成分名 |
バルガンシクロビル塩酸塩 |
適応症状 |
悪性腫瘍のサイトメガロウイルス感染症/後天性免疫不全症候群のサイトメガロウイルス感染症/臓器移植のサイトメガロウイルス感染症/造血幹細胞移植のサイトメガロウイルス感染症/臓器移植<造血幹細胞移植を除く>のサイトメガロウイルス感染症の発症抑制など |
簡易説明 |
バルガンシクロビル塩酸塩は、サイトメガロウイルス治療薬で、ウイルスの増殖に必要なDNA複製を阻害するはたらきがあり、サイトメガロウイルス感染症を治療する薬です。
サイトメガロウイルスの感染で起こる肺炎や肝炎、腸炎、食道炎、目の網膜炎などの治療に用いします。
なお、完治は難ししい場合でも進行をおさえ病状を落ち着かせるはたらきがあります。 |
処方可能な診療科目 |
内科/消化器科/循環器科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約1000円~5000円程度
薬代1錠あたりの目安:450mg約2403円
薬代1mLあたりの目安:5000mg約499円
※病院によって差が有ります。初診料・診察料・検査料などが必要です。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
【バリキサ錠450mg】
販売開始年月 : 2004年11月
【バリキサドライシロップ5000mg】
販売開始年月 : 2018年12月 |
国内のジェネリック認可 |
なし |
関連製品(先発薬) |
【製薬メーカー:田辺三菱製薬】
バリキサ錠450mg
バリキサドライシロップ5000mg |
関連製品(ジェネリック) |
バルガン450mg【Cipla】/バルサイト【Roche】 |
海外での使用実績 | バルガンシクロビル塩酸塩のは、米国 イギリス、ドイツ、フランス、カナダ、オーストラリアで承認されています。
成人におけるCMV感染症の発症抑制については、欧米各国で適応が取得されており、比較試験が行われています。
内容はハイリスク(D+/R-)の心臓、肝臓、腎臓、腎-膵臓及び腎-肝臓移植患者を対象とした実薬を対照とした無作為化二重盲検比較試験(PV16000試験)及びハイリスク(D+/R-)の腎移植患者を対象とした無作為化二重盲検比較試験(IMPACT試験)の2試験が行われています。 |
効果・作用 |
バルガンシクロビル塩酸塩は、ウイルスの増殖に必要なDNA複製を阻害するはたらきがあり、サイトメガロウイルス感染症を治療する薬です。
サイトメガロウイルス感染症はヘルペスウイルスの一種であるサイトメガロウイルス(CMV)の感染により肺炎(サイトメガロウイルス肺炎)、網膜炎(サイトメガロウイルス網膜炎)、胃腸炎、脳炎などが引き起こされます。
ウイルスの増殖には細胞分裂が必要であり、そのためには遺伝情報が刻まれているDNAを複製する必要があります。
そして、DNAの複製にはDNAポリメラーゼという酵素が必要となります。
本剤は、サイトメガロウイルスのDNAの複製に必要な酵素の働きを阻害することで、でウイルスの増殖を抑えて抗ウイルス作用をあらわします。
サイトメガロウイルスの感染で起こる炎症で、完治は難しい場合でも、進行をおさえて病状を落ち着かせるはたらきがあります。
臓器移植においては、本剤が発症抑制のため予防的に用いられることがあります。
血液に病気がある場合は、慎重に用いる必要があり、白血球減少症など病状によっては使用できません。
また、妊娠中の使用は禁止となっており、腎臓の働きの悪い人は用量を減量して用います。 |
使用方法 |
▼用法用量
[サイトメガロウイルス感染症]
・初期治療では、成人にはバルガンシクロビルとして1回900mgを1日2回、食後に経口投与します。
・維持治療では成人にはバルガンシクロビルとして1回900mgを1日1回、食後に経口投与します。
[臓器移植(造血幹細胞移植を除く)におけるサイトメガロウイルス感染症の発症抑制]
・成人にはバルガンシクロビルとして1回900mgを1日1回、食後に経口投与します。
・小児にはバルガンシクロビルとして次式により算出した投与量を1日1回、食後に経口投与します。ただし、1日用量として900mgを超えないでください。推定糸球体ろ過量が150より高値の場合は150を用いてください。(投与量(mg)=7×体表面積(m2)×推定糸球体ろ過量(mL/min/1.73m2)) |
副作用 |
次の副作用があらわれることがあるので観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行ってください。
重大な副作用
▼白血球減少(6.6%)、骨髄抑制、汎血球減少、再生不良性貧血、好中球減少、貧血、血小板減少(いずれも5%未満))
白血球減少、骨髄抑制、汎血球減少、再生不良性貧血、好中球減少、貧血、血小板減少があらわれることがあります。投与中に重篤な白血球減少、好中球減少、貧血、血小板減少を伴う場合には、造血促進因子を投与するか又は本剤の投与を中止して、適切な処置を行ってください。
▼血小板減少に伴う重篤な出血(消化管出血を含む)(5%未満)
血小板減少に伴う重篤な出血(消化管出血を含む)があらわれることがあります。観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、直ちに投与を中止して、適切な処置を行ってください。
▼腎不全(頻度不明)
腎不全があらわれることがあります。観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、直ちに投与を中止して、適切な処置を行ってください。
▼膵炎(5%未満)
膵炎があらわれることがあります。観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、直ちに投与を中止して、適切な処置を行ってください。
▼深在性血栓性静脈炎(頻度不明)
深在性血栓性静脈炎があらわれることがあります。観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、直ちに投与を中止して、適切な処置を行ってください。
▼痙攣、精神病性障害、幻覚、錯乱、激越(いずれも5%未満)、昏睡(頻度不明)
痙攣、精神病性障害、幻覚、錯乱、激越、昏睡があらわれることがあります。観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、直ちに投与を中止して、適切な処置を行ってください。
▼敗血症等の骨髄障害及び免疫系障害に関連する感染症(5%未満)
敗血症等の骨髄障害及び免疫系障害に関連する感染症があらわれることがあります。観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、直ちに投与を中止して、適切な処置を行ってください。
その他の副作用
ALP上昇/LDH上昇/肝機能障害/黄疸/CK上昇/副鼻腔炎/糖尿病/静脈炎/精神病/低色素性貧血/好酸球増多/白血球増加症/リンパ節症/lymphadenopathy/脾腫/悪寒/疲労/無力症/倦怠感/脱水/悪液質/下肢浮腫/疼痛/粘膜障害/胸痛/腹水/腹部腫脹/不整脈/高血圧/低血圧/片頭痛/頭痛/頻脈/血管拡張/湿性咳嗽/鼻咽頭炎/上気道感染/呼吸困難/肺炎/気管支炎/ニューモシスティスカリニ肺炎/胸水/副鼻腔うっ血/過敏症/光線過敏性反応/蕁麻疹/腹痛/口腔カンジダ症/アフタ性口内炎/潰瘍性口内炎/嚥下障害/舌障害/食道炎/食欲不振/食欲減退/おくび/消化不良/口渇/胃炎/胃腸障害/腹部膨満/鼓腸放屁/便秘/便失禁/不眠症/眩暈/神経障害/異夢/傾眠/鎮静/思考異常/異常感覚/健忘症/緊張亢進/歩行異常/不安/多幸症/情緒不安/運動失調/運動過多/振戦/せん妄/性欲減退/ミオクロヌス/躁病反応/うつ病/神経質/皮膚炎/寝汗/脱毛/皮膚乾燥/斑状丘疹/ざ瘡/発汗/剥脱性皮膚炎/頻尿/尿路感染/血尿/肝炎/胆管炎/関節痛/両下肢痙直/筋肉痛/筋無力症/背痛/骨痛/弱視/網膜剥離/網膜炎/失明/眼痛/結膜炎/緑内障/霧視/眼出血/視覚障害/硝子体混濁/味覚倒錯/耳痛/耳鳴/難聴/体重減少/インポテンス/高血糖/低血糖/乳房痛/低カルシウム血症/低カリウム血症/低蛋白血症/低ナトリウム血症/血中マグネシウム減少/蜂巣炎など
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ■好中球数500/mm3未満又は血小板数25,000/mm3未満等、著しい骨髄抑制が認められる患者
好中球数500/mm3未満又は血小板数25,000/mm3未満等、著しい骨髄抑制が認められる患者は、本剤の投与により重篤な好中球減少及び血小板減少が認められていることから使用できません。投与しないでください。
■バルガンシクロビル、ガンシクロビル又は本剤の成分、バルガンシクロビル、ガンシクロビルと化学構造が類似する化合物(アシクロビル、バラシクロビル等)に対する過敏症の既往歴のある患者
バルガンシクロビル、ガンシクロビル又は本剤の成分、バルガンシクロビル、ガンシクロビルと化学構造が類似する化合物(アシクロビル、バラシクロビル等)に対する過敏症の既往歴のある患者は使用できません。投与しないでください。
■妊婦又は妊娠している可能性のある女性
妊婦又は妊娠している可能性のある女性は使用できません。投与しないでください。
使用に注意が必要な方 ■薬剤等による白血球減少の既往歴のある患者
薬剤等による白血球減少の既往歴のある患者は、本剤の投与により重篤な好中球減少が認められています。観察を十分に行ったうえで、慎重に投与してください。異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処理を行ってください。
■血小板減少(25,000/mm3以上100,000/mm3未満)のある患者
血小板減少(25,000/mm3以上100,000/mm3未満)のある患者は、本剤の投与により重篤な血小板減少が認められています。観察を十分に行ったうえで、慎重に投与してください。異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処理を行ってください。
■精神病、思考異常の既往歴のある患者、薬剤による精神病反応又は神経毒性を呈したことのある患者
精神病、思考異常の既往歴のある患者、薬剤による精神病反応又は神経毒性を呈したことのある患者は、精神神経系障害を悪化させるおそれがあります。観察を十分に行ったうえで、慎重に投与してください。異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処理を行ってください。
■腎機能障害患者
腎機能障害患者は、ガンシクロビルの血中半減期の延長とクリアランスの低下の報告があります。観察を十分に行ったうえで、慎重に投与してください。異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処理を行ってください。
■肝機能障害患者
肝機能障害患者は、肝機能障害を悪化させるおそれがあります。観察を十分に行ったうえで、慎重に投与してください。異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処理を行ってください。
■生殖能を有する者
妊娠する可能性のある女性が使用する場合、投与期間中は有効な避妊を行うよう指導してください。パートナーが妊娠する可能性のある男性が使用する場合は、投与期間中及び投与期間後90日間は有効な避妊を行うよう指導してください。
■授乳婦
投与期間中は授乳しないことが望ましいです。
■小児等
効能共通として、長期投与による発がん性及び生殖毒性の可能性があることを慎重に考慮し、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与してください。低出生体重児を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していません。
■高齢者
高齢者は一般に腎機能が低下していることが多いため、用量を調節して慎重に投与してください。
上記にあてはまる方は、バルガンシクロビル塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 バルガンシクロビル塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 ・ジドブジン
・ジダノシン
・骨髄抑制作用のある薬剤及び腎機能障害作用のある薬剤
ジアフェニルスルホン
ビンクリスチン硫酸塩
ビンブラスチン硫酸塩
ドキソルビシン塩酸塩
ヒドロキシカルバミド
フルシトシン
アムホテリシンB
ペンタミジンイセチオン酸塩
核酸誘導体等
・スルファメトキサゾール・トリメトプリム
・シクロスポリン
・プロベネシド
・ミコフェノール酸 モフェチル
・免疫抑制剤
プレドニゾロン
タクロリムス
上記を使用している方は、バルガンシクロビル塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 バルガンシクロビル塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 なし
併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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サイト利用に関する注意事項 | 医薬品を使用する場合、必ず医師や薬剤師の指示に従って下さい。 医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。 |