女性ホルモンを女性が服用すると胸は大きくなる?服用の効果と乳がん・血栓症のリスク

ホルモン

女性にとって、バストの悩みは非常にデリケートで深いものです。「もっと理想の形に近づけたい」「ボリュームをアップさせたい」と考えたとき、選択肢として浮かび上がるのが「女性ホルモンの服用」ではないでしょうか。
本記事では、女性が女性ホルモンを服用することでバストにどのような変化が起きるのか、そのメカニズムから副作用のリスクまで、解説していきます。

女性が女性ホルモンを飲むと胸は大きくなるの?

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結論、女性ホルモンを服用することで「胸が大きくなった」と感じる可能性は十分にあります。
しかし、それは純粋に乳腺や脂肪組織が恒久的に増大したというよりも、ホルモン作用による一時的な身体の変化である側面が強いのが実情です。

女性の胸は、主に母乳を作るための「乳腺」と、それを保護するように包み込む「脂肪」で構成されています。
女性ホルモンの一種であるエストロゲン(卵胞ホルモン)には、この乳腺を刺激して発達させる働きがあります。
また、もう一つの主要なホルモンであるプロゲステロン(黄体ホルモン)には、体内に水分を溜め込み、乳腺をふっくらと膨らませる作用があります。
経口避妊薬(低用量ピル)や更年期障害の治療に用いられるホルモン補充療法などで外部からこれらのホルモンを取り入れた場合、これらの相乗効果によって胸に強い張りが出たり、わずかにサイズが増したりすることがあります。

女性ホルモンが体全体に与える影響

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女性ホルモンは、単に胸の大きさを左右するだけのものではありません。脳、骨、血管、皮膚、そして精神状態に至るまで、全身のバランスを司る強力な化学物質です。

エストロゲン(卵胞ホルモン)の役割

「美のホルモン」とも呼ばれるエストロゲンは、以下のような働きを担っています。

自律神経の安定

気持ちを前向きにし、情緒を安定させます。

血管・骨の保護

血管の柔軟性を保ち、骨密度を維持して骨粗鬆症を防ぎます。

肌や髪の潤い

コラーゲンの生成を助け、肌のハリや髪のツヤを保ちます。

プロゲステロン(黄体ホルモン)の役割

「妊娠を助けるホルモン」であるプロゲステロンは、以下のような働きをします。

体温の上昇

排卵後から生理前にかけて基礎体温を上げます。

水分の保持

体内に水分や栄養を蓄えようとします。これが生理前の「むくみ」や「食欲増加」の原因となります。

外部からこれらを摂取するということは、これら全身のシステムに介入することを意味します。
胸という一点だけに作用させることは現代医学でも難しく、全身に何らかの影響が及ぶことは避けられません。
エストロゲン・プロゲステロンについてもっと詳しく知りたい方は下記のコラムをお読みください。

<関連商品①>
●プレモン
プレモンは低価格で購入できる人気の女性ホルモン剤になります。更年期障害の治療などによく使われる、『プレマリン』と同様の成分エストロゲンが含まれております。
主成分である、エストロゲンを補充することで、女性の方が閉経後に体の中で女性ホルモンを作れなくなることで発症する更年期障害によった腰痛・肩こり・多汗・冷え・動悸・イライラなどの不快な症状を改善し、女性ホルモンを安定させる働きがあります。
病院でよく処方されるのが、『プレマリン』というホルモン剤になりますが、『プレモン』はプレマリンと同様の成分で値段の安いジェネリック医薬品になります。

商品名プレモン
画像プレモン
有効成分結合型エストロゲン0.625mg/1.25mg
価格00.625mg:1錠あたり20円~
1.25mg:1錠あたり32円~
メーカーWest-Coast Pharmaceutical Works Ltd(ウエストコースト)
購入サイトプレモンの購入ページ

<関連商品②>
●エチニラ
エチニラは、女性ホルモン低下が原因で起こる様々な症状を改善する『合成卵胞ホルモン剤』です。主に月経不順や無月経、生理痛の改善、不妊症などに用います。
また、有効成分のエチニルエストラジオールは避妊薬のピルにも使用されている成分です。
女性ホルモンには、エストロゲン「卵胞ホルモン」とプロゲステロン「黄体ホルモン」があります。エチニラに含有されている主成分のエチニルエストラジオールは、エストロゲンです。エストロゲン「卵胞ホルモン」の減少が更年期障害の原因になるため、定期的に補充することで更年期障害の症状を緩和します。また、男性の場合は前立腺がんの治療薬としても使われています。
他にも、性同一性障害「MtF」の人がエチニラを服用することで、女性ホルモンの効果により、女性らしい身体つきになるため、使用しているケースも多いです。

商品名エチニラ
画像エチニラ
有効成分エチニルエストラジオール0.05mg
価格0.05mg:1個あたり28円~
メーカーLloyd Laboratories Inc.(ロイドラボラトリーズ)
購入サイトエチニラの購入ページ

<関連商品③>
●マレフェMTF
マレフェMTFはプロベラのジェネリック医薬品で、黄体ホルモンとして働く「黄体ホルモン薬」です。
黄体ホルモンの不足やバランスのくずれで起こる様々な症状を改善します。
黄体ホルモンとは、排卵後に卵胞から変化した黄体から分泌されるもので、子宮内膜を充実させて受精卵が着床しやすい状態にしてくれます。
着床後も分泌が続き、妊娠を維持する働きをします。
黄体ホルモンを補うことにより、生理不順や無月経、機能性子宮出血、黄体ホルモンの不足による不妊症の改善、流産の防止薬にもなります。

商品名マレフェMTF
画像マレフェMTF
有効成分メドロキシプロゲステロン酢酸エステル10㎎
価格10mg:1錠あたり19円~
メーカーWest-Coast Pharmaceutical Works Ltd(ウエストコースト)
販売ページマレフェMTFの購入はこちら

<関連商品④>
●オエストロジェル
主成分のエストロゲンは別名「美人ホルモン」とも呼ばれています。女性らしいカラダや胸の膨らみはエストロゲンの効果です。オエストロジェルは更年期障害に効果があります。
オエストロジェルは、減少した体内のエストロゲンの量を通常に戻し、頭痛やめまい、イライラ感などの症状を抑える効果がある治療薬です。また、エストロゲンが少なくなることは妊娠にも影響します。直接、首・両腕や肩など上半身に塗るので、安定した効果があります。使用後は女性らしい潤った肌を取り戻します。
また、女性ホルモンの働きで大きくなることがあります。(個人差があるので過度の期待は禁物です)
基本的には女性用ですが、性別不合(Gender Dysphoria)に対するホルモン療法の一環として使用されることがあります。
※乳房に塗布した場合でも、薬剤は皮膚から吸収され全身に作用します。
特定部位のみを大きくする効果は医学的に証明されていません。

商品名オエストロジェル
画像オエストロジェル
有効成分エストラジオール0.06%
価格1本あたり4,380円~
メーカー・ブランドLaboratoires Besins International(ベシン・インターナショナル)
URLオエストロジェルの購入はこちら

効果に個人差が出る理由

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同じ種類の女性ホルモン製剤を同じ量だけ服用したとしても、その反応には驚くほど大きな個人差が生じます。
ある人は「劇的に胸が張った」と感じる一方で、別の人は「全く変化がないどころか体調が悪くなっただけだった」という結果になることも珍しくありません。
この差が生まれる最大の要因は、細胞レベルでの「感度」の違いにあります。

ホルモンがその効果を発揮するためには、細胞内にある「受容体(レセプター)」という鍵穴のような場所に結合する必要があります。この受容体の数や感度は、遺伝的要因や年齢によって一人ひとり異なります。
乳腺に受容体が多い人は、少量のホルモン投与でも敏感に反応して胸に変化が現れやすいですが、受容体が少ない人の場合、どれだけ外部からホルモンを補充してもサイズに変化が出ることはありません。
また、体脂肪率や代謝機能も影響を与えます。女性ホルモンは脂溶性であるため、脂肪組織の量によって蓄積のされ方が変わります。
さらに、服用した成分は肝臓で代謝されますが、この分解スピードが速い体質の人では、期待する部位にまで成分が十分に届かないケースもあります。
そもそも、すでに体内で自前のホルモンが十分に分泌されている健康な若年層の場合、受容体はすでに飽和状態にあることが多く、追加で服用してもメリットが得られないばかりか、自律神経を乱して体調を崩すリスクだけが高まってしまうのです。

どれくらいの期間で変化が出る?

もし、ホルモン療法(更年期障害の治療や低用量ピルの服用など)を開始して胸に変化が現れる場合、そのタイミングは一般的に「服用開始から1ヶ月〜3ヶ月程度」と言われています。

初期段階
(1ヶ月目)
体内のホルモン濃度が急激に変化するため、胸の張り、痛み(乳房痛)、違和感を覚えやすくなります。
安定期
(3ヶ月〜半年)
身体が外部からのホルモンに慣れてきます。この時期に「少しカップが上がった」と感じる方が多いようです。

ただし、前述の通り、これは「乳腺がホルモン刺激により一時的に肥厚・浮腫を起こしている状態」あるいは「水分を溜め込んでいる」状態であることが多く、1年、2年と飲み続けたからといって、右肩上がりに胸が大きくなり続けることはありません。
ある程度のところで変化は止まり、服用をやめれば元に戻るのが一般的です。

知っておきたい副作用とリスク

女性ホルモンを服用することで気を付けるべき副作用についてご紹介します。

乳がん・子宮体がんのリスク

長期間の使用や高用量投与では、乳がんや子宮体がんのリスクがわずかに上昇する可能性があることが報告されています。
これにより、乳がんや子宮体がんの発症リスクを高める可能性があることが、多くの研究で指摘されています。
特に、医師の管理下でない服用は、早期発見の機会も失うため非常に危険です。

参考元

National Cancer Institute | Menopausal Hormone Therapy and Cancer Risk

血栓症(血管が詰まる病気)

最も警戒すべき副作用の一つが血栓症です。女性ホルモンには血液を固まりやすくする作用があります。
「深部静脈血栓症」と呼ばれる足の血管に血の塊ができる病気や「肺塞栓症」と呼ばれる飛んだ血栓が肺の血管に詰まる病気には注意が必要です。特に肺塞栓症は命に関わる重大な事態です。
喫煙習慣がある方や高血圧の方は、リスクが飛躍的に高まります。

不正出血と生理不順

外部からホルモンを入れることで、本来の生理サイクルが崩れます。予定外の時期に出血が起きたり、逆に生理が止まってしまったりすることがあります。

体重変化とむくみ

「胸が大きくなる」のと同時に、下半身や顔がむくんだり、脂肪がつきやすくなったりして、全体的に「太った」と感じるケースも多いです。
これはプロゲステロン作用による水分貯留や、代謝の変化によるものです。

バストアップ目的で女性ホルモンは処方されない理由

バストアップ目的で女性ホルモンは処方されない理由画像

なぜ日本の医療機関では、バストアップだけを目的とした女性ホルモンの処方を行わないのでしょうか。その最大の理由は、医療の本質が「健康な状態を損なっている疾患の治療」にあるからです。
医学的な観点から言えば、バストが小さいことは病気ではありません。
一方で、先ほど挙げた血栓症やがんのリスクは、健康な身体を根底から脅かすものです。治療の必要がない状態に対して、生命を脅かす可能性のある薬を投与することは、医療倫理において利益よりも不利益が圧倒的に上回ると判断されます。
また、バストアップを目的とした場合、どうしても高用量のホルモンを求めがちになりますが、用量が増えれば増えるほど、副作用のリスクは跳ね上がります。
厳密な血液検査や定期的ながん検診を行わないまま、ホルモン剤を使用することは、安全の観点から推奨されておりません。

よくある質問

よくある質問
Q
低用量ピルを飲んでいたら胸が大きくなりました。ずっとこのままですか?
A

服用を続けている間は維持されることが多いですが、服用をやめるとホルモンバランスが元の状態に戻るため、胸のサイズも元に戻ることがほとんどです。
また、飲み続けるうちに身体が慣れ、張りが落ち着いてくることもあります。

Q
食べ物(豆乳など)で胸を大きくできますか?
A

大豆イソフラボンはエストロゲンに似た構造を持ちますが、その作用は非常に穏やかです。
健康維持には役立ちますが、食事だけで劇的にバストサイズを変えるほどのホルモン作用を得ることは、現実的には難しいと言えます。

Q
バストを大きくするために気を付けるべき生活習慣はありますか?
A

食事では、極端なダイエットを避け体脂肪率を20%前後に保つことや、魚やナッツ類などタンパク質を毎食入れることが大切です。
また、ストレスや喫煙、過度な飲酒などホルモンを乱す行動を控えることで、バストアップに必要な脂肪を保ちつつホルモンバランスを整えることが可能です。

最後に

女性ホルモンを服用することで、乳腺が刺激されたり身体に水分が蓄えられたりし、結果として胸に張りが出て大きくなったように感じることは事実です。
しかし、それはあくまで「全身を巡るホルモン作用の副次的な結果」に過ぎず、魔法のようにバストだけを理想の形に変えてくれるものではありません。
服用によって得られるかもしれない一時的な変化の裏には、血栓症やがんのリスク、自律神経の乱れ、そして服用を止めた途端に元に戻ってしまうという、大きな対価が潜んでいます。
もし、ホルモンバランスの乱れによる心身の不調があり、治療の過程でバストの変化に関心がある場合は、決して自己判断で薬を手にせず、婦人科の専門医に相談してください。

出典

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