ヘキサミン

成分名

ヘキサミン

適応症状

尿路感染症(膀胱炎、腎盂腎炎)

簡易説明

ヘキサミンは、1860年A.M.Butlerowが初めて合成し、1894年A.Nicolaierが利尿、尿防腐剤として使用した、尿路消毒剤になります。ヘキサミンを主成分とする医薬品であるヘキサミン静注液2g「ニッシン」は、静注で投与した後、尿中で分解してホルムアルデヒドを遊離し、尿に防腐性を与えます。この分解は、酸性尿で強く反応し、アルカリ性尿では極めて弱いです。その為酸性尿(pHが5.5以下)中において抗菌作用を発現します。

処方可能な診療科目

内科/外科/整形外科/小児科/産婦人科/泌尿器科/精神科/麻酔科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約2,000円~10,000円
薬代後発薬1管あたりの目安:2g約130円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。

厚生労働省による認可、または発売年月日

ヘキサミンを主成分とする医薬品であるヘキサミン静注液2g「ニッシン」は2008年9月10日に製造販売が承認され、2008年12月19日に薬価基準が承認されました。その後2009年2月に販売が開始されました。

国内のジェネリック認可

国内ジェネリック認可あり

関連製品(先発薬)

現在先発医薬品の製造はありません。

関連製品(ジェネリック)

ヘキサミン静注液2g「ニッシン」【製薬メーカー:日新製薬株式会社】

効果・作用

ヘキサミンを主成分とする医療用医薬品であるヘキサミン静注液2g「ニッシン」は尿路感染症(膀胱炎、腎盂腎炎)にたいして効果のある医薬品になります。

その作用機序は、尿中において分解しホルムアルデヒドを遊離します。その結果尿に防腐性を与える事により、尿路防腐剤として利用可能になります。この分解反応は酸性尿で強く反応し、アルカリ尿では極めて弱いです。

1)膀胱炎とは:
大腸菌などの腸内細菌が、外部から尿道をさかのぼり、膀胱の中に侵入し増殖する事によって引き起こされる病気です。膀胱の中で細菌が繁殖し、膀胱の粘膜に炎症を起こす病気が膀胱炎になります。膀胱炎は女性に多い病気になります。これは女性の方が尿道が短く、細菌が簡単に膀胱まで到達してしまう為です。多くの場合、排尿する事で一緒に細菌は膀胱の外へ洗い出されますが、この排尿を我慢したり、体調が悪かったりした場合には、膀胱内において細菌が繁殖して膀胱炎を引きおこします。
膀胱炎の3大症状として、①排尿痛;排尿時に刺し込むような痛みが生じ、排尿の終了時に特に強い痛みが出ます。②頻尿;排尿回数が増えて30分から1時間ごとにトイレに行きます。③尿の混濁;細菌と戦う為に集まった白血球や炎症部位の分泌液やはがれた膀胱の粘膜が混入するために尿が濁ります。その他、残尿感、血尿などが現れる事もあります。発熱が出てくるようになると腎盂腎炎の可能性が考慮されます。
膀胱炎を治療する場合には主に抗菌剤が使用されます。大体3日から4日程度の使用で症状はよくなります。水分を普段より多めに摂取して排尿する量を増やす事も大事です。

2)腎盂腎炎とは:
腎盂腎炎とは、腎盂や腎杯、更に腎臓の髄質が細菌によって炎症を起こしている状態で、膀胱から細菌が逆流する事によって引き起こされる、腎盂及び腎臓の感染症を言います。
腎盂とは、腎臓と尿管の接合部分を指します。腎盂腎炎は、膀胱炎の後に起こることが多く、左右対にある腎臓のうち、片方におこります。
急性腎盂腎炎では、非常に強い炎症反応が生じ、高熱や悪寒、強い腰痛等が生じます。一方慢性腎盂腎炎では、一般的に自覚症状が少ないのが特徴です。倦怠感や食欲不振が長引いたり、徐々に腎臓の機能が低下する事で、夜間の多尿や、尿を濃縮する能力が低下し、尿の色が薄くなるなどの症状が現れます。
診断は血液検査、尿検査、超音波検査、CT検査などによって確定診断を行います。
腎盂腎炎を治療する場合には、主に抗菌薬を使用します。原因菌の同定が必用ですが、腎臓に効きやすいペニシリン系やセフェム系、ニューキノロン系等が多く使用されます。

使用方法

ヘキサミン静注液2g「ニッシン」を用いて投与した場合、その主成分であるヘキサミンとして、通常成人に使用する投与する場合には、1日1~2gを静脈内に注射します。なお、投与する患者の年齢及び症状によっては適宜増減する事が認められています。

副作用

その他の副作用
過敏症と泌尿器に関しての副作用が報告されております。

発生頻度は以下の通りです。
1)過敏症
発疹等(頻度不明)
2)泌尿器
頻尿、蛋白尿、血尿(頻度不明)

過敏症の発疹等のように異常が認められた場合は速やかに投与を中止し主治医への相談を仰ぐようにしましょう。ヘキサミン静注液2g「ニッシン」は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していません。過敏症お及び泌尿器以外にも出現する副作用があるかもしれません。投与により異常を感じた場合には直ちに主治医に相談するようにしましょう。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
1)腎不全のある患者
体内に蓄積し、毒性を示す恐れがあります。
2)本剤に対し過敏症の既往歴のある患者
■ヘキサミンを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、ヘキサミン静注液2g「ニッシン」はアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼ヘキサミン静注液2g「ニッシン」の有効成分
ヘキサミン
▼代表薬の添加物
・生理食塩液

使用に注意が必要な方
1)高齢者
一般的に高齢者では生理機能が低下している為、減量する等使用には注意が必要です。
2)妊婦、産婦、授乳婦等
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないことが望ましいです。妊娠中に投与に関する安全性は確立していません。

上記にあてはまる方は、ヘキサミンを使用する事が出来ない可能性があります。
ヘキサミンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用禁忌薬
1)尿をアルカリ性にする薬剤:炭酸水素ナトリウム(重曹)等
ヘキサミンは酸性尿(pH5.5以下)中において、抗菌作用を発現しますが、尿をアルカリ性にする薬剤はヘキサミンの作用を減弱させてしまいます。

尿をアルカリ性にする薬剤は他にクエン酸製剤(クエン酸カリウム・クエン酸ナトリウム水和物)があります。医療用医薬品ではウラリット配合錠、ウラリットU配合散、クエンメット配合錠、ウロアシス配合散、ポトレンド配合散、クエン酸カリウム・クエン酸ナトリウム散、トロノーム配合散、ウタゲン配合散、クエンメット配合散、ポトレンド配合錠、クエン酸カリウム・クエン酸ナトリウム錠、トロノーム配合錠が販売されています。
これら医薬品は尿アルカリ化薬と呼ばれる医薬品で、効能・効果として①アシドーシスの改善、②痛風の酸性尿の改善、③高尿酸血症の酸性尿の改善に使用されます。
こちらも同様に併用禁忌としてヘキサミン投与中の患者が明記されています。

上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

ヘキサミンに関する
よくある質問
ヘキサミンはどの様な構造をもっていますか?

ヘキサミンは、ホルムアルデヒドとアンモニアの反応で得られる4個の窒素原子がメチレンによってつながれた構造を持つ複数環化合物になります。医療面で使用される以外に、産業面においては化学工業において樹脂や合成ゴムなどを製造する際の硬化剤として用いられています。
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ヘキサミンは人体への影響はありますか?

ヘキサミンは急性毒性があり、目がちかちかしたり、喉が痛くなる。咳・くしゃみが出るなどの炎症反応を引き起こします。皮膚や眼等が水溶液にふれた場合には、激しい刺激により炎症を生じます。
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医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。