品②>
ルリコナゾールクリーム

ルリコナゾールクリームは、イミダゾール系の抗真菌薬でルリコンクリームのジェネリック医薬品です。真菌(カビ)の増殖を抑える働きがあります。幅広い抗真菌スペクトルを持ち、強い抗真菌活性を特徴とし、水虫の原因菌である白癬菌を殺菌的に作用するので、きちんと治療すれば完全に治せます。
水虫の原因となる白癬菌(はくせんきん)(皮膚糸状菌)カンジダ菌は真菌というカビの一種で、白癬菌は人間の皮膚の一番外側の成分ケラチンを栄養として繁殖します。これらの真菌はエルゴステロールという物質で細胞膜を構成しています。有効成分であるルリコナゾールがこの物質エルゴステロールの働きを阻害することにより真菌の細胞膜の生成を抑え、繁殖や増殖を抑えます。真菌の細胞膜と人間の細胞膜の作りは異なるため、ルリコナゾールが人間の細胞の生成を抑えることはありません。
直接患部に塗りますが、作用持続時間が長いため、1日1回の塗布で効果が期待される点が特徴です。入浴後に塗ることをおすすめしています。

商品名ルリコナゾールクリーム
画像ルリコナゾールクリーム
有効成分ルリコナゾール1%
メーカーHealing Pharma(ヒーリングファーマ)
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<関連商品③>
ケラグロ-ADローション

ケラグロ-ADローションは、Ipca(アイピーシーエー)社が販売している、ケトコナゾールを2%配合したローションタイプの抗真菌薬です。ニゾラールと同じ有効成分を配合しており、主に、皮膚の真菌を殺して、水虫やカンジダを予防・治療することができます。界面活性剤やアルコールは無添加ですので安心してご使用いただけます。※ご注文時期により、いずれかのパッケージでの発送となります。

商品名ケラグロ-ADローション
画像ケラグロ-ADローション
有効成分ケトコナゾール2%
メーカーIpca(アイピーシーエー)
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飲み薬(抗真菌薬)

塗り薬で2週間ほど効果がみられない場合は、飲み薬を使用していきます。飲み薬は血中から有効成分が広がっていくため、高い効果が期待できます。塗り薬と同じく抗真菌薬の内服がおすすめで、1カ月ほど服用し効果を確認します。

<関連商品①>
ニナゾール

ニナゾールは、ケトコナゾールのジェネリック医薬品です。ニナゾールは内服薬で1日1錠を数日間服用します。カンジダ以外にも水虫マラセチアなどでも使用されている抗菌薬です。

商品名ニナゾール
画像ニナゾール
有効成分ケトコナゾール200mg
メーカーT.O.PHARMA(トゥーファーマ)
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塗り薬(ステロイド)

もしかゆみが強い場合、ステロイド外用薬も併用していきます。長期的に使用するのではなく、短期集中的に使用します。ステロイドは効果が弱いものから強いものまでありますので、まずは弱いものから使用していくのがおすすめです。

<関連商品①>
ベトノベートスキンクリーム

ベトノベートスキンクリームは、GlaxoSmithKline(グラクソ スミスクライン)社が開発した、炎症性皮膚疾患に使われているステロイド外用薬です。有効成分の「ベタメタゾン吉草酸エステル」は、皮膚の炎症にすぐれた効き目を発揮します。主にアトピー性皮膚炎、虫刺され、かぶれ、湿疹等の治療に使用されてます。また、患部を保護する油性基剤なので、じゅくじゅくした患部にも使用できます。

商品名ベトノベートスキンクリーム
画像ベトノベートスキンクリーム
有効成分ベタメタゾン吉草酸エステル0.1%
メーカーGSK(グラクソ・スミスクライン)
購入ページベトノベートスキンクリームの購入ページはこちら

治療薬の副作用

抗真菌薬は医薬品であるため、副作用が出る可能性があります。外用薬では、皮膚の赤みやかゆみ、かぶれなどの皮膚トラブル、内服薬では胃腸障害や肝機能の数値異常があげられます。塗り薬の場合は、皮膚に異常があらわれたらすぐにお近くの医療機関を受診してください。内服薬の場合は、薬剤を飲み始めてから食欲がわかなかったり、気持ち悪さを伴う場合は、消化器官に異常が起こっていないか検査してもらうことが大切です。
 

種類起こりやすい副作用
抗真菌薬外用薬皮膚のかぶれ、かゆみ、接触皮膚炎
抗真菌薬内服薬胃腸障害、皮膚反応、肝機能検査値異常

マラセチア毛包炎の対処・予防法

マラセチア毛包炎は高温多湿な気候である夏に悪化します。そのため、シャワーをこまめに浴びる、汗をかいた衣服はすぐに変える、マラセチアに効果的なボディーソープを使用することがあげられます。症状が消えた後も再発することがありますので、マラセチアが活性化しにくい生活習慣を取り入れていくことが大切です。

通気性のよい衣服を選ぶ

汗でぬれた服をそのまま着ているとカビが発生しやすく、マラセチアの発症リスクが高まります。そのため、汗をかいてもすぐに乾く服を夏場は選ぶと良いでしょう。もし汗をかいてしまった場合にはこまめに変えるようにしましょう。

シャワーを高い頻度で利用する

汗や皮脂がたまるとマラセチアが繁殖しやすくなります。特に夏場は汗をかいたらすぐにシャワーを浴びるようにしましょう。ゴシゴシと洗うのは肌への負担となりますので、優しくボディソープを使って洗いましょう。

マラセチア殺菌作用のあるボディーソープを使用する

マラセチア菌に効果的な成分が含まれているボディーソープを使用すると、症状が出にくくなります。ミコナゾール硝酸塩配合のものがおすすめで、予防的に使用すると良いでしょう。

ひどい症状の場合は病院へ

ご相談下さい

肌の炎症や赤みがひどい場合には病院の受診をおすすめします。一般的に塗り薬は2週間ほどで、飲み薬は1カ月~2カ月ほどで効果判定できると考えられています。治療を続けても治らない場合には、別の病気が隠れていたり、薬があっていない可能性があります。全然症状が改善しない、患部が悪化しているといった場合には専門医にご相談ください。

マラセチア毛包炎に関するよくある質問

よくある質問
Q
マラセチア毛包炎の診断はどのようにしますか?
A

マラセチア毛包炎の患部を一部とり、顕微鏡で観察して見つけます。ニキビとの区別をするために検査が行われることがありますが、基本的に積極的には実施されず塗り薬の反応を見て確かめることが多いとされています。

Q
抗真菌薬を使用してはいけない人はいますか?
A

以前、同一の種類(イミダゾール系)の薬剤を使用して副作用が出た経験のある方は、同じ症状が出てしまう可能性があるので使用を控えましょう。妊娠中や授乳中の方はどうしても使用が必要な時以外は控えるようにしましょう。

最後に

マラセチア毛包炎は、マラセチア菌が原因で起こる疾患です。ニキビやあせものような発疹・炎症が代表的な症状ですが、かゆみ伴う・見た目が同じ大きさであるという特徴があります。もし、胸や背中周辺に改善しない発疹が出ている場合はマラセチア毛包炎かもしれません。しっかりと治療をしていけば改善する疾患ですので、予防や対処法を行っていきましょう。

出典

持田ヘルスケア株式会社 背中ニキビ(身体ニキビ)の原因はカビ?マラセチア毛包炎の症状や治療方法について
MedicalNote マラセチア毛包炎 

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