成分名 |
スルバクタムナトリウム |
適応症状 |
肺炎/肺膿瘍/膀胱炎/腹膜炎
<適応菌種>
本剤に感性のブドウ球菌属/肺炎球菌/モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス/大腸菌/プロテウス属/インフルエンザ菌 |
簡易説明 |
「スルバクタムナトリウム」はペニシリン系に属する抗菌薬で、肺炎、肺膿瘍、膀胱炎、腹膜炎などの治療に用いられます。
本剤は、スルバクタムがβ-ラクタマーゼのIc、II、III及びIV型を強く、Ia及びV型を軽度に不可逆的に不活化するため、アンピシリンがこれらの酵素により加水分解されることを防ぎ、アンピシリン耐性菌にも抗菌力を示します。アンピシリンは、細菌のペプチドグリカン架橋形成を強く阻害して細胞壁合成を妨げ、殺菌的に作用します。 |
処方可能な診療科目 |
内科/呼吸器科/泌尿器科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約2,000円~10,000円
ユナシン-S静注用0.75g 407円/瓶 (薬価)
ユナシン-S静注用1.5g 522円/瓶(薬価)
ユナシン-S静注用3g 522円/瓶(薬価)
*病院によって差が有ります。初診料・診察料・検査料などが必要になります。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
1994年11月認可 |
国内のジェネリック認可 |
国内のジェネリック認可あり |
関連製品(先発薬) |
ユナシン-S静注用0.75g/1.5g/3g【製薬メーカー:ファイザー】
ユナシン-Sキット静注用0.75g/1.5g/3g【製薬メーカー:ファイザー】 |
関連製品(ジェネリック) |
ピシリバクタ静注用0.75g/1.5g/3g【製薬メーカー:日医工】
スルバシリン静注用0.75g/1.5g/3g【製薬メーカー:Meiji Seikaファルマ】
ユーシオン-S静注用0.75g/1.5g/3g 【製薬メーカー:沢井製薬】
ユナスピン静注用0.75g/1.5g/3g 【製薬メーカー:ケミックス】 |
海外での使用実績 | 「ユナシン-S」は、米国・ドイツ・フランスをはじめとする59の国と地域で承認されています。(2012年5月現在) |
効果・作用 |
「ユナシン-S」は、アンピシリンナトリウム(ABPC)とスルバクタムナトリウム(SBT)を 2:1 の比率で配合したペニシリン系抗生物質製剤で、細菌の細胞壁合成を阻害する作用を持ち、細菌の成長・分裂・増殖を妨げる効果を持ちます。
細菌は細胞壁とよばれる防御壁をもちますが、細菌の細胞壁の合成に深く関わるタンパク質にペニシリン結合タンパク質(PBP)というものがあります。
「スルバクタムナトリウム」はペニシリン結合タンパク質(PBP)に作用して、細菌の細胞壁合成を阻害して細菌を殺すことにより殺菌的に作用します。
本剤に感性のブドウ球菌属、肺炎球菌、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、大腸菌、プロテウス属、インフルエンザ菌に対して強いに抗菌活性を持ち、白色~帯黄白色の結晶性の粉末で、水に溶けやすくて、メタノールにやや溶けにくく、エタノールに極めて溶けにくく、アセトニトリルにほとんど溶けない特徴があります。
「スルバクタムナトリウム」の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐために、β-ラクタマーゼ産生菌、かつアンピシリン耐性菌を確認して疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめることが推奨されています。
スルバクタムナトリウム(SBT)は各種細菌が産生するβ-ラクタマーゼを不可逆的に不活性化するβ-ラクタマーゼ阻害剤であり、これにペニシリン系抗生物質であるABPCを組み合わせることによって、より広範囲の抗菌スペクトルを示すことが可能となりました。
日本国では、肺炎・肺化膿症、膀胱炎、腹膜炎を適応症として1994年7月に承認を取得し、同年11月に販売を開始。その後、医療現場における注射用製剤の調製作業の煩雑さや、それに伴う医療過誤や異物混入の危険性も軽減することを目的として、2006年10月に新剤形としてキット製剤の承認を取得しております。 |
使用方法 |
▼用法用量
<肺炎、肺膿瘍、腹膜炎の場合>
・成人にはスルバクタムナトリウム・アンピシリンナトリウムとして、1日6g(力価)を2回に分けて静脈内注射又は点滴静注します。なお、重症感染症の場合は必要に応じて適宜増量することができますが、1回3g(力価)1日4回(1日量として12g(力価))を上限とします。
<膀胱炎の場合>
・成人にはスルバクタムナトリウム・アンピシリンナトリウムとして、1日3g(力価)を2回に分けて静脈内注射又は点滴静注します。
<効能共通>
通常小児にはスルバクタムナトリウム・アンピシリンナトリウムとして、1日60~150mg(力価)/kgを3~4回に分けて静脈内注射又は点滴静注します。静脈内注射に際しては、日局注射用水、日局生理食塩液又は日局ブドウ糖注射液に溶解し、緩徐に投与します。なお、点滴による静脈内投与に際しては、補液に溶解して用います。
▼重要な基本的注意
・本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、β-ラクタマーゼ産生菌、かつアンピシリン耐性菌を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめてください。 |
副作用 |
重大な副作用
▼ショック、アナフィラキシー(頻度不明)
ショック、アナフィラキシーがあらわれることがあります。観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行ってください。
▼中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)(頻度不明)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明)、急性汎発性発疹性膿疱症(頻度不明)
中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、急性汎発性発疹性膿疱症があらわれることがあります。観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行ってください。
▼血液障害
無顆粒球症(頻度不明)、貧血(溶血性貧血を含む)(0.38%)、血小板減少(0.19%)等の重篤な血液障害があらわれることがあります。観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行ってください。
▼急性腎障害(0.1%未満)、間質性腎炎(頻度不明)
急性腎障害、間質性腎炎等の重篤な腎障害があらわれることがあります。観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行ってください。
▼出血性大腸炎(頻度不明)、偽膜性大腸炎(頻度不明)
出血性大腸炎、偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎があらわれることがあります。腹痛、頻回の下痢があらわれた場合には直ちに投与を中止するなど適切な処置を行ってください。
▼肝機能障害(0.10%)
肝機能障害があらわれることがあります。観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行ってください。
▼間質性肺炎(0.1%未満)、好酸球性肺炎(頻度不明)
発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多等を伴う間質性肺炎、好酸球性肺炎があらわれることがあります。このような症状があらわれた場合には投与を中止して、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行ってください。
その他の副作用
・発疹、そう痒感
・蕁麻疹
・多形紅斑
・好酸球増多
・白血球減少
・AST上昇、ALT上昇
・Al-P上昇、LAP上昇、ビリルビン値上昇、γ-GTP上昇
・黄疸
・下痢.軟便、悪心.嘔吐
・腹部不快感
・黒毛舌
・痙攣等の神経症状
・口内炎、カンジダ症
・発熱
・ビタミンK欠乏症状(低プロトロンビン血症、出血傾向等)
・ビタミンB群欠乏症状(舌炎、口内炎、食欲不振、神経炎等)
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ■本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者には投与しないでください。
■伝染性単核症の患者
伝染性単核症の患者はアンピシリンの投与により発疹が高頻度に発現したとの報告があります。投与しないでください。
使用に注意が必要な方 ■ペニシリン系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者(ただし、本剤に対し過敏症の既往歴のある患者には投与しないこと)
ペニシリン系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者(ただし、本剤に対し過敏症の既往歴のある患者には投与しないこと)は治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないでください。
■セフェム系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者
セフェム系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者には観察を十分に行い、慎重に投与してください。
■本人又は両親、兄弟に気管支喘息、発疹、蕁麻疹等のアレルギー反応を起こしやすい体質を有する患者
本人又は両親、兄弟に気管支喘息、発疹、蕁麻疹等のアレルギー反応を起こしやすい体質を有する患者には観察を十分に行い、慎重に投与してください。
■経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者、全身状態の悪い患者
経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者、全身状態の悪い患者には観察を十分に行い、慎重に投与してください。また、ビタミンK欠乏症による出血傾向があらわれることがあります。
■ナトリウム摂取制限患者
ナトリウム摂取制限患者はユナシン-S静注用1.5gにナトリウムが115mg(5mEq)含まれていることに留意して、慎重に投与してください。
■高度の腎障害のある患者
高度の腎障害のある患者は本剤の投与量及び投与間隔を調節する等、慎重に投与してください。
■妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与してください。アンピシリンの大量(3,000mg/kg/日)投与でラットに催奇形性が報告されています。また、アンピシリン及びスルバクタムは胎盤を通過することが報告されています。
■授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮して、授乳の継続又は中止を検討してください。母乳中へ移行することが報告されています。
■小児等
低出生体重児及び新生児を対象とした臨床試験は実施していません。また、1歳以下の乳児では慎重に投与してください。下痢・軟便の発現頻度が高いです。
■高齢者
高齢者は一般的に生理機能が低下していることが多く副作用が発現しやすいことや、ビタミンK欠乏による出血傾向があらわれることがあるので、用量並びに投与間隔に留意するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与してください。
上記にあてはまる方は、スルバクタムナトリウムを使用する事が出来ない可能性があります。
スルバクタムナトリウムを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
上記にあてはまる方は、スルバクタムナトリウムを使用する事が出来ない可能性があります。 スルバクタムナトリウムを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 アロプリノール
抗凝血薬
経口避妊薬
メトトレキサート
プロベネシド
上記を使用している方は、スルバクタムナトリウムを使用する事が出来ない可能性があります。 スルバクタムナトリウムを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 併用禁忌薬なし
併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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