リンコマイシン塩酸塩

成分名

リンコマイシン塩酸塩

適応症状

咽頭炎/角膜炎/角膜潰瘍/化膿性髄膜炎/関節炎/感染性心内膜炎/急性気管支炎/喉頭炎/子宮内感染/骨髄炎/子宮付属器炎/子宮旁結合織炎/猩紅熱/腎盂腎炎/中耳炎/乳腺炎/肺炎/敗血症/肺膿瘍/バルトリン腺炎/副鼻腔炎/扁桃炎/膀胱炎/リンパ管炎/リンパ節炎/深在性皮膚感染症/表在性皮膚感染症/慢性呼吸器病変の二次感染
<適応菌種>
リンコマイシンに感性のブドウ球菌属/レンサ球菌属/肺炎球菌/ペプトストレプトコッカス属/バクテロイデス属

簡易説明

リンコマイシン塩酸塩は、リンコマイシン系の抗生物質で細菌の蛋白合成を阻害することにより、抗菌作用を示します。
ブドウ球菌や溶連菌などグラム陽性菌に効果があります。また、嫌気性菌に強い抗菌力をもつのも特徴です。
大腸炎の副作用が多いのが欠点です。そのため、軽い感染症に対して第一選択することはありません。
難治性の場合や、嫌気性菌による感染症に使用されることがあります。

処方可能な診療科目

内科/アレルギー科/婦人科/皮膚科/耳鼻咽喉科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約1,000円~3,000円
薬代1カプセルあたりの目安:250mg9.50円
注射液の目安:300mg261円/600mg350円/1g378円/1.5g507円(瓶)
後発薬注射液の目安:300mg167円/600mg224円(管)
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売年月日:1965年12月【リンコシンカプセル250mg】

国内のジェネリック認可

国内のジェネリック認可あり

関連製品(先発薬)

リンコシンカプセル250mg【製薬メーカー:ファイザー】
リンコシン注射液300mg/600mg【製薬メーカー:ファイザー】
リンコシン注射液1g/1.5g【製薬メーカー:ファイザー】

関連製品(ジェネリック)

リンコマイシン塩酸塩注射液300mg/600mg「トーワ」

効果・作用

リンコマイシン塩酸塩は、リンコマイシン系の抗生物質で、細菌の蛋白合成を阻害することにより抗菌作用を示します。
抗菌作用や抗菌スペクトルはマクロライド系に似ていますが、化学構造はまったく異なり、リンコマイシン系として分けられます。
血液感染症・皮膚感染症・呼吸器感染症・尿路感染症・婦人科感染症・耳鼻科感染症など広い範囲の感染症の治療に使用されています。
真菌(カビ)やウイルス性の病気には効果がありません。
リンコマイシンの作用機序は細菌のリボソームに結合することによる、タンパク質の合成阻害であり、グラム陽性菌、グラム陰性球菌に対して有効で、嫌気性菌に対しても優れた抗菌活性を示します。マクロライド系抗菌剤と同様に、細胞内寄生菌(ローソニア菌など)にも有効であること、マクロファージへの移行性に優れていること、抗炎症作用など抗菌活性以外の作用があることなどの特徴も持っています。
※感染症とは
病原微生物が人の体に侵入し悪さをする病気です。
症状は、腫れや発赤が生じ時には、化膿し発熱や痛みにより苦痛をもたらします。(このような症状は病原微生物と戦うための体の防衛システムでもあります)
病原微生物には、細菌やウイルス、真菌(カビ)などが含まれます。

■リンコマイシン系抗生物質
・リンコマイシン:ブドウ球菌、連鎖球菌、肺炎球菌等のグラム陽性菌に対して強い抗菌作用を示します。
・クリンダマイシン:高い臓器移行性及び組織移行性を示し、好気性グラム陽性球菌、嫌気性菌及びマイコプラズマ属に対し抗菌作用を示します。

使用方法

「静脈内注射」
リンコマイシン塩酸塩水和物として、通常成人は、1回600mg(力価)を1日2~3回点滴静注します。
なお、年齢、症状により適宜増減してください。
「筋肉内注射」
リンコマイシン塩酸塩水和物として、通常成人は、1回300mg(力価)を1日2~3回、又は1回600mg(力価)を1日2回筋肉内注射します。
小児の場合、1回体重1kgあたり10~15mg(力価)を1日2~3回筋肉内注射します。
なお、年齢、症状により適宜増減してください。

副作用

主な副作用
「カプセル」
浮腫/下痢/血小板減少/軟便/食欲不振/悪心/嘔吐/心窩部痛/口唇乾燥感/舌炎/肛門そう痒症
「注射液」
浮腫/下痢/壊死/血小板減少/軟便/食欲不振/悪心/嘔吐/心窩部痛/口唇乾燥感/舌炎
注意すべき副作用
「カプセル、注射液」
ショック/呼吸困難/全身潮紅/血管浮腫/浮腫/蕁麻疹/アナフィラキシー/偽膜性大腸炎/血便/重篤な大腸炎

重大な副作用
「カプセル」
ショック/呼吸困難/全身潮紅/血管浮腫/蕁麻疹/アナフィラキシー/偽膜性大腸炎/血便/重篤な大腸炎/腹痛/頻回の下痢/中毒性表皮壊死融解症/Toxic Epidermal Necrolysis/TEN/皮膚粘膜眼症候群/Stevens?Johnson症候群/剥脱性皮膚炎/無顆粒球症/再生不良性貧血/汎血球減少症/血小板減少性紫斑病/間質性肺炎/PIE症候群/発熱/咳嗽/胸部X線異常/好酸球増多
「注射液」
ショック/呼吸困難/全身潮紅/血管浮腫/蕁麻疹/アナフィラキシー/偽膜性大腸炎/血便/重篤な大腸炎/腹痛/頻回の下痢/中毒性表皮壊死融解症/Toxic Epidermal Necrolysis/TEN/皮膚粘膜眼症候群/Stevens?Johnson症候群/剥脱性皮膚炎/心停止/無顆粒球症/再生不良性貧血/汎血球減少症/血小板減少性紫斑病/間質性肺炎/PIE症候群/発熱/咳嗽/胸部X線異常/好酸球増多

※稀に、重い大腸炎を起こすことがあります。万一、ひどい腹痛や下痢が続くようでしたら、すぐに受診してください。
服用中止後も2~3週間は気をつけましょう。
特に子供や高齢の人、また長期服用時は注意が必要です。
重篤な副作用の発生率は低いですが、用法や用量を間違えると命に危険を及ぼすような、重篤な副作用が発生する恐れもあります。
異変を感じた場合は、直ぐに医師の診察を受け指示に従いましょう。

その他の副作用
「カプセル」
そう痒/過敏症/発疹/血管神経性浮腫/血清病/赤血球減少/白血球減少/顆粒球減少/好中球減少/黄疸/AST上昇/ALT上昇/窒素血症/乏尿/蛋白尿/耳鳴/眩暈/菌交代症/口内炎/カンジダ症/膣炎/頭痛/倦怠感/小水疱性皮膚炎
「注射液」
肛門そう痒症/そう痒/過敏症/発疹/血管神経性浮腫/血清病/赤血球減少/白血球減少/顆粒球減少/好中球減少/黄疸/AST上昇/ALT上昇/窒素血症/乏尿/蛋白尿/耳鳴/ 眩暈/菌交代症/口内炎 /カンジダ症/血栓性静脈炎/ 疼痛/硬結/無菌膿瘍/膣炎/頭痛/倦怠感/小水疱性皮膚炎

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用に注意が必要な方
【慎重投与】
・高齢者、衰弱患者及び大腸炎等の既往歴のある方
・肝障害又は肝障害の既往歴のある方
・腎障害のある方
・気管支喘息、著明なアレルギーの既往歴のある方
・重症筋無力症の方
・妊婦、産婦、授乳婦等
・小児等
【重要な基本的注意】
本剤の投与により、まれに発熱、腹痛、白血球増多、粘液・血液便を伴う激症下痢を主症状とする重篤な大腸炎で、内視鏡検査により偽膜斑等の形成をみる偽膜性大腸炎があらわれることがある。発症後直ちに投与を中止しなければ電解質失調、低蛋白血症等に陥り、特に高齢者及び衰弱患者では予後不良となることがある。したがって本剤の投与を考慮する場合には、次の注意が必要です。

■次の場合には投与しないことが望ましい。
・軽微な感染症
・他に有効な使用薬剤がある場合
・投与患者に対し、投与中又は投与後2?3週間までに腹痛、頻回な下痢があらわれた場合には、直ちに医師に通知するよう注意すること。また、症状が重篤な場合には輸液、バンコマイシンの経口投与等の適切な処置を行うこと。
・静脈内投与の場合、急速な静注により、心停止を来すおそれがあるので、急速静注は行わないこと。
・本剤によるショック、アナフィラキシーの発生を確実に予知できる方法がないので、次の措置をとること。
・事前に既往歴等について十分な問診を行うこと。なお、抗生物質等によるアレルギー歴は必ず確認すること。
・投与に際しては、必ずショック等に対する救急処置のとれる準備をしておくこと。
・投与開始から投与終了後まで、患者を安静の状態に保たせ、十分な観察を行うこと。特に、投与開始直後は注意深く観察すること。

上記にあてはまる方は、リンコマイシン塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
リンコマイシン塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
末梢性筋弛緩剤/スキサメトニウム塩化物水和物/塩化ツボクラリン

上記を使用している方は、リンコマイシン塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
リンコマイシン塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
エリスロマイシン

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
低用量ピルのマーベロンを服用してますが、併用しても大丈夫ですか?

リンコマイシン塩酸塩は併用問題ないと言われています。ピルとの飲み合わせに注意が必要な抗菌薬と抗真菌薬もありますので、医師がピルを服用している事を知っていて処方された場合は、医師の指示に従ってください。

お薬飲んだらお腹を壊したのですが、様子をみたらいいですか?

薬の服用をやめて、お早めにお医者さんにみてもらってください。

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医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。