成分名 |
L-エチルシステイン塩酸塩 |
適応症状 |
去痰、排膿 |
簡易説明 |
L-エチルシステイン塩酸塩は、不安定なシステインの安定化を高めるために田辺三菱製薬株式会社で開発され、チスタニン糖衣錠100mg(以下、本剤)として1969年に発売されました。現在は田辺三菱製薬株式会社より製造販売承認を承継した、ニプロESファーマ株式会社が販売しています。
また、L-エチルシステイン塩酸塩は一般用医薬品のの有効成分としても承認を受けており、新新薬品工業株式会社が、かぜ薬として(商品名:エザックエース、エザックプラス)、湧永製薬株式会社が鎮咳去痰薬として(商品名:セキセチンSP錠)として市販しています。この3製品のリスク分類はいずれも指定第二類医薬品です(2023年1月現在)。
※一般用医薬品は国(厚生労働大臣)または都道府県知事の承認のもと製造販売されています。独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)では承認した医薬品のリストを公開しています。上記3製品は2023年1月現在、PMDAのデータベース(PMDA 一般用医薬品・要指導医薬品 情報検索)に記載のある薬です。これ以外のL-エチルシステイン塩酸塩含有製剤は国内での製造販売承認を受けていない可能性がありますのでご注意ください。
なお、上記承認が必要な医薬品は薬機法第2条第1項で以下のように定められています。
・日本薬局方に収載されているもの
・人または動物の疾病の診断、治療または予防に使用されることを目的とされているものであって機械器具等でないもの(医薬部外品を除く)。
・人または動物の身体の構造または機能に影響を及ぼすことが目的とされているものであって機械器具等でないもの(医薬部外品、化粧品を除く)。
L-エチルシステイン塩酸塩は日本薬局方に収載されている、治療に使用されることを目的とされているものにあたるため、承認を得なければ販売できない医薬品となり、未承認で販売されているL-エチルシステイン塩酸塩含有医薬品は薬機法違反となります。
※一般用医薬品は第一類~第三類医薬品および要指導医薬品に分類されています。指定第二類医薬品とは第一類医薬品ほどの副作用のリスクはないが、注意を要する医薬品(第二類医薬品)のうち、特に注意が必要として厚生労働大臣が指定する医薬品です(L-エチルシステイン塩酸塩は指定第二類医薬品の成分ではありません)。
L-エチルシステイン塩酸塩の含有量はエザックエース、エザックプラスで33.3mg(9錠で300㎎:成人3日分)、セキセチンで50㎎(6錠で300㎎:成人1日分)となっています。
一般用医薬品の3製剤はいずれも、5歳から服用可能と記載がありますが、本剤では小児は、使用に注意が必要な方(*)とされています(小児に使用する場合は、保護者の指導監督の下で使用する旨の記載あり)。一方、本剤には併用に注意すべき医薬品はありませんが、一般用医薬品の3製剤では、他のかぜ薬、解熱鎮痛剤、鎮静剤、鎮咳去痰薬、抗ヒスタミン剤を含む内服薬等(鼻炎用内服薬、乗り物酔い薬、アレルギー用薬等)との併用は併用禁忌薬となっています(一般用医薬品の3製品には、L-エチルシステイン塩酸塩以外の複数の成分が含まれています)。
(*)小児に対する記載:本剤は小児を対象とした臨床試験を行っていないため、有効性、安全性を判断する情報がありません。このため、小児への使用には注意するよう記載されています。言い換えると、小児への使用が危険であるとの情報もありません。 |
処方可能な診療科目 |
内科/外科/耳鼻咽喉科/呼吸器内科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安:約670円(1錠 7.40円×3回×30日)
薬代1錠あたりの目安:7.40円
薬代後発品1錠の目安:後発品なし
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
発売年月日:1969年4月8日 |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
関連製品(先発薬) |
チスタニン糖衣錠100mg【製薬メーカー:ニプロESファーマ株式会社】 |
関連製品(ジェネリック) |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
海外での使用実績 | 本剤は海外では販売していません。 |
効果・作用 |
システインには粘液中のタンパク質を溶かす作用があります。L-エチルシステイン塩酸塩はシステインの安定性を高めた成分なので、システイン同様粘液中のタンパク質を溶かし、粘稠度を低下させることが確認されています。また、動物実験で、気管の繊毛運動を亢進する作用(ウサギ)、気管支収縮を抑える作用(モルモット)、浮腫を抑える弱い作用(ラット)が確認されています。これらの薬理作用により、本剤は去痰、排膿作用を示しています。
痰や副鼻腔の膿は、生体防御反応として、呼気などとともに体内に取り込まれた細菌などの病原微生物やちりなどの異物が肺に入らないようにする仕組みです。これらの異物は粘液にくるまれて繊毛のの運動で運ばれ、咳や鼻水と一緒に体外に廃棄されます。風邪を含む気管支炎などがおこると、この痰などの粘稠度が高まり排泄しにくくなります(有害な異物や新陳代謝等で生じた老廃物などを体外に排泄できなくなります)ので、本剤や一般用医薬品に含まれるL-エチルシステイン塩酸塩の薬理作用により排泄を促します。
なお、本剤の効果臨床試験で確認されています。
【臨床試験成績(国内11施設で実施)】
喀痰排出困難に対する有効率:90%(54例/60例)
※有効:咳、息切れ、呼吸困難などの改善
慢性副鼻腔炎に対する有効率:59%(38例/64例)
※有効:鼻水の性状、分泌量の改善 |
使用方法 |
1日3錠飲みます。
年齢、症状により飲む量が変わることがあります。 |
副作用 |
主な副作用
副作用発現率:1.99%(36件/1,813例)
※承認時(治験)から1972年9月までの調査、文献調査に基づき集計。
・悪心・嘔吐:0.94%(17件)
・食欲不振:0.44%(8件)
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ■L-エチルシステイン塩酸塩を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、チスタニン糖衣錠100㎎はアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼チスタニン糖衣錠100mgの有効成分
L-エチルシステイン塩酸塩
▼チスタニン糖衣錠100mgの添加物
トウモロコシデンプン、エチルセルロース、リン酸水素カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロースフタル酸エステル、ステアリン酸、ヒマシ油、タルク、アラビアゴム、白糖、ゼラチン、酸化チタン、第三リン酸カルシウム、カルナウバロウ、マクロゴール6000
使用に注意が必要な方 ・心障害のある方:心臓に悪影響がおよぶおそれがあります。
・肝機能障害の方:肝機能が悪化したとの報告があります。
・妊婦:治療の有益性が危険性を上回ると判断される場合のみ使用します。
・授乳婦:危険性を考慮した上で、授乳の可否を判断します。
・小児:小児を対象とした臨床試験を行っていません。
・高齢者:一般的に生理機能が低下しているため。
上記にあてはまる方は、L-エチルシステイン塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 L-エチルシステイン塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。
併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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