副鼻腔炎とは?症状・治療方法について解説!

副鼻腔炎とは?症状・治療方法について解説! 病気・症状

副鼻腔炎とは

副鼻腔炎は別名「蓄膿症(ちくのうしょう)」とも呼ばれています。
一般的には蓄膿症の方が聞きなれているかもしれませんが、どちらも同じ疾患を意味します。

副鼻腔炎は、風邪を引いたときのウイルスや細菌、またアレルギー物質などをきっかけに、鼻の奥にある副鼻腔という空洞に炎症が起こる病気をいいます。
風邪をひいた時に鼻づまりや鼻水が出るのは、鼻の中で炎症が起き、鼻粘膜が腫れて副鼻腔と鼻の間の細い通路(自然口)がふさがるためです。
この通路がふさがると副鼻腔内の分泌物や異物が排泄できなくなってしまい、膿や鼻水が溜まってしまいます。こうして起きるのが「副鼻腔炎」になります。

※副鼻腔とは
鼻の奥にある空洞のことです。鼻の周囲には左右それぞれ4つずつ、合計8つの空洞があります。
これらの副鼻腔は、鼻の通り道(鼻腔)とつながった細い管で結ばれています。
この管のことを「自然口」と呼んでいます。副鼻腔内で発生した異物やムダな分泌物は、この自然口を通じて鼻腔内に排出され、鼻水として体の外に出ていきます。
この働きを担っている箇所が副鼻腔になります。

副鼻腔炎の種類をまとめると以下の通りです。

症状急性副鼻腔炎慢性副鼻腔炎
非好酸球性副鼻腔炎好酸球性副鼻腔炎
期間発症から4週間以内発症から3ヶ月以上

好酸球性副鼻腔炎

好酸球性副鼻腔炎は、副鼻腔炎のなかでも治りにくく再発しやすい難治性の炎症性疾患です。好酸球という特定の白血球の数が多いのが特徴です。
喘息を合併しているケースも多く、完治が難しい長期治療が必要な病気です。重症例は国の指定難病に指定されており、治療費の助成制度が利用できます。
手術による症状の改善が期待できますが、再発することがあります。2020年からは再発例に対して最新の生物学的製剤による治療も可能になりました。
また、難治性の中耳炎を伴うケースもあるため、耳鼻咽喉科での専門的な診断と治療が大切です。気になる症状が続く場合は医療機関を受診しましょう。

非好酸球性副鼻腔炎

非好酸球性副鼻腔炎は、これまで一般的だった副鼻腔炎です。原因や病態はさまざまで、アレルギーや鼻中隔の歪みなどが関係しているとされます。
治療は、マクロライド系の抗生物質を少量で長期に服用することが基本です。
合わせて原因に応じて、アレルギー用の薬や鼻ポリープ(大きな鼻茸)がある場合は手術を行うこともあります。
鼻中隔の歪みに起因する場合、抗生物質内服では限界があるので手術による根本治療が必要なことがあります。また抗生物質で効果が不十分な場合も手術適応になります。
非好酸球性副鼻腔炎は種類がさまざまですが、治療方針を患者個々に応じて立てていくことが大切だと考えられています。

日本では年間100万人以上が新たに慢性副鼻腔炎を発症していますが、そのうちの約2万人が好酸球性副鼻腔炎と診断されています。
好酸球性副鼻腔炎はまれな病気ではありませんので、治りにくい副鼻腔炎を抱える場合は一度検査を受けてみることをおすすめします。

副鼻腔炎の症状

副鼻腔炎の症状画像

副鼻腔炎の主な症状は下記になります

①鼻づまり

鼻の奥の粘膜が腫れることで鼻呼吸が妨げられ、鼻づまりを感じる。鼻腔内の異物感や圧迫感を訴える人もいます。

②鼻水

初期は水様性の透明な鼻水が出ますが、徐々に黄色や緑色をした膿性の鼻水に変化します。濃厚な匂いを伴うこともあります。

③頭痛

前頭部を中心にした頭痛があるほか、側頭部、上顎、眼窩(がんか)周囲などにも痛みを訴える。

④顔面痛

上あご、歯、目の奥や眉間に痛みや圧迫感がある。歯痛と間違えるケースもあります。

⑤嗅覚障害

鼻腔内の炎症により、においの種類が判別しづらくなったり、全く匂えなくなります。

⑥後鼻漏(こうびろう)

鼻水がのどまで流れてくることで、咳き込みやむせが発生します。まれに咽頭炎や気管支炎の原因になることもあります。喉の違和感を訴える人も多いです。
その他発熱などの症状もあります。

副鼻腔炎の症状のレベル

副鼻腔炎の症状のレベル画像

副鼻腔炎の症状は、軽症から重症まで段階的に進行していきます。
そのレベルは以下の通り5段階の症状レベルに分けることができます。

レベル1

風邪やカビ・花粉・アレルギーなどが原因となり、鼻炎症状が出現します。鼻づまり、鼻水等の自覚症状が発生します。

レベル2

副鼻腔における自然光の通りが悪化し、菌が繁殖し始めます。まだ自覚症状なし。

レベル3

副鼻腔内の菌増加により粘膜が炎症を起こします。鼻炎症状が続くようになります。

レベル4

症状がさらに悪化し、炎症が進行し、膿が発生します。黄色い鼻水等の目に見える症状が出現するようになります。

レベル5

膿がたまり、副鼻腔内でさらに炎症が悪化します。頭痛等の強い症状が出現するようになります。

このように、副鼻腔炎は初期症状が軽微なこともあり要注意です。鼻周囲の強い痛みや膿性鼻水が出た場合は早めの受診が大切です。

副鼻腔炎の治療方法

治療方法は主に保存療法(薬物療法)と手術療法の2種類があります。

保存療法(薬物療法)

慢性副鼻腔炎の基本的な薬物療法として、マクロライド系抗生物質を少量で長期投与する「マクロライド少量長期療法」があります。
これは抗生物質の一種であるマクロライド系の薬を、通常の半量を2週間から数ヶ月間服用する治療法です。抗菌力が弱められていることで長期使用しても安全性が高い特徴があります。
マクロライド系薬剤は粘膜細胞の働きを正常化させ、鼻水や喉の症状を徐々に改善させます。加えて、抗炎症薬や鼻腔洗浄などの治療を組み合わせることが多いです。
鼻汁吸引療法では、吸引機で詰まった鼻水や膿を吸引する方法があります。
更には、ネブライザー療法といって、抗生物質や血管収縮剤などの薬を細かい粒子にして副鼻腔まで届きやすくなるように蒸気を鼻から吸う療法などもあります。
慢性副鼻腔炎に対しては、症例に応じて最適な薬物療法を専門医が設計します。自覚症状が改善しない場合は再診が必要です。

市販薬で購入できる医薬品

商品名チクナインaチクナインc点鼻スプレーロートアルガード鼻炎内服薬ゴールドZナザールスプレー荊芥連翹湯エキス錠Fクラシエ
製造販売元小林製薬(株)小林製薬(株)ロート製薬(株)佐藤製薬株式会社クラシエ(株)
添付文書ページへページへページへページへページへ

個人輸入で購入できる医薬品

商品名ゾクラー【クラリスロマイシン】ムルヒノール【ムコダインジェネリック】モンテア【シングレアジェネリック】エリアス【デザレックスジェネリック】アフリン点鼻薬オトリビン点鼻薬フルナーゼ点鼻薬
画像ゾクラー【クラリスロマイシン】ムルヒノール【ムコダインジェネリック】モンテア【シングレアジェネリック】エリアス【デザレックスジェネリック】アフリン点鼻薬オトリビン点鼻薬フルナーゼ点鼻薬
有効成分クラリスロマイシン250mg/500mgカルボシステイン375mgモンテルカスト4mg/5mg/10mgデスロラタジン5mgオキシメタゾリン塩酸塩0.05%キシロメタゾリン0.1%フルチカゾンプロピオン酸エステル0.05%
メーカーCipla(シプラ)Bangkok Lab & Cosmetic Co., Ltd.Cipla(シプラ)MSD(メルク・アンド・カンパニー)Bayer(バイエル)社GSKファーマGlaxo Smith Kline(グラクソスミスクライン)
購入ページゾクラー【クラリスロマイシン】の購入はこちらムルヒノール【ムコダインジェネリック】の購入はこちらモンテア【シングレアジェネリック】の購入はこちらエリアス【デザレックスジェネリック】の購入はこちらアフリン点鼻薬の購入はこちらオトリビン点鼻薬の購入はこちらフルナーゼ点鼻薬の購入はこちら

医療用医薬品

成分名クラリスロマイシンL-カルボシステインモンテルカストナトリウムフルチカゾンプロピオン酸エステルナファゾリン硝酸塩
商品名クラリス錠200ムコダイン錠250mg/ムコダイン錠500mgシングレア錠5mg/シングレア錠10mg/シングレアOD錠10mgフルナーゼ点鼻液50μg 28噴霧用/フルナーゼ点鼻液50μg 56噴霧用プリビナ液0.05%
製造販売元大正製薬株式会社杏林製薬株式会社オルガノン株式会社グラクソ・スミスクライン株式会社日新製薬株式会社

手術療法

薬物療法並びに局所療法を行いそれでも症状の改善が見られない場合には手術療法を検討します。
特に再発を繰り返すものや鼻茸があるものは重症化しやすく手術の対象となりやすいです。

手術療法①:ESS内視鏡副鼻腔手術

ESSとは内視鏡を用いた低侵襲な鼻内手術です。特殊な細いカメラと器具を鼻から挿入し、画像を見ながら病変部位を直接的に治療します。
従来の開放手術と比較すると、創が小さく回復が早い利点があります。また奥行きのある狭い空間も内視鏡で照らし出すことができ、正確な操作が可能です。
一方で、平面のモニター画面上での微細な操作が必要な技術的な難易度は高い手技です。熟練した技能と知識が求められます。
症例によって異なりますが、1週間以内の短期間の入院で治療可能な場合が多くなっています。低侵襲手術の代表例として注目されている手技といえます。

手術療法②:内視鏡下副鼻内整復術

鼻の奥にある鼻中隔や粘膜下の骨格構造が歪んでいると、鼻づまりや副鼻腔炎の悪化因子となります。
内視鏡下整復術は、細径の内視鏡カメラと器具を使い、鼻の中からこれらの骨や軟骨を正常な方向へ矯正する手術です。
鼻中隔弯曲症などに対して行われ、顔に外傷はなく出血も少量です。2~3泊の短期入院で治療可能です。
手術後は鼻腔内が広くなり、呼吸がスムーズになるなど鼻機能の改善が期待できる低侵襲な治療法といえます。

手術療法③:拡大前頭洞手術(難治性前頭洞炎に対する手術)

前頭洞は目の奥や頭蓋骨内にある鼻の奥の空洞です。この部分の炎症は頭痛や眼痛の原因になります。
以前は外からおでこを切開する鼻外手術が中心でしたが、最近では内視鏡と特殊な機器を使い、鼻の中から前頭洞にアプローチする拡大前頭洞手術が主流です。
皮膚に切開を入れずに洞内を拡大することで、治療と並行して顔の形や美容維持も可能です。技術の進歩により低侵襲な治療が受けられるようになってきました。
難治性の前頭洞炎に対して有効な手術法といえます。

番外編:医療費情勢制度について

慢性副鼻腔炎のなかでも、「好酸球性副鼻腔炎」は再発しやすく治りにくい病気です。そのため国の指定難病に定められています。
指定難病に認定された患者さんは、医療費の自己負担分が助成される制度が利用できます。
助成を受けるには、都道府県ごとに設置されている難病相談支援センターに申請し、医療受給者証の交付を受ける必要があります。
医療費の負担軽減に加え、副鼻腔炎に詳しい医療機関の情報提供などの支援も難病相談支援センターを通じて受けられます。治りにくい病気を抱える方はぜひご利用ください。

好酸球性副鼻腔炎(指定難病306) – 難病情報センター

副鼻腔炎に関するよくある質問

副鼻腔炎に関するよくある質問画像
Q
どんな人が副鼻腔炎になりやすいですか?
A

副鼻腔炎は誰にでも起こりえますが、特に次のような方が罹患しやすいと考えられています。
・アレルギー体質の人
・アレルギー性鼻炎やぜんそくの人
・小児期に頻回に上気道感染を繰り返した人
アレルギー体質者は鼻粘膜がもともと腫れやすい傾向にあり、鼻と副鼻腔をつなぐ穴がふさがりやすいことがリスクを高めていると考えられています。
治療には原因となるアレルギーへの対策が大切です。減感作療法などアレルギー症状を抑えることが予防にもつながります。

Q
副鼻腔炎で気を付けたい疾患はありますか?
A

副鼻腔炎ではまれですが、次の疾患に注意が必要です。
1)中耳炎:副鼻腔と中耳をつなぐ耳管から細菌が中耳に入り炎症を起こす
2)視力障害:目の奥の神経まで炎症が及び、物が二重に見えるなどの症状が出る
3)髄膜炎:副鼻腔の菌が脳腔や脊髄を覆う髄膜に炎症を起こし、重篤な病態
このような症状が出た場合は緊急で専門医の診療が必要です。副鼻腔炎が長引くようであれば早めに受診しましょう。

Q
副鼻腔炎の場合、市販薬の使用で気を付けなければいけないことはありますか?
A

市販されている鼻炎薬は鼻の通りを改善するのに十分な効果を得ることができますが、長期使用には注意が必要です。
多くの鼻炎薬に含まれる「血管収縮剤」には、使い過ぎることで逆に鼻粘膜を腫れさせる副作用があることが知られています。
効果が弱くなったり症状が悪化した場合は、使用を控えて専門医の診断を受けましょう。
本格的な治療が遅れると慢性化し、治りにくくなることがあります。
鼻炎薬はあくまで一時的な効果補助として活用し、慢性的な使用は避けた方が良いでしょう。

まとめ

副鼻腔炎は、鼻の奥にある副鼻腔で起こる炎症性疾患です。風邪やアレルギーをきっかけに、副鼻腔内に炎症が生じます。
急性と慢性の2つに分類され、特に慢性の場合は根治が難しく再発を反復する傾向があります。鼻づまり、頭痛、黄色い鼻水などを主症状とし、放置すると重症化する可能性があります。
治療法として、抗菌薬内服、鼻腔洗浄、抗アレルギー薬、手術療法などがあります。抗生物質の長期投与であるマクロライド療法が有効なことも多く、症例ごとに適切な治療が設計されます。
自覚症状が長引く場合は専門医の診断を受けることが大切です。副鼻腔炎を放置せず適切な治療を行うことで、症状の改善や進行防止が期待できます。

出典

副鼻腔炎(MSDマニュアルプロフェッショナル版)
好酸球性副鼻腔炎(難病情報センター)
一般社団法人日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会
副鼻腔炎(MSDマニュアル家庭版)
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