レテルモビル

成分名

レテルモビル

適応症状

同種造血幹細胞移植のサイトメガロウイルス感染症の発症抑制

簡易説明

サイトメガロウイルスは、ヘルペスウイルスの一種です。免疫が弱っている状態で感染すると肺炎、網膜炎などを引き起こす場合があります。ウイルスが増殖するには遺伝情報をもつDNAの複製が必要となります。複製されたDNAは酵素の一つ「DNAターミナーゼ」によって切断される必要があります。レテルモビルは「DNAターミナーゼ複合体」を妨害する抗ウイルス作用があります。

処方可能な診療科目

内科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約1,000円~5,000円
薬代1錠240mgあたりの目安:g約14645.5円
薬代1瓶点滴静注240mgあたりの目安:約18228円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売開始年月 : 2018年5月

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

【製薬メーカー:MSD】
プレバイミス錠240mg
プレバイミス点滴静注240mg

関連製品(ジェネリック)

【製薬メーカー:Merck Sharp & Dohme LLC】
PREVYMIS tablet, film coated 240mg/480mg (NDA)
PREVYMIS injection, solution 20mg/mL (NDA)

効果・作用

ウイルス粒子の形成に必要なDNAターミナーゼ複合体を阻害し、ウイルスの増殖を抑え込みます。サイトメガロウイルス感染によるリスクが高いとされる「造血幹細胞移植」実施後のCMV感染症の抑制に対して使用されます。

▼作用機序
ウイルスの複製に必要な「サイトメガロウイルス」のDNAターミナーゼ複合体を阻害します。生化学的な検討や、電子顕微鏡所見から、一単位長のゲノムの生成に影響し、ウイルス粒子の形成を阻害することが明らかとなっております。

▼薬理作用
サイトメガロウイルス感染症は、ヘルペスウイルスの一種です。感染することにより、サイトメガロウイルス肺炎やサイトメガロウイルス網膜炎、胃腸炎、脳炎などが引き起こされます。健康な状態ではリスクが少ないCMVによる感染ですが、免疫抑制薬や、がん化学療法の実施などによって免疫力が低下している時は、CMVの再活性化や、CMV感染症へのリスクが高くなります。また、全身状態の悪化や致死的な症状を引き起こすこともあります。
CMVが宿主細胞に侵入したり、吸着したりすると、遺伝情報をもつウイルスDNAが核内へ注入され潜伏化します。また、なにかしらの原因により、ウイルスが再活性化し、ウイルスDNAの複製が開始されます。その後、複製されたDNAは「DNAターミナーゼ」により切断され、カプシドに入ります。その後エンベロープや、テグメントといった構造を得て、完全なCMVとなり細胞外へ放出され感染が広がります。

▼サイトメガロウイルス感染症とは
CMVの初感染、再感染、再活性化によって起こる病態です。通常では、幼小児期に不顕性感染の形で感染し、生涯その宿主に潜伏感染、免疫抑制状態下で再活性化し、病態を発症します。主に胎児や未熟児、移植後、AIDS患者、先天性免疫不全患者などですが、免疫学的に正常でも肝炎や伝染性単核症などを発症する場合があるので、注意が必要です。

▼先天性サイトメガロウイルス感染症とは
子宮内の赤ちゃんにウイルスが感染し症状が出てきてしまう感染症です。初感染では、お母さんの血液にはウイルスを認識し、攻撃する抗体という免疫のタンパク質がないために、赤ちゃんに症状が出やすく、かつ重症になる可能性が高くなります。体の中でウイルスが再活性化しても、子宮内の赤ちゃんに必ず感染が起こるわけではありません。子宮内の赤ちゃんへの感染は、初感染ではおよそ40%の確率で起こるとされています。再活性化での赤ちゃんへの感染は、もっと低いと考えられています。赤ちゃんに感染してしまったとしても、すべての赤ちゃんに症状がでるわけではなく、症状が出る確率は20〜30%程度です。全く無症状で元気に生まれて、胎内で感染したことがわからずに大人になっていく感染児も多いことがわかっています。しかしそのような児のなかで、聴力障害などの症状が遅れて発症し、徐々に悪化することもあります。

▼症状
・胎児の感染
低出生体重、皮下出血、小頭症、難聴、肝炎、てんかん、視力障害などの症状があります。
・新生児や乳児の感染
症状が現れないか軽症であるものの、早産児や低出生体重児では免疫が不十分なため、肝機能異常、間質性肺炎、単核症(発熱やリンパ節の腫れなど)がみられることがあります。
・健康な人の感染
乳幼児期の感染は症状が現れない不顕性感染であることが大多数です。思春期以降に初感染した場合は、発熱、肝機能異常、首のリンパ節の腫れ、肝脾腫などの症状が現れることがあります。
・免疫不全患者の感染
移植患者やエイズ患者など、免疫力が不十分な人が感染した場合は重症となりやすく、全身のさまざまな臓器に感染することで間質性肺炎、網膜炎、脳炎などの重篤な症状を引き起こすことがあります。

▼サイトメガロウイルスの母子感染確率
胎内で感染する頻度は、全出生の0.4-1%で、85-90%は出生時に無症状で10-15%は出生時に様々な程度の臨床症状を呈しています。

▼予防
先天性サイトメガロウイルス感染症は、サイトメガロウイルスの抗体を持たない女性が妊娠中に初感染することで胎児の発症につながることがあります。性交時にコンドームを使用する、乳幼児の尿や唾液に触れる場合は、手袋を使用したり手洗いの徹底などをすすめてます。

▼後遺症
免疫を持たない妊婦がサイトメガロウイルスに初感染した場合は重篤になりやすく、出血、貧血、脳や肝臓などの症状を引き起こすほか、難聴や知的障害などの後遺症が残ることがあります。

▼治療期間
治療期間は 3~6週間。もしくは症状消失までとされてます。 網膜炎とは異なり、維持治療 (二次予防) は不要です。

▼他の抗サイトメガロウイルス化学療法剤
プレバイミス

使用方法

成人には480mgを1日1回経口投与してください。
※シクロスポリンと併用投与する場合にはレテルモビルとして240mgを1日1回経口投与してください。
【用法用量に関連する注意】
錠剤と注射剤は医師の判断で切り替えて使用することができます。
同種造血幹細胞移植の移植当日から、移植後28日目までを目安として投与を開始してください。
(※投与期間は、使用者のサイトメガロウイルス感染症の発症リスクを考慮しながら、移植後100日目までを目安としてください)
サイトメガロウイルス血症、またはサイトメガロウイルス感染症が確認された場合は、投与を中止し、病状に対する治療等、適切な対応を行ってください。

副作用

レテルモビルには、副作用が起こる可能性があります。
レテルモビルを服用した場合、どのような副作用が起こるか知っておきましょう。

悪心、下痢、嘔吐、過敏症

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■レテルモビルを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方プレバイミスは、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼プレバイミスの有効成分
レテルモビル
▼代表薬の添加物
結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウム、ポビドン、軽質無水ケイ酸、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、酸化チタン、乳糖水和物、トリアセチン、黄色三二酸化鉄、カルナウバロウ

妊婦/授乳者
過敏症
ピモジド投与中
ジヒドロエルゴタミン投与中
エルゴメトリン投与中
メチルエルゴメトリン投与中
エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン・イソプロピルアンチピリン投与中

使用に注意が必要な方
重度<Child−Pugh分類C>の肝機能障害
新生児/乳児/幼児/小児

上記にあてはまる方は、レテルモビルを使用する事が出来ない可能性があります。
レテルモビルを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
ピモジド
酒石酸エルゴタミン・無水カフェイン・イソプロピルアンチピリン
ジヒドロエルゴタミン
メチルエルゴメトリン
エルゴメトリン
CYP3A酵素で代謝を受ける薬剤
フェンタニール
キニジン
ミダゾラム
アトルバスタチン
シンバスタチン
ロスバスタチン
フルバスタチン
プラバスタチン
ピタバスタチン
ボリコナゾール
CYP2C9酵素により代謝される薬剤
CYP2C19の基質
フェニトイン
ワルファリン
リファンピシン類
シクロスポリン
タクロリムス水和物
シロリムス

上記を使用している方は、レテルモビルを使用する事が出来ない可能性があります。
レテルモビルを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
なし

併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
サイトメガロウイルス以外のウイルスにも効果ありますか?

サイトメガロウイルス以外のウイルスに対しての効果は認められておりません。

プレバイミス

【上記引用元:MSD】

CMV抗体陰性レシピエントへの使用はどうなりますか。

使用の制限はありません。

プレバイミス

【上記引用元:MSD】

サイト利用に関する注意事項

医薬品を使用する場合、必ず医師や薬剤師の指示に従って下さい。
医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。