フルシトシン

成分名

フルシトシン

適応症状

・黒色真菌症
・消化管真菌症
・真菌血症
・真菌性呼吸器感染症
・真菌性髄膜炎
・尿路真菌症

適応菌種
クリプトコックス、カンジダ、アスペルギルス、ヒアロホーラ、ホンセカエア

簡易説明

・真菌(カビ)を抑制します。真菌が原因の病気に用います。カビの仲間を専門的に【真菌】といい、体の抵抗力が落ちている人では、その真菌が消化管や肺など体の内部で異常増殖することがあります。フルシトシンは、真菌細胞内に選択的に取り込まれたあと、核酸合成系を阻害して、真菌の発育を阻止します。カンジダ、クリプトコックスなどの酵母真菌にとくに有効となります。真菌性髄膜炎、呼吸器真菌症、消化管真菌症などの内臓真菌症に適応となります。

処方可能な診療科目

内科/消化器内科 など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約1000円~
薬代1錠あたりの目安:1錠500mg 約224.9円~
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

販売開始年月 : 2006年12月

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。(海外もありません)

関連製品(先発薬)

アンコチル錠500mg【製薬メーカー:共和薬品工業】

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。(海外もありません)

効果・作用

・フルシトシンは5-フルオロシトシン(5-FC)とも知られる抗真菌薬です。具体的にはアムホテリシンBと併用され、重度のカンジダ 感染症とクリプトコッカス症の治療に使用されます。単体またはその他の抗真菌薬と併用し黒色分芽菌症の治療に使用されることもあります。フルシトシンの投与法は経口または静脈点滴です。
・フルシトシンはフッ素化ピリミジンアナログに属する医薬品で、その作用は真菌細胞内でフルオロウラシルとなり、真菌のタンパク質合成を阻害することにより効果があります。腸管吸収はよく、髄液中濃度も血清中の60~80%と高い。

≪作用機序≫
・フルシトシンは真菌細胞の細胞膜のみに存在するシトシンパーミアーゼによって行われます。人間の細胞にはこの酵素は無いので、フルシトシンは真菌のみに取り込まれることになる。細胞内ではシトシンデアミナーゼによって癌の化学療法で用いられる代謝拮抗薬である5ーフルオロウラシルに変換され、続いて5−FdUMPというDNA合成や細胞分裂を阻害する物質に変換される。

≪抗真菌薬とは≫
・真菌の細胞膜合成過程のいずれかの部位を阻害することにより効果を発揮します。真菌の細胞壁はαーグルカンやβーグルカンを含む多糖体などで形成されているが、細胞膜はエルゴステロールを含んでいて、これが抗真菌薬の治療の標的となる(ヒトの細胞膜はコレステロールを含む)。数千の真菌が存在するが、ヒトに感染を起こす真菌は限られた種類である。しかし、臓器移植例やHIV感染例あるいは強力な抗癌剤を使う例の増加により、真菌感染例は増加している。このような傾向を反映して、抗真菌薬の種類も増えてきている。

≪カンジダ症とは≫
・カンジダ症は、消化管や皮膚などに常在するカンジダ属の真菌が原因で発症する疾患です。カンジダはもともと女性の腟・皮膚・口の中・消化管にも存在しているため、性行為と関係なく、自己感染するケースもあります。そのため、一般的な性感染症(STD/性病)と性質が異なっています。男性よりも女性患者が多いことが特徴です。また、性器だけではなく、口腔粘膜・爪・鼠径部の皮膚にうつることがあります。一度完治しても、体調不良や免疫力の低下などが原因で再発することがしばしば見られます。女性の腟カンジダは、風邪や寝不足、妊娠など免疫力が落ちているときに発症しやすいです。カンジダは直接不妊の原因になるとはされていませんが、おりものの増加など、不快な症状が現れることもあります。

≪真菌症とは≫
・真菌によっておこる病気の総称です。真菌は真核性の生物で光合成色素をもたず、多くは糸状で分枝する栄養体で構成され、糸状菌(カビ)ともよばれることがある。病原性の真菌は子嚢菌類のうちの不完全菌類に多い。

≪深在性真菌症とは≫
・真菌症のうち、真菌が肺、肝臓、腎臓、脳など、体の深部に入り込んで感染を起こすような状態を深在性真菌症といいます。おもに骨髄移植・臓器移植を受けた後や、ステロイドや免疫抑制薬を投与されているような、免疫力が低下している患者さんに起こることがある感染症です。

使用方法

①真菌血症、真菌性髄膜炎、真菌性呼吸器感染症、黒色真菌症にはフルシトシンとして1日100~200mg/kgを4回に分割経口投与すること。
②尿路真菌症、消化管真菌症にはフルシトシンとして1日50〜100mg/kgを4回に分割経口投与すること。※なお、患者の症状に応じて適宜増減する。

副作用

主な副作用
フルシトシンを服用した場合、どのような副作用が起こるか知っておきましょう。

食欲不振、嘔気、発疹、下痢、白血球減少、貧血、顆粒球減少、血小板減少、BUN上昇、AST上昇、ALT上昇

重大な副作用
極めて稀な副作用ですが、重度の副作用にご注意下さい。
重篤な副作用の発生率は低いですが、用法や用量を間違えると命に危険を及ぼすような、重篤な副作用が発生する恐れもあります。
異変を感じた場合は、直ぐに医師の診察を受け指示に従いましょう。

汎血球減少、無顆粒球症、腎不全

その他の副作用
Al-P上昇、胃部不快感、嘔吐、腹痛、頭痛、しびれ感、視力低下、幻覚、難聴、傾眠、不随意運動、痙攣、過敏症、光線過敏症、血清カリウム低下、血清カルシウム低下、血清リン低下、クレアチニン上昇、腎障害

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■フルシトシンを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方アンコチルは、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。

▼アンコチルの有効成分
フルシトシン
▼代表薬の添加物
クロスカルメロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸マグネシウム

■他に使用できない方
・妊婦/産婦
・過敏症
・テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤投与中
・テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤投与中止後7日以内

使用に注意が必要な方
・高齢者
・肝障害
・血液障
・腎障害
・薬物過敏症
・腎障害
・ジヒドロピリミジンデヒドロゲナーゼ<DPD>欠損

上記にあてはまる方は、フルシトシンを使用する事が出来ない可能性があります。
フルシトシンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用禁忌薬
テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤/骨髄抑制を起こす可能性のある薬剤/抗悪性腫瘍剤/アムホテリシンB/トリフルリジン・チピラシル塩酸塩配合剤

上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
フルシトシンとアムホテリシンbの相乗効果はありますか?

アムホテリシンBの細胞膜障害作用によってフルシトシンの取り込み効率が上昇することにより生じると考えられてます。なお、抗真菌作用は時間依存的であります。

フルコナゾールとフルシトシンの違いは何ですか?

抗真菌薬のうちフルコナゾールとフルシトシンは糸状菌には効果が無く、酵母様真菌に効果が有るとされている。 カンジダではフルコナゾールとフルシトシンの耐性化が進んでいる。

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