スルファジアジン銀

成分名

スルファジアジン銀

適応症状

外傷/潰瘍/手術創/熱傷/糜爛の二次感染

簡易説明

褥瘡は、布団などと触れる部分の皮膚が長い間の圧迫での血流悪化により皮膚や筋肉などの組織が壊死する状態です。スルファジアジン銀は、褥瘡などの皮膚潰瘍に使われており、感染制御、壊死組織の除去、創面の修復、血管新生など様々な作用があり、創面の状態に合わせて薬剤を使い分けます。また、褥瘡以外にも、外傷、熱傷、手術の傷などによる皮膚潰瘍などに使用する場合もございます。

処方可能な診療科目

内科/皮膚科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約1000円~
薬代1gあたりの目安:1g約12.8円
薬代後発薬1本の目安:15mg約359円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

販売開始年月 : 1982年1月

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。(海外のみ)

関連製品(先発薬)

ゲーベンクリーム1%【製薬メーカー:田辺三菱製薬】

関連製品(ジェネリック)

スルファジアジン銀 クリーム【製薬メーカー:Cipla, Okasa, UTL, Universal】

効果・作用

細菌の細胞膜に対する抗菌作用により、細菌感染を防ぎ傷をきれいに治癒します。有効成分はスルファジアジン銀というサルファ剤の誘導体です。
抗菌作用は銀により発揮されると考えられており、ブドウ球菌や溶連菌などのグラム陽性菌のほか、緑のう菌などグラム陰性菌にも有効となっております。また、銀は直接的な殺菌効果をもっておりますが、細胞の「DNA」に取り込まれ、細菌の増殖をブロックすることが知られております。2時間以上の接触で細菌の増殖は止まるものの、4時間たっても細菌の細胞自体にはほんの少ししか変化がみられないとの報告もあり、増殖の速い細菌に対してさらに強くなりますが、分裂の遅い細胞からなる創傷面や、白血球などへの影響は少なくなり、選択的な細菌増殖抑制効果が期待できます。。
製剤の特徴としては、のびがよく、塗りやすいクリームとなっており、刺激性が少なく、重いヤケドや褥瘡の治療に広く用いられています。褥瘡においては、細菌感染の危険性が高い急性期の黒色前期~黒色期に適します。
また、壊死組織除去作用もありますが、スルファジアジン銀によるものではなく、基剤の補水効果により壊死組織の融解が促進されるためだと言われております。

≪ゲーベンクリームの優れた点≫
素材の良さがまずあります。
また、「水中油型エマルション」のクリーム素材であること。
滲出液が多い場合は、滲出液をある程度吸収しながら剤形を保つこと。
さらに、逆に創面からの滲出液が少ない場合は、クリーム素材の特徴である創面への水分保持作用によって湿潤状態を保つこと。
これらの優れた特徴を生かす方法は、創面にたっぷりとゲーベンクリームを塗ることです。
ガーゼで被った場合でも長時間創面の湿潤状態を保ちながら銀を放出し続けます。

≪ゲーベンクリームを褥創に使う開放性ドレッシング法とは≫
軟膏類を創面に用いガーゼをあてがい固定する方法を「開放性ドレッシング法」といいます。
開放性ドレッシング法を仙骨部褥創に用いた場合、便汚染があると便はガーゼや軟膏を素通りし、容易に創傷面に便が付着してしまいます。このような開放性ドレッシング法ですが、ゲーベンクリームを仙骨部褥創に用いた場合にはちょっと違います。便が流れ込んできてもゲーベンクリームが便を取り囲みブロックしてくれるため、創面に便が及ぶまでに時間を稼いでくれます。
ゲーベンクリームによる閉鎖性ドレッシング法を選択した場合、ゲーベンクリームを創傷面に塗布した後、薄いガーゼをあて、その上からフィルム材で固定していましたが、圧迫やずれがあるとゲーベンクリームは押し出され、ガーゼが直接創面にあたり、摩擦によって創傷面が傷つくことがります。ゲーベンクリームを多めに塗布した後、全体を大きめのフィルム材で直接カバーし密閉閉鎖します。このようにガーゼを用いないようにしたところ、ガーゼ併用による閉鎖性ドレッシング法使用時と比べ、ゲーベンクリームの使用量が減ったにもかかわらず創傷面の損傷はほとんど良くなり、感染のコントロールもさらに改善し、早期に良好な肉芽・表皮化をもたらします。

≪ゲーベンクリームが向いている人≫
基本的には「ばい菌に感染している傷」「ばい菌による感染リスクが高い傷」に対して用いられます。具体的に使用されるのは以下の方になります。
・寝たきり患者さんの臀部や肛門付近に出来た褥瘡
・糖尿病患者さんに生じた傷

使用方法

1日1回、滅菌手袋などを用いて、創面を覆うに必要かつ十分な厚さ(約2~3mm)に直接塗布してください。もしくは、ガーゼ等に同様の厚さにのばし、貼付し、包帯を行うこと。
※第2日目以後の塗布に際しては、前日に塗布した本剤を清拭又は温水浴等で洗い落としたのち、新たに塗布してください。

副作用

主な副作用
白血球減少、発疹、皮膚疼痛、過敏症、発赤、光線過敏症、菌交代現象、化膿性感染症、貧血、血小板減少、接触皮膚炎

重大な副作用
汎血球減少、皮膚壊死、間質性腎炎

極めて稀な副作用ですが、重度の副作用にご注意下さい。
重篤な副作用の発生率は低いですが、用法や用量を間違えると命に危険を及ぼすような、重篤な副作用が発生する恐れもあります。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■スルファジアジン銀を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方ゲーベンは、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。

▼ゲーベンの有効成分
スルファジアジン銀
▼代表薬の添加物
セタノール、ミリスチン酸イソプロピル、プロピレングリコール、メチルパラベン、ブチルパラベン、その他4成分

■その他に使用できない方
・妊婦/産婦
・過敏症
・軽症熱傷

使用に注意が必要な方
・新生児(低出生体重児を含む)/乳児/幼児/小児
・エリテマトーデス
・肝障害
・光線過敏症
・腎障害
・薬物過敏症
・グルコース−6−リン酸脱水素酵素<G−6−PD>欠損症

上記にあてはまる方は、スルファジアジン銀を使用する事が出来ない可能性があります。
スルファジアジン銀を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用禁忌薬
外皮用酵素製剤

上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
ゲーベンクリームは安全性は確かでしょうか?

安全性の高いクリームではありますが、新生児や低出生体重児では高ビリルビン血症が生じたという報告があったため、禁忌となっています。また軽症の熱傷にも禁忌となっています。

ゲーベンクリームで完治しますか?

作用は、抗菌が主となります。直接的な傷を治す作用というのはありません。細菌感染を防いだ結果として、二次的に傷の治りが早くなるものとなります。

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医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。