成分名 |
アリルエストレノール |
適応症状 |
前立腺肥大症 |
簡易説明 |
アリルエストレノールは、前立腺肥大症の治療に使用される黄体ホルモン剤になります。
合成黄体ホルモン薬ですが、高用量で男性ホルモンであるアンドロゲンを抑制するので、抗男性ホルモン薬・抗アンドロゲン薬に分類されます。男性ホルモンを阻害し、前立腺肥大の症状を抑制して、肥大結節を小さくする作用があります。
前立腺肥大症は男性ホルモンが関与しており、アリルエストレノールは、男性ホルモンを抑制して前立腺を小さくするのですが、元の大きさの70%ほどに縮小する場合があります。
症状の原因自体は治療できない為、投薬を中止してしまうと元に戻ってしまう事が多い症状です。 |
処方可能な診療科目 |
泌尿器科 |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約3,000円~10,000円
薬代1錠あたりの目安:25mg1錠:102.5円/錠
薬代後発薬1錠の目安:25mg1錠:24.1円/錠
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
発売開始 1990年 |
国内のジェネリック認可 |
国内ジェネリック認可あり |
関連製品(先発薬) |
パーセリン錠25mg【製薬メーカー:MSD】 |
関連製品(ジェネリック) |
アリルエストレノール錠25mg「サワイ」 沢井製薬
コバレノール錠25 小林化工
メイエストン錠25 東和薬品
ペリアス錠25mg 日本新薬 |
海外での使用実績 |
アリルエストレノールは1960年に開発されました。世界61ヵ国で妊娠維持の作用
があるお薬として使用されていました。
国内でも妊娠、月経に関する症状に有効性のあるお薬として使用開始され、のちに前立腺肥大症にも効果があると研究結果が発表されて、新たに1990年に承認を受けた医薬品です。
前立腺肥大治療薬として30年ほど使用されているため、その効果や安全性は確率されている薬です。 |
効果・作用 |
アリルエストレノールは前立腺肥大症に用いられる薬です。
男性ホルモンの働きを阻害する効果が三つあり、肥大した前立腺を縮小させたり、肥大結節縮小の働きがある薬で、抗アンドロゲン薬に分類されています。
継続服用する事で、前立腺肥大を抑制し、圧迫を緩和する事で排尿に関する障害を改善します。
前立腺肥大症とは、尿道周りの前立腺が肥大化する事で尿道を圧迫してしまい、残尿感や尿意の低下などの様々な排尿障害を起こしてしまう病気です。
前立腺はホルモンの影響を受けやすく、ホルモンバランスが崩れると細胞が内部で増殖してしまい、肥大化が起きてしまうのです。
高齢者に多く見られる症状である事から、加齢によるホルモンバランスの変化が大きな原因となっている可能性があると言われています。
アリルエストレノールは抗アンドロゲン作用をもたらし、男性ホルモンの働きを抑える事によって、前立腺肥大化を防ぎ、尿道の圧迫を緩和する事で、排尿障害の症状が改善されます。
アリルエストレノールの男性ホルモンの活性化を抑制する三つの作用
・男性ホルモンの取り込み阻害
・ジヒドロテストステロンの生成抑制
・ジヒドロテストステロンとアンドロゲン受容体の結合を阻害
以上の3つの作用で肥大化した前立腺の収縮を行います。
前立腺細胞に男性ホルモンが過度に取り込まれる事で肥大化が起こります。体内にアリルエストレノールが吸収され、前立腺細胞に取り込まれる男性ホルモン量を減らす事で男性ホルモンの働きが弱まっていきます。
前立腺肥大化の原因は、ジヒドロテストステロンによる影響があり、男性ホルモンに分類されるテストステロンが前立腺に取り込まれる事で、5αリダクターゼという酵素の働きで変化し、ジヒドロテストステロンが作られます。
アリルテストレノールは5αリダクターゼを阻害する事によって、ジヒドロテストステロンの生成を抑えます。
アンドロゲン受容体という名のタンパク質と結合すると、ジヒドロテストステロンが前立腺細胞で活発になります。アリルエストレノールはジヒドロテストステロンとアンドロゲン受容体が結合するのを阻害します。それによってジヒドロテストステロンの働きが抑えられるのです。
このような抗アンドロゲン作用によって、男性ホルモンを阻害し、前立腺の肥大の収縮を行うのです。
前立腺肥大症患者181名を対象に行われた臨床試験において、アリルエストレノールの有効性が検証されました。
二重盲検法(医師や患者に薬の特性を教えないで行う試験法)で行った臨床試験で、
アリルエストレノール25mgを1日2回服用して排尿障害などの症状を観察した結果、181名中、約53%に当たる97名に症状の改善が見受けられました。
アリルエストレノールが排尿障害の改善と、前立腺肥大化の収縮効果がある事が確認されました。
前立腺肥大症の治療薬になる先発薬パーセリンの有効成分としてアリルエストレノールは配合されています。 |
使用方法 |
通常、成人は1回1錠125mgを、1日2回経口服用します。
服用の目安は4ヶ月です。
その後は効果や副作用を考慮して継続するかどうかが決められます。 |
副作用 |
主な副作用
副作用でわりと多いのは、勃起障害など性的機能の低下です。まれに、胸が大きくなることもあります。気になることがあれば、医師とよく相談してください。
勃起障害、性欲低下、乳房がふくらむ
むくみ、体重増加
発疹、肝機能の異常
吐き気、胃の不快感
性欲減退、ポテンツ低下、インポテンス、LDH上昇、ビリルビン値上昇、白血球減少、胸やけ、貧血、AST上昇、ALT上昇
その他の副作用
食欲不振、嘔吐、過敏症、発汗、熱感、倦怠感、蕁麻疹、女性型乳房、男性乳房痛、動悸、息切れ、眩暈、高血糖、尿糖、中性脂肪上昇、BUN上昇
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ■アリルエストレノールを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、パーセリン錠はアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼パーセリン錠の有効成分
アリルエストレノール
▼代表薬の添加物
バレイショデンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、軽質無水ケイ酸、乳糖水和物、トコフェロール、ステアリン酸マグネシウム
重篤な肝疾患
重篤な肝障害
心疾患
腎疾患
ポルフィリン症
使用に注意が必要な方 <心疾患・腎疾患またはその既往歴のある方>
上記疾患に該当する場合、症状の悪化のおそれがあります。
アリルエストレノールが、水、電解質の代謝に影響をおよぼし、ナトリウムや体液の貯留が生じる場合があります。心臓や腎臓に疾患がある方には、悪化する可能性があります。
<ポルフィリン症の患者>
ポルフィリン症とは、皮膚や血液、肝臓等にポルフィリン体という物質が蓄積してしまう遺伝性疾患です。アリルエストレノールが含まれる黄体ホルモンには、ポルフィリン体やその代謝物の排泄遅延により、症状を悪化させることがわかっています。
<高齢者>
上記にあてはまる方は、アリルエストレノールを使用する事が出来ない可能性があります。 アリルエストレノールを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。
併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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参考元一覧 |
前立腺肥大症治療剤 【MSD】
アリルエストレノール錠25mg 【サワイ】
医薬品等安全性情報 【厚生省医薬安全局安全対策課】 |
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