成分名 |
ドリペネム水和物 |
適応症状 |
〈適応菌種〉
ドリペネムに感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、エンテロコッカス・フェシウムを除く腸球菌属、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、大腸菌、シトロバクター属、
クレブシエラ属、エンテロバクター属、セラチア属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、プロビデンシア属、インフルエンザ菌、緑膿菌、アシネトバクター属、ペプトストレプトコッカス属、バクテロイデス属、プレボテラ属
〈適応症〉
敗血症、感染性心内膜炎、深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、骨髄炎、関節炎、咽頭・喉頭炎、扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍を含む扁桃炎、肺炎、肺膿瘍、膿胸、慢性呼吸器病変の二次感染、複雑性膀胱炎、腎盂腎炎、前立腺炎(急性症、慢性症)、精巣上体炎(副睾丸炎)、腹膜炎、腹腔内膿瘍、胆嚢炎、胆管炎、肝膿瘍、子宮内感染、子宮付属器炎、子宮旁結合織炎、化膿性髄膜炎、眼窩感染、角膜潰瘍を含む角膜炎、全眼球炎を含む眼内炎、中耳炎、顎骨周辺の蜂巣炎、顎炎 |
簡易説明 |
フィニバックスは、塩野義製薬が開発したカルバペネム系抗生物質で、グラム陽性菌、グラム陰性菌、嫌気性菌に対し広範な抗菌スペクトルを持ります。特に問題となる緑膿菌に対して強い抗菌力を備えています。初めての発売は2005年で、その後用法・用量が変更され、重症・難治性感染症に対して高用量投与が可能となりました。本剤は高い菌消失率を示し、単剤投与が可能である点も特徴的です。 |
処方可能な診療科目 |
総合内科/消化器内科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
本剤は処方薬ではありません。
薬代1瓶あたりの目安:-.25g約762円/0.5g約972円
薬代1キットあたりの目安:0.25g約1317円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
フィニバックス点滴静注用0.25g:2005年9月発売
フィニバックス点滴静注用0.5g:2011年11月発売
フィニバックスキット点滴静注用0.25g:2006年6月発売 |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
関連製品(先発薬) |
フィニバックス点滴静注用0.25g/フィニバックス点滴静注用0.5g/フィニバックスキット点滴静注用0.25g【製薬メーカー:塩野義製薬】 |
関連製品(ジェネリック) |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
海外での使用実績 |
アメリカでは2007年10月に承認されています。 |
効果・作用 |
ドリペネム水和物は、塩野義製薬が開発したカルバペネム系抗生物質の注射製剤です。本剤は、好気性のグラム陽性菌,グラム陰性菌及び嫌気性菌に対して,幅広い抗菌スペクトルを持っており、緑膿菌に対しても強い抗菌力が認められています。作用機序としては、細菌の細胞壁合成酵素であるペニシリン結合蛋白質に結合して、細菌の細胞壁合成を阻害することにより殺菌的な抗菌作用を発揮します。
成人の呼吸器感染症と複雑性尿路感染症患者を対象とした国内試験を実施しています。第2相用量検討二重盲検試験 2つと第3相実薬対照二重盲検比較試験 2つ、各種感染症患者を対象とした第2~3相オープンラベル試験 13個の計 17個の試験で、1回 0.25~0.5gを 1日 2~3回投与した時の有効性を評価しました。対象例は 734名であり、そのうち684名で改善が認められ、有効率は 93.2%でした。
成人の重症・難治性感染症患者を対象とした 1回 1.0g1日 3回投与による国内第3相オープンラベル試験を実施しています。対象101名のうち、本剤 1回 1.0g1日 3回投与が必要となる重症・難治性感染症患者において、本剤単独での有効性を評価した結果、有効性評価対象例は 73例となりました。そのうち、有効
率は 75.3%で55名の方の症状が改善しました。 |
使用方法 |
成人には、 1回 0.25gを 1日 2回もしくは 3回、30分以上かけて点滴静注します。
年齢・症状に合わせて増減が可能ですが、重症・難治性感染症には、1回 0.5gを 1日 3回投与し、増量が必要と判断される場合に限り 1回量として 1.0g、1日量として 3.0gまで投与できます。
小児には1回 20mg/kgを 1日 3回、30分以上かけて点滴静注します。
年齢・症状に合わせて増減が可能ですが、重症・難治性感染症には、1回 40mg/kgまで増量することができまし。ただし、投与量の上限は 1回 1.0gまでとしてください。。 |
副作用 |
主な副作用
主に、AST・ALT上昇があげられます。
項目別の発現頻度は以下の通りです。
過敏症・・発疹(0.5~5%未満)、そう痒/発熱/発赤/蕁麻疹(0.5%未満)
血液・・顆粒球減少/血小板増多/好酸球増多(0.5~5%未満)、貧血(赤血球減少/ヘモグロビン減少/ヘマトクリット減少)/血小板減少/好塩基球増多(0.5%未満)
肝臓・・AST上昇/ALT上昇(5%以上)、LDH上昇/AlP上 昇 / γ -GTP上昇/LAP上昇/ビリルビン上昇(0.5~5%未満)
腎臓・・BUN上昇/血清クレアチニン上昇(0.5%未満)
消化器・・下痢(0.5~5%未満)、嘔気/嘔吐/胃不快感/腹痛/食欲不振(0.5%未満)
精神神経系・・しびれ感/振戦(0.5%未満)
菌交代症・・口内炎/カンジダ症(0.5%未満)
ビタミン欠乏症・・ビタミン B群欠乏症状(舌炎/口内炎/食欲不振/神経炎等)(0.5%未満)、ビタミン K欠乏症状(低プロトロンビン血症/出血傾向等)(頻度不明)
その他・・血清カリウム上昇(0.5~5%未満)、頭痛/倦怠感/ほてり/注射部位血管痛/電解質異常(血清カリウム/血清ナトリウム/血清クロール)(0.5%未満)
重大な副作用
<ショック、アナフィラキシー>
不快感、口内異常感、喘鳴、眩暈、便意、耳鳴、発汗などの症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行ってください。
<偽膜性大腸炎>
偽膜性大腸炎などの血便を伴う重篤な大腸炎があらわれることがありますので、腹痛・頻回の下痢があらわれた場合にはすぐに投与を中止してください。
<肝機能障害、黄疸>
肝障害が悪化する恐れがあります。
<急性腎障害>
急性腎障害などの重篤な腎障害があらわれることがあります。
<汎血球減少症、無顆粒球症、白血球減少、血小板減少、溶血性貧血>
定期的に検査を行うなどして、事前に異常がないかチェックしてください。
<中毒性表皮壊死融解症、スティーブンジョンソン症候群>
<間質性肺炎>
発熱、咳嗽、呼吸困難などの異常が認められた場合には速やかに胸部 X線検査などを実施してください。間質性肺炎が疑われる場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与などの適切な処置を行ってください。
<痙攣、意識障害>
痙攣、意識障害などの中枢神経症状があらわれることがあります。
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ■ドリペネム水和物を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方はアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼フィニバックスの有効成分
ドリペネム水和物
・以前、ドリペネム水和物を使用して過敏症となったことのある方は使用できません。
・バルプロ酸ナトリウムを投与中の方は使用できません。
使用に注意が必要な方 【製剤共通】
・カルバペネム系、ペニシリン系もしくはセフェム系抗生物質に対し過敏症となったことのある方
・本人もしくは両親、兄弟に気管支喘息、発疹、蕁麻疹等のアレルギー症状を起こしやすい体質のある方
・経口摂取の不良な患者もしくは非経口栄養の患者、全身状態の悪い方はビタミン K欠乏症状があらわれることがあります。
・てんかんにかかったことのある方、あるいは脳血管障害等の中枢神経障害を有する方は痙攣、意識障害等の中枢神経症状が起こりやすいとされています。
・高度の腎機能障害のある方は、痙攣、意識障害等の中枢神経症状が起こりやすいため、投与量を減らすか、投与間隔をあけるなどして、慎重に投与してください。
・軽度もしくは中等度の腎障害のある方は痙攣、意識障害等の中枢神経症状が起こりやすいとされています。
【キット点滴静注用 0.25g】(生理食塩液に関する注意)
・心臓、循環器系機能障害のある方は、ナトリウムの負荷や循環血液量を増すことから心臓に負担をかけ、症状が悪化するリスクがあります。
・軽度もしくは中等度の腎障害のある方は水分、塩化ナトリウムの過剰投与に陥りやすく、症状が悪化するおそれがあります。
・肝機能障害のある方は肝障害が悪化するリスクがあります。
・低出生体重児、新生児を対象とした臨床試験は実施していませんので、注意をしてください。
・高齢者
上記にあてはまる方は、ドリペネム水和物を使用する事が出来ない可能性があります。 ドリペネム水和物を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 <バルプロ酸ナトリウム(デパケン、バレリン)>
機序は不明ですが、バルプロ酸の血中濃度が低下し、てんかん発作が再発するおそれがあります。
上記を使用している方は、ドリペネム水和物を使用する事が出来ない可能性があります。 ドリペネム水和物を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 なし
併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
ドリペネム水和物に関する よくある質問 |
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参考元一覧 |
フィニバックス 添付文書 |
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