成分名 |
テラゾシン塩酸塩水和物 |
適応症状 |
①本態性高血圧症、腎性高血圧症、褐色細胞腫による高血圧症
②前立腺肥大症に伴う排尿障害 |
簡易説明 |
テラゾシン塩酸塩水和物は種々の高血圧症と前立腺肥大症に伴う排尿障害に効果を有する医薬品です。
テラゾシンは持続的α1受容体遮断薬と呼ばれ、キナゾリン系化合物の誘導体の中らか緩徐で持続的な降圧作用を有する物質として1975年に発見されました。
高血圧症においては、体液量や体液性因子への影響は少なく、全末梢血管抵抗を減少させて降圧作用を示します。他の医薬品と比べて血圧日内変動のリズムを乱すことなく24時間安定した降圧作用を示すことが特徴的です。
また、排尿障害においては、前立腺及び前立腺部尿道に存在するα1受容体を遮断し尿道部の緊張を緩和する事で排尿障害を改善します。 |
処方可能な診療科目 |
泌尿器科/内科/腎臓内科/外科 など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
疾患によって治療方針・検査項目が異なります。
病院によっても若干前後しますがおおよそ以下の通りですが、検査する項目が多ければさらに加算されます。高血圧症の治療であれば血液検査など基本的な検査項目を行い、最終的には高血圧による合併症の有無を調べることが必要となります。また、前立腺肥大症に伴う排尿障害であれば前立腺肥大症の確定診断を行うことが必要となります。検査項目に関しては病院でご確認ください。
診察料としては3500円~5000円
検査料としては1100円~
薬剤料としては1700円(30日分)[バソメット錠2mg/日として換算]~ |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
1989年3月31日製造販売承認
1989年5月26日薬価基準収載
1989年7月17日発売 |
国内のジェネリック認可 |
国内においてジェネリック医薬品の販売はございません。 |
関連製品(先発薬) |
バソメット錠0.25mg/0.5mg/1mg/2mg【製薬メーカー;田辺三菱製薬株式会社】 |
関連製品(ジェネリック) |
テラゾシン(アクタビス)【製薬メーカー:Teva Pharma (New Zealand) Limited】
テラゾシン(サンド)【製薬メーカー:sandoz】
テラプレス(バソメットジェネリック)【製薬メーカー:Intas Pharmaceuticals】 |
効果・作用 |
テラゾシン塩酸塩水和物は本態性高血圧症、腎性高血圧症、褐色細胞腫による高血圧症、前立腺肥大症に伴う排尿障害に対して保険適応のある医薬品です。
①高血圧症の治療について
高血圧とは、血圧が高い状態が続き、動脈硬化などの原因となる病気です。動脈硬化で大きな問題となるのは心臓と脳です。心臓であれば狭心症であったり、脳であれば脳梗塞、脳出血、くも膜下出血につながります。その為予防が何よりも重要となります。
高血圧症の治療の基本は生活習慣の改善です。生活習慣の改善とは、肥満、塩分の摂りすぎ、運動不足、喫煙などの生活習慣を見直すことから始まります。生活習慣の見直しだけでは血圧が下がらない場合、薬物療法を併用します。
②前立腺肥大症に伴う排尿障害の治療について
排尿障害とは、膀胱と尿道、および尿道括約筋で構成される下部尿路には、尿を貯める機能(蓄尿機能)と尿を排出する機能(排尿機能)があります。これらの機能が障害された状態を排尿障害と言います。症状としては頻尿・尿失禁・排尿困難・尿閉といったものがあり、いづれの症状も生活の質を著しく損なうと言われております。
その原因の一つとして男性における前立腺肥大症が挙げられます。前立腺が物理的に肥大し尿の通り道を狭くすることで排尿障害が生じます。この場合外科的手術において処置するか、薬物療法で治療を行うのかは主治医の判断によります。
【作用機序】
テラゾシン塩酸塩水和物の作用部位は末梢血管系、下部尿路に作用します。
シナプス後α1受容体を選択的に遮断し、末梢血管抵抗、尿道抵抗を減少することにより降圧作用、また排尿障害改善作用を示します。 |
使用方法 |
①本態性高血圧症、腎性高血圧症、褐色細胞腫による高血圧症
テラゾシンとして通常、成人1日0.5mg(1回0.25mg1日2回)より投与をはじめ、効果が不十分な場合は、1日1~4mgに漸増し、1日2回に分割経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日最大投与量は8mgまでとする。
②前立腺肥大症に伴う排尿障害
テラゾシンとして通常、成人1日1mg(1回0.5mg1日2回)より投与をはじめ、1日2mgに漸増し、1日2回に分割経口投与する。
なお、症状により適宜増減する。
【重要な基本的注意事項】
(1)起立性低血圧が現れることがあるので、臥位のみならず立位又は坐位で血圧測定を行い、体位変換による血圧変化を考慮し、坐位にて血圧をコントロールすること。
(2)投与初期又は用量の急増時等に、めまい、立ち眩み、動機、頭痛等が現れることがある。その際は仰臥位を摂らせるなどの適切な措置を講じること。また、必要に応じて対症療法を行う事。
(3)降圧作用に基づくめまい等が現れることがあるので、高所作業、自動車の運転等危険を伴う機会を操作する際には注意させること。
(4)アレルギー体質の患者では副作用発現率が高くなる傾向があるので、このような患者に投与する場合には十分に注意すること。
(5)本剤による前立腺肥大症に伴う排尿障害に対する治療は原因療法ではなく、対症療法であることに留意し、本剤投与により期待する効果が得られない場合には手術療法等、他の適切な処置を考慮すること。 |
副作用 |
重大な副作用
1)意識喪失(頻度不明):血圧低下に伴う一過性の意識喪失等が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行う事。
2)肝機能障害(0.1%未満)、黄疸(頻度不明):AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-P、LDHの上昇等を伴う肝機能障害や黄疸が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行う事。
その他の副作用
1)過敏症
発疹(0.1~5%未満)
掻痒(0.1%未満)
血管浮腫(頻度不明)
2)精神神経系
めまい、頭痛、倦怠感(0.1~5%未満)
脱力感、発汗、不眠、冷感、肩こり、眠気、口渇、痺れ(0.1%未満)
3)循環器
立ち眩み、動機、低血圧(0.1~5%未満)
浮腫、不整脈(期外収縮、心房細動等)、胸痛、起立性低血圧、頻脈(0.1%未満)
4)肝臓
ALT(GPT)上昇(0.1~5%未満)
AST(GOT)上昇、Al-P上昇、LDH上昇、総ビリルビン上昇(0.1%未満)
5)消化器
腹痛(0.1~5%未満)
下痢、便秘、悪心、嘔吐、食欲不振、消化不良(0.1%未満)
6)泌尿器
頻尿、尿失禁(0.1%未満)
7)腎臓
BUN上昇、血中クレアチニン上昇(0.1%未満)
8)その他
ほてり、貧血(0.1~5%未満)
鼻閉、息切れ、目の違和感、インポテンス、抗核抗体の陽性(0.1%未満)
羞明(頻度不明)
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
有効成分:テラゾシン塩酸塩水和物
添加物:バソメット錠0.25mg(黄色5号アルミニウムレーキ、ポビドン、タルク、ステアリン酸マグネシウム、トウモロコシデンプン、乳糖水和物)
バソメット錠0.5mg/1mg(ポビドン、タルク、ステアリン酸マグネシウム、トウモロコシデンプン、乳糖水和物)
バソメット錠2mg(青色2号アルミニウムレーキ、ポビドン、タルク、ステアリン酸マグネシウム、トウモロコシデンプン、乳糖水和物)
使用に注意が必要な方 1)重篤な肝・腎機能障害のある患者(血中濃度が上昇する恐れがある為)
2)ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤を服用している患者(降圧作用が増強される恐れがある為)
3)高齢者(高齢者では低用量〈例えば1回0.25mg、1日2回〉から投与を開始するなど、患者の状態を観察しながら慎重に投与する事。(一般に、過度の降圧は好ましくないとされております。≪脳梗塞等が起こる恐れがあるからです。≫)
上記にあてはまる方は、テラゾシン塩酸塩水和物を使用する事が出来ない可能性があります。 テラゾシン塩酸塩水和物を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 1)降圧作用を有する他の薬剤:相加的に降圧作用を増強させる事があるとされております。降圧作用が増強する事があるので、減量する等の適切な処置を行う事とされております。
2)ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤(シルデナフィルクエン酸塩[バイアグラ]、バルデナフィル塩酸塩水和物[レビトラ]、タダラフィル[シアリス]):PDE5阻害剤は血管拡張作用を有するので、併用により降圧作用を増強させる恐れがあるとされております。PDE5阻害剤との併用により症候性低血圧が現れる恐れがあるので、本剤を低用量から投与開始する事とされております。
上記を使用している方は、テラゾシン塩酸塩水和物を使用する事が出来ない可能性があります。 テラゾシン塩酸塩水和物を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 報告なし
併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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